身体にいい日誌

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糖尿病の治療④  薬物療法

2008-12-26 20:09:27 | 健康(代謝異常)
「薬物療法について」

糖尿病の中でも、2型糖尿病の方の場合の治療は、食事療法と運動療法により、
血糖値をコントロールしていくのが基本です。

ただ、食事療法と運動療法での血糖値のコントロールがうまくいかない方もいらっしゃいます。

そのような方には、血糖値を下げる経口薬の「経口血糖降下薬」という飲み薬を
使って治療をします。これを「経口薬療法」といいます。

経口薬は、使用目的や作用などによって、種類があります。ですから、
糖尿病の方の症状によっては、2~3種類ぐらいを併用する場合もあります。

経口血糖降下薬を飲むと、体内に吸収されて、膵臓や肝臓、腸管へ作用して、
血糖値をうまくコントロールしてくれます。


糖尿病の薬である、経口血糖降下薬の正しい服用によって、血糖のコントロールの
状態がよくなります。

ただ、経口血糖降下薬は糖尿病を一時的に改善する薬であり、糖尿病を治す薬では
ありません。
ですから薬を飲んで、良くなったからといって勝手に薬をやめてはいけません。

薬物治療が医師の判断により開始されたら、医師の判断がなければ飲むことを
やめてはいけません。そしてだいたいの場合、飲み薬を飲み始めたら、
長い期間か、一生飲み続けることになります。

そして、食事療法も忘れては行けません。薬を飲んでいれば、それでよいという
のではなく、薬を飲みながら、食事療法をしっかりとつづけることが重要です。


糖尿病の薬物治療によく使われる飲み薬である「経口血糖降下薬」は 5種類あります。

糖尿病の飲み薬療法によく使われる薬
・スルホニル尿素薬(US薬)
・α-グルコシダーゼ阻害薬
・速効型インスリン分泌促進薬
・インスリン抵抗性改善薬
・ビグアナイド薬

上の 5種類は、糖尿病の患者さんの状態により最善のものが選ばれます。
それぞれ作用が違い、副作用もありますので、どの薬がどんな効果があり、
どんな副作用があるのかをしっかりと知っておくことは必要なことだと思います。

それぞれの薬の作用や副作用について見ていきましょう。

スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)とは、40年以上糖尿病の飲み薬として
最もよく使われている薬です。安全で、血糖値を下げる効果があります。

スルホニル尿素薬の作用
スルホニル尿素薬の主な作用は、膵臓のβ細胞(B細胞)を刺激し、インスリンの
分泌を増やします。さらに、インスリンの働きを良くし、肝臓から放出される
ブドウ糖の量を抑えます。

スルホニル尿素薬はインスリンの分泌を増やすのが主な作用なため、膵臓に
インスリンを分泌する力がまったく無いと効果が期待できません。

服用は食前が基本ですが、食後でもかまわないと考えられています。

スルホニル尿素薬の副作用
スルホニル尿素薬の欠点は、服用量が多すぎると低血糖になることがあります。
肝臓・腎臓の弱い方、お年寄りの方は特に注意してください。

そして、空腹感がとても強くなることです。ですので、余計に食べてしまわない
ように注意してください。

また、長い間使っていると効果が現れにくくなります。(この現象をスルホニ
ル尿素薬の二次無効といいます。)そのため、薬の服用量が増えるなどのマイナス
面があります。

α-グルコシダーゼ阻害薬とは、1993年に発売された薬で、「食後過血糖改善薬」、
または「糖質吸収阻害薬」ともいいます。

α-グルコシダーゼ阻害薬の作用
小腸での糖質の分解と吸収を遅らせる作用により、食後の急激な血糖の上昇を
抑える働きがあります。

スルホニル尿素薬にくらべると低血糖を起こしにくいという特徴があります。
この薬だけの服用であれば、低血糖を起こさないので、
薬物治療を始めるときに選択されることが多い薬です。食事前の血糖値はそれほど
高くないが、食後にあがりやすいなど、比較的に症状が軽い方に適しています。

