身体にいい日誌

健康雑学、医学雑学、医療雑学、サプリメント雑学、日本中から興味津津~身体にいい話集めとこ的ブログ

見逃し多い糖尿病予備軍&りー●広告裏話

2009-02-11 10:47:35 | 健康(代謝異常)
こちらは朝からいい天気です  → 午後になって曇るのかはわかりませんが、
放射冷却現象が起こる日の朝は冬晴れという気象システムには変わりありません。
昼の気温も13℃あたりまで上昇するそうです。

ここ2月に入って、インフルエンザ猛威の話はどこ吹く風???
連日、花粉が飛んだなどと、マスコミは騒いでいますが、皆さん「これがマスコミなのです」

話題性のない話は、その後どうなったなどには目もくれず、観てくれそうな、読んでくれそうな
方に即方向転換してしまいます。まぁ仕方ないですがね。

でも皆さん! あの新型インフルエンザはどうなったのでしょうね?
私のブログは「健康雑学」がテーマですので、続報があればお伝えしていきますね。


今日のテーマは、ここしばらく雑学的な一夜限りの単発シリーズです。
   
すでに基礎編を掲載している「糖尿病」から。


『見逃し多い糖尿病予備軍!!』


糖尿病やその予備軍の人々が急増している中、現在の検診方法では約半数近くが見逃されている。
この問題を解決する新しい方法を近畿健康管理センター所長が提案し、健診に使えば有効な
ことを人間ドック学会誌に発表したのです。

糖尿病を診断するには、ブドウ糖液を飲んで、30分値、60分値、120分値(血糖値)
を測る方法が基本です。1泊2日のドックでは実施されていますが、手間と時間がかかるため、
日帰りドックや健診での導入は困難とされています。
なぜならば、必ず胃のレントゲンもしくはカメラがあるため、胃の中に食物を入れられないため、
胃の検査終了後に2時間が必要になり、2日コースでないと時間的に厳しいのです。

その代用として血液検査HBA1C(ヘモグロビンA1C)、血糖値、尿糖が行われていますが
、HBA1Cは約1カ月間の血糖値の指標がわかるもので、糖尿病患者には有用ですが、
予備軍では完全にピックアップされません。また、単発検査である血糖値、尿糖は
毎日結果が悪ければ、それは糖尿病患者であり、境界型及び予備軍では、まだ正常値の方が
圧倒的に多いのです。

つまり不十分なのです。

実際、2006年に全国で一日人間ドックを受けた約270万人のうち、72万人が高血糖
と推計されたのに、発見できたのは約30万人。

心筋梗塞の予防には食後の高血糖が重視されています。
ではその指標として何が有用か!
それは国際的に評価が高まっている15(いちご)AG検査が注目なのです。
この検査と空腹時血糖検査で発見率は各年代平均で86%に上り、現在の検査より高感度であったとの
結果が出ており、若い人ほど発見率が高かったようです。

この検査はすでに以前から保険診療の適応検査であり、現在でも実施できるのですが、
HBA1Cが血糖値の平均値が見えるということで一気に普及したため、おざなりになっている検査です。

ただ検診によいということであれば、この15AG検査もドック等に採用すべきでしょうね。

*15AGとは
  体内で代謝されない糖の一種。血液検査で簡単にわかる。穀物をよく摂取する人に
  多い傾向にあり、男性が女性よりやや高い傾向にあるので、性別による基準値が必要
となる。
  この糖は尿から糖が排泄される時に一緒に出る。短時間に上がる食後高血糖を示す。
  検査は普及しているが、あまり使われていない検査法である。


※ リーブ広告(新聞折り込み)を見て  一言・・・

えー。体験が4800円     私の時より1200円も安い!!
でも、私が思うのは、本コースの価格を1割でも下げた方が、顧客思いだとは思うのですがね。
とりあえず初めてを確保したいのでしょうが。
   
あと、before―afterを掲載していますが、あの方たちは何か月?何年コースなのでしょうか??
つまりあれだけをいくらかけて実現したのかを知りたいですね。
もちろん、金額なんて書かなくてもコースで実際に実践している方ならわかります。

それから返済しますって部分ですが、あれは全額返済コースってのがあって
、多分2年で600万(通常300万)???最低でも1年300万?(通常170万)
そうです。全額返済は髪が生えると倍以上のリスクを負います。
生えなかったらただ。生えたら600万。(この判定はリーブ側が行います)

部分返済は、これが通常コースで生えなかったら、施術代だけ返します、というもの。
つまり、使ったシャンプーやトニック代は払っていただきます、です。
それも1年以上が対象ですから、170万以上が対象で、半年100万以下は
生えなくても保障されません。

リーブが書いているのは、「3.4%の方は発毛実感していただけません。」
これは返金制度のあるコースを利用している方だけの割合で、3か月、6か月コースは
対象外なのです。つまり私が生えなくてもこの数字には入りません。
このような方がどのくらいいるのかは定かではありません。(理屈的には半年
では生えないということですがね。)

と一見リーブの悪い部分ばかりを指摘しているようですが、
これは制度の部分だけです。一般に普及するためには・・(しないですが)
独占企業的価格の引き下げしかないですね。


先日、散発屋の亭主と雑談・・・

   最近の育毛業界の新製品発売はすごいものがあって、輸入品を使用した客は、使用して
   半年、髪の毛がフサフサ生えてきて驚きの効果!!!有頂天・・

   ところが、ほっとして、中止した途端に、生えた毛のすべてが、毎日抜けまくり・・

   やっぱり訳のわからない薬は怖い!と。喧々諤々・・

   自分の毛を増やすにはリーブしかないのか・・と亭主。
     私の実践経過報告に毎月興味津津なのでした。

いい休日をお過ごしください

糖尿病の治療⑥ インスリン療法 2-2 最終回

2008-12-28 19:40:45 | 健康(代謝異常)
低血糖が怖い 副作用

インスリン療法をしている時の注意として、低血糖の状態になることには注意しなければなりません。

激しい運動をしたり、空腹の状態が続いたりすると低血糖になることがあります。

低血糖を防ぐには、空腹状態が長く続かないように間食をしたり、激しい運動をした
ときには何かを軽く食べるようにしましょう。

また、体調不良により食欲がないときも注意が必要です。特に 1型糖尿病の場合は、
食事が食べられなくても、急激に血糖値が上がってしまう場合がありますので、
少しのインスリンは注射しなければいけません。急激な血糖値の上昇は、
糖尿病性昏睡の危険があります。

