日本共産党 佐藤伸ブログ

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2010年第1回定例会 予算特別委員会

2010年03月18日 | 日々の活動など
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予算特別委員会で平和市長会議へ加盟して、核兵器廃絶の取り組みの強化のため5月にニューヨークで開催されるNPT・核不拡散条約再検討会議への参加や、広島・長崎の被爆地訪問、大田区の平和教育の強化を求めました。

◆佐藤 委員 私は、事項別明細書212、213ページ、教育指導費に関連して質問いたします。
 区長は、日本共産党区議団の清水議員の代表質問に応え、平和市長会議へ加盟の意向を明らかにいたしました。
 3月1日現在、135カ国3,680都市が加盟している平和市長会議は、2020年までに核兵器廃絶を目指す具体的な構造指針2020ビジョンキャンペーン、核兵器廃絶のための緊急行動を策定し、今年5月にニューヨークで行われるNPT、核不拡散条約再検討会議に向けてその取組を広げています。今、核兵器をめぐっては、アメリカのオバマ大統領が昨年4月にチェコ・プラハで核兵器のない世界を追求すると演説するなど、核兵器廃絶の国際的機運が高まっています。2008年、原水爆禁止世界大会が呼びかけた核兵器廃絶条約の交渉開始を要求する、核兵器のない世界をについての国際署名は、3月16日までに日本国内で543万筆を超えました。この署名運動の中心を担っている原水爆禁止日本協議会は、5月のNPT再検討会議が行われるニューヨークへ1,500名の代表団を送り、大田区からも12名が代表団の一員として参加する予定です。
 核兵器をめぐる問題は、3月9日に政府が公表した日米核密約に関する報告書で、日本政府とアメリカ政府との間に、核兵器の持ち込みの密約が長年にわたって存在している可能性が濃厚になり、核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずの非核三原則がじゅうりんされています。昨日も衆議院外務委員会で、日本共産党の笠井亮議員の質問に岡田外務大臣が答え、有事の際にはアメリカ軍による核兵器の日本への持込みの可能性を認めています。核兵器廃絶の問題は日本国内での身近な問題であると同時に、全人類的な課題として今注目されています。この時期に区長が平和市長会議に加盟を表明されたことは、大きな意義を持つもので、歓迎します。
 そこで区長に伺いますが、平和市長会議へ加入する決意をされた経過、理由と今後の取組、5月にNPT、核不拡散条約、再検討会議への働きかけにニューヨークの行動に参加するとか、広島、長崎などの被爆地への訪問等、行動計画があればお知らせください。

◎松原 区長 平和市長会議に加盟する決意をした経過、理由などについてのご質問でございますが、大田区はご承知のとおり、昭和59年8月15日に世界の恒久平和と人類の永遠の繁栄を願い、平和都市宣言を行っております。以来、25年にわたり宣言の趣旨にそって花火の祭典など、さまざまな平和への取組を行ってまいりました。このような地道な取組の延長にあるものとして、今回、平和市長会議への加盟をすることを表明したものでございます。
 なお、今後の問題ですが、区は現在も花火の祭典、原爆のパネル展、平和の映画キャラバンなど平和事業に取り組んでいるところでございます。今後も、平和都市宣言自治体としてどのような取組ができるのか、引き続き研究していきたいと思っております。

◆佐藤 委員 平和市長会議では、近隣の未加盟自治体や姉妹都市、友好都市に対して、最低でも1都市の新規加盟を得られるよう働きかけてほしいと訴えております。大田区の姉妹都市セーラム市は2007年4月に加盟をし、友好都市朝陽区のある北京市は1985年の4月に加盟をしました。長野県の東御市は2008年3月に既に加盟をしております。
 平和市長会議の提起に応えまして、未加盟の友好都市、秋田県美郷町や近隣区への働きかけを積極的に行うように提案をいたします。また、海外の姉妹都市セーラム市や友好都市北京市朝陽区は既にそれぞれ加盟をしていますが、今、区長がお答えになりました原爆のパネルですね、これを送るなどしましてこの都市の核兵器廃絶の平和の事業の推進を求めますが、いかがでしょうか。

◎木田 国際都市・多文化共生担当課長 平和市長会議の加盟につきましては、区としてその趣旨に賛同いたしまして判断したものでございまして、加盟後は活動についての要請があるものと認識をしております。それぞれの自治体のご判断もあるかと思いますので、それらの要請につきましては、区としてどのような取組ができるのかを十分検討いたしまして、取り組んでいきたいと思います。

