すき焼き(12): 台所(1)家の配置
ついでと言えば恐縮であるが、
昔の我が家の台所は
当時の京都の長屋としては
標準的なものであった。
玄関から裏まで一本の細い通路が有った。
下駄ばき通路で所謂(土間)である。
その通路の行先デアル裏には.小さな庭が有って、
そこにトイレもあった。
水洗便所になる前ハその特有の匂いのために
居住区から離れているのが常であった。。
裏には荷は鬼門のため . . . 本文を読む
すき焼き(11): 卓袱台(4)
すき焼きと言えば、当然
「煮ながら」食する。
そのために、
コンロとか七輪などを
食卓に置くと言うか
設置することが必要である。
最近我が家では時々面倒なのか、
台所で煮たものを
食卓へ持ってくることがある。
これは全くの邪道である。
昔の卓袱台には
そのための仕掛けがあった。
何処の家でも
そうとは言えないかも知れないが、
卓袱台の中央は円形の板を . . . 本文を読む
すき焼き(10): 卓袱台(3)
卓袱台は何かと便利であった。
一人一人のお膳だと
料理を一人づつ分けて
盛り付ける必要がある。
しかし、
卓袱台では
中央に大皿に料理を乗せて、
後は
好きなように
好きなだけ
お食べ下さいと
言うことになる。
勿論食べ盛りの子供には
うれしいし、
嫌いなものも
決してノルマ的に
食べなければならないこともない。
時には好物なものだと
「これこれ」
「万 . . . 本文を読む
すき焼き(9): 卓袱台(2)
我が実家の卓袱台のポイントは「円形」であり、
「折り畳み」が出来ることであった。
当時としては、
ごく標準的な卓袱台である。
円形は確かに上座・下座の関係がない。
更に一人や二人増えても何ら問題はない。
少し詰めて座ればよいし、
座布団がなければ
誰かが座布団なしで座ればよい。
とは言え、
各家庭ではそれぞれの座る位置は
概ね自然と決まっていた。
食事中 . . . 本文を読む
すき焼き(8): 卓袱台(1)
すき焼きの話を始めるのであるが、
「すき焼き」だけでは
間が持たないところがある。
それで
当時のお膳・卓袱台、台所・炊事場の話等々
すき焼き/
食事等に関係する話題をも
併せてしようと思う。
我が家では「お膳」と言っていたが、
卓袱台と言うのが正式な名前であろう。
と言うのは
お膳は一人づつの食卓であるらしいからである。
ウイキペディアによると
次のよう . . . 本文を読む
すき焼き(7): まずは、語源のお勉強(2)
語源を見て見る。
魚介類を杉の箱で味噌煮にした
『杉やき』が有ったらしい。
ここでは魚介類がポイントである。
一方、農具の一つである『鋤』で
肉を焼いた鋤焼きがあった。
ここでは『肉』がポイントである。
特に肉の種類は拘らないようだ。
と言っても昔のことであるので
『牛肉』はご法度である。
魚以外の動物たんぱくを焼いたのであろう。
魚介 . . . 本文を読む
すき焼き(6): まずは、語源のお勉強(1)
「すき焼き」は
どうして「すき焼き」と云うのであろうか?
言葉「すき焼き」には
何処にもメインの材料である
「肉」なる単語は出てこない。
寄せ鍋風であるが、
道具である鍋も出てこない。
多分坂本九の
『上を向いて歩こう』が
米国で「SUKIYAKI」となり
大ヒットしたことを思うと
人気とその言葉とは
無関係なのかと思ってしまう。
関西のすき . . . 本文を読む
すき焼き(5): コンパ 席
コンパなどの時にすき焼きで
どこに座るかが問題となった。
七輪を中央に置く昔の方式の場合の話である。
七輪はガスコンロと違って
火力が場所によって若干異なる。
それは、炭の置き方と空気取り入れ口との
関係で決まってくる。
卓袱台は丸いので、
何処の席からでも等距離にある。
ここが円形の卓袱台の良いところである。
みんな平等なのである。
だから、一見座る席は . . . 本文を読む
すき焼き(4):宴会(2)
私の世代ではこの鍋物は
お互いの親近感を熟成する上で
欠かせない食べ物と言うか、
道具立てであった。
しかし最近は
そもそも鍋物自体が敬遠される。
一つの鍋を多人数で突っつくのは
衛生上の理由もあるし、
どうも今の個人主義的な作法に
馴染まないからかもしれない。
それで、最近は鍋物は流行らないが、
当時はそんな難しい話はなかった。
何しろ予防注射は回し打ちが常 . . . 本文を読む
すき焼き(3):宴会(1)
最近はコンパは流行らないかも知れないが、
昔何かにつけて「コンパ」が流行っていた。
ささやかなと言うか自前の宴会である。
類似の催しとして
「合ハイ」・「合コン」があった。
今でいう(婚活)類似であるが、
それほど差し迫ったものではない。
その頃の「コンパ」の定番のメニューは
やはり「すき焼き」であった。
今なら、肉系ならば「しゃぶしゃぶ」、
魚系ならば「水炊 . . . 本文を読む
すき焼き(2):手が掛からないメニュー
父親が「今日はすき焼き」というのは、
決して母親の料理作りの手助けではない。
今思えば、京都は
母親が余り料理はしない土地柄であった。
土地柄と言えば
語弊が有るかも知れないが、
今もそう思う。
例えば朝の漬物などは
その日の朝に買いに行く。
勿論、母親が買いに行くのではない。
幼子の私の毎日の役目であった。
漬物屋と言うか総菜屋と言うか
季節ごと . . . 本文を読む
すき焼き(1): 一番のごちそう
小さい頃、
今から約60年よりも少し前の
時代の話である。
我が家での一番のご馳走は
「すき焼き」であった。
余り献立に注文を付けない父親であったが、
「すき焼き」にするかどうかの決定権は
父親が持っていた。
多分父親が
「ぼつぼつと体の脂肪が抜けてきた。」
と思うと
「すき焼き」の出番になる。
そんな思い出のためか
今も食卓でのすき焼きは
特別な感じが . . . 本文を読む
すき焼き:初めに
本当に長い間記事投稿はご無沙汰である。
大体一年ほどのお休みである。
今もページは残っている。
暫くの間「すき焼き」の記事を書こうと思う。
どこまで続くかわからないが…。
昨今の社会の話題は
我が年齢を考えると何れも相当重たい。
それに何かにつけて老齢者には厳しい話題が多い。
それの口直しの意味もある。
更に、話題が無くなったら
「食い物」を話題にするのが、
他愛無く一番 . . . 本文を読む