スケッチブック 〜写真で綴るスローライフな日々2

写真を撮りながら、日々の暮らしや旅先で感じたことを書いています。
2016年からは撮った写真をイラスト化しています。

北野武の絵画

2015年04月14日 | 芸術/演劇
4月だというのに何という寒さ。コートも着ないで東京、横浜へ宿泊出張をしました。そんな薄着で大丈夫?と言われましたが、大丈夫じゃありませんでした。寒い!宿泊先は横浜。それもちょっとヤバい感じのロケーション・・・って思う人もいるかも知れませんが、野毛や伊勢佐木町界隈が大好きでいつもウロウロしているので最寄り駅が京急日ノ出町駅でも全然平気です。何せ一泊5000円で朝晩の食事付きのビジネスホテルなんてそうそうありません。その泊まったホテルのロビーに絵画が展示されていました。ホテルのロビーに絵画なんて珍しくもありませんが良く見ると作家は北野武。あの世界の北野?と最初は同姓同名の絵描きなのではと見直して、やっぱり北野武だと気付いてびっくりしました。何でこんな場所の安ホテルのロビーに?三枚の絵はそれぞれ個性的で面白いのですが。ホテルの従業員に尋ねてみると、オーナーが北野武氏と交流があり、いただいたそうです。せっかくなので写真に撮らせてもらいました。陽の光が入って反射がひどかったので綺麗には写せませんが、感じはわかるかと思います。真ん中の絵は大作で、中央に「KANEDA」と書かれた箱らしきものが置いてあり、天辺には一万円札のデザイン。その周囲を大勢の人達が回っているようです。一人一人丁寧に書き込んであって表情やファッションまでよく分かります。もちろん某宗教の巡礼のようすをパロディにしたものですけど、アンディ・ウォーホールやジェームズ・リジィのようなポップカルチャーを思わせますね。猛毒が出ている北野作品だと思います。それに比べて左側のヨットの停泊を描いた絵の方は、正統派の写実主義です。近づいてじっくり観察させてもらいましたが、海面の光りのゆらぎもそうですが、実に緻密な筆使いです。テレビに出演しながら映画を撮るだけでも時間がないほど忙しいはずなのに時間のかかる絵を描くなんて驚異です。どうしてこんな絵が描けるのか不思議です。左側のもう一枚はカラフルなピエロです。ピエロは天才パブロ・ピカソの影響を思わせますが、マルク・シャガールのようなファンタジー感もあります。もちろんお笑い芸人としての自分を投影しているんでしょうけど。でもこんなにスタイルの違う絵が描けるなんて非凡な才能があるんでしょうね。安いから試しに泊まったホテルなんですけど得した気分になりました。

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ミモザの日 クラシックおもちゃ箱

2015年03月08日 | 芸術/演劇
昨日は雨が降って寒かったのに今日は雲一つない青空。まるで春のような温かさです。名古屋市内では女子マラソンが開催されていますが、ランナーにとってはいい気候だったのではないでしょうか。以前は蘭の館と呼ばれた施設、フラリエの前はちょうどマラソンコースになっていて人が集まっていました。朝からフラリエにいる理由はマラソン観戦ではありません。フラリエで行われるクラシックコンサートに出演する鈴木絢さんから写真撮影の依頼があったので来たのです。フラリエになってから初めての訪問です。「ミモザの日 クラシックおもちゃ箱」と題したコンサートは子供向けの参加型コンサートで、ヴァイオリンは鈴木絢さん。ソプラノは平康悦子さん。ピアノは長坂由紀さんで構成される「Toi Toy Tone」というユニットの演奏で進められました。主催は、公益財団法人名古屋市みどりの協会です。昨年、鈴木絢さんの地元で生徒さんの発表会を撮影したのですが、ご本人の撮影はできませんでした。今回は宣伝材料にするための写真を仰せつかることになりました。天気が最高に良かったので撮影条件は悪くありません。でも時間がないのが一番困りました。何せ、彼女等も音合わせとリハーサルとメイクアップと着替えをしなければならず、その合間をぬって撮影するしかないのです。これには参りました。まあ、こんな撮影もあるんだと思えば何ともない話ですが。今回は、最近買ったペンタックスと愛機のニコンのダブル一眼レフを同時に首からぶら下げて、同じポジションから二台を使い分けて撮影するという試みをしました。ペンタックスには大口径ズーム17ー50 F2.8。ニコンには85mm単焦点というレンスを装着し、機動力が上がったので短時間で済みました。お三方も人に見られることには関しては慣れているし、撮影も経験が多いのでレンズを向けるとすぐ対応してくれるので助かります。ところで、写真はコンパクトで撮ったリハーサルの様子です。もちろん、コンサートも親子連れの観客席に混じって聴かせていただきました。絵本を拡大して平康さんが読み上げながら、ピアノとヴァイオリンの生演奏でクラシックの定番をBGMにするなんてユニークな演出だと思いましたし、楽器を習っている子供達が楽器を持ち込んでみんなで合奏させるなど子供が喜ぶしかけにも感心しました。子供向けによく知った曲を選んで楽しんでもらおうとしているのが良く伝わります。時折、ドキッとするエッジの鋭い演奏があったりするので僕も面白かったです。
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東京 目黒 アジアン・カフェ ~沖田陽向子