◆佐藤 委員 ぜひ、加盟した後に、平和市長会議のホームページの中でも、今話したように近隣都市や姉妹都市、友好都市に働きかけてほしい。今年の5月のNPT再検討会議までに5,000を超える都市にしようということを言っておりますので、その取組を強めていただきたいと求めたいと思います。
 次に、平和教育についてです。私は、区内の小中学校での平和に関する授業を調べてみました。教育指導費、各種調査委員会等の予算で、平和に関する指導資料を、毎年3月10日の東京大空襲があった東京都平和の日に、全教員分を作成し配付しています。これが今年の分です。今年の2010年3月10日の分です。これを見てみますと、大変に勉強になると言いますか、なかなか、そのままのことが書いてあって私も勉強になりました。例えば、今年の中には大田区の空襲という欄がありまして、大森地区、蒲田地区、現大田区への空襲は1944年12月11日が最初ですと。翌年の1月4日の空襲は爆弾投下が主で100キログラムから1トンの大型爆弾二百数十発が区内に落ちました。
 続く4月15日夜の空襲は両区に最大の被害をもたらしました。一夜で6万戸の家屋が全焼し、23万人の人たちが焼け出されました。全域で11万戸が焼失し、中でも蒲田地区は最もひどく、全戸数の8割を失いましたなど、今の現代で生活されている子どもの皆さんは体験できないというか、わからない。こういうことが詳しく書いてあります。また、裏面のところには平和島観音像が紹介されておりまして、今、平和島競艇などがあるところにポツンと、ポツンと言いますかね、観音様が立っているのですが、その由来なども実に詳しく書かれております。
 そこで質問なのですが、同じ指導資料に12月4日から10日の人権週間にあわせて作成、配付されている資料があります。こちらの人権に関する資料は、小中全学校の全教員に配っているだけにはとどまらず、小学6年生用と中学3年生用それぞれ全生徒分を作成し配付をしております。平和に関する資料も、ぜひ、区長が平和市長会議に加盟したこの機会を取りまして、せめて人権資料並みに教員に留めず、全生徒分配っていただきたいと思います。いかがでしょうか。

◎鈴村 指導課長 人権のこの平和資料のことでございますけれども、私ども3月10日の東京都平和の日にすべての大田区立学校において、大田区教育委員会が作成した平和に関する指導資料を活用し、平和に関する指導を実施しているところでございます。また、強化指導として、小学校6年生の社会や中学校の社会においても平和な国際社会の実現に関する指導を実施しております。
 生徒用の平和に関する資料を作成・配布して指導するということについては、他の教育課題とのバランスなどを考慮に入れながら、総合的に判断してまいりたいと考えております。

◆佐藤 委員 総合的に判断というお話ですけれども、ぜひ前向きに検討していただきたいのです。この人権の週間で取り組んでいる資料なのですけれども、私も見てみました。それでここ10年間でどんな資料をつくっているのかというのも見てみました。人権課題は、女性、男女差別、子どもの児童虐待、障害者の人権、外国人、HIV感染者やハンセン病などの患者の人権など、六つの人権課題と路上生活者や個人情報の保護など、その他の課題を重視していますが、この10年間の人権資料を見てみると、毎年必ず同和問題が記載されています。大田区は、地区はない自治体で人権課題が多くある中で、この同和問題だけ毎年のようにこの人権資料に記載されているというのは違和感を感じます。ほかの課題と同等に扱うよう、是正を求めます。お答えください。

◎鈴村 指導課長 今、人権資料に毎年同和問題を記載しているという委員のご指摘についてでございますが、本区におきましても、同和問題に関する差別事象が発生しておりまして、いまだ解消されていない重要な人権課題であると認識しております。人権資料に記載する人権課題の是正を求めるというご意見につきましては、教育委員会といたしましては、今後も同和問題も含めた人権課題について取り上げてまいりたいと考えているところでございます。