インスリン療法も含め、薬物療法をすると、どうしても太りやすくなります。
肥満すると、血糖コントロールがむずかしくなり、合併症の危険も高まります。
ですから、太りすぎには注意しましょう。体重コントロールにも心掛けてください。


飲み薬療法やインスリン療法など、薬物療法を行うと低血糖を起こしてしまうことがあります。

低血糖とは、血糖値が低くなりすぎてしまうことです。低血糖のままにしておくと、
昏睡状態になることもありとても危険です。

では、なぜ低血糖になってしまうのでしょうか?低血糖になってしまう原因としては、下記の場合です。
◆飲み薬やインスリン製剤の量が多すぎた

◆飲み薬やインスリン製剤の摂取する時間を間違えた
◆空腹のときに激しい運動をしてしまった
◆鎮痛剤や解熱剤をつかった
◆食事の量が少ない、食事の時間がずれてしまった
◆お酒を飲んだ
◆下痢をしている

また、腎臓・肝臓の機能が低下している方や、お年寄りの方は、低血糖になりやすいです。
もし低血糖になってしまったら、早めの対処が重要です。低血糖になったときの
症状を知っておけば、すぐに対処することができます。

◆低血糖の初期症状
 不快感、あくび、急激な空腹感、
 考えがまとまらない、など

上の初期症状がさらに進むと下の症状が出てきます。

◆低血糖が初期症状からさらに進んだ症状
 眠気、体がだるい、吐き気、イライラ、
 目のちらつき、頭痛など

さらに放置してしまうと、急に体調が悪くなります。

◆低血糖がかなり進んだ症状
 冷や汗、手の震え、動機、など

上の 3つの症状は低血糖になった時によくみられる 3大症状です。

ですから低血糖が進む前の状態、お腹がすいたり、考えがまとまらない、いらいらする、
ふらつく、めまい、などが起きたときは低血糖になっている可能性があります。
血糖値がゆっくりさがる場合は、目がかすんだり、頭が痛くなったり、さらに症状が
無い場合もありますので要注意です。

そして最終的には、意識がなくなり、けいれんや深い昏睡(低血糖昏睡)になってしまいます。

とにかく、低血糖の初期症状を見逃さずに対処することが必要です。初期症状は人
それぞれ個人差がありますので、自分の場合はどのような症状があらわれるのかを知って
おけば、対処が遅れることはなくなるでしょう。周りの人にも知ってもらって、
気を配ってもらえるといいですね。

低血糖になってしまったら、すぐに処置・対処が必要です。対処する方法を知っておけば、
低血糖になってしまってもあわてることはありませんので、憶えておきましょう。

低血糖になったら、すぐに糖分をとる必要があります。できれば砂糖(10~20g)を補食と
して食べます。角砂糖なら 3~5個ぐらいがいいでしょう。砂糖を水で溶かして飲んでも
いいです。

チョコレートやアメは吸収されるのに砂糖より少し時間がかかってしまいますから、
砂糖のほうがいいですが、他に無い場合は食べましょう。

よくある甘味料は糖分ではありませんので、食べても血糖はあがりません。
低血糖になってしまったら甘味料をとってもダメです。

糖分が入ったジュースでもいいです。ただ、カロリーゼロなどの甘味料を使用している
ジュースではダメですので注意してください。

もし、本人に意識があっても、ふるえなどで食べられないときは、家族や周りの人が協力してあげてください。

糖分を摂取したら、安静にしてください。症状が治まったら食事をとって、再発を防ぎます。

糖分をとっても症状が治まらなかったら、すぐに医者に診てもらいましょう。

もし、低血糖になって意識がない状態になってしまったら、家族の方や周りにいる人の
助けが必要です。ですから、インスリン療法をしてる方の家族の方は、
低血糖になってしまったときの処置の方法を知っておきましょう。

学校、もしくは職場の人にも低血糖についてのことや処置について知ってもらった方がいいですね。

低血糖になって意識がない場合は下の対処をします。

まず、低血糖により意識がなくなってしまった方に、むりやり口に糖分のあるものを
入れてはいけません。すぐに病院に連絡して医師の指示どうりに行動してください。

もし、血糖値を上げるホルモン剤である「グルカゴン製剤」を処方されていて、
さらにその使用法を知っている方がいる場合は、筋肉注射をして 5~10分ぐらい様子をみます。

意識が回復しなければ、すぐに病院へ行ってください。

インスリン療法を行っている方で、頻繁に低血糖状態になってしまうのは問題です。
インスリン療法をしていれば、たまに低血糖になってしまうこともあるかもしれませんが、
それはしかたないと思うのではなく、低血糖にならないように、常に自分の症状
などに理解と注意をしていくことが必要だと思います。

低血糖にならないように、対策を考えてみましょう。

◆1日に食べる食事をもっと分けて食べるようにする。たとえば 1日 4~6回など。

◆食事の時間がどうしても遅れるような場合はなるべく早く次ぎの食事の一部を食べるようにする。

◆空腹の時は激しい運動をしないようにする。運動は食後 1~2時間ぐらいがいいです。


 できれば、主治医といっしょに低血糖にならない対策を考えられるのがいいですね。



インスリン療法を行っている方で、頻繁に低血糖状態になってしまうのは問題です。
インスリン療法をしていれば、たまに低血糖になってしまうこともあるかもしれませんが、
それはしかたないと思うのではなく、低血糖にならないように、常に自分の症状などに
理解と注意をしていくことが必要だと思います。

