「鳥山雄司 Live “Guitarist” ~feat.PYRAMID&本田雅人 千秋楽」
@Sweet Basil 139
鳥山雄司(g)
神保彰(ds)、和泉宏隆(pf key)、鳥越啓介(b)、本田雅人(as ss fl cho)
鳥山雄司
1981年2月、慶應義塾大学在学中、セルフプロデュースによるデビューアルバムを発表。
ギターで聴かせる確かなテクニックと、曲に見られる優れたセンスで、一躍、注目を浴びる。
以降、ギタリストとして、ミュージシャンとして、様々なアーティストのアルバム等をサポート
コンポーザーとして、アレンジャーとして、プロデューサーとして、多方面に活動の場を広め
今や音楽業界では、その名前を知らぬ者はいないと言うほど、多岐に渡り活躍している・・・
その鳥山雄司さんが、2009年6月10日、ソロアルバム、その名も「Guitarist」をリリース
アコースティックギター1本で、1人きりで、1980年代に流行した、懐かしいAORをカバー
明確なコンセプトのあるアルバムで、それは、まさに、大切なギターとの出会いから始まる
鳥山雄司というミュージシャンが、ギタリストとしての自分の「原点」に戻った作品でもある。
そのアルバム「Guitarist」発売記念ライブが、夏休み直前の2日間、STB139にて開催
サポートメンバーは、このアルバムのコンセプトに沿うような、鳥山さんの原点を共に生きた
大学同窓生の、神保彰さん、和泉宏隆さん、そして、鳥越啓介さんを加えたPYRAMID組
そこに華を添えたのが、「TORIYAMA」他、「TRANSFUSION」「PLATINUM-DORI」
鳥山さんの名盤と呼ばれる作品に、サックス他、様々な楽器で参加している本田雅人さん。
ライブは、前日同様、鳥山さんの独奏でスタート。緊張感は変わらないけど、空気は緩やか。
それは、鳥山さんがステージに登場するや否や、元慶応ボーイと思われる御学友の皆様が
「とりやま~!!!」 野太い声でエールを送られたからだと思う。すごく心強いよね!!!
ギター独奏なのに、深みも広がりもあるジョーパス氏のアルバムに影響を受けて、今回では
ギター1本で勝負する決意をされたと仰っていた鳥山さん。まさに「挑戦」だったことが伺える。
1部は、「Guitarist」収録曲を中心に、ギター独奏とバンド形式で、アルバムの世界を再現!
2部は、「PYRAMID」収録曲中心に、両方に共通するAORのカバーという側面を前に出す。
当然だけど、2009年5月13日「DoCoMo BODY AND SOUL ~Special Live」と
比べると、PYRAMIDの曲でも微妙に選曲が異なる。明確なテーマに沿う、構築的な世界。
千秋楽でも、アルバムでも感激したTOTOの名曲「Georgy Porgy」デュオの演奏に感動!
熱い演奏で盛り上がるのは勿論アリだけど、個人的には、渋い演奏で盛り上がるタイプかも。
神保さんのブラシが擦る乾いた音と、鳥山さんの奏でる鋭利な音が、クールでカッコイイ!!
2009年5月13日、「DoCoMo BODY AND SOUL ~Special Live」の共演に次ぐ
昨夜の共演で、免疫は出来ていたものの千秋楽でも感動したのが「Overnight Journey」
作曲の際に、番組のワクワクした感じを表現したいと、ギターとサックスのユニゾンを思いつき
「ずっと会ってなかったけど」ワクワク感を奏でるサックス奏者に本田さんを思い出しただけあり
息の合いすぎたユニゾンが、美しい。見つめ合う姿も、掛け合いの音も、微笑ましくて嬉しいな。
「君はエスパー」の紹介から、まずマイクを握る本田さんは、名人芸の話術で会場を盛り上げる。
昨夜、「DoCoMo BODY AND SOUL Special Live」が、口に出ないでいた本田さんを
「こういうことは、きちんと話さなければいけない」と、本田さんが言えるまで、鍛える鳥山さん!
