国道20号線、甲州市勝沼町下岩崎の歩道橋のある信号を、東京方面に向かって右折、まるき葡萄酒の社屋を過ぎると、フジッコワイナリーがあります。
そこは丘の上、眼下には勝沼の葡萄畑が広がっています。
フジッコワイナリーの親会社は、昆布や漬物を製造している「ふじっこ」です。
1986年から、山梨でワインを製造、山梨では比較的新しいワイナリーです。
最近は、国産ワインコンテスト入賞の常連で、その実力は日本トップクラスです。
平成19年1月30日、比較的暖かい冬晴れの午後、フジッコワイナリーを訪問させていただきました。
案内してくれたのは、製造係長の松永さん。九州出身の方で、山梨にはご家族と引っ越して来られたそうです。博識で、温和な方です。
フジッコワイナリーでは、白ワイン6割、赤ワイン4割の割合で作っているそうです。出荷先は、県外6割、県内4割、全国にワインを販売しています。
白ワインの葡萄品種は、甲州が70%、そのほかナイアガラ、セミヨン、巨峰(ロゼ)、シャルドネ。
赤ワイン葡萄品種は、マスカットベリーAが80%、そのほかメルロー、コンコード、アリカントなどを作っています。
親会社が日本食製造のため、ワイナリーの方向性は明確。日本食にマッチしたワインづくりを目指しています。
以前は白ワインはシャルドネ、赤ワインはカベルネソービニヨンを栽培、世界標準のワイン作りをしていたそうですが、ワインの強い個性が、微妙な味わいを大切にする日本食に合わないと判断、方向性を代えました。
そこで力を注いだのが、日本に昔からある甲州種とマスカットベリ-A種。
甲州種もマスカットベリーA種も、それ自体では、多少個性に弱いところもありますが、日本食と一緒に飲食すると、料理もワインもその良さを生かせるとのことでした。
原料の葡萄は、ほとんどが契約農家から調達され、自社畑ではいろいろな実験をされているそうです。
その一つに、一文字栽培があります。
契約農家の葡萄畑は、元々生食用の葡萄畑なので棚式の葡萄畑です。
葡萄の樹は少なく、枝をたくさん張り巡らして、一つの枝からたくさんの葡萄を実らせます。
一方、最近のワイナリーは海外のワイナリーと同じ、垣根式葡萄栽培が多くなりました。垣根式では、葡萄の樹をたくさん植えて、一つの葡萄の樹になる葡萄を少なくします。
棚式栽培の良い点は、同じ面積なら垣根式栽培よりも葡萄がたくさん収穫できます。作業も腰を伸ばしてできるため、垣根式よりは楽です。
垣根式栽培の良さは、一つの葡萄の樹にできる葡萄が少ないため、葡萄の糖度が上がり、ワイン造りに適した葡萄ができます。反面、腰を折った作業になるのが問題です。
そこでフジッコワイナリーでは、棚式栽培を採用し、葡萄の糖度を上げるため、一つの葡萄の樹から、枝を左右一本ずつ2本しか出さない「一文字」栽培を始めました。
これならば、葡萄の糖度も上がり、作業も比較的楽になります。
契約農家の高齢化もあり、フジッコワイナリーは一文字栽培にかけています。
フジッコワイナリーのワインは手で回せるスクリューキャップが6割になります。
熟成させたほうが良い甲州シュールリーなどのワインはコルクですが、そのほかはスクリューキャップす。お客様のことを考えると、スクリューキャップの方が便利です。ワイナリーによっては、変なこだわりがあり、スクリューキャップを一切使わないところがありますが、フジッコワイナリーはお客様重視の姿勢です。
フジッコワイナリーのワインリストは、広範囲です。
ワインコンテストで賞を獲る本格派から、地元で愛される1升瓶ワイン、手軽に飲めるデイリーワインやフルーツワインまで。
そこで、おもしろいワインを3つ紹介させてください。
1つ目は、発酵途中で製品化してしまった「クラノオト」。
発酵途中では、まだ葡萄成分が残っていて、にごりワインのような状態。また、アルコール度数は10度以下、炭酸も少し残っていて、フルーティでジュースのようです。
ボトルがコルクが瓶と金具で繋がれているアンティーク瓶、昨年2種類が販売され、今年夏前には5種類になるそうです。
2つ目は、スパークリングワイン。瓶内2次発酵させた本格派。山梨のワイナリーで本格派のスパークリングワインを造っているのはまだ少なく、将来有望なスパークリングです。
3つ目は葡萄液「葡萄の上手な搾りかた」です。
山梨のワイナリーの多くは葡萄液も造っていますが、濃縮還元の葡萄液が目立ちます。フジッコワイナリーの葡萄液は、葡萄を搾ってそのまま瓶詰する本物です。そのため、賞味期限が短かったり、少し価格が高いのですが、ワイン産地ならではの本当の葡萄液です。
突然の訪問に関わらず、松永さんには2時間も丁寧にワイナリーを案内していただきました。
このワイナリーを訪問しようとした理由は、最近のワインコンテスト入賞常連のレベルの高さを見たいことやと、営業マンの熱心さでしたが、ワイナリーで働いている方も皆親切でした。
