15日の、区議会本会議において2件の「親善訪問調査に伴う議員の派遣について」が採決され、賛成者多数(反対は日本共産党、
生活者ネット、緑の党、日本、民主党は一人退席、一人遅刻、みんなはヨーロッパ方面に一人反対)で決定されました。予算は、
①セーラム市親善訪問調査で1人分60万円、②親善訪問調査(ドイツ・チェコ・スイス)1人分80万円です。
提案された内容は以下のとおりです。
1. 大田区議会セーラム市親善訪問調査
① 派遣の目的
姉妹都市である、アメリカ合衆国マサチューセッツ州セーラム市との友好・親善の促進を図ること。他都市の実情を調査研究し、
区政に反映させる。
②派遣場所
アメリカ合衆国マサチューセッツ州セーラム市、ボストン市、ニューヨーク州ニューヨーク市
③派遣期間
2012年12月12日から19日まで
④派遣議員
松原秀典(自民) 大森昭彦(自民) 松原茂登樹(自民) 塩野目正樹(自民) 飯田茂(公明) 丸山かよ(公明)
玉川英俊(公明) 黒川仁(民主)
2. 大田区議会親善訪問調査
① 派遣の目的
2011年度から大田区内の中学生を派遣しているドイツ連邦共和国ブレーメン市との友好・親善の可能性等について及び諸都
市の実情を調査研究することを目的とする。
② 派遣場所
ドイツ連邦共和国ブレーメン市、フランクフルト市、テェコ共和国 プラハ市、スイス連邦 チューリッヒ市
③ 派遣期間
2012年12月12日(水)から12月21日(金)まで
④ 派遣議員
田中一吉(自民) 伊藤和弘(自民) 押見隆太(自民) 鈴木隆之(自民) 海老沢圭介(自民) 長野元祐(自民)
富田俊一(公明) 松本洋之(公明) 森愛(民主)
私は日本共産党区議団を代表して以下のような反対討論をしました。他には反対、賛成討論はありませんでした。この反対討論
には議場からも大きな反応があり、また会議後には他党の議員の方からも賛同する声がかかり、反響の大きな討論となりました。
親善訪問調査反対討論
ただいま上程されました、ドイツ・チェコ・スイス及びセーラム親善訪問調査に伴う議員派遣についてについて、反対の討論を行い
ます。初めに申し述べておきますが、日本共産党大田区議団は、友好都市及び姉妹都市との交流促進に反対するものではなく、
さらに推進すべきとの立場です。
まずドイツ・チェコ・スイス親善訪問調査に伴う議員派遣についてです。第一の問題点は親善訪問調査都市や調査内容が非
公開の幹事長会で決められ、公開性がない問題があります。しかも少数会派が意見を述べる場もなく、全議員の総意に基づくもの
になりません。第二の問題点は、1人約80万円もかけ、8泊10日の日程なのに抽象的な調査項目だけで派遣の議決を求めてい
ることです。何の実情を調査するのか具体的な調査内容がまるでわかりません。
第三の問題点は、今までの海外視察の実績から、調査した結果が「区の施策に反映されていない」という疑問が区民から非常に
多く寄せられています。そのようなことに区民の大切な税金を使うわけにはいきません。また、過去の区議会議員による海外視察
で起こった、報告書の盗用問題でも反省も無ければ区民への謝罪も未だにありません。
最後の問題点は、来年度も122億円の区税収入の減額が予想されているとし、暮らし・福祉・区内中小企業支援の予算が削られ
る中、このような多額の公費を使った海外都市への訪問調査は、区民の理解が得られません。
次にセーラム市親善訪問調査に伴う議員派遣についてです。セーラム市の友好親善を理由に、ボストン市、ニューヨーク市を訪
問視察する内容になっており、一人約60万円で6泊8日の日程ですが、本来の友好親善の目的に限るべきです。しかも訪問しなく
てはならない周年行事は今年はありません。
海外視察は、昨年は都内23区中4区が予算化されましたが、実行されているのは大田区のみという状況です。区民の苦しい生
活や営業の実態から考えてとても認められるものではありません。親善訪問調査も聖域にせず、予算を見直し中止すべきです。
よって日本共産党大田区議団は反対です。 以上で反対討論とします。