紅茶の一期一会

紅茶歴(だけは)10年以上の管理人が、
主に、購入した紅茶の感想を書いています。

あるドラマとベートーヴェン交響曲第7番について

2008-08-21 15:46:03 | 音楽系
一週間ほど田舎に行っていたので、大分更新に間が開いてしまいました。久しぶりの屋形です。

その田舎はテレビもパソコンもないような所なのです。
やることがないので、釣りばかりやってましたね。

しかし、そういうあまりやることがないところへ行っていると、気付くこともあります。

その一つが、
俗世の生活では(?)、自分が生きるのに不可欠でないことに、かなりの時間を費やしているという事実です。

もちろんそれら全てが無駄であるとは思いませんが、
こういうことに気付けるのも田舎のいいところですね。
テレビなぞなくても生きていける!

しかし、帰ってくるとやはりテレビがついている。
最近私の住んでいる地域で、のだめカンタービレなるドラマが再放送でやっています。
それのテーマ曲が、どうもベートーヴェンの7番らしいのです。

第1楽章の軽快なヴァイオリンの掛け合い、第2楽章の静美さ、第4楽章のラストなど、
聴き所がたくさんあってなかなか好きな曲です。

私が初めて聴いたこの曲のCDは、『クリュイタンス指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団』の録音でした。
この演奏はなかなか素晴らしく、今でも時々取り出して聴きます。

しかし、いろんなCDを聴いていくうちに、更に特別な感情を抱くものに出会うものです。
以下、いくつか思い入れのあるCDを紹介してみたいと思います。

と言っても、私はクラシックの専門的なことはさっぱりわかりません。
楽器をやってたわけでもないですし、学校の音楽の授業は1番嫌いな時間でした。
なので、フィーリングに合うかどうかという、いたって主観的な選定になっています。

『フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団』1943年モノラル録音(仏フルトヴェングラー協会)
規格品番『SWF-941』のCDを所有しています。
さすがに音質は少々厳しいです。(金管の音がかすれるような気がします。)

しかし某所によると、この盤の音質は他レーベルのものよりマシな方なのだそうです。
仏協会のCDは販路が限られています。
現在比較的入手しやすく、音質もそれなりのCDは、DELTAレーベルのものでしょうか。

しかし、DELTA盤は第4楽章冒頭に欠落があります。
仏協会のCDはこの欠落を補ってあります。

演奏の方は、動と静のコントラストが際立ったものであると思う。
演奏始めから音が爆発する。
その後は凄まじい演奏。第4楽章のラストも同じように凄まじい。

これに対して第2楽章は、地の底から呻き声が聞こえてくるかのような演奏。
それでいて静かな美しさがある。

フルトヴェングラー最大の美点は、緩徐楽章にあると思うのは私だけでしょうか。
EMIの戦後録音も素晴らしいですが、個人的な好みとしては戦前のこの録音ですね。

『トスカニーニ指揮NBC交響楽団1951年』モノラル録音(RCA)
UV22 Super CD Encording方式でリマスターされたものを所有しています。
音質の破綻は非常に少ないように思います。

全楽章通じてテンポは颯爽としているが、
軽いというわけではなく、どんどん演奏に引き込まれる。
フォルムは端正であるが、情熱的な演奏でもあると思う。

どこかで「引き締まった肉体の美しさを見ているようだ。」というような評があったような気がする。
まさにそのような演奏だと思う。
実は第7番の中で、最も聴く頻度が高い演奏です。聴くと元気が出てきます。

『クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団1955年』ステレオ録音(EMI)
輸入盤artリマスターされたCDを所有しています。
テンポは割と遅めに感じる。
しかし、なぜかだれる事がなく、つい耳を傾けてしまう。
どっしりと風格があり、何か壮大なものの存在を連想させるような演奏に思う。

ヴァイオリンの両翼配置が、この曲に関しては特に効果的です。
1楽章の弦の掛け合いが心地いいです。

あと、『コンヴィチュニー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団』の演奏や、
『フリッチャイ指揮ベルリン・フィル』の演奏なんかも好きですね。

「あれ、カルロス・クライバーは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
一応、名盤との誉れ高いウィーン・フィルや、バイエルン響との演奏のCDを所有しております。

しかし、どうも性に合わないのです。

こればかりは相性なので仕方ないですね。

確かにすっきりした演奏なのですが、すっきりしすぎているというか…そんな感じです。
気に入った曲ができたら、いろんな演奏を聴き比べてみると様々な発見があります。
クラシックの楽しみ方の1つとして、やってみると面白いと思いますよ。