心地よい冬のひと時を過ごさせていただきました。
そこは丘の上、眼下には勝沼の葡萄畑が広がっています。
フジッコワイナリーの親会社は、昆布や漬物を製造している「ふじっこ」です。
1986年から、山梨でワインを製造、山梨では比較的新しいワイナリーです。
最近は、国産ワインコンテスト入賞の常連で、その実力は日本トップクラスです。
平成19年1月30日、比較的暖かい冬晴れの午後、フジッコワイナリーを訪問させていただきました。
案内してくれたのは、製造係長の松永さん。九州出身の方で、山梨にはご家族と引っ越して来られたそうです。博識で、温和な方です。
フジッコワイナリーでは、白ワイン6割、赤ワイン4割の割合で作っているそうです。出荷先は、県外6割、県内4割、全国にワインを販売しています。
白ワインの葡萄品種は、甲州が70%、そのほかナイアガラ、セミヨン、巨峰(ロゼ)、シャルドネ。
赤ワイン葡萄品種は、マスカットベリーAが80%、そのほかメルロー、コンコード、アリカントなどを作っています。
親会社が日本食製造のため、ワイナリーの方向性は明確。日本食にマッチしたワインづくりを目指しています。
以前は白ワインはシャルドネ、赤ワインはカベルネソービニヨンを栽培、世界標準のワイン作りをしていたそうですが、ワインの強い個性が、微妙な味わいを大切にする日本食に合わないと判断、方向性を代えました。
そこで力を注いだのが、日本に昔からある甲州種とマスカットベリ-A種。
甲州種もマスカットベリーA種も、それ自体では、多少個性に弱いところもありますが、日本食と一緒に飲食すると、料理もワインもその良さを生かせるとのことでした。
原料の葡萄は、ほとんどが契約農家から調達され、自社畑ではいろいろな実験をされているそうです。
その一つに、一文字栽培があります。
契約農家の葡萄畑は、元々生食用の葡萄畑なので棚式の葡萄畑です。
葡萄の樹は少なく、枝をたくさん張り巡らして、一つの枝からたくさんの葡萄を実らせます。
一方、最近のワイナリーは海外のワイナリーと同じ、垣根式葡萄栽培が多くなりました。垣根式では、葡萄の樹をたくさん植えて、一つの葡萄の樹になる葡萄を少なくします。
棚式栽培の良い点は、同じ面積なら垣根式栽培よりも葡萄がたくさん収穫できます。作業も腰を伸ばしてできるため、垣根式よりは楽です。
垣根式栽培の良さは、一つの葡萄の樹にできる葡萄が少ないため、葡萄の糖度が上がり、ワイン造りに適した葡萄ができます。反面、腰を折った作業になるのが問題です。
そこでフジッコワイナリーでは、棚式栽培を採用し、葡萄の糖度を上げるため、一つの葡萄の樹から、枝を左右一本ずつ2本しか出さない「一文字」栽培を始めました。
これならば、葡萄の糖度も上がり、作業も比較的楽になります。
契約農家の高齢化もあり、フジッコワイナリーは一文字栽培にかけています。
フジッコワイナリーのワインは手で回せるスクリューキャップが6割になります。
熟成させたほうが良い甲州シュールリーなどのワインはコルクですが、そのほかはスクリューキャップす。お客様のことを考えると、スクリューキャップの方が便利です。ワイナリーによっては、変なこだわりがあり、スクリューキャップを一切使わないところがありますが、フジッコワイナリーはお客様重視の姿勢です。
フジッコワイナリーのワインリストは、広範囲です。
ワインコンテストで賞を獲る本格派から、地元で愛される1升瓶ワイン、手軽に飲めるデイリーワインやフルーツワインまで。
そこで、おもしろいワインを3つ紹介させてください。
1つ目は、発酵途中で製品化してしまった「クラノオト」。
発酵途中では、まだ葡萄成分が残っていて、にごりワインのような状態。また、アルコール度数は10度以下、炭酸も少し残っていて、フルーティでジュースのようです。
ボトルがコルクが瓶と金具で繋がれているアンティーク瓶、昨年2種類が販売され、今年夏前には5種類になるそうです。
2つ目は、スパークリングワイン。瓶内2次発酵させた本格派。山梨のワイナリーで本格派のスパークリングワインを造っているのはまだ少なく、将来有望なスパークリングです。
3つ目は葡萄液「葡萄の上手な搾りかた」です。
山梨のワイナリーの多くは葡萄液も造っていますが、濃縮還元の葡萄液が目立ちます。フジッコワイナリーの葡萄液は、葡萄を搾ってそのまま瓶詰する本物です。そのため、賞味期限が短かったり、少し価格が高いのですが、ワイン産地ならではの本当の葡萄液です。
突然の訪問に関わらず、松永さんには2時間も丁寧にワイナリーを案内していただきました。
このワイナリーを訪問しようとした理由は、最近のワインコンテスト入賞常連のレベルの高さを見たいことやと、営業マンの熱心さでしたが、ワイナリーで働いている方も皆親切でした。
心地よい冬のひと時を過ごさせていただきました。