NPOな人

NPOの現状や日々の雑感などを徒然なるままにお伝えします。

甘露忌

2010年07月25日 | 日記
今日は、神奈川県生まれの俳人、秋元不死男の忌日で甘露忌と呼ばれています。

不死男は昭和16年2月、新興俳句事件に連座して、丸2か年を芝高輪警察署・東京拘留所で過ごしました。特高警察は、旧左翼が壊滅してしまって取り締まるべき対象がなくなると、理由のないところに事件を捏造しましたが、新興俳人の多くがその犠牲者となりました。

独房に釦おとして秋終わる
胸寒く見下ろす獄衣袂なし
借りて読む獄書のくさき十二月
獄凍てぬ妻きてわれに礼をなす

大量の拘引者を出した新興俳人の中で、獄中吟を残しているのは不死男だけです。しかも、彼の獄中吟は心理的な暗さはなく、むしろ楽天的な感じさえします。

晩年は擬声語を巧みに使ったことでも知られていますが、その自由奔放な句風は、とても真似が出来ません。

鳥わたるこきこきこきと罐切れば
ライターの火がポポポポと滝涸るる
へろへろとワンタンすするクリスマス
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