ジジイのたわごと

ジジイが適当に思いついたことを書いてみます

柏レイソル優勝

2011-12-07 05:42:04 | スポーツ

史上初めてJ1昇格初年度での優勝を果たした柏レイソル。


 優勝シャーレを手にして喜ぶネルシーニョ監督。彼の手腕なくして、歴史的な快挙は果たせなかっただろう。



 【Jリーグ】柏レイソル、奇跡の1年。歴史的な快挙はなぜ起きたのか?
勢いのひと言では片づけられないほど、実力の差は明らかだった。
 J1最終節。勝てば、優勝が決まる柏をホームに迎えた浦和は、是が非でも目の前での優勝決定を阻止したかったはずだ。しかし、前節の勝利でようやくJ1残留が見えたばかりのチームにとって、その役回りはあまりに重すぎた。
「前半の45分間は、タイトルを決めるのに決定的な内容だった」
 ネルシーニョ監督が自画自賛する内容で、柏は浦和を圧倒。3-1で勝利し、J1昇格年での優勝という歴史的快挙を成し遂げた。
 今季、柏の攻撃をリードし続けた、MFレアンドロ・ドミンゲスが歓喜の言葉を口にする。
「1年間、グループでがんばってきたことが、今日こうして報われたことに、すごく幸せな気持ちでいっぱいです。(開幕当初は)今年のレイソルはJ1で厳しい戦いを強いられると言われていましたが、自分たちのやってきたことが正しいと、みなさんに認めてもらえるようなサッカーが1年を通じてできたのではないかと思います」
 確かに、柏は今季、「1年を通じて」J1の主役であり続けた。ネルシーニョ監督が「常に優勝に近い位置で戦ってきた自覚がある」と話すように、ある特定の好調期間に支えられた優勝ではない。
 歴史的快挙のプロローグは、3月5日の開幕戦。J2で磨き上げたサッカーを手土産に、清水を3-0で粉砕して始まった。
 DF近藤直也が「あの試合で勝てたのが一番大きい。チームとして自信がついた」と話す勝利でJ1復帰戦を飾ると、震災による中断を挟んで開幕3連勝。早々に首位に立ち、以後、5位以下に順位を落とすことはなかった。
「J2で1年間積み上げてきたものがある。その自信を持ってやった。チームでやろうとしていることが全体に浸透しているから、うまくいかない時間帯でも精神的に落ち着いていました」
 これは今季2戦目、中断開け直後の大宮戦(1-0で勝利)でのFW田中順也のコメントだが、ネルシーニョ監督はじめ、多くの選手が優勝決定後に口にした言葉と、その主旨を一にする。昨年来継続して取り組んできたことに、彼らはどれほどの自信を持って、この1年を戦っていたのか。そこに、優勝を手繰り寄せた要因の一端がうかがえる。
 彼らの自信が確かなものであったことの証明が、今季7試合にものぼる逆転勝利だ。なかでも、第24節(8月28日)の川崎戦は秀逸だった。前節G大阪に敗れ、4位に転落。連敗すれば、一気に優勝前線から脱落という土俵際の一戦は、しかも、2点を先制されるという苦しい展開となっていた。
 しかし、工藤壮人、田中の2発でひっくり返し、3-2で勝利。この大逆転が優勝へのターニングポイントとなったのは、間違いない。
 柏の強さを「前半悪くても、後半に巻き返せる」と表現したのは、栗澤僚一である。
「仮に先制されたとしても、逆転できるって、みんなが思ってやっている。勝つということを絶対に諦めないっていうのは、ずっと通してやってきたこと。そこはやり通す自信がある」
 とはいえ、彼らがJ1に昇格したばかりの、決して経験豊富とは言えないクラブであることに変わりはない。いかに自信を持って戦おうとも、目の前に優勝の二文字がちらついたとき、我を失ったとしても不思議ではなかったはずだ。
 だが、そんな不安説などどこ吹く風といった様子で、田中は言う。
「優勝争いのプレッシャーよりも、常に試合に出ることへのプレッシャーのほうが強いですから」

