1km当たりの輸送密度500人以下を対象にしたい意向だったが、国の骨格である宗谷線と根室線の末端部がそれに当たるためか、200人以下という基準により留萌線と札沼線末端、現在不通となっている根室線の富良野~新得、そして分断すると輸送密度が下がるであろう日高線の鵡川~様似について、バス転換を軸に協議を進めていくとしている。
その他の対象線区については地元の出資による上下分離で路線を維持する方向となり、現在特急を高速化するためにある第三セクターの『北海道高速鉄道(株)』がインフラ維持を目的とした内容へ改組し、JR北海道が運行する流れとなるものと見られる。
これで国からも一定の支援をもらえる形となるが、これまで従来の北海道高速鉄道(株)に出資している旭川~名寄・帯広~釧路についても、今後枠組みを変えるため協議せざるを得ないという事なのだろう。
これまで気動車を中心に適切な車両代替をしてこなかった影響による車両不足が生じているが、近く出てくるローカル列車用の新型車両は、財務状況から必要な数より少ない数しか入れられず、更に新型のローカル用気動車はハイブリッド方式となるため、キハ54形を始めとする既存の車両との混用ができない。
このため新型車両については110km/h運転が可能な路線で集中的に使用する見込みである事から、先述の帯広~釧路と旭川~名寄には新型車両を入れる可能性が高く、その車両費用が嵩む事を見込んでいるものと見られる。
札幌圏さえ赤字である以上は巨額損失を毎年計上する状況が変わらないため、国からの出資を含めた上下分離方式で運行を維持していくしかないであろう。
JR北海道、道、沿線自治体でかなりの温度差があるため、分割民営化を進めた国も入って真剣に詰めていって欲しいところである。