英語の発音が苦手な本田さんに、「Repeat After Me~」と、レッスンしている鳥山先生の図。
レコ発だし、バンマスだし、大人だし、A型だし、きちんとすべきところは、きちんとするタイプかも。
鳥越さんが、前衛的というニュアンスで、「変態」と表現をした時も、相応しくないと判断したのか
「やはり今日も“変態”と言うんだ~」と鳥山さん。言葉の遣い方に、敏感。初めて気付いた一面。
本田さんは、「レコ発ライブに呼んで下さり有難うございます」 きちんとした挨拶は忘れず、感心。
「PYRAMIDに入れて下さい」に大爆笑の会場。「4人じゃピラミッドにならないか~」残念がると
鳥山さん、すかさず 「PYRAMIDとスフィンクス」 「オレ・・・スフィンクスなの?」爆笑の本田さん。
さらに、「今のフュージョン界で、プロジェクトを立ち上げる力があるのは、鳥山さんくらいでしょう」
「何か企画をプロデュースして、僕も参加させてほしい」「やって下さい」 本田さん熱いラブコール
「
名案じゃん
」
オマエは何様だ
レコ発だし、バンマスだし、先輩だし、年上だし、御祝いモードの「ヨイショ」もあるとは思うけれど
今までの鳥山さんの活動を称え、存在を立てて、さらなる活躍を期待しているというメッセージを
電話や楽屋と別に、満席のレコ発ライブ会場のオフィシャルな場面で、鳥山さんに述べるなんて
「
大人じゃん
」
だから、何様だ
1998年7月21日・7月22日「本田雅人ファーストソロライブはじめの一歩」 初めて聴いた共演。
アルバムでしか知らなかった、活字でしか知らなかった、夢に見続けていた鳥山さんと本田さん。
2009年5月13日・7月16日・7月17日 これが最後かもしれないと、覚悟して聴いていた・・・
再会が実現しても、11年後になるかも知れないし、ここだけの話で流れていくかも知れない・・・
それでも、私のような愚かで情けないファンに、また新しいステキな夢を見せてくれた。感謝!!
「今、どういうヒトなの?」本田さんの問いに、答えた鳥山さんの「無所属」の言葉が心に落ちる。
何かに庇護されず、何かに依存もせず、「個」として、生き貫いていくということは、個人的には
カッコイイことだと思い続けていたし、今でも思い続けている。鳥山さんの働き方は、私の理想。
1人だけれど、決して「独りぼっち」ではなく、声をかければ、いつでも大切な友達が駆けつける。
10年も会わなくても、15年も離れていても、「あの頃」が蘇り、「友達」という関係が、復活する。
「無所属」・・・ファンのスタイル、オッカケ人生、挫けそうになる私の心を補強してくれた気がする。
自分自身の「原点」に戻り、新たな世界に挑戦して、今も輝き続ける友達と共に、煌いた一夜
鳥山雄司さんには、2011年デビュー30周年を前に、集大成の夜となったのではないだろうか。
今後も「鳥山雄司の音楽」に向け、広く、深く、遠く、飛び続けてほしい。「Congratulations!」
1st.
「Fantasy」
「Arthur’s Theme」
「Private Eyes」
「Will You Dance?」
「Georgy Porgy」
「Just The Two Of Us」
「Affirmation」
「Secret Life」
2nd.
「D’accord!」
「Golden Land」
「Overnight Journey」
「君はエスパー」
「Exiled」
「We Got Ready」
「Sun Goddess」
「Spiral」
「Tornado」
Enc.
「The Song Of Life」
「All By Myself」
「Feel Like Makin’ Love」
「jazz Life」
三栄書房 2009年9月号
「ライヴ・リポート」
「鳥山雄司 feat.ピラミッド&本田雅人」