~ 夢の途中 ~

強い?弱い?上手い?下手?そんなの関係ない!
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「懇願」

2010年10月04日 | 日記
あたしの母が作る弁当は病気でからだが少し弱いからか、

不器用だからかわからないが、いつもお世辞でも上手と
いえないような弁当だった。

あたしは友達に見られるのが恥ずかしくて毎日ゴミ箱に捨て、
食堂で食べていた。




ある朝母が「今日は麻衣の好きなえびをいれとったけんね」と
いってきた。
 
あたしは聞く耳を持たず母を無視して弁当を持ち家をでた。


学校で弁当を開いてみるとそれはひどくへたくそなものだった。

殻も途切れ途切れにしかむけていないほどだった。


あたしはまたゴミ箱に捨て食堂で昼食を食べた。


帰宅すると母が「今日のお弁当どうだった?」
としつこく聞いてくるので

「あげな弁当捨てた!!

恥ずかしいけん今度から弁当つくらんでよか!!」
と強く言い放つと

「気付かんでごめんね」と涙ぐみながら呟いていた

それを機会に母は弁当を作らなくなった。




その半年後母は死んだ。

前から病気だったらしい。

母の部屋の遺品を片付けていると、1つ日記帳が
奥のほうからでてきた。 見てみると 


「きょうは卵焼きをいれた。 手が震えてうまく焼けんかった」や


「今日はおにぎりを作った
あまりうまく三角にできんかった」
など弁当のことばかり書いてあった。

そして・・・・・「今日は麻衣の好きな海老をいれた。

手が震えてあまり殻が上手くむけんかったけど、

喜んでくれるかな?」

と書いてあり、その日から日記は途絶えていた。
 


なんで食べてあげらなかったんだろう?

「お母さん、不自由なからだで一杯の愛情をありがとう

今は私がお母さんの仏壇に毎日お弁当を作ってます。

お母さん喜んでくれてるかな?」




※ この作品は、今月ピンチなんで 「お弁当を作って下さいというアピールです。

是非とも御検討の程、宜しく御願いします。」