い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

六十八番

2021-10-21 | 順番
間に合わなかったのは
暖かな陽射しを連れ去った北風が
得意げに吹いて行ったから

すき間を通る勢いが
ヒューッと声を上げたから

誰のセイでもないくせに
何かに押し付け逃げ出したかった

ホッとした一秒を一気に飲みこんで
過ぎることない喉元に居座る

腑に落ちない言葉の意味が笑う
行き止まりの風の声が聞こえた

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