KOfyの「倍行く」人生

バイクで人生を“2倍”楽しみたい。勝手気ままな日記代わりの備忘録。

「陸前高田の松」の京都の五山送り火騒動に思う

2011年08月11日 | 世の中あれこれ
「陸前高田の松」の京都の五山送り火に使う、使わないで世の中が騒々しくなっています。
その報道を見てて思ったのは、「一体、誰が発案したのだろう?」ということです。
報道では、そのことにはあまり触れずに、放射能汚染の誤解だとか何とか言われています。

京都五山の送り火は、伝統行事で、それぞれの山から切り出した薪を燃やすことで、
先祖の御霊をあの世に送り届ける宗教儀式です。

観光化されていますが、地元の人たちの大事な行事で、
地元の人たちの総意と努力で続けられてきたものです。

朝日新聞によると、計画は、高田松原の松が薪になって売られていることを知った
大分市の美術家、藤原了児さん(61)が発案し、京都の「大文字保存会」に呼びかけ、
震災で亡くなった家族や復興への思いを書いた薪を、五山の送り火で燃やそうと準備を進めていたそうです。
しかし、その企画が報道されると、「放射性物質は大丈夫か」、「灰が飛んで琵琶湖の水が汚染される」
などと不安がる声が、保存会や京都市に電話やメールで寄せられたことが騒動の発端のようです。


■経緯

・03/11 国の名勝「高田松原」の松が津波により数万本流される

・05/01 ふくい災害ボランティアネット(NPO)が「復興薪」として加工販売を始める

・6月  自宅用の薪を探していた大分の美術家(雛人形職人)藤原了児氏が、
    「高田の薪にメッセージを書き込み京都の送り火で燃やす」プロジェクトを発案。
     大文字保存会も了承。
     藤原氏が福井のNPOから松を譲り受け、薪に加工し避難所等に置いてメッセージ募集。
・07/05 朝日新聞が報道

・07/23 苦情や問い合わせが増えたため、藤原氏はブログに、マツの成分分析結果を掲載。

・08/04 大文字保存会が、放射能不検出にもかかわらず世情を考慮して計画中止。
     松原公太郎理事長は頭を丸めて陸前高田に向かった。

・08/06 各マスコミが報道。
    京都市へ「被災地の思いが無駄にする」「京都に裏切られた」など
    中止を批判する電話・メールが多数送られ、門川京都市長が事態収拾に乗り出し。

・08/08 京都市は陸前高田市等に連絡し、薪の一部でもいいから京都市役所前で燃やさせてほしいと依頼。
     現地は、「こちらで迎え火として燃やす」と断わり、8/8日夜、陸前高田の迎え火として燃やす。

・08/10 大文字保存会は、陸前高田市から別の薪を受け入れ、16日の送り火で燃やすことを決めた。


■関連サイト
「藤原了児氏のブログ」http://huji.hinamaturi.lolipop.jp/
藤原了児 (hujihuji25) の Twitter
「復興支援薪+αプロジェクトのサイト」http://www.fukkou.org/
「ふくい災害ボランティアネット」http://www.fukui-dvn.com/


■参考サイト
陸前高田の松の送り火関連のニュース
京都府と岩手県陸前高田の送り火偏向報道問題まとめwiki


マスコミは、「京都人の度量の狭さと放射能に関する無知と差別意識が今回の事態を招いた。
被災地を悲しませている。」という感情的な報道を行っています。
そのような報道が問題をエスカレートさせ、京都への悪感情を増幅させているように思います。
今回の騒動の一番の悪者は、「マッチポンプのマスコミ」でしょう。

京都市役所では、多数の苦情電話を受け付けでいるようです。
大文字保存会の人たちには、もっと辛らつな苦情が寄せられているのでしょう。
情けないです。
さびしいです。
同じ日本人、もっと純粋に物事を考えたいものです。

奈良にも、「大文字焼き」が8月15日の終戦記念日に行われます。
奈良県出身の戦没者2万9,243人の英霊を供養する目的で行われています。

高取町の風鈴と奈良大文字送り火 - KOfyの「倍行く」人生2010年08月16日

登場人物や団体は、それぞれ純粋な気持ちで行動しています。
残念なのは、十分関係者の間でコミュニケーションが取れていなかったことと、
事情を十分知らないまま、騒ぎ立てる市民がいることでしょう。


ご先祖様たちが嘆き悲しむでしょうし、送り火の目的のひとつに、
「人間の75の煩悩を燃やし尽くす」ということもあることを忘れてはならないでしょう。

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