山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

塩尻のワイナリー訪問

2010-09-04 00:53:02 | ワイナリー訪問記
最近の国産ワインコンクールを見ても、長野県のワイナリーの品質の高さは定評があります。
長野県には24のワイナリーがあり(山梨は約80)、塩尻市には7つのワイナリーがあります。
その7つには、メルシャンやサントリー、井筒ワイン、五一ワインなど、全国的に知られたワイナリーがあるので、長野の中で最も有名なワイン産地になっています。

ということで、敵情視察。

塩尻市の7つのワイナリーは歩いて周れると言われていて、同じく歩いて周れる勝沼と、その点でもライバル、などとちょっとズレた視点もあったのですが、塩尻は歩いて周れません。

私は、100m先のコンビニまでも自動車に乗る典型的な山梨県人なので、塩尻のワイナリーマップを一目みただけで、これは自動車だな、と思いました。この距離を歩くのは、電車慣れした都会の人だけです。この点、まずは勝沼に利あり。勝沼はせまい街に34社、歩いて周れるワイナリーは十数社あります。

塩尻ICから国道19号線に入り、塩尻市街を抜けると、いよいよ葡萄畑が連なります。しかし、葡萄畑ばかりではありません。同じくらい、りんご畑もあります。さすが長野県。

桔梗ヶ原の交差点を右折すると、いよいよワイナリーが点在します。

まずはメルシャン。ここが今回の目的の大きな一つ。
メルシャンは、桔梗ヶ原メルローという日本の赤ワインのトップのワインを産出しています。価格は1万円。
しかし、行ってみて初めて知りました。メルシャンは、ここに醸造施設を持っていません。塩尻で栽培した葡萄を、勝沼で醸造していたのですね。だから、桔梗ヶ原メルローは山梨産になっているのですね。ちょっと、長野県の方に同情してしまいました。せっかく素晴らしい葡萄を作っても、そのワインは長野県産ではない・・・。

すぐに井筒ワインが右側に。ここも凄いワイナリーです。
今年の国産ワインコンクールの欧州系赤ワイン品種部門で、カベルネソービニヨン樽熟が第1位。それも、先に述べたメルシャンの桔梗ヶ原メルローを2位に抑えての第1位。さらに、カベルネフランでも金賞、銀賞にも3つのワインが入賞、凄いです。

井筒ワインの道を挟んで、斜め前には五一ワインの林農園。
このワイナリーは、塩尻にメルローを初めて植えたことで知られています。フランス、ボルドーで有名なメルローを、気候の違う塩尻で成功させて業績は偉大です。
山梨のワイナリーも、塩尻のメルローを購入しています。

以上、3つのワイナリーは隣接しています。
車に乗って、さらに奥へ進む(道が狭くなってくるので、まさしく奥へ、という感じです)と、信濃ワイン。
ここも、以前国産ワインコンクールで、メルローが第1位になっています。

そして道に迷っていると、突然コカコーラの工場が・・・と思ったら、アルプスワインでした。それほど、大きく、近代的な建物。山梨のワイナリーでは、昔ながらの木造建築のワイナリーもあるのですが、ここは対極の建物。山梨にも同名のワイナリーがあり、どちらも素晴らしいワインを産出しています。私の店では、山梨のアルプスワインしか扱っていませんが、こちらのアルプスワインにも、魅力的な一升瓶ワインがありました。

最後に、JA塩尻ワイナリーへ。
ここは、農協直売所と併設され、たくさんのお客様がいました。さすが農協直営、たくさんの種類のワインを作っていました。

ほかに城戸ワイナリー、サントリー塩尻ワイナリーがあるのですが、今回訪れた9月3日は暑すぎて(35度はあったのでは)、この2つのワイナリーに寄らなかったのは後悔しています。

ワイナリーがある街並みという観点からは、勝沼の方が上ですが、ワインの品質では赤は塩尻のほうが上ですね。白は、甲州種がある山梨のほうが上だと感じました。


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