低血糖にならないように、対策を考えてみましょう。

◆1日に食べる食事をもっと分けて食べるようにする。たとえば 1日 4~6回など。

◆食事の時間がどうしても遅れるような場合はなるべく早く次ぎの食事の一部を
食べるようにする。

◆空腹の時は激しい運動をしないようにする。運動は食後 1~2時間ぐらいがいいです。



今日で一連の「糖尿病」の説明を終了しました。
この基本を確認の上、後日からの雑学ネタを展開したいと思います。お疲れ様でした

糖尿病の治療⑤ インスリン療法 2-1 いよいよ終盤

2008-12-27 19:23:20 | 健康(代謝異常)

「インスリン療法とは?」
糖尿病とは、インスリンが不足してしまい、そのために血糖値が上がってしまう
病気です。つまり、インスリンを補うことで血糖値を下げることができます。

ですから、インスリンを体に直接取り入れる治療があります。それがインスリン療法
です。インスリンは口から飲んで取り入れることができないので、注射によって
体内に取り入れます。

つまり、インスリン療法とは、インスリンを注射によって直接体内に取り入れる
薬物治療です。

インスリンの注射は病院で行うのではなく、糖尿病の方が自分でおこないます。
「自分で注射?!」と驚かれる方もいらっしゃるでしょう。でも注射といってもよく
ある注射器のようなものとは違う形で、注射の痛みも少なく、
注射をするときも特別に難しいことはありません。

最初は自分の体に注射をすることが「怖い」と思うかもしれませんが、
今では性能のいい専用の注射器がありますので、だれでも簡単にできます。

そして、注射をしなければならないほど、自分は重症なんだ、とは思わないでください。
インスリン療法は確実な治療法ですし、インスリン注射をすすめる医師もいます。
インスリン療法は最後の手段という間違ったイメージは持たないでくださいね。


インスリン療法が必要かどうかは、糖尿病の方の症状によって判断されますが、
ここでは、インスリン療法が必要な方の条件について見ていきましょう。

インスリン療法が必要な方
・1型糖尿病である方

・2型糖尿病で、糖尿病性昏睡を起こしたとき

・2型糖尿病で、糖尿病の飲み薬を飲むと、アレルギーなどの副作用がでてしまう方

・2型糖尿病で重い感染症(肺炎、胆嚢炎など)を起こしている方

・大きな怪我をしたり、手術をする場合に一時的に必要
・血糖コントロールが悪く、妊娠している方


インスリン療法が必要な場合もある方
・2型糖尿病の方で、食事療法、運動療法、飲み薬療法を全てしっかりおこなっても、血糖コントロールがうまくいかない方
・2型糖尿病の方で、肝臓や腎臓に障害のある方

・2型糖尿病の方で、血糖コントロールを悪くしてしまう薬をのむ必要のある方

インスリン製剤(インシュリン製剤)とは、インスリン注射で使う薬剤のことです。

インスリン製剤は、牛や豚の膵臓から抽出されていたのですが、今では遺伝子工学の
進歩により開発された、ヒトインスリン製剤が使われています。

インスリン製剤は、「効果があらわれる時間」と「作用の持続時間」の違いにより、6種類あります。

・速効型インスリン製剤
 速効型インスリン製剤は、使用後から作用があらわれるのが速く、30分ぐらいで
 効果が出てきます。作用の持続時間は短めで約 5~8時間です。

・中間型インスリン製剤
 注射後、約 1時間30分ぐらいで効果が出始めます。作用の持続時間は約 18~24時間です。

・混合型インスリン製剤
 速効型と中間型のインスリン製剤の混合タイプです。注射した後、約30分ぐらいで
 効果が出ます。作用の持続時間は、18~24時間です。

・持続型インスリン製剤
 効き方は遅いが長持ちするインスリン製剤です。注射した後、約 4時間でゆっくり
 効果があらわれます。作用の持続時間は 24~28時間です。

・超速効型インスリン製剤
 作用があらわれるのが非常に速いインスリン製剤です。注射した後、数分後には
 効果が出ます。食事直前に使います。作用の持続時間は短く、3~5時間ぐらいです。

・時効型インスリン製剤
 1日 1回の注射で 24時間、安定した効果が続きます。作用は持続型よりも速くあらわれます。

これらの種類のどのインスリン製剤を使うか、どれだけの量をつかうかなどは、
糖尿病の方の症状、年齢、合併症があるかどうかなどで、医師が判断します。

インスリン製剤の副作用として、注射した所が赤くはれたり、皮膚がかたくなったり、
痛みやかゆみが出たりなどの症状が出ることがあります。

これをインスリンアレルギーといいます。これらの副作用が長く出続けるときは、
注射するインスリン製剤の種類を変えたりなどの対処をする場合があります。

そして、インスリンを注射し始めたときは、体にむくみがでることがあります。
むくみが 1週間以上つづくようならば、治療が必要なので医師に相談しましょう。


健康な方のインスリンの分泌は、1日中、絶えることなく少量のインスリンが分泌されています。
これを基礎分泌といいます。

さらに、ご飯を食べると、その分量にあった量だけのインスリンが急速に分泌されます。
これを追加分泌といいます。

健康な方のインスリンの分泌には、上の様な 2つのパターンから成り立っています。
ですが、糖尿病の方は健康な方のようにはインスリンの分泌がうまくいきません。

ですから、インスリンの分泌パターンを健康な方のパターンに近づけるようにするために行われる治療があります。

それが、強化インスリン療法です。

強化インスリン療法とは、インスリンの分泌パターンを健康な人と同じように
するために、1日に 3~4回インスリン注射をする方法です。多くの糖尿病の
医師が注目している治療法の 1つです。

