川塵録

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玉砕すとも

2024年06月29日 | 古典・漢籍
西郷が遠島の刑に遭った(島流しされた)、沖永良部島に行ってきました。

彼が入っていた吹きざらしの独房などを見て、西郷の有名な漢詩を、改めて噛み締めています。

丈夫玉砕とも甎全を愧ず。

立派な人間は、たとえ玉砕しようとも、酔生夢死のように、何もせずに生き永らえることはない。

この字は、子どものために私が半紙に書きました。
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薩摩精神の源流 宝暦治水 (20220808-sora)
2024-06-30 09:24:08
人の一生は、その人の死に様に現れるとよく言いますが、私は西郷の最後は、まさしくこの一文が現実となったような感があると思っています。

国を思い、民を思い、この国の行く末を思い、自分と自分を慕う者達の命を使い、反乱者という汚名の下に、新政府の理非曲直を正し、天に訴える。

そんな最後ではなかったと思います。

こちらのサイトに、維新後の新政府に対する西郷の思いが纏まってよく書かれています。最初にhを追加して頂ければ読めます。

ttps://shibayan1954.blog.fc2.com/blog-entry-547.html

最後の夜、西郷は宴会を開いたと言います。
昔、私はこういう短歌を作ったことがあります。

散り際の華やぎのみが痛みをも忘るゝ術と囁く桜


散って言った者達、そして今から散っていく者達のために開いたのでしょう。西郷の覚悟と共に戦った者達への深い愛情が見える一幕だと思います。

おはら節の一節

薩摩西郷さんは 世界の偉人 国のためなら オハラハー 死ぬと言うた

という歌詞が本当によく表れた最後だったと思っています。



さて、このような西郷を育んだ薩摩ですが、その精神の源流についてご紹介させてください。

「薩摩義士」という存在を知られておられますでしょうか?

宝暦3年に薩摩藩が幕府に命じられて、揖斐川・長良川・木曽川の分流改修工事を行った者達の名称です。

この時の改修工事を「宝暦治水」といいます。
薩摩藩が、極めて理不尽かつ悪逆な所業に晒された事件です。

薩摩藩側では、これを国恥とし、歯を食いしばって国を立て直し、倒幕の準備に突き進みます。

実際、親戚でこの薩摩義士について話そうとしたとき、やっぱりおばさんからものすごく怒られました。

その当時、薩摩義士について調べ評価し見直そうとい動きが鹿児島であったのですが、おばさんは、あの人たちはいわゆる士分階級外の出身だから・・・とにべもなく言って、「士分」出身の人達には雑多その話題を振るな、と怒られたのですが、

その関係なのか、薩摩義士の話はほとんど知られません。

大河ドラマにしてもいい話だと思いますが。

しかしながら、この宝暦治水を境に薩摩の精神性は確実に変わったと思われる事件です。

国を思い、民を思い、恥辱に耐え忍び、耐えがたきを耐え、ことを成し遂げて従容と死んでいく。

そんな精神の土台を作ったのがこの宝暦治です。

是非とも調べてみてください。
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Unknown (05tatsu)
2024-06-30 10:44:21
ありがとうございます、義士と平田靱負のことはよく知っています。赤山靱負と平田靱負、、 靱負繋がりですね
返信する
Unknown (20220808-sora)
2024-06-30 11:55:44
>05tatsu さんへ
>ありがとうございます、義士と平田靱負のことはよく知っています。赤山靱負と平田靱負... への返信

お知りだったのですね。ありがとうございます。

先の投稿でも書いたのですが、薩摩ではこれは国恥として扱われ、これに赴いた人達の多くは切腹しましたが、これに赴いた家も恥として、これに参加したことは公然の秘密として取り扱われ、口伝も残されておらず、いったいどこの家の誰が参加したのか、後世では良く判らないとなっています。

私の先祖も加わっているかもしれません。

ただ、それほどの憤怒を抑え込み、国と民に尽くした精神性を持ったことこそが、西郷という人物を生み出した土壌にあり、私もそのような土壌を生み出した先祖達の後孫であることは私のひそやかな誇りです。

この話はあまり話したことは無いのですが・・・なんか、西郷さんのことをよく書いて頂いたので、自慢ではないのですが、話したくなりました。

失礼しました。
返信する
Unknown (05tatsu)
2024-06-30 12:00:06
内村『代表的日本人』の冒頭が西郷。最も新しい人間が西郷。逆賊なのに。その精神性、宗教性は、深く研究するに値します。
返信する

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