大田区教育委員会は、5日の2011年第3回臨時会で、2012年度に使用する区立中学校教科書
9教科15種目を採択しました。そのうち歴史及び公民の教科書に「育鵬社」の教科書を選択しまし
た。「育鵬社」の教科書用図書については侵略戦争美化・憲法敵視の内容が問題になっています。
日本共産党大田区議団は、区内団体のみなさん(22名)とともに櫻井教育委員長に対し、区立中
学校歴史・公民教科書への育鵬社版採択について抗議を行いました。櫻井教育委員長と清水教育
長が応対しました。抗議文は以下の通りです。
抗 議 文
2011年8月5日
大田区教育委員会
委員長 櫻井 光政 様
日本共産党大田区議団
日本共産党大田地区委員会
8月4日、貴教育委員会は、区立中学校の2012年以降に使用する教科書の採択
を行った。この採択において「新しい歴史教科書をつくる会」と「日本教育再生機構」
=「教科書改善の会」がつくった育鵬社版歴史・公民教科書を採択した。
侵略戦争を美化し、現憲法を敵視する内容となっており、各地域でも問題点がある
と不採択になっている育鵬社版歴史・公民教科書の今回の採択に、強く抗議し、大田
区教育委員会に対し採択を白紙撤回し、再度採択することを求めます。
育鵬社版歴史・公民教科書は、第一に、太平洋戦争は自存自衛、アジア諸国民を解
放する戦争として、日本の侵略戦争を美化・正当化していることです。
第二に、大日本帝国憲法は人権を大事にした良い憲法と描いており、現憲法否定の
立場にあることです。
第三に、いま問題となっている原子力発電に、推進論の立場で描かれています。
第四に、育鵬社の教科書は盗用疑惑問題も起こっています。
侵略戦争と植民地支配への反省とその誤りの清算は、戦後日本の出発点であり、国
際社会の一員としての絶対条件です。過去の誤りに誠実に向かい合い、その反省の上に
平和と民主主義を理念とする憲法があることを学ぶことは、子どもが主権者として育つ
ために不可欠です。
以上の理由から、我々は、教育委員会に対し、今回の育鵬社版歴史・公民教科書の採
択を撤回することを求めます。
以上