「宮本文昭ファイナルコンサート 室内楽3」
@TOPPAN HALL
宮本文昭(ob)
山洞智(pf)、鳥山雄司(g)
2007年3月を以って「“オーボエ奏者としての”音楽活動を終結する」決意を宣言された
世界的なオーボエ奏者の宮本文昭氏。2006年は「ラストイヤー」と称して、日本全国で
リサイタルを精力的に開催。本日は、そのラストを飾る「ファイナルコンサート」の最終日。
「客席の顔が見える距離で、最後の時間を共有したい」と仰る宮本氏が、選んだ会場は
凸版印刷株式会社の、創業百周年記念で建設された、収容408名のクラシックホール
宮本氏のオーボエの音の美しさは勿論のこと、音を出す瞬間の息遣いまで聞こえてくる
優れた音響。客席の拍手は勿論のこと、感動の溜息まで、宮本氏に、届いたに違いない。
祖母に当たる方の最期を看取られ、「人間の最期」に、強烈な衝撃を受けた宮本少年は
次第に「無常」の観念を心に強め、「オーボエを始めた時も、いつか辞めることを思った」
多感な年頃に「始まりには終わりがある」という観念を育てた心の遍歴を思うと、切ない。
ピアニスト山洞氏と御二人で、クラシックの名曲を中心に、最後の音を会場に響かせる。
ラストコンセプトアルバムの「THANKS!」に収録の、加古隆氏が宮本氏に贈られた曲
「白鳥の歌」 クラシックでは別れの象徴だという白鳥を、宮本氏は、御自身で演出する。
「最後の曲を演奏する時が来ました・・・」 宮本氏は、山洞氏に感謝の挨拶。握手。抱擁。
客席の歓声に送られ退場する山洞氏と代わり、最後に登場したギタリストの鳥山雄司氏。
出演を気にしながらも宮本氏の音に集中するあまり、その存在は意識から遠のいていた。
宮本氏は、鳥山氏と御二人で、ファイナルコンサート最後の曲の 「The Aim & End」
「暖炉の側に座り、のんびりと昔の思い出話を、語り合うようなイメージの曲」と作曲され
鳥山氏が編曲した「The Aim & End」 一音一音を丁寧に奏でられる 御二人の姿。
最後の最後に現れた、この曲の演奏に、その意味と重さを、私は、ようやく実感する・・・
最後なのだ・・・
盛大なアンコールに応え、何度もステージに登場して下さる宮本氏。勿論、演奏は、ない。
左手で相棒のオーボエを力強く握りしめたまま、右手を客席に向けて高らかに挙げながら
客席に居る1人1人に挨拶をするかのように、その視線を ゆっくりと左右に動かす宮本氏。
最後の最後に現れた、宮本氏の目に、光るものが見えた時、私は、ようやく実感する・・・
最後なのだ・・・
「ファイナルコンサート」は、私達が宮本氏の最後のステージを見るだけでは、ない、のだ。
宮本氏のオーボエの音を、1音も聴きこぼすことのないように、耳を傾けている真剣な顔
宮本氏の姿を、熱く見つめる眼差し、笑顔、歓声、拍手、客席、スタッフ、ホール、全てが
宮本氏が、ステージから見ることのできる最後になる、ということなのだ。そうなのだ・・・
オーボエ奏者としての宮本文昭氏は、2007年3月31日を最後に存在することはない。
「記憶に留めておきたい音楽がある」ファイナルコンサートに添えられた言葉通り、私は
2007年3月31日を、最後の「The Aim & End」を、「記憶」に留めておくだろう・・・
瞳を潤ませながら、笑顔を見せた、宮本氏の最後の顔を、忘れることは、ないだろう・・・
14:00 追加公演
「モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 K376より 第1楽章、第3楽章」
「ベートーヴェン ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17」
「ドニゼッティ オーボエ・ソナタ」
「明日の記憶 (大島ミチル)」
「白鳥の歌 (加古隆)」
「風笛 (大島ミチル)」
「カッチーニ アヴェ・マリア」
「The Aim & End (宮本文昭・鳥山雄司)」
18:00 最終公演
「ドニゼッティ オーボエ・ソナタ」
「ベートーヴェン ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17」
「モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 K376より 第1楽章」
「風笛 (大島ミチル)」
「シューマン 3つのロマンス Op.94 第1曲、第2曲」
「シューマン アダージョとアレグロ Op.70」
「サン=サーンス オーボエ・ソナタ ニ長調 Op.166」
「白鳥の歌 (加古隆)」
「明日の記憶 (大島ミチル)」
「The Aim & End (宮本文昭・鳥山雄司)」
「音楽の友」
音楽之友社 2007年6月号
「Concert Reviews」
「室内楽」
「PIPERS」