2014年11月14日 | 芸術/演劇
ヒナちゃんに会うのは久しぶりのことです。ヒナちゃんこと沖田陽向子は、都内のライブハウスで活躍するシンガーです。本格的にシンガーとして活動を始めたのはこの二年くらいなのかな。というのは、シンガーに専念するためにプロモーション用の写真を撮って欲しいと彼女にお願いされて撮影したのが僕なんです。いわゆる業界でいう宣材。そのためにスタイリストを二人用意して、とあるバーを貸切って撮影をしました。僕としてもいい経験ができて面白かったし、仕上がりもいいクオリティにもっていけたと思っていました。彼女も満足してもらったようだったし、その後はライブの仕事が定期的に入るようになったことを思うと役に立つことができて良かったです。カメラマン冥利に尽きます。「いつかライブに行くからね。」と言ったきり、タイミングが合わず一度も足を運んだことがありませんでした。やっとスケジュールが合ったので、今日は東急東横線学芸大学駅の前にあるアジアン・カフェにやって来ました。ジャズを中心としたライブが聴けるバーです。東急東横線は、十代の頃よく利用した路線なので、懐かしくもあり、思い入れがあります。ライブは、ジャズ・スペシャル。ツインヴォーカルで、沖田陽向子がジャズ担当。大澤理央がラテン担当。鈴木ひろゆきのウッドベースに上長根明子がピアノを弾くユニットです。アジアン・カフェは狭いお店なのにステージと音響はしっかりしているので、ミュージシャンにとっては環境が良いお店じゃないかな。ヒナちゃんの歌を聴くのは久しぶりだったし、酒を飲みながらライブハウスで音楽を聴くのも久しぶりだったのは、僕も少し余裕ができたのかも。ショットでボウモアを一杯。日頃からレッスンを受けているヒナちゃんは、歌唱力が上がっているなと実感しました。歌が上手かったのは知ってたけど、貫禄まで付いてきた感じです。もう一人のヴォーカルの大澤理央さんはタイプが違ってチャーミングで軽いノリだったから対照的でしたね。「ワン・ノート・サンバ」は大好きな曲です。それにしてもベースの鈴木ひろゆき氏のテクニックは圧巻でした。このユニットの中ではリーダーです。ベースは、どちらかというと脇役的な楽器なんですけどドラムセットが無い分、ボトムを一人で担って存在感があります。秋の夜長にじっくりジャズを聴くのもオツですが、帰りの新幹線があるのでファースト・ステージでお店を後にしました。



asian cafe 公式サイト
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Strings Concert 2014

