身体にいい日誌

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糖尿病の基礎知識 ①  やっと再開できました

2008-12-13 10:39:35 | 健康(代謝異常)
長らくのお休み失礼しました

今日より『糖尿病の基礎知識』スタートです


1.自覚症状はあるのか?

糖尿病は自覚症状がない病気です。悪化してくれば別ですが、初期の段階で高血糖が
続いている、糖尿病であることが自分で気付くことは難しいです。

ほとんどの場合、定期的な健康診断などを受けている人が初期の糖尿病に気付くこと
が多いようです。初期の状態で気付くことが出来れば、食事を気をつけたり、運動を
日々の生活の中に取り入れたりなど、血糖値をコントロールすることで、糖尿病に
よる合併症を防ぐことができるんです。

ですから、定期的な血液検査などはとても大切なことですので、心がけて欲しい
ところですが、もし、このような症状がでたら要注意!という糖尿病の症状を見て
いきましょう。以下のような症状がでたら、かなり血糖値が高くなっています。
(重症化糖尿病)

・のどが渇く
とてものどが乾き、水分を大量にとってしまいます。糖尿病の典型的な症状です。
夜、寝ている途中に起きてしまうぐらい、のどが渇きます。
なぜそれほどのどが渇くのかは、尿の量が増え、そのせいで脱水症状をおしてしまう
からです。

・尿の量が増える
尿の量が増えるのは、多量のブドウ糖を吸収しきれなくなった腎臓が、尿と一緒に
ブドウ糖を体から排出しようとするからです。その尿はあまい臭いがします。
自分でも自覚できます。(コーヒー臭とは違います)

・体重が減る
いつもどうりの量を食べているのに、どんどん痩せてきます。
糖尿病の方はブドウ糖をエネルギーにすることができずに排出していまうため、
さらにエネルギーを欲して、すぐにお腹が減ってしまいます。
ブドウ糖というエネルギーを排出してしまい、体に蓄えることができず、
さらに体の脂肪やタンパク質をエネルギーとして使ってしまうので痩せてしまう
のです。

・体がだるい、疲れやすい
インスリンが少ないために、ブドウ糖をエネルギーに変えることができないので、
体が疲れやすくなってしまいます。

上のような症状があるのにほっておくと、昏睡状態におちいり、最悪の場合、死にいたることもあるので十分に注意しましょう。

2.合併症状とは?

高血糖によるさまざまな自覚症状について見てきましたが、ここでは糖尿病による
合併症の自覚症状について見ていきましょう。

・視力が落ちる、目がかすむ
急に視力が落ちた、目がかすむ、二重に見える、などは糖尿病性網膜症である
可能性があります。そのまま治療をしないと目が見えなくなってしまう
危険があります。精密眼底検査、眼圧測定等で診断できます。

・手足のしびれ、痛み
これらの症状は、知覚神経の障害によっておこります。ただし、しびれや痛みの出る
箇所は糖尿病独特の特徴があります。例えば、腱哨炎等の腕や手根部の疾患との鑑別が
必要です。特徴は別の機会に掲載します。


・化膿しやすい、傷がなかなか治らない
糖尿病が悪化すると体の抵抗力が弱くなるためです。皮膚炎が現れやすく、かくと
後が残り、化膿して通常のガーゼでは治癒しにくくなります。皮膚欠損用を使用する
場合が出てきます。


・足のむくみ
足のむくみは糖尿病性腎症の進行が原因です。ただし、心臓疾患や単なる腎疾患との
鑑別が必要です。

・陰部のかゆみ
カビが繁殖しやすくなり、激しいかゆみが出ます。とくに女性に多いようです。
カビですから、湿疹とは違います。

3.重症化糖尿病の昏睡とは?
インスリンの作用不足により起こる昏睡には注意が必要です。これは急激に症状が
あらわれる急性の合併症で、糖尿病性昏睡といいます。
対処が遅れると、最悪の事態になってしまいます。

インスリンの作用不足がひどくなると、糖質を十分に利用できなくなります。
エネルギーである糖質を利用できなくなると、そのかわりとして体内の脂肪や
タンパク質をエネルギーとして利用するようになります。

このときの副産物としてケトン体という酸性の物質ができるのですが、ケトン体が
血液の中に増えてしまうと血液が酸性の状態になります。
この状態を「ケトアシドーシス」といいます。

ケトアシドーシスの状態になると体のいろいろな部分の働きが悪くなり、そのうちに
脳の働きまでもが悪くなってしまいます。そして、昏睡という事態になってしまします。
これを ケトン性糖尿病性昏睡(ケトン性昏睡)といいます。

命を落としかねない、ケトン性昏睡が起きるきっかけと症状はどんなものなのでしょうか。

4.昏睡の恐怖とは?

ケトン性糖尿病性昏睡(ケトン性昏睡)はが発症するメカニズムについては、上記で
話してきましたが、ここではケトン性糖尿病性昏睡の起こるきっかけと症状を
見ていきましょう。

・ケトン性糖尿病性昏睡が起こるきっかけは?
ケトン性昏睡が起こるきっかけは、 1型糖尿病を発病していることに気付かずに
治療・対処もないまま生活したり、インスリン注射を自分の判断でやめてしまう、
またはインスリン注射の量が適切でなかったり、2型糖尿病の方が高血糖状態で
重い感染症(虫垂炎・肺炎・腎盂炎)で高熱を出したときや、ストレスや疲労、
暴飲暴食による血糖値の上昇など、いろいろなケースがあります。

・ケトン性糖尿病性昏睡の症状は?
たくさんの尿が出て、のどが異常に渇きます。体はだるくなり、それらの症状が
どんどん強くなり、食欲がなくなってきます。気持ち悪くなり吐き気をも
よおしたり、嘔吐をしてしまいます。(脱水)

人によっては激しい腹痛をともないます。そして、しだいに意識がもうろうと
してきて、大きな呼吸をするようになり、最後には昏睡状態となってしまいます。

このような症状があらわれたとき、またはケトン性昏睡の可能性が少しでも考えられる
場合には、すぐに医者に診てもらってください。
昏睡状態がつづくと最悪の事態になってしまいます。一刻をあらそいますので、
救急車を呼ぶなどして、素早く対処してください。



非ケトン性高浸透圧性昏睡は、ケトアシドーシスにならずにおこる糖尿病性昏睡です。
2型糖尿病の高齢者の方に多く、高血糖と脱水症状により起こります。
高齢者の方は、尿の量が増えたり、喉が渇いたりなどの体調の変化に気付きにくい
ので脱水症状になりやすいため、お年寄りに多い糖尿病性昏睡です。

そして、非ケトン性高浸透圧性昏睡は死亡率が高いので、素早い対処が必要です。
すぐに医師に診てもらいましょう。

今回は、糖尿病の主症状と進行した場合の昏睡について、書いてみました。
まだまだ続きます。   明日へ