◆佐藤 委員 ほかにも人権課題があるのですよね。私はさっき言いましたけれども、女性や子どもや障害者、外国人やHIV感染者、こういった人権問題に関しましては必ず毎年記載されていないのですね。その中の同和問題だけは必ずなぜか記載されている。私は異常なことだと思います。これはやはり大田区が行っている人権教育、人権の名を借りた同和教育のほうに偏っているのではないかと、そういうことが私は言えるのではないかと思うのです。ぜひ全体を通じながらではなくて、通しながらではなくて、改善をするように求めたいと思います。
 私は教育委員会が作成しました、2001年度学校要覧をお借りしました。2001年度、これが実は最後で、この後は作成されていないということだそうです。これを見ますと区内の小学校、中学校の校歌などが載っているのです。その校歌を見ますと、平和の文字や戦後復興のことが書かれた歌詞というのが結構多くの学校で採用されている。校歌をつくった時期が戦後すぐだったということもあるのだと思うのですが、やはりそういう機運があったのではないかと思います。
 また、多くの小学校、当時は尋常小学校、または国民学校と言ったのですが、学校では学童疎開が行われ、静岡県や富山県、また、私のふるさとになりますけれども、岩手県などに多くの生徒が疎開されたことが記載されています。
 よく高齢の区民の方とお話をして、私、岩手の生まれなんですよというお話をすると、いや、実は自分も学童疎開で岩手に行ったんだという方が結構いらっしゃいまして、あ、やはりそうなのかということを感じるものでした。
 ところで、平和島がかつて大森島と呼ばれ、戦中に捕虜収容所があり、多くの捕虜が暮らし、空襲に備えて延焼防止の建物強制疎開や、跡地整備、道路の雪かきや民家の便所の肥えくみにも強制労働使役としてかり出され、大森周辺の住民の皆さんと身近でも見られていました。当時、鬼畜米英と教え込まれていたアメリカ人やイギリス人の捕虜でしたが、実際を見てみますとにこにこしていて、みすぼらしい服を着せられて、みんなやせ衰えていました。住民も自分の食べ物にも不足する時代でしたが、少なくない住民が監督の憲兵に隠れて、捕虜たちに食べ物や草履、たばこなどを提供していたということが当時の皆さんの証言から明らかになっています。
 また、捕虜収容所、現在の平和島近くにありました大森第五小学校の生徒たちは捕虜に対してもさげすんだりはせず、自然なまなざしを向け、子どもたちの歌声や歓声は多くの捕虜の心の慰めになっていたようです。このことを記したのが大森第五小学校で元教頭先生を務めておられました長澤幸江さん等が作成しました、「平和という名の土地で」です。
 戦後、何十年も経ってB29の爆撃機のパイロットで、この捕虜収容所に収監されていたアメリカ人の方が大森第五小学校を訪れる。そして、いろいろなことがあったのですけれども、戦争中で本当は憎しみ合っていた中でも民間の中ではいろいろな交流があったと。自分の戦争を終わらせるためにも、この方は9回も日本に来まして、大森第五小学校で講演などをさせてくれとお願いもしたそうです。こういったことを実はこの本の中に書かれております。
 区内にはさまざまな戦争と平和に関する遺跡やエピソードが存在しています。教育委員会でも既にこの平和という名の土地でという冊子をお持ちであると思いますが、大田区の平和都市宣言とともに、二度と繰り返してはいけない戦争と、平和の尊さを区内での教育現場で生かしていくために、この冊子を活用した平和教育の充実を求めますが、いかがでしょうか。

◎鈴村 指導課長 平和に関する学習についてなのですが、小学校6年生の社会や中学校の歴史などで指導しているところでございますが、各学校においてはそれぞれの地域に戦時中の名残を感じさせる碑や像などもあれば授業に活用したり、あるいは戦時中のことを語ってくださる地域の方にご協力をいただいたりして、平和に関する授業の充実を図っているところでございます。平和に関する学習の資料につきましては、各学校が指導計画に基づき適切な資料を選択するように、先ほど委員ご指摘の資料も含めまして、各学校が指導計画に基づいて適切な資料を選択して授業をするよう、学校に指示してまいりたいと思っております。

◆佐藤 委員 先ほども紹介させていただきましたが、大田区作成の平和に関する指導資料の中で、今年この平和島の平和観音像というのが紹介されているのですね。やはり、今の平和島しか知らない、私などを含めて多くの人たちはどうして急に平和島にこういう観音様が建っているのかと思うと思うのです。平和島という名前ですけれども、今は陸続きですから、どこからどこまでが島だったのだろうと感じている人たちも多い、そういうものだと思うのです。
 ぜひ、この本というのは大田区の戦争の歴史、これをリアルにあらわしたものだと思いますので、実際に教育現場で教育するということはありますけれども、指導資料としまして各学校に配るなどして使っていただきたいと要望しておきます。
 この「平和という名の土地で」の冊子は、区長やまた、この議場にもおります、大森第五小学校の卒業生の議員の方にもお配りしたと聞いています。ぜひ、私は超党派でもいいと思っているのですけれども、区内でこういった戦争の歴史があったということを語り継いでいく大きな資料として使っていきたいと思います。
 次に、大田区の平和事業についてです。今年度、大田区が行った平和事業は8月15日の花火の祭典、8月5日から10日まで本庁舎1階ロビーでの原爆資料パネル展、そして2月15日から3月5日にかけて、区内12児童館で521名の児童の参加で行われた平和の映画キャラバン事業です。先ほど区長にも答えていただきました。実はこれだけなのですね。
 平和事業は8月15日のこの花火の祭典以外、今のところお聞きするところによるとほとんど費用がかかっていない。区長が平和市長会議に加盟されたこの機に平和事業の拡充を求めます。
 原爆パネル展の展示を、例えば蒲田駅ビルのグランデュオ、今は何と言うかわかりませんけれども旧グリーンロードですか、そこで、この平和のパネル展を行ったり、またOTAフェスタなどでもこの平和のパネル展、原爆のパネル展のコーナーを設けるなど、こういった事業を求めますがいかがでしょうか、お答えください。