2014年10月19日 | 芸術/演劇
今年は本当に忙しい年と言えるでしょう。娘の受験が終わるか否かで町内会長に就任することになり行事が増えたこともありますが、トライアスロンのリレーチームを組んで出場したことも重なりました。趣味の写真も何回か撮影をしては、補正、加工、プリント、配布とまるで家内制手工業を営む日々です。(ブログの執筆とは別に。)ヴァイオリニストである鈴木絢さんが自分の教室の生徒さんのお披露目コンサートを開催するので、写真を撮って欲しいと依頼が来たのはつい最近のことでした。時間が空かないかも知れないので一度はお断りを入れたのですが、台風も避けてくれて何とかこの日のスケジュールが確保することができたので、朝から岡崎市シビックセンターのコンサートホールに詰めてカメラマンを務めることになりました。前日、Gパンではいけないことが判明して急遽ドレッシーな服装を用意して駆けつけました。鈴木絢さんとは一度お会いしたことがあるので顔見知りでしたが、仲介してくれた友人もアシスタントとして手伝ってくれることになり、二人掛かりで生徒さんの演奏をカメラに収めてきました。30人以上出演するとあって半日みっちり撮影するのは大仕事になりました。この手の仕事は他でも経験があるので、容易いと踏んだのは間違いでした。まず、ヴァイオリンは意外に動きがあるということです。暗めの照明の下でストロボを使用せずに三脚だけでブレを抑える手段をとったために、シャッタースピードの範囲が狭く思うようにシャープな写真が撮れないのです。また、弓を引く時に顔にかかると台無しになってしまうので動きを見極める必要がありました。一人一人個性があるために、ぶっつけ本番の撮影では人に合わせてやりながら学習するしかありませんでした。また更に演奏者は年少者も多く、予想外の行動をとることもあり、普段大人の被写体ばかり撮っていた僕には神経を尖らせる羽目に陥ってしまいました。やれやれ。17時過ぎまでかかり、終わった時にはへとへとでしたが、記念撮影も含めノルマは何とかこなしました。とてもゆっくり奏でる音楽を鑑賞する余裕はありませんでしたが、喜んでもらえる写真ができたら嬉しいなと思っています。しかし、鈴木さんも大変だね。小さな子供達の面倒を見ながらヴァイオリンを教えるのも。お互い落ち着いて会話を交わす余裕はなかったよね。
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グリーンエコー第55回演奏会 レクイエム

2013年06月22日 | 芸術/演劇
グリーンエコーの今年の演奏曲はカール・ジェンキンスの「レクイエム」とアンドルー・ロイド=ウエッバーの「レクイエム」です。日本特殊陶業市民会館フォレオストホールにて名古屋フィルハーモニー交響楽団の管弦楽、マエストロに藤岡幸夫を迎えて開催されました。グリーンエコーのメンバーの方から演奏会の案内をいただき、久しぶりに鑑賞させていただきました。クラシック音楽を鑑賞するなどと書くと、いかにも造詣が深いようですがそんなことはありません。さて、組曲形式でシンフォニーほど長い演奏になる二つの「レクイエム」の芸術的評価をあれこれ記述するには、とても僕の及ぶことではないので、聴いた感想を残しておくつもりで書きます。「レクイエム」とは、カソリックのミサとして死者の安息を神に願うための典礼文に音楽をつけたものになるそうです。この辺はキリスト教を知らない僕には理解しにくい部分です。解説によるとカール・ジェンキンスもアンドルー・ロイド=ウエッバーもピーター・ゲイブエルの活動であるワールドミュージックの影響を受けているとか。それなら僕も馴染みがありました。カール・ジェンキンスの方は、典礼文の間に日本人が詠んだ辞世の句が五句編入されていて、楽器構成もユニークです。独唱には三宅理恵によるソプラノとボーイソプラノ、独奏の尺八は野村峰山という顔ぶれで、ストリングスを主体にしてハープやバンブーチャイムといった印象的な音色を使い、ヨーロッパ的なテイストにジャポニズムが交互に現れる構成でした。ソフトな演奏を心がけたのか、グリーンエコーの男性部員の比率が低いためなのか、女性コーラスの歌唱力が目立ったような気がします。ソプラノ凄かったです。尺八は聴き慣れてくると、フルートのような気がしてきました。僕が思うことですが、ホルンのリフ(ミニマル?)がとても効果的なのにやや控えめな演出でした。独奏的にクローズアップしてもよかったのではないでしょうか。ロイド=ウエッバーの方は構成もがらりと変わり、力強い演奏になりました。特に独唱にテノールの小原啓楼が加わり、ボーイズソプラノも3人に増やすことでぐっと男性的な印象です。グリーンエコーの男性陣もエネルギッシュな歌に聴こえました。シンセによるパイプオルガン、ドラムセット、タムタムや深胴太鼓、ブラスなどオーケストラも厚みが生まれ、ジェンキンスにはなかったピアノが入ったことも全体の印象を変えています。テノールは演技力が伝わるので「ホザンナ」あたりから高揚感が保持され、「永遠の光り」では合唱とオーケストラと独唱が折り重なり、「赦祷文」(答唱)では劇的な演出で終わります。集中して聴くと疲れますが、たっぷり生の演奏が楽しめました。
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モノマネタレントの美川憲二

