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E・コッカーと戯れる浪費派リーマンのゆるい生活

読書の秋 2017の巻

2017-11-03 13:35:27 | 本と雑誌
弊社で有数の読書家として知られる私w。

「これ、面白いよ~」なぞと、ワカモノたちがさまざまな本を持ってきてくれる。

まあ、年寄りも持ってくるんだけど。


で、悪漢シモクーボがかなり前に、「これ、今年一番面白かったで。読んでみいや」とのたまったのがコレだ。




最初に答えておこう。


おい、間違いなく、俺の中で今年一番だよ。




素材は、外務省の機密費漏洩事件。

乱脈を極める外務省のノンキャリと追い詰める刑事側の攻防が軸だ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%8B%99%E7%9C%81%E6%A9%9F%E5%AF%86%E8%B2%BB%E6%B5%81%E7%94%A8%E4%BA%8B%E4%BB%B6

ノンフィクションであり、現職の刑事ひとりを除きすべて実名で描く。

書く側の端くれとして思うに、これは相当な苦労であり、力業を必要とする。

しかし、その分リアルに満ちている。


前述したストーリーなわけだが、いわゆる刑事モノ、警察モノではない。

政府高官や有名政治家も多く登場し、永田町や桜田門のみならず時代の裏面史の様相だ。


事件として動き出したのが2000年の暮れで、表面化したのが2001年の年明け。

当時私は心筋梗塞(初回w)による死地から脱し、療養の後に東京に赴任したばかりだった。

底冷えする国会で、田舎記者として右往左往。

「加藤の乱」をめぐる自民党の両院議員総会の開会直前だったか、このノンフィクションでも重要な役回りをする鈴木宗男氏に親しげに声をかけられたことがある。

その後、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったあるセンセイとムネオさんの「抗争」の一端に触れたこともあったな。

そんな微かな記憶があるだけに、その時代に永田町界隈や霞ケ関をうろついた身として、余計に染み込んでくるわけだ。


警察という組織の周辺を、割と長く徘徊してきた私。

この作品を構成するパーツである、事件、刑事、記者、容疑者、そして家族ってのが、かなりストレートに染み込んでくる。


言うまでもないが、事件捜査は関わる者の人生を大きく変える。

濃淡こそあれ、逃げる側、追い詰める側、そしていち早く報じようとする側すべてが当事者であり、身の処し方にはそれぞれの人生観が横たわる。

もちろん否応なくその家族も巻き込んでしまう。

であれば、相応の覚悟が必要だし、こと取り調べとなれば価値観や誇りのぶつけ合いになることだろう。

調べる側、報じる側の立場で言えば、その行為に耐えうる生き方をしているか、そんな覚悟も時に問われるわけだ。


まあ、そんな大仰な話でなくとも、この作品は組織論としても読める。

意地や誇りをどこまで貫けるか、上位者はそれをどこまで尊重すべきか。

これを書いたのが巨大組織に牙をむいた作者であることを考えた時、「まあ、そういうことなんだろうな」と思ってしまうわけだ。


その「ドン」を描いたのがこれだ。




で、これについては5年前にこんなことを書いてるなあ。

http://blog.goo.ne.jp/19960408/e/dc4c97217889495edec2ee9ca3f5ce39

結局、俺はずっと同じ事を呟いてるわけだ(笑)




そして単純に驚いたこと。

2015年だったか、警視庁の汚職摘発件数はゼロだったとか。

ええっ!って。 警視庁がサンズイ、ゼロかよ。

そういえば、広島もあんまり聞かないなあ。


いろんな要因があるんでしょう。

刑事の力量低下、コンプライアンスの偏重、取り調べ可視化の影響…。

まあ、複合的なんだろうな。

その分、報じる側の責任も増しているような気もする。



てなことを思いながら、ある日に出社。

そしたらコレだ。




密教さんが置いてくれてました。

正直、アタマ、おかしいだろと。

実に嬉しいw




まさに正史と裏面史。



この週末、読み応えがあるのばかり。

いやあ、楽しいね~


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