スズラン酒造(一宮)の社長夫妻がワインを納品に来られた時の話です。
スズラン酒造は、明治時代、天皇に日本酒とスパークリングワインを献上したことは知っていました。
スズラン酒造は、元々江戸時代から続く日本酒の蔵元。当時は池田屋酒店。
明治時代の殖産興業政策で、知事よりワインの製造を進められ、国費でドイツ人技師を派遣され、ワイン醸造を始めました。
天皇に献上したのは、日本酒と「ワイン博士」というワイン。
さて、日本酒の名称は知らなかったのですが、本日、社長夫妻より、「君が代」という名前だったことを聞きました。
私が知っている限り、君が代は、甲府の十一屋酒造のブランド。
私が40年前の幼少期には、まだ販売していたと記憶しています。
その後、十一屋酒造は廃業。現在十一屋は、不動産業として、会社は甲府工業近くのケーヨーホームセンター横にあります。
君が代は、名の通ったブランドだったため、菊星ブランドの田辺酒造(甲州市塩山)にブランドが移ったと思います。
田辺酒造(現甲州市市長の元家業)も廃業したため、今は笹一酒造(大月市)が君が代を作っているとの事。
その君が代は、元々はスズラン酒造のブランドだったことは驚きました。
さらに驚いたのは、君が代は森鴎外が名前を付けたということ。
スズラン酒造の小池社長の祖父か曾祖父の弟が東京で医者をしていて、森鴎外と仲が良く、森鴎外が君が代という名前を付けたとの事。
伝統のブランドが、他社製造としても、まだ存在していることは喜びです。
写真は、スズラン酒造が作る、一升瓶ワインです。
スズラン酒造は、今年の春から、どぶろくも製造していますが、社長は元々の家業の日本酒製造に興味があるようです。
ただ、日本酒の製造免許の最低製造量が大き過ぎ、とぶろく製造に留まるそうです。