で、くそじじいのおごりで、みんなでお食事をした。
むやみとプリンスホテルが好きなジジババなので、
いつものように高層階での懐石料理である。
お値段の方も、場所と同様、ムダに高いのだが、
こんなものをコドモが食べて「美味しい」と思うわけがない。
しかし、そんなこたあ知ったこっちゃないジジババである。
すぐに打ち解けるんだねえ。
「血は水よりも濃し、じゃのう」なんて、
実にありきたりなフレーズを口走るジジイ。
私は血縁とか、家とか、
そーゆーものが大嫌いなタチなのであるが、
まあ、そーゆーこともないわけではないのであろう、うう。
で、笑えたのは、うちの姉貴。
「あんたぁ、ポルシェじゃなんぞ言うて、
●●ちゃん(うちの奥さん)を困らせよるんてぇ?
アホちゃうん? なーにがポルシェね!」
私に罵詈雑言を浴びせかけるのである。
「お前の旦那はAMGじゃん!」と反撃する私に、
じゃが、あたしゃあ、デミオじゃけえねっ」と言い放つのである。
うちのチビまで、
「お父さん、いい加減にしないとだめだよ」と
私をたしなめる始末。
ババアはババアで、
「屋根は空かんでも、ドアが空けばええんじゃないん?」
根源的な問いかけをぶちかましてきやがる。
まったく多勢に無勢である(笑)。
ただ、甥っ子や姪っ子にはどーも好かれているらしい、私は。
何でも「OK」なおぢさん。
かつてはメチャクチャだったみたいだけど、
今はちゃんと働いてるおぢさん。
要するに、一族に一人ぐらいいる、
変わりもので面白いヒトって役回りですな(笑)。
そう言えば、彼らにウケてたのは、姉貴と私の抗争準備話。
17歳のころか、よーく喧嘩をしていた私。
で、翌朝、どうしても派手なことになりそう、っていう局面を迎えた。
しょうがないので、
刃物を防ぐためにシャツの下に週刊プレイボーイを入れたり、
何かと忙しい。
そこにやってきた姉貴。
状況を説明すると、「じゃあ、やってみようか」とおっしゃる。
そして、弟の腹に躊躇なく包丁を突き立てた姉貴は、
「あんたあ、ジャンプにしんさいや。
もうちょっと厚いほうが安全よ」とのたまったのである。
フツー、止めるだろ、と。
今の私なら、小一時間説教したいところである(笑)。
で、そんなおぢさんはプリンスホテルを出た瞬間、
「足りなかったろ。ラーメンでも食いに行くか?」
ジジババはもちろん止めるのだが、
子どもたちは大喜びで「レッツゴー!」だ。
で、食うのよ、こいつらが、ぺろっと。
やさしいし、賢いし、
姉貴のコドモとは思えない二人。
君たち、あんな極悪母に負けずに、
雄々しく、強く、生きていくんだよ。
なんかあったら、おぢさんに言いなさい。
きっと助けてあげるからね。