◎木田 国際都市・多文化共生担当課長 区といたしましても平和市長会議への加盟を機に今後ご質問にありましたご提案も含めまして、現在取り組んでおります、先ほど申し上げました平和の映画キャラバンの事業などとともに、どのような取組が可能なのかを検討してまいりたいと思っております。

◆佐藤 委員 何か花火以外は本当にひっそりやっている感がどうしてもあるのですね。花火は確かにこういう、皆さんもよく見ていると思いますけれども、パンフをつくりまして。パンフを見ると、私の好きな言葉なのですが、この大田区平和都市宣言が表のところに載っていて、平和ってなあに、というところから始まって。それで参加されている方々も多くいらっしゃると思いますが、平和式典をやったりして、みんなでこの平和都市宣言の文を朗読などをするというものになっているのですが、ただ1日で終わってしまうと。本当に集まった人は聞いているのかもしれませんけれども、遠くから花火を見ている人はそういうことをやっているのも知らない、ただ、花火だけ見ていると。だから、これが平和の祭典なのか、平和の事業なのかということさえも知らないという方が大変多くいらっしゃるのではないかと思います。
 パネルというのも、この区庁舎の1階に置くということですし、その他に児童館などが中心に行っています平和の映画キャラバン、私、借りて見てみました。ちいちゃんのかげおくりというのと、100番目の猿というのを今年放映したそうです。昨年までは8ミリを使ってやっていたということで、8ミリは今の時代、なかなかないなと思って。今年からプロジェクターにしたということですが、それでも何かすごく遠慮してやっていると思うのですね。確かにこのDVDを見ましたけれども、両方17分で子どもが集中して見られる時間で、ちいちゃんのかげおくりなどは私も見て泣いてしまいましたけれども。子どもが見ても本当に戦争はいけないなということを肌で感じられるようなものになっていると思います。ぜひ、何か隠れてやっているわけではないのでしょうけれども、本当に遠慮がちにやっているようなこの平和の事業に予算を拡充していただいて、もっと大々的にやっていただきたいと思います。
 先ほど紹介させていただきました冊子、「平和という名の土地で」。この冊子も含めまして、先ほどもまた紹介しましたけれども、平和島にある平和観音像、また、区内の公園に3箇所あります平和の像、愛し子などの紹介をしたマップ付きの平和事業紹介パンフなどを作成し、おおた未来プラン10年でも国際都市として規定している基本的な考え方の中に、海外からたくさんの外国人が訪れる区として平和都市宣言を踏まえ、世界の人と力を合わせて大切な平和を守る都市、国際都市おおたくにふさわしい平和事業の拡充を重ねて求めます。いかがでしょうか。

◎木田 国際都市・多文化共生担当課長 ご質問にありますように、大田区として平和都市、また国際都市にふさわしい、平和な社会を築くことが、そのために区民への啓発をしていくことがとても大事であると認識をしております。区内には戦争にまつわるものが残されておりまして、これらを後世に伝えること、これもとても重要な取組と考えております。今後、どのような取組が可能なのか、十分に研究してまいりたいと思っております。

◆佐藤 委員 最後になりますが、ぜひ区長、意気込みといいますか、先ほどもお聞きしましたけれども、花火にはお金がかかっていますけれども、ほかにはほとんどお金がかかっていないと、こういう状況にありますけれども、ぜひ、この国際都市大田区にふさわしい、せっかく、平和市長会議にも入るので、私はそれをどんどん宣伝していったほうが大田区としても、やはり大田区は平和都市なのだということでイメージも上がると思うのです。ぜひ、区長としての意気込みを聞きたいと思います。お願いします。

◎松原 区長 平和というものは、守るのはものすごく勇気と努力がいると私は思っております。そういった意味で、私の在任中はしっかりとやっていきたいと思っております。

◆佐藤 委員 ぜひ、平和事業にさらに力を入れて取り組んでいただくことを求めまして、私の質問を終わります。



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