静かな劇場 

人が生きる意味を問う。コアな客層に向けた人生劇場。

子供たちの直感

2009-11-17 19:02:35 | Weblog
知人が 病弱の小中学生の支援学校に勤務しています。

白血病などに冒され、余命幾ばくもない子供たちもいるのですが、子供たちはしきりと聞いてくるそうです。

「死ぬのが怖い……」
「死んだらどうなるの?」

 マニュアル通りの返答では、
「お星さまになるんですよ」とか、
「天国に行くんですよ」
と、言うことになっているそうなのですが、本当に死が問い詰まってくると、子供でも、「馬鹿にしないで」と言ってくるそうです。

病状が進むと、せめて最後の思い出作りのために、ということで、親と子と担任で遊園地などに行くそうです。生きている今を精いっぱい、楽しもう、充実させようということなのでしょうか。

だが、知人の話によれば、笑顔なのは親のほうだけで、子供のほうは不機嫌、もしくは無表情なのだそうです。

子供の直感を馬鹿にはできません。

子供たちは余計な知識がない分、「死」と対峙して、理屈ではなく、直感的に死後を予感していると思われます。少なくとも、死んだら無になるという考えには、大人ほど簡単に承服しないでしょう。

大人はなぜ、死んだら無になるという考えを、簡単に受け入れるのでしょうか?確たる根拠があるわけでもないのにです。

子供は「死」に敏感であり、その敏感さで感じ取れたことには、常識にとらわれた大人の及ばぬ何かがあると認めてもいいと思います。

大人になると、知識や経験、常識などに影響され、一般論的な見解に形を変えていくものです。でも、落ち着いて、心の奥底に耳を澄ませれば、聞こえてくると思うのです。

死んだらどうなるの?という声なき叫びが。