杉原書店 2007年6月号
「トピックス 宮本文昭ファイナルコンサート」
@TOPPAN HALL
宮本文昭(ob)
山洞智(pf)、鳥山雄司(g)
2007年3月を以って「“オーボエ奏者としての”音楽活動を終結する」決意を宣言された
世界的なオーボエ奏者の宮本文昭氏。2006年は「ラストイヤー」と称して、日本全国で
リサイタルを精力的に開催。本日は、そのラストを飾る「ファイナルコンサート」の最終日。
「客席の顔が見える距離で、最後の時間を共有したい」と仰る宮本氏が、選んだ会場は
凸版印刷株式会社の、創業百周年記念で建設された、収容408名のクラシックホール
宮本氏のオーボエの音の美しさは勿論のこと、音を出す瞬間の息遣いまで聞こえてくる
優れた音響。客席の拍手は勿論のこと、感動の溜息まで、宮本氏に、届いたに違いない。
祖母に当たる方の最期を看取られ、「人間の最期」に、強烈な衝撃を受けた宮本少年は
次第に「無常」の観念を心に強め、「オーボエを始めた時も、いつか辞めることを思った」
多感な年頃に「始まりには終わりがある」という観念を育てた心の遍歴を思うと、切ない。
ピアニスト山洞氏と御二人で、クラシックの名曲を中心に、最後の音を会場に響かせる。
ラストコンセプトアルバムの「THANKS!」に収録の、加古隆氏が宮本氏に贈られた曲
「白鳥の歌」 クラシックでは別れの象徴だという白鳥を、宮本氏は、御自身で演出する。
「最後の曲を演奏する時が来ました・・・」 宮本氏は、山洞氏に感謝の挨拶。握手。抱擁。
客席の歓声に送られ退場する山洞氏と代わり、最後に登場したギタリストの鳥山雄司氏。
出演を気にしながらも宮本氏の音に集中するあまり、その存在は意識から遠のいていた。
宮本氏は、鳥山氏と御二人で、ファイナルコンサート最後の曲の 「The Aim & End」
「暖炉の側に座り、のんびりと昔の思い出話を、語り合うようなイメージの曲」と作曲され
鳥山氏が編曲した「The Aim & End」 一音一音を丁寧に奏でられる 御二人の姿。
最後の最後に現れた、この曲の演奏に、その意味と重さを、私は、ようやく実感する・・・
最後なのだ・・・
盛大なアンコールに応え、何度もステージに登場して下さる宮本氏。勿論、演奏は、ない。
左手で相棒のオーボエを力強く握りしめたまま、右手を客席に向けて高らかに挙げながら
客席に居る1人1人に挨拶をするかのように、その視線を ゆっくりと左右に動かす宮本氏。
最後の最後に現れた、宮本氏の目に、光るものが見えた時、私は、ようやく実感する・・・
最後なのだ・・・
「ファイナルコンサート」は、私達が宮本氏の最後のステージを見るだけでは、ない、のだ。
宮本氏のオーボエの音を、1音も聴きこぼすことのないように、耳を傾けている真剣な顔
宮本氏の姿を、熱く見つめる眼差し、笑顔、歓声、拍手、客席、スタッフ、ホール、全てが
宮本氏が、ステージから見ることのできる最後になる、ということなのだ。そうなのだ・・・
オーボエ奏者としての宮本文昭氏は、2007年3月31日を最後に存在することはない。
「記憶に留めておきたい音楽がある」ファイナルコンサートに添えられた言葉通り、私は
2007年3月31日を、最後の「The Aim & End」を、「記憶」に留めておくだろう・・・
瞳を潤ませながら、笑顔を見せた、宮本氏の最後の顔を、忘れることは、ないだろう・・・
14:00 追加公演
「モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 K376より 第1楽章、第3楽章」
「ベートーヴェン ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17」
「ドニゼッティ オーボエ・ソナタ」
「明日の記憶 (大島ミチル)」
「白鳥の歌 (加古隆)」
「風笛 (大島ミチル)」
「カッチーニ アヴェ・マリア」
「The Aim & End (宮本文昭・鳥山雄司)」
18:00 最終公演
「ドニゼッティ オーボエ・ソナタ」
「ベートーヴェン ホルン・ソナタ ヘ長調 Op.17」
「モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 K376より 第1楽章」
「風笛 (大島ミチル)」
「シューマン 3つのロマンス Op.94 第1曲、第2曲」
「シューマン アダージョとアレグロ Op.70」
「サン=サーンス オーボエ・ソナタ ニ長調 Op.166」
「白鳥の歌 (加古隆)」
「明日の記憶 (大島ミチル)」
「The Aim & End (宮本文昭・鳥山雄司)」
「音楽の友」
音楽之友社 2007年6月号
「Concert Reviews」
「室内楽」
「PIPERS」
杉原書店 2007年6月号
「トピックス 宮本文昭ファイナルコンサート」