「わがままな子ねぇ」
まもるは、小学5年生。
学校から家に着くなり、「腹減った、かあーさん、ご飯まだー?」とランドセルを下ろしている。
母親は、「まだ、早いじゃない、支度している最中よ。すぐだったら、目玉焼きぐらいしか出来ないわよ」
まもる「あーん、それで取り合えずいいよ!ご飯の上に乗せといてね。早くして、死にそう!」
母親「オーバーねぇ、じゃ、すぐ造るわ」
まもるは、DSゲーム機を取り出し、テーブルの上でゲームをやり続けている。
しばらくすると、まもるがゲームをしているテーブルの上に、まもるのお茶碗がコンと置かれ湯気が上がっている。
まもるは、いい匂いにつられ、ゲーム機から目を離して、お茶碗を取ろうとしたら、「わぁー!」っと大声を上げ、椅子から転げ落ちるのであった。
「これ、なにー!」っとまもる。
母親は、「目玉焼きよ」っと一言。
まもるのお茶碗には、二つの目ん玉が乗っている。
焼かれて黒目が白くなっている。
まもるは、お茶碗から目を離して、母親を見ると、母親の目が大きく穴が開き、黒くなっている。
「すぐ出来るのって、これしかないのよ!もう、わがままな子ねー」っと母親は言い、手探りでまもるのお茶碗を探して、片付けているのであった。