遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

図書館のお夜食

2024年04月06日 12時27分10秒 | 読書

          図書館のお夜食      原田ひ香(著)2023年6月発行

  今週は、自宅療養中に、丁度いい本が手元にあり助かりました。

  「しろばんばのカレー」や「赤毛のアンのパンとバタときゅうり」や

  「森瑤子の缶詰料理」など、5つのお夜食を登場させつつ、

  夜の図書館というか博物館のようなユニークな施設で働くことになった

  本屋を辞めたばかりの若い女性「樋口乙葉」を主人公としたお話。

  図書館で働くメンバーとの控え目な交流、夜の図書館を訪れる客とのトラブル対処

  等々を通じ、謎多き「夜の図書館」の存在理由が徐々に明きらかになっていき、

  チョッと推理小説っぽくもあり面白かったです。

  「しろばんば」懐かしい、、、あれは小学校高学年だったかしら?

  「赤毛のアン」は大好きで繰り返し読んだけど、きゅうりのサンドウィッチは

  どこででてきたっけ? 

  森瑤子も一時期ハマってたな〜、そういえば缶詰出て来てたかも、、、

  などなど、読み手が勝手に楽んだりしながら、

  登場人物一人一人の心のうちが、徐々に詳しく語られていくので、

  色々と沁みるものもあり、味わい深い小説でした。

     わがまま母

 

 — ポプラ社 書籍の内容 —

「三千円の使いかた」「ランチ酒」の原田ひ香が描く、
本×ご飯×仕事を味わう、心に染みる長編小説。

東北の書店に勤めるもののうまく行かず、書店の仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、開館時間が夕方7時〜12時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館だった。乙葉は「夜の図書館」で予想外の事件に遭遇しながら、「働くこと」について考えていく。

すべてをさらけださなくてもいい。
ちょうどよい距離感で、
美味しいご飯を食べながら、
語り合いたい夜がある。
 

— 好書好日  2023年8月 —  より

原田ひ香さん「図書館のお夜食」インタビュー 蔵書から浮かぶ人間模様

注目の新作は、夜だけ開館する東京郊外の不思議な図書館が舞台だ。秘密めいた雰囲気の建物には、さながら博物館のように、物故作家たちの蔵書が収められている。

 「編集者との打ち合わせで何げなく口にした、『夜の図書館』という一言が執筆のきっかけでした。そこに大阪の司馬遼太郎記念館のような、作家の蔵書ばかりを集めた施設のイメージが重なって……」

 そんな図書館で起こる風変わりな“事件”の数々が、新入りの館員らの視点で語られる。有名作家が今は亡きライバルの蔵書を見せろと怒鳴り込んできたり、かつて愛した男をしのんで本を拝む老婦人が現れたり。館員の一人のこんな言葉に、本作のテーマが透けて見える。〈蔵書というのは究極の個人情報です〉

 「書棚の本から持ち主のなりたい姿が垣間見えたり、書き込みや付箋(ふせん)の位置でその本がどう読まれたのかが分かったり。他人の蔵書を見たいという気持ちは、私もよく分かる」

 『ランチ酒』など食にまつわる作品を多く手がけてきたが、本作では実在の文学作品に登場するメニューが「まかない」として出される場面も。向田邦子や田辺聖子らが描いた料理に、ページをめくる手を止めてつい台所に向かいたくもなる。

 90万部を突破した『三千円~』をはじめ、自身の作品はリアル書店で買ってくれる人が多いと感じている。だからこそ、元書店員の主人公らが語るセリフには、書店の相次ぐ閉店や司書の非正規雇用といった本を取り巻く厳しい現実も重ねた。「読者の皆さんに、本を支える人たちの現状を知ってもらうきっかけにもなれば。色々な意味で、本好きの方々に読んでほしい1冊です」 (文・西田理人 写真・山本倫子)=朝日新聞2023年8月26日掲載

  

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