本年最後のブログ更新は、最近一気に減少傾向にある「新型インフルエンザ」ネタで
締めくくりたいと思います。
最近は訪ねてくださる皆様の期待を裏切り、たびたびの更新ができず、申し訳
ありませんでした。私の本棚には医学雑学ネタ資料がてんこ盛りの状況ですが、
なかなかこのデータを自分の言葉にしてPCに入力し直す作業ができなくて・・・
右から左に写したら・・・意味ないですから、私の知識と合わせてナンボですからね。
~ 子供の新型インフルエンザの注意点 ~
『怖い脳症・急激に進行!』
インフルエンザの感染に伴って急激に進行する脳障害を“インフルエンザ脳症”
と呼びます。脳浮腫や急性壊死性脳症など、様々なタイプがあります。
いずれもはっきりとしたメカニズムはわかっていません。
●死亡率8%
主な症状は、けいれんや異常行動。毎年この時期流行する季節性インフルエンザでは、
脳症患者全体の8割にけいれん、2割の患者に異常行動がみられます。
患者は主に5歳以下。10年ほど前までは死亡率が約30%と高く、1998年の
人口動態統計によりますと、乳幼児の死亡原因では心疾患に次いで6番目に
多かったのです。
2005年に厚生労働省研究班がガイドライン(指針)を作成し、ステロイドの一種、
メチルプレドニゾロンを点滴するパルス療法などが普及してきました。
死亡率は下がり、ここ数年約8%で推移しています。
ただし、後遺症の割合は10年前と変わっていません。
脳症になると4人に1人の割合で知的障害やてんかん、手足のまひといった
後遺症が残ります。
●新指針が効果
今年の状況はどうなのか。
日本小児科学会新型インフルエンザ対策室が学会への報告を基にまとめた11月30日
時点のデータによると、新型で脳症と診断されたのは78人。
4~10歳と季節性よりも高い年齢に集中しています。(このことは以前のブログ
で書き込み済み)
症状にも季節性と違う特徴がみられると言われています。
けいれんがあまり多くなく、異常行動が多いのです。
死亡したのは5人で、死亡率は季節性よりもやや低め。11月に入り、より低年齢の
5歳以下で死亡率が増えています。
指針は9月に改訂され、炎症から脳を守るエダラボンという治療薬の使用も採用された。
症例を検討した教授は、「新しい指針が新型による脳症にも効果をあげている」と
指摘されています。
★インフルエンザ脳症の症状の例
①痛みの刺激や呼びかけに反応しない
②けいれんが続く
③異常な行動
□存在しないものが見える
□よく知っている人を間違える(両親・兄弟等)
□うわごとを言う
□理由もなくおびえたり、泣いたり、怒ったりする
□無表情
□突然歌を歌う
●役割分担
一方、入院が一週間以上に及ぶ重症肺炎として学会に報告されたのは、11月30日時点で
277人。
入院しても一週間未満で退院しているとみられ、そうした例も含めると、肺炎患者全体は
数千人規模と推定されます。
患者は5~10歳が中心です。熱が出てから呼吸器障害が現れるまで、12時間以内と
短く、早期治療が非常に重要になる。
喘息のある子は報告された症例の約40%。「世間で言われているように、喘息が重いほど、発作回数多い
ほど起こしやすいということはなく、しばらく調子のよかった子どもが重症化
するケースが多い」と教授。
特に重症の場合は、肺の機能を補助する「ECMO」(エクモ)という装置を使って
治療します。
教授は「重い脳症や肺炎をスムーズに治療するには、重症患者を治療する医療機関を
あらかじめ決めておくなど、地域で役割を分担し、協力する態勢が必要である」
と話している。
以上今年後半はインフルエンザ主体となりましたが、基礎知識程度のことを
書き込んできました。
来年もいろいろな疾患や症状について書き込んでいきたいと思います。
ではよいお年をお迎えくださいね。
締めくくりたいと思います。
最近は訪ねてくださる皆様の期待を裏切り、たびたびの更新ができず、申し訳
ありませんでした。私の本棚には医学雑学ネタ資料がてんこ盛りの状況ですが、
なかなかこのデータを自分の言葉にしてPCに入力し直す作業ができなくて・・・
右から左に写したら・・・意味ないですから、私の知識と合わせてナンボですからね。
~ 子供の新型インフルエンザの注意点 ~
『怖い脳症・急激に進行!』
インフルエンザの感染に伴って急激に進行する脳障害を“インフルエンザ脳症”
と呼びます。脳浮腫や急性壊死性脳症など、様々なタイプがあります。
いずれもはっきりとしたメカニズムはわかっていません。
●死亡率8%
主な症状は、けいれんや異常行動。毎年この時期流行する季節性インフルエンザでは、
脳症患者全体の8割にけいれん、2割の患者に異常行動がみられます。
患者は主に5歳以下。10年ほど前までは死亡率が約30%と高く、1998年の
人口動態統計によりますと、乳幼児の死亡原因では心疾患に次いで6番目に
多かったのです。
2005年に厚生労働省研究班がガイドライン(指針)を作成し、ステロイドの一種、
メチルプレドニゾロンを点滴するパルス療法などが普及してきました。
死亡率は下がり、ここ数年約8%で推移しています。
ただし、後遺症の割合は10年前と変わっていません。
脳症になると4人に1人の割合で知的障害やてんかん、手足のまひといった
後遺症が残ります。
●新指針が効果
今年の状況はどうなのか。
日本小児科学会新型インフルエンザ対策室が学会への報告を基にまとめた11月30日
時点のデータによると、新型で脳症と診断されたのは78人。
4~10歳と季節性よりも高い年齢に集中しています。(このことは以前のブログ
で書き込み済み)
症状にも季節性と違う特徴がみられると言われています。
けいれんがあまり多くなく、異常行動が多いのです。
死亡したのは5人で、死亡率は季節性よりもやや低め。11月に入り、より低年齢の
5歳以下で死亡率が増えています。
指針は9月に改訂され、炎症から脳を守るエダラボンという治療薬の使用も採用された。
症例を検討した教授は、「新しい指針が新型による脳症にも効果をあげている」と
指摘されています。
★インフルエンザ脳症の症状の例
①痛みの刺激や呼びかけに反応しない
②けいれんが続く
③異常な行動
□存在しないものが見える
□よく知っている人を間違える(両親・兄弟等)
□うわごとを言う
□理由もなくおびえたり、泣いたり、怒ったりする
□無表情
□突然歌を歌う
●役割分担
一方、入院が一週間以上に及ぶ重症肺炎として学会に報告されたのは、11月30日時点で
277人。
入院しても一週間未満で退院しているとみられ、そうした例も含めると、肺炎患者全体は
数千人規模と推定されます。
患者は5~10歳が中心です。熱が出てから呼吸器障害が現れるまで、12時間以内と
短く、早期治療が非常に重要になる。
喘息のある子は報告された症例の約40%。「世間で言われているように、喘息が重いほど、発作回数多い
ほど起こしやすいということはなく、しばらく調子のよかった子どもが重症化
するケースが多い」と教授。
特に重症の場合は、肺の機能を補助する「ECMO」(エクモ)という装置を使って
治療します。
教授は「重い脳症や肺炎をスムーズに治療するには、重症患者を治療する医療機関を
あらかじめ決めておくなど、地域で役割を分担し、協力する態勢が必要である」
と話している。
以上今年後半はインフルエンザ主体となりましたが、基礎知識程度のことを
書き込んできました。
来年もいろいろな疾患や症状について書き込んでいきたいと思います。
ではよいお年をお迎えくださいね。