2013年06月16日 | 芸術/演劇
あんまりこういうのは書かないのですが、半日付き合ってみて美川憲二さんの人柄があまりにも良いので少し書いてみようと思いました。日曜日の今朝、僕はまだ寝ていたのだけれどメールが届き、お昼過ぎに仕事が終わるので名古屋観光をしてくれないかと依頼がありました。どうして僕にそんな依頼が来るのか。詳しく説明したくないので簡単にまとめると、モノマネタレントの美川憲二さんの付き添いでマネージャー役を務める人と友人関係だからです。二日前に時間が合わないから断ったのだけれど、現場が僕の住む家から近いJAの感謝祭だったこともあり、それほど無理もないかと思ってプチ観光案内を引き受けました。わざわざ東京からこんな田舎までやって来たのだから、思い出の一つにしてくれたらね。JAの感謝祭は言わば農協の倉庫や駐車場を一般放して、餅つき大会や農作物の販売をするものだけれど、当然集まるのは爺さん婆さん。余興にタレントのステージを用意したということです。美川憲一のモノマネでテレビにもよく出演している美川憲二さんですが、生のステージを見るのは初めてでした。楽屋に案内されて最後のステージを見学させてもらいました。彼なのか彼女なのかよくわからない人ですが、気遣いができて物腰が柔らかく、とても控えめでしっかりした人なので好感が持てました。ステージもトークが面白いし、歌も本人顔負けの歌唱力があって十分楽しめる内容でした。特に美川憲一が実際に使った紅白の高価な衣裳を同じ業者に注文し、自前で所有しているところに本気度が伺えます。本人のオーラが出るのか美川憲二さんの実力が発揮されるのか、聴かせる歌を歌ってくれました。テレビでは出番の時間が短いので実力を知らない人が多いのではないかな。僕も新しい発見でした。ステージが終了して名古屋に戻り大須を案内しました。短時間で名古屋を紹介するなら大須が一番です。大須観音でお参りをし、万松寺で手を合わせ、商店街を練り歩き、名古屋メシをいただく・・・といきたいところですが、ガイドブックに載っているところとか、有名な名古屋メシとかではないほうが良いというので、少し外してお店を紹介しました。「オッソ・ブラジル」の鶏の丸焼きは、外国人に人気のお店です。以外にも美川さんに大好評でした。その後「チャザリ」のピザは時間外だったので断念し、「味仙」の台湾ラーメンは避けて「百老亭」のギョーザを一緒に食べました。お腹がいっぱいでも何故か箸が進む不思議なギョーザで僕も大好きです。三人で40個平らげました。美川さん名古屋を満喫してくれかな。

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THE DUKES OF SEPTEMBER RHYTHM REVUE in Nagoya

2012年10月29日 | 芸術/演劇
ざでゅーくすおぶせぷてんばありずむれびゅう・・・長い長い。メンバーはこの三人。ドナルド・フェイゲン、マイケル・マクドナルド、ボズ・スキャッグスです。みんなとっくに爺になりました。でもこの三人がそろってライブをやるなんて神様に感謝しなくては!それも日本で行われるのですよ!雑誌で知った時にはすでに名古屋公演の指定席は売り切れでした。しかたなく立ち見席のチケットを購入しました。僕が14歳の時に初めて買ったアルバムがボズ・スキャッグスです。以来ファンを続けて今に至っています。一度ブルーノート名古屋のライブを聴いたことがあります。スティーリーダンもドナルド・フェイゲンも大ファンです。ドゥービー・ブラザーズはあまり聴きませんでしたが、同じメンバーが揃った1991年ニューヨークのライブ「THE NEW YORK ROCK & SOUL REVUE」のCDは発売当時から聴きまくっていました。(来日で再販されました。)どうやらここ最近、同じ企画で公演をしたら受けが良かったみたいで、調子に乗ってスティーリーダン・バンドとPAと中性脂肪を引っさげて日本までやって来たという訳です。会場のZEPP NAGOYAに入ると頭が白いか禿げたオッサンと説明したくないけどその同年代の女性が半々くらい大勢集まっていました。鮨詰め状態でほのかに加齢臭が漂う中、ライブがスタートしました。(僕はまだ加齢臭は出してないと思っているけど念のためにコロンはつけた。)さて、このメンバーで演奏される音楽は言わずと知れたリズム&ブルーズですが、泥臭くない洗練されたものです。ちょっとクールなグルーブ感。だけどブルージーさはたっぷりで、聴けばハートは熱くなるし、何より年季が入ったバンドのメンバーもテクニシャン揃いでビンビン感じまくりのショーでした。三人並べるとボズが一番黒いです、マイケルが白いかな。ドナルドが中間くらい。MCはすべてドナルドでした。このグループ親分は絶対ドナルド・フェイゲンです。AORという言い方が嫌いな僕は、このライブを聴いて確信しました。ソウル、ジャズ、ファンクの要素はふんだんに取り入れているにしろ、コイツ等はロックでもポップでもなく、やっぱりリズム&ブルーズをやりたいんだと。ボズは「シルク・ディグリーズ」から2曲、「ロウ・ダウン」と「リド・シャッフル」を取り上げていたけど、とにかく渋いしブルーズの匂いがプンプンします。ドナルドいたってはスティーリーダンの持ち歌しか歌わず、「ヘイ・ナインティーン」とか「ペグ」では興奮してしまいました。生ですよ。バードウォッチング用のスコープを持参していたので、しっかり歌う表情まで読み取ることができました。「リーリン・イン・ヂ・イヤーズ」は最近歌詞をコピーしてスマホに持ち歩くほど気になっていた曲だったので、演奏された時は最高!特にギターソロが素晴らしくダイナミックでした。ああ、言葉に表現することができない。感動をありがとう。もう書けない。ライブ盤出してくれ!
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東京 丸の内 相田みつを美術館 ~詩人の魂 金子みすゞと相田みつをの世界