例えば、 4回インスリン注射をするのであれば、朝、昼、晩の食前に速効型インスリン製剤を
1回ずつ注射し、寝る前に中間型インスリン製剤を 1回注射します。

速効型、中間型、持続型のインスリン製剤を組み合わせて、糖尿病の方の症状などに
合わせて使うタイミングや量を判断します。

これまでのインスリン療法よりも正確に血糖コントロールができ、高血糖に対しても
より効果的である、より強力である、ということから、強化インスリン療法と呼ばれます。

強化インスリン療法が必要かどうかは、医師の判断によるものですが、絶対に血糖値を
上げたくない若い方や妊娠している方が行う場合があります。
インスリンの注射器は、「ペン型」と「シリンジ型」の 2種類があります。

「シリンジ型」は、よくある注射器と同じ形です。インスリン製剤を容器から
注射器へ吸引して、体に注射します。

「ペン型」は、持ち運びに便利で、どこでも使いやすく、扱うのも簡単、注入量も
正確にできるなど、今では主流となっているインスリン注射器です。注射針の長さは
5~8mm程度で細いため、痛みも少ないです。

ペン型は、インスリン注射を毎日しなければならない方には負担が軽いのでいいですね。
「注射」と聞くと怖くなってしまう方もいらっしゃると思いますが、ペン型の注射器
は扱い方が普通の注射器とは違って簡単なので、すぐに慣れることができます。

インスリン製剤の注射器が「シリンジ型」と「ペン型」の 2種類があり、今では
ペン型が主流であることは、前のページで解説しました。

このページではさらにくわしく、ペン型インスリン注射器について見ていきたいと思います。

ペン型の注射器には、2種類あります。それは、カートリッジタイプと使い捨てタイプです。


カートリッジタイプの注射器
インスリン製剤の入ったカートリッジを、専用のペン型の注射器に装てんするタイプです。
カートリッジは万年筆のインクを付け替えるような感じで替えられます。
専用の針をつけて、インスリン製剤の注射する量を設定して、ボタンを押せば注射
できます。セットしたインスリン製剤のカートリッジを使い切ったら、
また新しいカートリッジを付け替えます。

使い捨てタイプ
軽いプラスチック製の注射器で、最初からインスリン製剤が内臓されています。「インスリンキット製剤」ともいわれます。
使い方はカートリッジタイプとほとんど同じです。内臓されたインスリン製剤を使い切ったら本体ごと捨てます。


使い捨てタイプ

1日にインスリン製剤を使う回数や量は、糖尿病の方の症状、状態によって違います。

基本として、インスリン療法は、朝食前と、夕食前に、中間型か混合型のインスリン製剤を注射します。

インスリン製剤を注射する回数は、 1日に 1~4回以上です。日本では 1日 1回が基本とされています。

もちろん、糖尿病の方の症状などに合わせてインスリン製剤の量や注射回数を医師が
判断します。年齢や合併症があるかどうかなどを考慮して判断されますが、
特に、糖尿病の方が、 1型糖尿病か 2型糖尿病かが判断材料として重要とされます。


インスリン注射を 1日にどれだけの回数と量が必要なのかは前に解説しました。

ここでは 1型糖尿病 と 2型糖尿病の方の場合に、どれだけインスリン注射を使うのかを見ていきましょう。


1型糖尿病の方の場合

1型糖尿病の方は、膵臓からのインスリンの分泌量がとても少ないので、
中間型インスリン製剤を 1日 1回注射するだけではうまく血糖コントロールができません。
ですから 1型糖尿病の方の場合は、強化インスリン療法を中心に治療を行います。

2型糖尿病の方の場合
2型糖尿病の方は、それぞれの症状によって、膵臓からインスリンがどれだけ
分泌されているのかが違うので、インスリンの分泌能力が低い方はそれだけ注射の
回数が多くなります。
2型糖尿病の方で、インスリンの分泌量がある程度ある方は、1日 1回のインスリン
注射で大丈夫なこともあります。
通常、食事をすると 15分ぐらいで血糖値が上がり始めます。
そして、インスリン製剤の効果は注射してから 30分ぐらいで効果が出てきます。

そのため、インスリン注射は、基本的に食事の 30分前に打つのが効果的です。

インスリン注射は、体の一番 外の皮膚と、中の筋肉の間の部分に行います。これを「皮下注射」といいます。

インスリン注射をする体の場所は、上腕、腹壁(おなか)、臀部(でんぶ、お尻のことです)、ふともも、です。

その中でも、一番よい場所が、腹壁(おなか)です。腹壁は最も吸収が速く、痛みも少ないからです。
ただ、へその周りは避けましょう。

注射部位は毎日変えないようにしたほうがいいです。だいたい前に注射した場所から
3cmぐらいはなした場所に注射するのがよいでしょう。
注射部位は、もんだりしないようにしましょう。

注射した後は、激しい運動は控えた方がいいです。


さて、明日はいよいよ最終日です。
インスリンの副作用「低血糖」について説明します。

長くなってしまいましたが、糖尿病はそれだけ、国民の大多数に関係する大きな
疾患なのです。成人の5人に1人以上が発病の可能性があるのです。

とりあえず今は関係ない方も、どのような疾患なのかを理解しておいて損はないでしょう。

今後雑学を織り交ぜた情報を公開していきますが、このシリーズで述べたことを
原点として、展開したいと思います。




寒いですね。今日はでしたが、先日までの暖かさが体感温度を
より厳しくしているようです。風邪が流行りつつありますが、皆さんも気をつけましょうね。

糖尿病の治療④  薬物療法

2008-12-26 20:09:27 | 健康(代謝異常)
「薬物療法について」

糖尿病の中でも、2型糖尿病の方の場合の治療は、食事療法と運動療法により、
血糖値をコントロールしていくのが基本です。

ただ、食事療法と運動療法での血糖値のコントロールがうまくいかない方もいらっしゃいます。

そのような方には、血糖値を下げる経口薬の「経口血糖降下薬」という飲み薬を
使って治療をします。これを「経口薬療法」といいます。

経口薬は、使用目的や作用などによって、種類があります。ですから、
糖尿病の方の症状によっては、2~3種類ぐらいを併用する場合もあります。

経口血糖降下薬を飲むと、体内に吸収されて、膵臓や肝臓、腸管へ作用して、
血糖値をうまくコントロールしてくれます。


糖尿病の薬である、経口血糖降下薬の正しい服用によって、血糖のコントロールの
状態がよくなります。

ただ、経口血糖降下薬は糖尿病を一時的に改善する薬であり、糖尿病を治す薬では
ありません。
ですから薬を飲んで、良くなったからといって勝手に薬をやめてはいけません。