α-グルコシダーゼ阻害薬は単独で服用する場合と、スルホニル尿素薬やインスリン
療法と併用されることもあります。

服用は、食事の直前に飲みます。薬の飲むタイミングを守らないと効果がありません。
そればかりか、副作用が出やすくなってしまいます。

α-グルコシダーゼ阻害薬の副作用
お腹が張ったり、ガスが出やすくなったりします。この薬だけでは低血糖を起こす
ことはありませんが、他の薬と併用した場合は低血糖になることもあります。
その場合は砂糖ではなく、ブドウ糖を飲んで対処します。

速効性インスリン分泌促進薬とは、フェニルアラニン誘導体ともいいます。
比較的軽症の方に適しています。

速効型インスリン分泌促進薬の作用
スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)と同じインスリン(インシュリン)の分泌を
促進する薬です。低血糖を起こしにくく、スルホニル尿素薬よりも作用時間が短いのが
特徴です。

服用は 1日 3回、食事をとる直前になります。食後に服用すると本来の効果が望めません。

速効型インスリン分泌促進薬の副作用
この薬は、効き目が速くあらわれるので、食事をせずに服用してから 30分以上
たってしまうと低血糖を起こしてしまう危険があります。


インスリン抵抗性改善薬とは、1995年から使われるようになった薬で、
インスリン感受性改善薬ともいいます。

インスリン抵抗性改善薬の作用
インスリンの効きをよくして血液中のブドウ糖の利用を高めて、血糖値を下げます。
さらに、血液中の中性脂肪を低下させる効果もあります。スルホニル尿素薬
(スルフォニル尿素薬)とくらべると血糖降下作用はやや劣りますが、低血糖を
起こしにくいとされています。

インスリン抵抗性改善薬の副作用
むくみ、貧血、まれに重症の肝障害を引き起こすことがあります。


ビグアナイド薬の作用
ビグアナイド薬とは、小腸からのブドウ糖などの栄養素の吸収を妨げ、肝臓から
血液中にブドウ糖がでていくのを抑えて、血糖値の上昇を抑えます。食欲を抑える
作用もあるので、肥満体型で、いつも食べ過ぎてしまう方に適しています。

服用は食後が原則です。スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)と比べると血糖を
下げる作用は弱いです。服用により、低血糖を起こすことはあまりありません。

ビグアナイド薬の副作用
肝臓や腎臓、心臓の悪い方や、高齢者の方は、この薬を服用することで、血液中の
乳酸が増えてしまい、吐き気やけいれんを起こして、昏睡状態になってしまう
「乳酸アシドーシス」になってします可能性があります。

この薬を飲んで、吐き気などの体調に変化が起きたら、服用はすぐに中止しましょう。

食前に飲むと胃腸障害が出ることもあります。

飲み薬を使う、飲み薬療法ができるのは、 2型糖尿病の方が中心となります。
1型糖尿病の方には飲み薬療法での治療はできません。


それでは、どのような症状の方が、どの薬を使われるのかを見ていきましょう。

スルホニル尿素薬を使用する方
スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)を使用する方の条件は下記の条件が全て
当てはまる方に、食事療法と運動療法とともに服用されます。

・2型糖尿病である。
・食事療法と運動療法を十分に実行しても、血糖値のコントロールがうまくいかない
・膵臓がインスリンを分泌する能力がある。
・肥満していない。
・低血糖についてしっかり理解している。
・妊娠していない。

α-グルコシダーゼ阻害薬を使用する方
食事を食べる前は血糖値は高くないが、食後に血糖値が高くなってしまう症状的には
軽い糖尿病の方で、食事療法と運動療法だけではしっかりコントロールできない方に
使われます。(α-グルコシダーゼ阻害薬とは)

インスリン抵抗性改善薬を使用する方
血液中のインスリン値が高いのに、高血糖状態がつづく方に効果があります。

速効性インスリン分泌促進薬を使用する方
食前の(空腹の時の)血糖値はそれほど高くはないが、食後は高くなってしまう方に
使われます。

ビグアナイド薬を使用する方
この薬は食欲を低下させる作用があるので、肥満の方で、食べ過ぎてしまう傾向に
ある方に使われる場合が多いです。薬の量を増やすと、その分効き目もよくなります。