2012年02月29日 | 芸術/演劇
東京国際フォーラムに相田みつを美術館はあります。相田みつをの作品は常設の美術館で触れることができます。今年は相田みつを没後20周年を記念して金子みすゞとコラボレーションで特別展が開催されています。この二人は、震災復興に寄与する作家として注目を浴びています。金子みすゞは詩人です。26歳でこの世を去ってしまい、埋もれていた作品が世に広がったのは最近のことです。僕が知ったのは大人になってからで、それでも時間が経ちました。詩人の作品を展示するなんて無茶があるなと思って見学すると、直筆の詩を拡大して絵画のように壁に貼って展示してありました。もちろん印字されたものも併記してあります。「こだまでしょうか。いいえ。誰でも。」震災直後のテレビはどのスポンサーもCMを控える行動をとったために、一日中公共広告機構のCMが流れていました。その中で、金子みすゞの詩を題材にしたCMが反響を呼ぶことになり、震災復興と重なり合うことになった気がします。金子みすゞの詩は、あどけないテーマの中に瑞々しい心を素直な気持ちで表現したものが多く、どれも分かり易い文章だから簡単に書けそうですが、実は書けないものだと僕は思っています。忘れていた無垢な気持ちとでも言っておきましょうか。金子みすゞの作品を味わうことに抵抗感があった僕ですが、震災後には気持ちが変わったのか心に響いてきます。同じように相田みつをの作品も、分かり易く単純明快でありながら、真似がし辛い作品が多い書家です。僕はあまり詳しく知らなかったのですが、ここへ来ていろいろ勉強することができました。10代の頃から短歌と書道に精通し、その才能は開花しながらも独自の道を選び、相田みつをの世界を作り上げた人だと初めて知りました。金子みすゞとの共通点はあるにしろ、相田みつをには、山伏が滝に打たれて境地を会得するようなプロセスが感じられ、しかも自分自身はその境地と一致せず、かくありたいと願う立場で書いているのに対し、金子みすゞは、自然そのままの自分をストレートに表現して書いている違いがあります。震災で卒業証書が流され、このままでは生き残った卒業生に渡す物がないから、相田みつをの色紙を渡したいと願い出た小学校があり、急いで用意したのが「願」と一字だけ書かれた作品だったと紹介されているのを見て、言葉の重みを改めて感じました。「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」これを有名にしたのは今の総理大臣。