薬物治療が医師の判断により開始されたら、医師の判断がなければ飲むことを
やめてはいけません。そしてだいたいの場合、飲み薬を飲み始めたら、
長い期間か、一生飲み続けることになります。

そして、食事療法も忘れては行けません。薬を飲んでいれば、それでよいという
のではなく、薬を飲みながら、食事療法をしっかりとつづけることが重要です。


糖尿病の薬物治療によく使われる飲み薬である「経口血糖降下薬」は 5種類あります。

糖尿病の飲み薬療法によく使われる薬
・スルホニル尿素薬(US薬)
・α-グルコシダーゼ阻害薬
・速効型インスリン分泌促進薬
・インスリン抵抗性改善薬
・ビグアナイド薬

上の 5種類は、糖尿病の患者さんの状態により最善のものが選ばれます。
それぞれ作用が違い、副作用もありますので、どの薬がどんな効果があり、
どんな副作用があるのかをしっかりと知っておくことは必要なことだと思います。

それぞれの薬の作用や副作用について見ていきましょう。

スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)とは、40年以上糖尿病の飲み薬として
最もよく使われている薬です。安全で、血糖値を下げる効果があります。

スルホニル尿素薬の作用
スルホニル尿素薬の主な作用は、膵臓のβ細胞(B細胞)を刺激し、インスリンの
分泌を増やします。さらに、インスリンの働きを良くし、肝臓から放出される
ブドウ糖の量を抑えます。

スルホニル尿素薬はインスリンの分泌を増やすのが主な作用なため、膵臓に
インスリンを分泌する力がまったく無いと効果が期待できません。

服用は食前が基本ですが、食後でもかまわないと考えられています。

スルホニル尿素薬の副作用
スルホニル尿素薬の欠点は、服用量が多すぎると低血糖になることがあります。
肝臓・腎臓の弱い方、お年寄りの方は特に注意してください。

そして、空腹感がとても強くなることです。ですので、余計に食べてしまわない
ように注意してください。

また、長い間使っていると効果が現れにくくなります。(この現象をスルホニ
ル尿素薬の二次無効といいます。)そのため、薬の服用量が増えるなどのマイナス
面があります。

α-グルコシダーゼ阻害薬とは、1993年に発売された薬で、「食後過血糖改善薬」、
または「糖質吸収阻害薬」ともいいます。

α-グルコシダーゼ阻害薬の作用
小腸での糖質の分解と吸収を遅らせる作用により、食後の急激な血糖の上昇を
抑える働きがあります。

スルホニル尿素薬にくらべると低血糖を起こしにくいという特徴があります。
この薬だけの服用であれば、低血糖を起こさないので、
薬物治療を始めるときに選択されることが多い薬です。食事前の血糖値はそれほど
高くないが、食後にあがりやすいなど、比較的に症状が軽い方に適しています。

α-グルコシダーゼ阻害薬は単独で服用する場合と、スルホニル尿素薬やインスリン
療法と併用されることもあります。

服用は、食事の直前に飲みます。薬の飲むタイミングを守らないと効果がありません。
そればかりか、副作用が出やすくなってしまいます。

α-グルコシダーゼ阻害薬の副作用
お腹が張ったり、ガスが出やすくなったりします。この薬だけでは低血糖を起こす
ことはありませんが、他の薬と併用した場合は低血糖になることもあります。
その場合は砂糖ではなく、ブドウ糖を飲んで対処します。

速効性インスリン分泌促進薬とは、フェニルアラニン誘導体ともいいます。
比較的軽症の方に適しています。

速効型インスリン分泌促進薬の作用
スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)と同じインスリン(インシュリン)の分泌を
促進する薬です。低血糖を起こしにくく、スルホニル尿素薬よりも作用時間が短いのが
特徴です。

服用は 1日 3回、食事をとる直前になります。食後に服用すると本来の効果が望めません。

速効型インスリン分泌促進薬の副作用
この薬は、効き目が速くあらわれるので、食事をせずに服用してから 30分以上
たってしまうと低血糖を起こしてしまう危険があります。


インスリン抵抗性改善薬とは、1995年から使われるようになった薬で、
インスリン感受性改善薬ともいいます。

インスリン抵抗性改善薬の作用
インスリンの効きをよくして血液中のブドウ糖の利用を高めて、血糖値を下げます。
さらに、血液中の中性脂肪を低下させる効果もあります。スルホニル尿素薬
(スルフォニル尿素薬)とくらべると血糖降下作用はやや劣りますが、低血糖を
起こしにくいとされています。

インスリン抵抗性改善薬の副作用
むくみ、貧血、まれに重症の肝障害を引き起こすことがあります。


ビグアナイド薬の作用
ビグアナイド薬とは、小腸からのブドウ糖などの栄養素の吸収を妨げ、肝臓から
血液中にブドウ糖がでていくのを抑えて、血糖値の上昇を抑えます。食欲を抑える
作用もあるので、肥満体型で、いつも食べ過ぎてしまう方に適しています。

服用は食後が原則です。スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)と比べると血糖を
下げる作用は弱いです。服用により、低血糖を起こすことはあまりありません。

ビグアナイド薬の副作用
肝臓や腎臓、心臓の悪い方や、高齢者の方は、この薬を服用することで、血液中の
乳酸が増えてしまい、吐き気やけいれんを起こして、昏睡状態になってしまう
「乳酸アシドーシス」になってします可能性があります。

