山梨のスパークリングワインで、最高峰の品質の一つ、機山洋酒(塩山)のトラディショナルブリュット。
甲州種100パーセントの辛口。
シャンパン製法と同じ瓶内2次発酵のスパークリング。
作り始めたのは、2000年頃。
そのころは、甲州種のワインが余って、どうにか甲州種をもっと売ろうと、スパークリングワインを作り出すことに。
甲州種の栽培農家と、甲州種を買い取るワイナリーとの関係は、良い時悪い時を繰り返していましたが、2000年頃は、甲州種ワインの販売が悪く、農家では甲州種の葡萄の樹を切ってしまう所も多くありました。
山梨県も甲州種ワインの販売拡大をねらって、国産ワインコンクール(現日本ワインコンクール)を、2003年から開催しています。
2004年の第2回国産コンクールで、丸藤葡萄酒のルバイヤート甲州シュール・リーが、甲州種ワインで初めて金賞を受賞。そのレベルの高さから、一気に甲州種ワインが日本中で認められていきます。
スパークリングの製法は、大きく分けて、瓶内2次発酵、タンク内で2次発酵をさせるシャルマ方式、炭酸ガス注入方式があります。
シャルマ方式と炭酸注入方式は、設備や装置の費用が莫大にかかることから、瓶内2次発酵の製法を採用。
ただ、瓶内2次発酵は、手間隙かかります。
素人が想像するに、瓶内2次発酵の大変さは、瓶を毎日回さなければならない点や、最後の酵母を抜くところにあると考えます。
キザンの土屋社長は、2次発酵を順調にさせることが大変だったと言います。
すでにアルコール度数が11度前後あるワインを、さらに2次発酵をさせることが難しく、発酵しなかったり、途中で止まったりと、苦労が絶えなかったとのこと。
毎日、1200本の瓶を回すそうですが、これは10分以内でするそうです。
その頃、甲州種の瓶内2次発酵のスパークリングが無かったこと、出来上がったスパークリングの完成度が高かったことで、一躍有名なワインになりました。
名前のトラディショナルは、伝統的製法で作ったスパークリングワインということ。
伝統的製法は、シャンパンと同じ瓶内2次発酵のことですが、シャンパンはシャンパーニュ地方のものしか名乗れないため、シャンパーニュ以外の瓶内2次発酵のスパークリングには、トラディショナルが使われます。ブリュットは辛口のことです。
キザンワインは、甲州種のブランデーやマール(搾った葡萄かすを原料にした蒸留酒)もあるので、食前酒のスパーク、食中酒のワイン、食後のブランデーやマールと、キザンのお酒だけで、すべてが揃います。
さらに、ワイン、スパークリング、ブランデーやマールは、甲州種が原料です。
地産地消、地元を大切にする機山洋酒の姿勢は、はっきりしています。
http://hamamatsuya.jp/sparkling-list.html