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河井寛次郎生誕120年 ~生命の歓喜

2011年05月26日 | 芸術/演劇
名古屋JR高島屋の特設会場で河井寛次郎の作品が展示されています。そのチケットを母親から頂戴したのでちょっと寄ってきました。僕は陶芸について詳しくはないのでただで貰ったチケットを無駄にしないために会場へ行ったに過ぎませんでした。名前は聞いたことあるよな。というくらいのぼんやりとしたイメージしかなく、とにかく観ておこうと思って中に入りました。作品展示は「技」「暮らし」「交わり」「生命」「造形」「祈り」といったテーマに分かれ、河井寛次郎の生涯を照らし合わせながら鑑賞できる企画になっています。「生涯一陶工」とキャッチコピーが書いてあり、人間国宝も文化勲章も断った無位無官を通した陶芸家です。民芸という言葉も彼とその思想に同意した陶芸家や思想家によって編み出された言葉であることも知りました。陶芸品の目利きの真似など僕には到底できない芸当なので、ただひたすら観て回りました。受け入れるだけです。焼き物の他に書、木彫、家具調度品のデザイン、はたまた真鍮製のキセルの数々を見て行くうちに、河井寛次郎はただのお人ではないことがよく分かりました。こんな日本人がいたのか!とその偉業に感嘆してしまいました。生活に馴染む実用性に重きを置いた作品だと聞かされたので、地味でわかりにくいものに違いないと思い込んでいたら全然違いました。感じるままにシンプルにそしてダイナミックに造形された数々の作品はどれも存在感があって目を奪われました。僕は作品を製作した年齢を気にしながら鑑賞したので、高齢になるほど線と面が単調になっていくけれど、それでもフォルムの躍動感は益々生き生きとしてくる傾向にあることに気付きました。パブロ・ピカソにそっくりです。顔と手に執着して何度も顔と手をもチーフにして創造するところもまさにピカソです。独自性はむしろピカソ以上です。展示会に来たのはある意味偶然ですが、河井寛次郎という天才芸術家のことを知らずにいたことが悔やまれるくらいの経験になりました。常に創意工夫を怠らず美を追求する姿勢に見習うものがありますし、生きることに前向きなところが好きになりました。
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名古屋市美術館 ゴッホ展 こうして彼はゴッホになった

2011年04月02日 | 芸術/演劇
大人気の「ゴッホ展」です。出かける前から混むことはわかっていました。夕方は比較的空いていると教えてもらったのでその通り夕方になってから名古屋市美術館に行きました。チケット売り場は行列でした。前売り券を持っていたのですんなり入れましたが、館内は人でいっぱいでした。さすがゴッホですね。僕も過去にゴッホを観賞したことはあります。「ひまわり」だって観ています。ゴッホが並外れた画家であることは素人の僕も感じていましたけど、今回の展覧会で常識を逸脱した才能を発見し、その才覚を認める感想を持ちました。今回の試みはゴッホ美術館とクレラー=ミュラー美術館所蔵の作品を中心にファン・ゴッホが影響を受けた絵画を同時に展示し、半生を追いながら画風の変化を確認できます。そしてとっておきは「アルルの寝室」を実物大で再現してその作品と並べて観賞できることです。必見ですよこれ。27歳で画家を志したファン・ゴッホは、ミレーを模写しながらデッサンを勉強していたようです。(確かそうだった。)この時代、農場や炭坑で働く労働者を被写体にするのは斬新な手法だったはずですが、一生このモチーフは生き続けています。初期の頃はパースなど狂っていたのですが、パースペクティブ・フレームを使ったりドラクロワの影響で人物画を描き出すと段々デッサンが高度になっていく様子もわかりました。パリに移り住むと、影響を受ける幅がぐっと広くなり色使いは明るくなり、構図も工夫が生まれてゴッホぽくなります。特にスーラの点描画は強く受け入れていました。パレットではなくキャンヴァスで視覚によって色を混ぜるなんて衝撃だったんでしょうね。浮世絵に刺激されたロートレックなどからも大胆な構図に影響されたことも読み取れます。輪郭も描かない時期もありましたが、後年になるほど輪郭が太くなっていくようです。点描画にいたっては、点ではなく押さえつけるように絵の具を引きずるので、あの独特な流れのあるタッチに変化していきます。「灰色のフェルト帽子の自画像」は皮膚も服装も背景も絵の具が流れ生命力が溢れています。そしてアルルへ移住してからファン・ゴッホはゴッホになったのです。しかし、ゴーギャンと過ごした黄色い家でゴーギャンと対立し耳を切ってしまうファン・ゴッホ。その後は転がり落ちるように彼の心は病んでしまい、わずか37歳で拳銃自殺をしてしまいます。代わりに作品はどんどん力強くなるところがアーティストらしいところです。精神病院に入ってからの作品が見事というより狂気の世界観が加わって身震いするくらい気迫が感じられます。黄色にあれだけこだわるのは何故なんでしょうか?背景も花瓶机も黄色!風景画は感情が極まって線がうねっています。短命だったがために、絶大なエネルギーを駆使した絵画になったのかと考えたります。ゴッホの絵を見ていると愛に飢えた絶望の叫び声が聞こえてきそうでした。
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