昨日、韓国の憲法裁判所は朴大統領の罷免を決めたのであるが、これを見越した米中の駆け引きが活発化している。ＴＨＡＡＤだ。中国は選挙期間中を通して、ますます、いわゆる韓国いじめを強化するだろう。ＴＨＡＡＤを撤去しなければ、困るのは韓国だと韓国国民にいやと言わせるほどに思い知らせてやるというわけである。独裁国家ならではの規制である。一方、アメリカはこの状況に、ＴＨＡＡＤ配備を急ぎ始めた。早ければ４月中、つまり選挙前にも、配備を終わらせてしまおうというわけである。一旦、配備が完了してしまえば、撤去ということは事実上できないと判断されるのである。韓国の新政権が今のところ左派政権になることは間違いないだろう。その政権に足かせをはめてしまおうというものである。さて、話は中国の元相場に移る。元は対米ドルに対して、下落している。資本の流出も当局の規制にも関わらず、続くだろう。このような時に、韓国との貿易規制である。当然、韓国資本が中国に向かうことは無い。元の国際通貨入りを果たし、価値の維持を大命題だとする習政権にとって、対米ドルとの関係はともかく、周辺国通貨との安定的な関係は是非との維持したいところだ。だが、この対韓国への対応が海外の投資家たちにどのような影響を与えるか不透明である。中国国内に海外資本を呼び込みたいという思惑とは逆こうする動きなのである。(2017.03.11)