この薬を飲んで、吐き気などの体調に変化が起きたら、服用はすぐに中止しましょう。

食前に飲むと胃腸障害が出ることもあります。

飲み薬を使う、飲み薬療法ができるのは、 2型糖尿病の方が中心となります。
1型糖尿病の方には飲み薬療法での治療はできません。


それでは、どのような症状の方が、どの薬を使われるのかを見ていきましょう。

スルホニル尿素薬を使用する方
スルホニル尿素薬(スルフォニル尿素薬)を使用する方の条件は下記の条件が全て
当てはまる方に、食事療法と運動療法とともに服用されます。

・2型糖尿病である。
・食事療法と運動療法を十分に実行しても、血糖値のコントロールがうまくいかない
・膵臓がインスリンを分泌する能力がある。
・肥満していない。
・低血糖についてしっかり理解している。
・妊娠していない。

α-グルコシダーゼ阻害薬を使用する方
食事を食べる前は血糖値は高くないが、食後に血糖値が高くなってしまう症状的には
軽い糖尿病の方で、食事療法と運動療法だけではしっかりコントロールできない方に
使われます。(α-グルコシダーゼ阻害薬とは)

インスリン抵抗性改善薬を使用する方
血液中のインスリン値が高いのに、高血糖状態がつづく方に効果があります。

速効性インスリン分泌促進薬を使用する方
食前の(空腹の時の)血糖値はそれほど高くはないが、食後は高くなってしまう方に
使われます。

ビグアナイド薬を使用する方
この薬は食欲を低下させる作用があるので、肥満の方で、食べ過ぎてしまう傾向に
ある方に使われる場合が多いです。薬の量を増やすと、その分効き目もよくなります。

糖尿病の薬は、医師の診断によって使うかどうか、そしてどの種類の薬を使うかが
判断されます。糖尿病の方の症状はそれぞれ色々で、年齢、性別、生活環境などに
よっても判断されます。

ですので、薬での治療も医師の指示に必ず従ってくださいね。

糖尿病の飲み薬である「経口血糖効果薬」を使う時にはいくつか注意しなければ
ならない点があります。

まず、一番気をつけることは、低血糖です。飲み薬の服用を正しく行わないと、
血糖値が低くなりすぎてしまい、低血糖の状態になってしまいます。

具体的に低血糖を防止する方法は、空腹の状態が長く続かないようにすることです。
毎日 3食決められた量を規則正しく、食べるようにしましょう。

もし食事が取れないときや、やむをえず食事を抜くようなときは、薬を飲むのを
見合わせましょう。食事の量がいつもよりも少ないときは、薬の量を減らすほうが
良いこともあります。医師と事前に、少ない食事の時の薬の量についても
相談しておきましょう。

低血糖の症状は、ひどい空腹感や脱力感、動悸、冷や汗などがあらわれます。

飲み薬による低血糖は、インスリン療法での低血糖に比べれば、症状も軽い場合が多く、
起こる確率も少ないです。

だからといって、低血糖になってしまうと、脳や内臓に障害をもたらす可能性が
あります。昏睡に陥れば、命の危険もあります。

ただ、いたずらに怖がることはありません。医師の指示にしたがい薬を服用して
いれば問題はありません。一番よくないのは、自分で勝手に判断して薬の量を
増やしたり、薬を飲み忘れたからといって服用時間を守らなかったりすることです。

わからないことは医師に相談することを心がけてくださいね。

糖尿病の飲み薬を処方されたら、決められた量を、決められたタイミングで飲むことだけでなく、
毎日欠かさず飲むこと忘れてはいけません。

調子がよくなったからといって自分で判断して薬をやめてはいけません。
やめるともとの状態にもどってしまいます。

血糖コントロールが良くなることで、体調に変化がでることもあります。
新聞の文字が読みづらくなったり、足が痛んだりする症状は、高血糖に慣れている体が、
正常な血糖値になったことで起こる症状です。このような場合は薬を飲むことを
やめてはいけませんが、体に異変を感じたら、すぐに医師に相談して、指示に
従ってください。

薬の量にも注意してください。医師の指示どうりに服用していると思っても、
勘違いをしてしまうこともあります。定期的に処方箋などを見て、
薬の服用量などはチェックしたほうがいいですね。

飲み薬療法をしている方で、勘違いして欲しくないのは、飲み薬を飲んでいれば、
それだけでOK、と思ってしまうことです。飲み薬療法の効果を上げるには、
食事療法をしっかりと続けることが重要となります。

医師からの指示や食事指示票よりも食事を少なくしてしまうと、薬の効果が強く
なってしまい、低血糖になってしまうこともあります。逆に、食事を多く
とりすぎてしまうと、薬の効果が十分に発揮されなくなってしまいます。

そして、肥満の方は特に注意して、食事療法も続けていってください。
薬にたよりすぎて食事療法をなまけてしまうと、肥満が解消されず、
血糖コントロールが悪化します。そのため、合併症を引き起こしてしまうことも
あります。

食事療法もキチンとおこなうことで、飲み薬が必要なくなる場合もあります。
ですので、食事療法、そして運動療法も合わせてしっかり続けていきましょう。

糖尿病の飲み薬、「経口血糖降下薬」を飲んでいる方は、かぜ薬や胃腸薬などの
市販薬といっしょに飲むときにも注意が必要です。

市販薬には、糖尿病の薬といっしょに飲むことで、血糖値を下げる力を強くして
しまう、または弱くしてしまうものもあるからです。

糖尿病の薬とともに、服用したい市販薬がある場合は、医師にその薬をみせて
一緒に飲んでもいいかどうか確認してください。
自分が普段よく使うかぜ薬や胃腸薬などをすべて見せて、糖尿病の薬と一緒に
飲んでもいいか相談することを忘れないでくださいね。



今夜はとても寒いっすしんしんと冷えてますよ~。

やっぱり寒いのも嫌だ!!

