スケッチブック 〜写真で綴るスローライフな日々2

写真を撮りながら、日々の暮らしや旅先で感じたことを書いています。
2016年からは撮った写真をイラスト化しています。

スローミュージック SELECTION Vo.99

2013年09月08日 | スローミュージック
Last Century Modern/TOWA TEI

このアルバムがリリースされたのは、その名の通り世紀末の1999年でした。あれから随分経ちました。発売と同時に買って今も飽きることなく聴いています。テイ・トウワの制作したもので気に入らなかったものはないくらい僕は大ファンなのですが、このアルバムを聴いた時の感動は忘れ難く、いまだに色褪せないエヴァーグリーンな作品です。ソロデビューのタイトルが「Technova」だったこともあってテクノの申し子のようなイメージが強く、その後の活動の音を聴いて彼が日本のテクノポップを背負っていくのだろうと僕は確信していました。そんな中で「Last Century Modern」はテイ・トウワの才能がいかに多彩でオリジナリティ高いものか思い知るきっかけになった重要な作品です。今更、彼の音楽がアイデア豊富で引き出しが多いなんて言ってもしょうがないことだけど、これまでのテクノサウンドがデジタル音源中心で無味乾燥な音造りであると定義されているような時代に、生楽器を気前よく使用してアコースティックな要素で構成された1曲目「Last Century Modern」で度肝を抜かれたと思いきや、6曲目の「CHATER」のようなキッチュなピコピコものがあったりと幅広い内容に狂喜乱舞したものです。とにかく実験的であるけれど、それでいてどこかノスタルジックな感じもして、新しいのか古いのかと問われたら間違いなく新しいと答えるけど、とても耳に馴染みやすい音ばかりなので驚くのです。ヨーロピアンな匂い。それも路地裏的でマニア受けしそうなメロディ。セクシーな声のヴォーカルとコーラスの数々。10曲目「Let Me Now」はCharaをフューチャーした名曲です。テクノが情緒を受け入れた!と当時は感心したものです。どれもハイセンスなファッションが似合いそうな超お洒落なナンバーばかりです。(狙っていたんだろうけど。)リズム的には、4曲目の「Butterfly」に注目したいところです。ドラムンベースは大方味付けが濃くなるクリエイターが多いのですが、さすがテイ・トウワ。いい匙加減で調えてくれています。「世紀末モダン」ってタイトリング、良かったんじゃないかな。決して刹那的なイメージはありません。モダンってどれも古いものと新しいものが共存してるって思いません?

Last Century Modern
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする