ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

逆転の…

2017-11-18 08:02:22 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「立場を変える」11月9日
 『日本発の迷惑外来種は?』という見出しの記事が掲載されました。『ヒアリが話題になったけど、日本から海外に出て問題となっている生物もいるんじゃない』という疑問に答える記事です。記事によると、『植物のイタドリやクズ、海藻のワカメ、淡水魚のコイなど』が、『世界の侵略的外来種ワースト100』に入っているそうです。
 私はこの記事をとても興味深く読みました。こうした事実をはじめて知ったのです。もちろん、私が不勉強な所為もあるでしょうが、そもそも我が国は外来種によって不利益を被っている「被害者」であるという意識が強く、我が国を「加害者」の立場に置くという発想がなかったため、モノやヒトが盛んに行き来する時代であれば、被害も加害も双方向で発生しているはずという、冷静に考えれば子供にでも分かることがみえなくなっていたのです。
 実は、こうした「盲点」が、子供の興味関心を惹き付け、探求心をかきたてる「よい教材」開発の鍵を握っているのです。私は社会科を専門に研究する教員、指導主事として、多くの研究授業に関わってきました。おそらく300以上になるはずです。その中で、こうした「盲点」をついた教材開発という事例はほとんど目にすることがありませんでした。私自身についていえば、皆無だったように思います。
 私は真面目な研究家であり、実践家でしたが、真面目な分頭が固く、常識で凝り固まり、自らの「盲点」、子供たちの「盲点」、世間の「盲点」に気付く柔軟性が足りなかったのです。記事では、『英政府は、イタドリの根絶費用が15億ポンド(約2300億円)に上ると試算』という数字や、コイもイタドリも観賞用に持ち込まれ捨てられたという事情も説明されています。また、『ほとんどの国ではワカメを食卓に並べる習慣がなく、自然界にもウニなど餌にしている動物があまりいない所で爆発的に増えました』などの記述もありました。
 鑑賞や食習慣という、その国の文化や伝統、感性などに関連づける学習もできそうですし、食品としてのワカメの良さを伝え、調理法を伝えれば、一石二鳥の効果的な対策となるのではないかなど子供ならではは発想も生まれそうです。社会科だけでなく、理科や総合的な学習の時間の教材としても期待がもてそうです。
 今までも繰り返し述べてきたことですが、教員は頭を柔らかくし、新聞をよく読むことを心掛けてほしいものです。

 

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