郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

緑がなくなった!(7) ー住民の不満ー

2018年07月29日 | 日記
自治会が関与することによって、近隣住民と業者とのやりとり窓口が一本化された状態になりました。
これは業者側にとって、願ってもないことだったようです。
細かな苦情等々と個別に対応する煩雑さがなくなったわけですから…。

私は思いました。
自治会が一枚噛んだことが果たして良かったのか…と。
開発計画途中でのことなら、この方が力強く要求もできると思いますが、既に工事が着手された段階ではむしろ苦情処理係になるかもしれないからです。

案の定、住民から早くも問い合わせがありました。
「こんな工事計画を自治会は飲んだのか⁉︎」

それは、工事中のトラックの出入りや土埃の拡散防止についてでした。
「8時前から始まって騒音がうるさい!」
「散水もせず土砂の掘削や搬出を行なっており、土埃が自宅に入って来て困る。」
「散水だけでなく、もっと高くて土埃が通過しないネットを張ってもらいたい。」
「洗濯物が外に干せず、駐車しているクルマには砂埃にまみれている。」

実は前々からその様な苦情を聞いていましたので業者側に申し入れたのですが、下請けの業者まで指示を徹底させていなかったようです。
あらためて会長が申し入れをしたところ、回答は通り一遍の内容でした。

・トラックに出入りに関しては係員を配置して安全確保に務める。
・可能な限り散水しながら作業を進める。
・防砂ネットは風による倒壊防止のため通風性のあるものを使用し、更に高さも安全を図るためにこれ以上は高くできない。
・工事日程の一工程の期間を延ばして長期化することにより、一日当たりの被害を軽減させる。
・土埃飛散による個別の金銭補償には対応しかねる。

私がある住民から聞いた話の中には、「土埃飛散防止が無理ならせめて洗車料金に見合うような補償を考えてもいいじゃないか」という件もあったので会長に要望事項として入れてもらったのですが、ゼロ回答だったわけです。
そして、この業者回答を印刷して地域に配布したため、住民の一部からはむしろ不満の声が聞こえる結果になったのです。

会長は当該地域からは離れた所にいるため、苦情は私に集中しました。
私は再度、業者幹部との接触を求めましたが、会長はこれが限界と判断したようでした。

私の憶測ではありますが、私に直接には声をかけなかった住民の一部には業者と個別に折衝して何らかの見返りを受けていたのかもしれません。
それは、計画段階でもあったようで、開発地と地続きの住民は境界確認も含めて個別に話し合った形跡があるからです。

自治会からの要求に対しては、公に掲げる回答としてこの程度にしておかなければ、例えば洗車料金を一律に全戸に支給しなければならなくなるからだと思います。

私は、この問題に介入したことをある意味で後悔することにもなりました。
最後の最後には、人々は自分の利益を一番に考えるものなのかな…、とも考えました。


(着々と進行する工事)

-S.S-

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