「ムットーニ ワールド からくりシアター」
@八王子市夢美術館
2009年5月30日~2009年7月5日
自動人形師である「ムットーニ」こと武藤政彦さんの、繰り広げる「ムットーニ ワールド」
入口では、「展示室内作品配置図」と、詳細な「展示作品のタイムテーブル」を渡される。
午前10時から午後19時までの開館時間に、毎時分、同様のスケジュールで動く作品。
自分が入場した時刻に、どの作品が作動しているのか、すぐ分かるという便利な資料で
私の大好きな「摩天楼」「スピリット オブ ソング」は、時間に合わせ何度か鑑賞できた。
2007年9月2日、世田谷文学館に展示されていて、感激した「スピリット オブ ソング」
ムットーニ氏が、「「詩」というものの本質に触れようと試みた」作品で、THE BOOMの
宮沢和史さんの曲「書きかけの歌」に合わせて、人形が静かに上昇する静けさ漂う作品。
この「スピリット オブ ソング」を含めて、「ナイトタウン」と名づけられた展示コーナーでは
「ワルツ オン ザ シー」「ナイトエレメント」「ナイト スコープ」等、夜がモチーフの物語群。
2008年7月、KENJI TAKI GALLERYで出会えた、「THE DIARY OF WINGS」
一通りの口上が終了した後に、誰かがこの作品に質問されて、丁寧に回答してくれていた。
自分が大切にしている何かを手放す時、自分が解放されるという世界らしい。なるほど・・・
理解の浅い私には、描いた世界観は、全く読み取れず・・・ でも、伺えて嬉しかったな~
2000年、青山円形劇場で上演された遊機械全自動シアターの舞台で設置された作品
「ナイト アフター ナイト」 大都会の夕暮れ。ほんのスレ違いで、出会えなかった女と男。
「もし 2人が出会っていたら、ステキな物語が始まるのも知れません・・・」そう語りかける
ムットーニ氏は、ロマンチック

そもそも人形に想いを込めること自体が、ロマンだよね~









「カンターテドミノ」は、「20の制御と 150の指示 コンピューターを使わず作動させている」
超大作

ムットーニ氏は熱く語る。「光が全て」「光の変化に、時の推移を、表現している」
ムットーニ氏が想いを込めた光の移ろいは伝わるし、作品として完成していると感じるけど
やはり、そこに、口上が加わると、作品の世界が、何十倍にも膨らんでいくのが素晴らしい。
口上は大人気で、作品の前には人だかり。最後列以外は、前列から順番に座ることになる。
後方と両端は作品が見難いが、申し訳なさそうに、何度も謝罪の言葉を述べるムットーニ氏。
「音楽は、カシオキーボード19800円! 私が弾いてます」の「グロリア マリアがきたりて」
小さい子供に、「怖かったですか?」 ロマンチックな口上にも、ユーモアと気遣いも忘れない。




唯一、残念なのが開催地。開催期間、何度か通いたい思いはしたものの八王子は遠い・・・
しかし、久しぶりに感動した「ムットーニ ワールド」 今後の氏の活躍と作品が楽しみである。