日本は事実上アメリカ主導による僅かな期間で作成した日本国憲法により、戦力を放棄して日米安保を締結してアメリカの核の傘の下に入る事となったが、今アメリカ自体が世界の警察的な役割を否定しつつある中に於いて、日本はアメリカに追随せざるを得ない(圧力に屈さざるを得ない)状態となっているデメリットが多々出てきている。
例えばアメリカとロシアは東西冷戦時代から現在に至るまで関係が冷え込んだままであり、北方領土問題も国後水道をロシアに帰属させたくない軍事的な理由から、これまで「四島一括返還以外は応じるな」とアメリカが日本に圧力をかけてきたため、日露平和条約が結ばれていない点を含めこれまで進展がなかった真の理由である。
またISIS等のイスラム過激派が日本人を標的にしたテロや人質事件を起こした件や、北朝鮮問題もいつも膠着状態になるのも敵国であるアメリカに追随している面が色濃く出ている。
更に日本とイランは友好関係にはあるが、原油取引縮小などの経済面や、核を巡る世界レベルでの協議や採決についてもアメリカ追随が色濃く出てしまった。
何よりどんな協議に於いてもアメリカには意見する事はあっても逆らえないため、条約や協定は不利な条件となりやすい負の面も出ている。
なおアメリカも財政難と戦争反対の流れから、軍事費用を諸外国に求めたり撤退したりする流れが進められており、日本も憲法9条を先守防衛と国際貢献に絞る形で自衛隊を軍として認め、アメリカ軍との連携は残しつつも原則自国防衛をしていく事が欠かせなくなるであろう。
自国防衛をするという事はアメリカに弱みを握られなくて良くなるため、交渉や取り決めに日本の立場を色濃く出す事ができるようになる。
アメリカ軍が連携部隊以外を引き揚げた場合、日本の軍事予算が増えると主張する向きもあるが、これは現在アメリカに支払っているいわゆる「思いやり予算」(軍事費外の扱い)などを回す事で大幅増には至らず、アメリカに支払う現在よりお金が国内で循環する分経済的にもプラスとなる。
広い視点から見ると外交で有利な交渉をしたり、経済を良くするためには日米安保から自国防衛に舵を切るのが一番の近道であろう。