悲劇を忘れよう

悲劇は忘れよう
2015/02/19
　マスコミでは良い題材なのでしょう。神戸大震災・東北大震災を忘れるなと、大きく報道します。戦争や原爆を直接経験した世代は少なくなりましたが、聴いた話を次世代に語り継ごうと運動している人も居ます。
　暗い話を大切なものとして、いつも想い出していたら、暗い人生になりそうですが、どんなもんでしょう？
　私（渡邉）は77才になりますが、思い出すのは、明るい思い出、楽しい思い出ばかりです。夢に失敗したことを想い出すことがありますが、真剣に思い出し、記憶を辿れば、良い経験だったと安心し落ち着きます。
　悲劇は自分ではどうにもならないことに巻き込まれた状態です。良い結果は生まれません。そんなものを忘れず覚えていても、何の役にも立ちません。
　津波が来て、さらわれ家族を亡くしました。そんな場所に住んではいけないと教訓を得たのです。そこに住んだ自分の責任で死んだのです。
　新しい天地で新しい生活を始めるべきです。
　神戸は再建されました。しかし、今後、何十年の間に再度、大地震が起こるでしょう。そこに住むのは覚悟が要ります。
　悲劇を忘れるから、神戸に、被災地に生活しているのです。悲劇を覚えていて、死ぬつもりで住めというのは酷い言い方ではないでしょうか？
　人は必ず、死にます。永遠に生きることはありません。中国古典で項羽は敵兵を穴埋めにして殺しました。アメリカ軍は原爆を落とし20万人を一瞬のうちに殺しました。フランス・風刺画テロで17人を殺しました。
　他人より少し早い死に方です。いずれ死ぬ身の運命ですが、時間が少し早く来ただけです。そう思えば悲劇の死亡も何時までも悔やんでも意味ない事です。
　可哀そうと10年悲しんでいても、1～2年で交通事故で死んでいたかもしれません。悲劇を忘れるなと、戦後70年悔やみ続けても、何も生みません。
　生きる事の方が先です。同僚・同業者・御世話になった先生・友人で優秀で素晴らしいと尊敬する人が先に亡くなっています。神に愛される人が早く亡くなるのです。私ら、進歩の遅い人間が、修業せいと、長生きしているようです。
　寿命は運命です。死ぬのに他人に責任は持たせられません。津波被害の自動車学校生徒に自動車学校が適切に避難させなかったの殺人に当ると、判決されました。親たちは悲劇を商売にして、死んだ子の値段を5千万円としたのです。悲劇を忘れるなとは商売になるぞと言う意味を含んでいるのでしょうか？
　人間は確率的に死ぬのです。悲劇はその時期が少し早かっただけです。悲劇は、想い出として、残すだけで、早く忘れましょう。それが幸福です。