糖尿病の薬は、医師の診断によって使うかどうか、そしてどの種類の薬を使うかが
判断されます。糖尿病の方の症状はそれぞれ色々で、年齢、性別、生活環境などに
よっても判断されます。

ですので、薬での治療も医師の指示に必ず従ってくださいね。

糖尿病の飲み薬である「経口血糖効果薬」を使う時にはいくつか注意しなければ
ならない点があります。

まず、一番気をつけることは、低血糖です。飲み薬の服用を正しく行わないと、
血糖値が低くなりすぎてしまい、低血糖の状態になってしまいます。

具体的に低血糖を防止する方法は、空腹の状態が長く続かないようにすることです。
毎日 3食決められた量を規則正しく、食べるようにしましょう。

もし食事が取れないときや、やむをえず食事を抜くようなときは、薬を飲むのを
見合わせましょう。食事の量がいつもよりも少ないときは、薬の量を減らすほうが
良いこともあります。医師と事前に、少ない食事の時の薬の量についても
相談しておきましょう。

低血糖の症状は、ひどい空腹感や脱力感、動悸、冷や汗などがあらわれます。

飲み薬による低血糖は、インスリン療法での低血糖に比べれば、症状も軽い場合が多く、
起こる確率も少ないです。

だからといって、低血糖になってしまうと、脳や内臓に障害をもたらす可能性が
あります。昏睡に陥れば、命の危険もあります。

ただ、いたずらに怖がることはありません。医師の指示にしたがい薬を服用して
いれば問題はありません。一番よくないのは、自分で勝手に判断して薬の量を
増やしたり、薬を飲み忘れたからといって服用時間を守らなかったりすることです。

わからないことは医師に相談することを心がけてくださいね。

糖尿病の飲み薬を処方されたら、決められた量を、決められたタイミングで飲むことだけでなく、
毎日欠かさず飲むこと忘れてはいけません。

調子がよくなったからといって自分で判断して薬をやめてはいけません。
やめるともとの状態にもどってしまいます。

血糖コントロールが良くなることで、体調に変化がでることもあります。
新聞の文字が読みづらくなったり、足が痛んだりする症状は、高血糖に慣れている体が、
正常な血糖値になったことで起こる症状です。このような場合は薬を飲むことを
やめてはいけませんが、体に異変を感じたら、すぐに医師に相談して、指示に
従ってください。

薬の量にも注意してください。医師の指示どうりに服用していると思っても、
勘違いをしてしまうこともあります。定期的に処方箋などを見て、
薬の服用量などはチェックしたほうがいいですね。

飲み薬療法をしている方で、勘違いして欲しくないのは、飲み薬を飲んでいれば、
それだけでOK、と思ってしまうことです。飲み薬療法の効果を上げるには、
食事療法をしっかりと続けることが重要となります。

医師からの指示や食事指示票よりも食事を少なくしてしまうと、薬の効果が強く
なってしまい、低血糖になってしまうこともあります。逆に、食事を多く
とりすぎてしまうと、薬の効果が十分に発揮されなくなってしまいます。

そして、肥満の方は特に注意して、食事療法も続けていってください。
薬にたよりすぎて食事療法をなまけてしまうと、肥満が解消されず、
血糖コントロールが悪化します。そのため、合併症を引き起こしてしまうことも
あります。

食事療法もキチンとおこなうことで、飲み薬が必要なくなる場合もあります。
ですので、食事療法、そして運動療法も合わせてしっかり続けていきましょう。

糖尿病の飲み薬、「経口血糖降下薬」を飲んでいる方は、かぜ薬や胃腸薬などの
市販薬といっしょに飲むときにも注意が必要です。

市販薬には、糖尿病の薬といっしょに飲むことで、血糖値を下げる力を強くして
しまう、または弱くしてしまうものもあるからです。

糖尿病の薬とともに、服用したい市販薬がある場合は、医師にその薬をみせて
一緒に飲んでもいいかどうか確認してください。
自分が普段よく使うかぜ薬や胃腸薬などをすべて見せて、糖尿病の薬と一緒に
飲んでもいいか相談することを忘れないでくださいね。



今夜はとても寒いっすしんしんと冷えてますよ~。

やっぱり寒いのも嫌だ!!