確かに、今季の柏は“日替わり”と表現してもいいほどに、メンバーがコロコロと変わった。「レギュラーは11人ではない」の言葉通り、チーム内に高い競争意識を植え付けることで、選手全員のモチベーションを高め、優勝争いのプレッシャーを取り除いたという点で、指揮官の手綱さばきは絶妙だった。
 当然、選手たちは自分のポジションが確約されていない以上、目の前の一戦一戦に集中する。いい意味で先を見通す余裕などなく、優勝争いに身を硬くすることもなかったわけだ。20歳のMF茨田陽生が「まだ、そんなに(優勝の)実感はない。今日の勝利がうれしいっていうだけです」と話していたのもうなずける。
 キャプテンの大谷秀和が誇らしげに語る。
「試合でいいプレイができていない選手は代えられてしまうという中で、誰が出ても戦力を落とさずに戦えた。100%でトレーニングをしていればチャンスが来ることをみんながわかっていたんで、そこが、チームとして1年を通してモチベーションを高く保ち続けられた理由だと思います」
 また、ネルシーニョ監督の巧みな選手起用について、田中はこうも言った。
「監督には、期待に応えたい、と思わせる力がある。それでモチベーション高く、試合に臨むことができた。まさか、J2から昇格してすぐに優勝するとは思っていなかったけど、監督の『優勝できる』っていう言葉に、グイグイ引っ張られました」
 かくして、歴史的快挙は達成された。
 しかし、ネルシーニョ監督は以前から、「レイソルに勝利の文化を根付かせたい。降格におびえるチームになってはいけない」と“常勝軍団化”を口にしていた。だからだろうか、優勝が決まってもなお、さほど高揚した様子も見せず、白髪の指揮官は至って淡々と語る。
「ひとつの目標はレイソルが優勝することだったが、もうひとつは1回で終わらないことだ」
 そして、早くも来季へ視線を向けた。
「来年も(現状の)95%くらいはメンバーを維持してほしい。そして、新加入選手で必要な補強をする。チーム内で競争をし、やるべきことを浸透させていく。目的は勝利。勝つことを目指して続けていくだけです」
 確かに、歴史的快挙は達成された。だが、成し遂げられたことの重大さとは不釣り合いなほど、不思議とそこに達成感は感じられない。21歳の工藤が、全選手の気持ちを代弁する。
「(J1で苦戦するという)周りの評価は変えられたと思います。でも、1回優勝したくらいではダメ。来年以降も2連覇、3連覇と続けていきたい」

※ジジイのたわごと
 柏レイソルは、J2からJ1へ昇格後、すぐさま優勝である。アビスパ福岡も、念願叶って、J2からJ1へ昇格したのに、すぐさま降格で、再度J2である。優勝と降格とでは、月とスッポンである。
 柏の監督、選手たちは、勝って当たり前、アビスパのそれは、負けて当たり前という感覚でゲームを進めてきたように思う。
 来年は、柏の勝因を各チーム徹底分析し、「打倒柏レイソル」を目指したゲーム展開となるであろう。アビスパは、再度J1目指してチャレンジということになる。
 アビスパがJ2へ降格と入れ替わりに、「さがん鳥栖」がチーム結成以来、初めてJ1へ昇格したようだ。九州のチームとして、柏レイソルを参考にしながら、アビスパの二の舞とならないよう勝ちにこだわって欲しいものだ。そして柏レイソルと同じくJ2からJ1へ昇格後の優勝を目指してもらいたいものだ。
 「なせば成る 成らぬは人のなさぬなりけり」こんな言葉を昔の戦国武将が云ったと教わったことがある。この教えに従ったのが柏レイソルであり、従わなかったのがアビスパであり、従う必要があるのが、さがん鳥栖であり、アビスパであろう。・・・私には、こんな偉そうな事を云う資格は無いけど、急に「なせば成る・・・」を思い出したので書いてみた。