糖尿病の治療③ 運動療法 わかっていても…

2008-12-24 20:13:35 | 健康(代謝異常)
   今日も平年と言われながら、最低はマイナス、最高も10℃以下。
   寒いに加えて、我が職場でもついに「インフルエンザ」罹患者発生
   ちゃんとワクチン接種しているにもかかわらず、職場で39℃超え…
   朝一でインフルエンザA型と判明。早く帰っての声多数でやっと…
   隔離だぞーって。 

「運動療法は?」
糖尿病の方にとって運動療法は、食事療法と共にとても重要な治療方法です。
運動といっても激しい運動が必要なわけではありません。糖尿病の方の状態や体力
に合わせたものでOKです。

運動療法の大きな目的は、体内でのブドウ糖の利用を円滑にすることにあります。

適度な運動は筋肉を使うために、エネルギーを必要とします。筋肉はエネルギーで
あるブドウ糖を、血液中から取り込んでつかいます。そうすると、血糖値が下がってきます。

そして、運動することで、脂肪組織や筋肉がインスリンに反応しやすくなり、
血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませる働きがあがります。脂肪細胞や筋肉に
ブドウ糖をとり込ませる働きをするのがインスリンなので、運動することで、
インスリンの働きを助け、さらにインスリンを節約することにもなるんです。

インスリンが節約できれば、インスリンの分泌量がうまくない糖尿病の方でも、血糖値が下がりやすくなります。

以上のように、糖尿病の方にとって、運動療法はとても重要なものなんです。

ただし、運動療法も医師の指示を受けて行うことが必要です。運動療法が効果的
だからといって、無理な運動をしすぎることは危険ですので、注意しましょう。

糖尿病の方にとって、運動療法がどのような効果があるのかをくわしく見ていきましょう。

・皮下脂肪などの体の余分な脂肪組織が減って、肥満が解消される
 肥満の解消はインスリンの効き目を高めるだけでなく、血糖を上げるホルモンが 必要以上に分泌されなくなります。

・インスリン受容体が活性化して、インスリンの効きがよくなる
 インスリン抵抗性の糖尿病の方は、運動によってインスリン受容体の働きをよく し、
 受容体の数が増えたりすることが確認されています。運動はインスリンの働きを
 助けるので、血糖値が下がりやすくなります。

・ブドウ糖の利用が増え、血糖値が下がる
 運動により、筋肉でエネルギーが消費されるので、血液中のブドウ糖がエネルギーと
 して使われます。健康な方は肝臓からグリコーゲンが放出されるので血糖値に変化は
 ありませんが、糖尿病の方の場合は、筋肉へのブドウ糖の吸収が速いので血糖値が下がります。

・筋肉が増えるため、基礎代謝が上がる
筋肉の量が増えれば、それだけ多くのエネルギーが必要となります。
それは基礎代謝アップにつながり、運動をしていないときでも脂肪燃焼量があがります。
運動によって太りにくい体質をつくることができます。

・脂質代謝が改善される
 運動により脂肪はエネルギーとして利用されます。そうすると血液の中の中性脂肪が
 減るので、動脈硬化の進行がおさえられます。さらに、善玉コレステロールも増えるので、
 動脈硬化の防止にもつながります。

運動によって表れる効果は、糖尿病の方のインスリン不足の程度や、
血糖コントロールの状態などで変わります。

運動療法が効果的な方は、血糖コントロールの状態がよく、血液中のインスリンの量が
正常に近い方や、肥満によりインスリンの量が多くてもその働きが悪い方などです。

対して、血糖コントロールが悪くて血糖値が高い方は、運動をすることで逆に血糖値が
上がってしまうこともあります。尿にケトン体がでるほど状態が悪い方は、
ケトン性昏睡を起こすこともあり、危険です。

また、進行した腎症や網膜症などの合併症のある人や、狭心症などの心臓に疾患がある人、
足に障害がある人などは、激しい運動は禁止です。

つまり、運動療法は糖尿病の方の状態ややり方しだいで逆効果になってしまうのです。

ですので、運動療法をするためには、医師の指示を受けることが大切です。

運動療法は、糖尿病の治療にはとても効果的ではあるのですが、糖尿病の方の状態に
よっては、運動することが逆効果になることあります。
 
ですから、運動療法もしっかりと医師のメディカルチェックを受けてから行います。

一般には、1型糖尿病の方は、血糖コントロールの状態が良いのであれば運動をしても
大丈夫なのですが、もし合併症を起こしていると運動をすることが良くない場合も
あるんです。ですから、メディカルチェックは重要なんですね。

1型糖尿病の方も、基本的には運動をしたほうがいいのですが、血糖値の状態や尿に
ケトン体が出ている時には運動はよくないので、医師の指示が必要です。

運動療法も、しっかりとした医師の診断、メディカルチェックを受けてから行いましょう。

糖尿病の方で、運動療法を避けた方がよい場合を見ていきましょう。
以下は一例ですので、あくまでも参考程度に見てください。

・血糖コントロールがうまくいっていない時

・心臓に疾患があるとき(狭心症や不整脈など)

・神経痛や腰痛があるとき

・足に潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)があるとき

・風邪をひいていたり、風邪ぎみのとき、熱があるとき

・進行した網膜症や腎症などの合併症があるとき

・膝や足の関節に障害があるとき

ではここから、運動療法を安全で効果的に行っていくための重要なポイントを見ていきましょう。

メディカルチェックが終わって、とくに問題がなければ運動療法を開始していきます。

糖尿病治療のための運動療法は、これといった決まりはありません。
ただ、普段あまり運動をしていない人はいきなり無理に運動をしすぎるのは
よくありません。無理のない程度に、毎日運動をするのがいいです。

運動療法を安全で効果的に行っていくためには、次の 5つが重要です。

・運動の種類
・運動の継続時間
・運動強度
・実施する時間帯
・運動の頻度

運動療法の目的は、運動によってブドウ糖を消費することより、長時間運動を続ける
ことでインスリンの感受性をよくしたり、運動により筋肉を増やしてエネルギーの
消費を円滑にしていくことが重要です。

つまり、激しい運動をたまにするより、無理のない運動を毎日続けることが効果的な
運動療法です。毎日は無理でも、 1日おきぐらいは運動する時間が持てるといいですね。
もちろん、最終的には医師による指示に従って、自分の状態にあった運動量をこなしましょう。

そして、1人で手軽にできる運動がよいです。特定の場所が必要だったり、相手が
いないとできない運動だったりすると、自分が運動をしたいときにできないという
ことになってしまうので、よくありません。

運動の強度を自分で調整できるというのも重要です。体調に合わせて、運動の激しさを
緩めたり、中止できるものがいいですね。

糖尿病の運動療法で効果的なものは、有酸素運動です。体内での糖質や脂肪の利用をよくするためには、多くの酸素を体にとりいれる必要があるからです。

おすすめの有酸素運動は、ウォーキング(歩行運動)、ジョギング、自転車運動、
ストレッチ体操(ラジオ体操)、縄跳び、水泳などがあげられます。

特にウォーキング(歩行運動)は、手軽に誰でもどこでもできるので一番おすすめです。
私の母も食後など、血糖値が上がりすぎないようによく歩いています。

ジョギングもいいですが、あまり急に激しく行うのはよくありません。
あまり無理をしないようにゆったりとはじめるほうがいいですね。

水泳もおすすめですが、場所やお金がかかるところが欠点ですね。
ただ太っている方は、長時間歩くと膝への負担も注意しなければいけませんので、
そのような場合は水泳はいいですね。

運動療法で大切なことの一つとして、自分にあった量(強さ)の運動をすることです。
運動することが良いこととはいえ、やりすぎては体を壊してしまいます。

自分にあった運動の強さを知るための簡単な方法は、脈拍数から見ることです。
自分の運動できる限界の強度を 100%とすると、糖尿病の運動療法に適しているのは、
40~60%の強度が適度な数値といわれています。

例えば、50歳代の方なら、1分間に 100ぐらいの脈拍からはじめて、125程度の
脈拍数にふやしていくのが、ちょうどよいということです。

・60代 = 1分間に 100程度からはじめて 120程度まで
・50代 = 1分間に 100程度からはじめて 125程度まで
・40代 = 1分間に 105程度からはじめて 130程度まで
・30代 = 1分間に 110程度からはじめて 135程度まで
・20代 = 1分間に 110程度からはじめて 135程度まで

これはあくまでも目安です。上の数値でも苦しい場合は運動量を抑えてください。
自己判断せずに、医師の指示に従ってくださいね。

運動療法は糖尿病の方にとって、効果的ではありますが、どのくらいの時間 運動を
すればいいのでしょうか?

1回の運動をする時間は、30分ぐらいがちょうどよいとされています。
脂肪を燃やす為には、最低20分は続けて運動する必要があるので、
肥満を解消したい方もふくめて、30分ぐらいがいいでしょう。

脂肪の燃焼程度は、行う運動と時間によって違います。下記の「運動種目別
エネルギー消費量」を参考に計算すれば、だいたいのエネルギー消費量がわかります。

散歩          29分(60Kの人が80Kcalを消費する時間)
歩行(分速60m)  25分
歩行(分速70m)  21分
歩行(分速80m)  18分
歩行(分速90m)  15分
歩行(分速100m) 12分
ジョギング       10分
自転車(10K)    17分
自転車(15K)    11分
水泳(クロール)    4分
卓球、バトミントン   9分
ゴルフ打ちっぱなし 16分
テニス          9分
 

運動をするタイミングは、血糖値が上がる食後 1~2時間の間が一番効果的です。

運動療法は、長く続けていくことが大切です。ですからなるべく長く続くような
時間帯と運動量にしましょう。そして、食後すぐの運動は糖質の消化と吸収を
悪くするのでやめましょう。

糖尿病の運動療法は色々な運動が考えられますが、一番基本といえるのが、
歩行運動、つまり「歩く」ことです。歩くことは誰でも気軽にできますし、
特別な道具が必要なわけでもないので、オススメです。

実際に歩行運動をする際は、運動する時間や速さ、回数、強さなどが重要となります。
それぞれどの程度行うのかは糖尿病の方の年齢、運動能力、合併症があるかどうか、
などで変わりますので、医師の指示が必要です。

下記は歩行運動の目安として、ご覧ください。

・歩行運動の回数
 1日に 2回ぐらいがちょうどいいでしょう。

・歩行運動をする時間
 だいたい 30分ぐらいがいいでしょう。あまり時間が短いと、血糖値が下がりにくいので、
 効果が望めません。

・歩行運動の強さ
 歩いた後の脈拍数が、運動前よりも 20%ぐらい増えるのがよいとされています。
 目安としては、「運動療法をはじめよう!④ ~運動強度」のページを見てください。

・歩くスピード
 1分間に80m歩くスピードで始めましょう。 13分で 1kmちょっと歩けますね。
 慣れてきたらさらにスピードを無理のない程度に上げてきます。あまりゆっくりの
 スピードだと効果が低くなってしまいますので気をつけてください。


運動療法について解説してきましたが、実際にどれだけの効果があるのかを
知っておくことも重要です。

その意味でも、糖尿病の定期的な検査を受けることをおすすめします。
合併症が起きていないかもチェックできるので、やはり定期検査は受けましょう。

運動療法をしっかりと続けていくのはもちろんですが、食事療法のことを忘れては
いけません。糖尿病の治療は、食事療法、運動療法、そして薬物療法など、
自分に必要な治療のすべてを続けていないとよりよい効果が期待できません。

薬物療法は糖尿病の症状によって、必要ない方もいらっしゃるとは思いますが、
糖尿病治療の基本である、食事療法、運動療法を、医師の指示にしたがって
続けていくことが大切であることを忘れないでいてくださいね。

  ここまでの段階の方が大多数ですが、薬物療法も必要です。
  ここまできたら、もう少しだけお付き合いくださいね。


じゃ、皆さん  メリークリスマス

よいイブをお過ごしくださいね