遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

スクール 土曜版

2024年04月27日 16時32分32秒 | スポーツ

    4月27日(土)晴れ

  新緑が爽やかな季節です。

  4月は体調不良で、外出するのは内科や眼科のクリニックに通う時だけだったので

  久々に眺める新緑の緑が、より新鮮に感じられます

       

  今もまだ体調がすっかり回復したとは言えない状態で、不安でしたが、

  明日からスイミングも1週間のお休みに入るというので、

  恐々ですがスクールに参加してみました。(最後尾からゆっくりと)

  『クロール』メインの練習、距離がいつもより多かったです。

       【メニュー】

 w-up  100×1   3:00  ch

 kick   50×2   1:50  ch    up  ↓

 pull   50×2   1:50   ch   up  ↓

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 drill 25×4  1:00 Fr  リカバリードリル  片手づつ 右/左

           片手を前に伸ばし、キックしながら、反対の手を水面上リカバリーの

           前〜後〜前へと繰り返して進む ※肩甲骨を寄せ胸を広げて!

 drill 50×4      1:50 Fr   25m片手スイム+25m両手スイム  ※肩甲骨と胸郭を連動させて

             odd=右手25m-スイム25m     even=左手25m-スイム25m

 pull  50×3  1:40  Fr  DPS  ブイ有り   ※ストロークに強弱つけて!

 swim  50×4  1:30 Fr  Form

          ※ しっかり腕を前へ伸ばしてストローク(強弱をつけ)

 swim  100×3      3:00  IM

 down  50×1  2:00  ch

  total  1,400m

   えっ、最後に1コメ3本?!、、、急にどうした?って驚いちゃいました。

   Iコーチ曰く、「大会が終わったら距離を増やそうと考えていた。」とのこと。

   ここ数年、母は1コメを2本さえ続けて泳いだ記憶がないんだけど。。。

   大会に参加したメンバー2人が1コメ泳いだから、彼女達は練習していたと思うけど。

   一応、ブツブツと苦情は言ってみたものの、変更されるわけもなく、、、

   まあ、でも今日は、後ろからマイペースで着いていかせてもらったので、

   なんとか3本泳ぐことができ、めでたしめでたし

   とにかく、連休中に、体調をちゃんと回復させなくちゃ・・・

        わがまま母

   

             

 

  

  

 

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滅びの前のシャングリラ

2024年04月24日 16時24分35秒 | 読書

        滅びの前のシャングリラ     凪良ゆう(著)2020年10月発行

   家族間や親子関係の問題、学校でのいじめ、、、今の社会が抱える問題の幾つかを

   網羅しつつ、なのに、間も無く地球が滅亡するというSF的な設定なのだが、

   最後には何か希望も感じられる小説。

   それぞれの問題に苦しみもがきながら生きる高校生たち主人公の姿と、

   偶然にも、地球消滅まで1ヶ月という時に、彼らと親たちが力を合わせ

   最後の瞬間まで生き抜こうと逞しく行動し深く考える物語。

   悩み多き思春期の高校生は、確かにこんな子達いそうだなあ、、と思うが、

   親である大人がなかなかに剛気で、今時とんとお目にかかれないほど

   一本スジが通ってて、かつ破天荒。

   小説の設定としては、苦しく重たいテーマだが、不思議とクスッと笑えたり、

   暗くなることなく読め、面白かった。

     わがまま母

【「本屋大賞2021」候補作紹介】『滅びの前のシャングリラ』――1カ月後に滅ぶ世界で「本当の楽園」を見つけた4人の物語

BOOKSTANDがお届けする「本屋大賞2021」ノミネート全10作の紹介。今回取り上げるのは、凪良ゆう著『滅びの前のシャングリラ』です。
******
 「もうすぐ地球が滅亡する」というのは、昔からよく小説や映画などに用いられてきた設定。映画『アルマゲドン』や『デイ・アフター・トゥモロー』を観たことがある人は多いでしょうし、日本ではかつて「ノストラダムスの大予言」がブームになったこともありました。

 そんなよくあるテーマながら、著者にしか描き出せない世界観で読者の心をとらえて離さないのが『滅びの前のシャングリラ』です。

 ある日突然、「1カ月後に小惑星が衝突し、地球は滅びる」とニュースが流れた世界。限りある時間をどのように過ごすのか、章ごとに四人の登場人物たちの視点で物語は進んでいきます。

 最初に登場するのは、学校でいじめを受けている17歳の江那友樹。彼がずっと片思いしている同級生の藤森さんが、地球滅亡前に東京へ行こうとしていることを知り、彼女を守るためにそっとついていこうと決めます。その途中、クラスメイトの井上が藤森さんを襲おうとしているのを見て、友樹が井上を包丁で刺すものの逆襲され......。

 次の章の語り手は、親の愛情に飢えて育った40歳のヤクザ、目力信士。彼は別の組の若頭を殺したあとに地球滅亡を知り、20年前に逃げられたまま忘れられずにいる元恋人の静香に会いに行きます。

 その静香は、息子が好きな女の子を東京に送って行った途中でトラブルを起こしたと知り、ちょうど目の前に現れた信士とともに救出に向かいます。

 そして最終章の主人公となるのが、藤森さんが憧れる歌姫・Locoです。Locoは自分のプロデューサーであり愛人でもあったイズミに裏切られ、とっさに殺してしまいます。その後、故郷である大阪に帰り、人類最後の日に元バンドメンバーたちとラストライブをおこなうことを決意するのです。

 友樹、信士、静香、Locoの4人は皆、うまく生きられず、どこか絶望しながら日々を過ごしている者ばかり。そんな彼らがあと1カ月の命となって初めて自分が本当に欲しかったものを知るという、なんとも皮肉な話です。しかし多くの人の人生も同じで、失うと知って初めて気づくこと、失って初めてわかることがあるのではないでしょうか。

 「シャングリラ」とは、イギリスの作家ジェームズ・ヒルトンの小説『失われた地平線』に登場する地上の楽園、理想郷のことだそうです。地球が滅亡し、人類が滅んでも、その前に一瞬でも本当の楽園を手に入れられたのなら、それは彼らにとって幸福であったに違いありません。

 2020年の「本屋大賞」を受賞した著者・凪良さんの新たな代表作として、多くの人に読んでいただきたい1冊です。

[文・鷺ノ宮やよい]

   

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スクール 火曜版

2024年04月23日 16時08分56秒 | スポーツ

   4月23日(火)小雨

  今日は雨模様の一日、3月26日以来のスクールに参加して来ました。

  まだ咳も残るし、大会の疲労から体調も回復していないので、皆んなの後に

  つかせてもらって、無理せずゆったり体を動かして来ました。

  水の中や浮いた姿勢で手足を動かすのは、とても気持ちがいい

  今日の↑写真は、家で療養中に栄養補給も兼ね食べたおやつ。

  喉が痛かったり痰が絡んで苦しい時、アイスに助けられました。

  さて、今週は『クロール』です。

        〈クロール・ドリル〉

 ①キック 25×2      キックしながら、水面上で片手でリカバリーの軌道を前へ後へと

           往復する動きを繰り返す    右手/左手

 ②ドリル 50×2  キャッチアップ・スイム  ※胸郭を広げて

 ③プル  50×3  肩甲骨をしっかり寄せ、胸を広げてプル  ブイあり

 ④スイム 75×3  フォーム・スイム  ※肩甲骨・胸

 ⑤おまけ 25×1  進行方向に足先を向け浮き、逆クロールプルで進む

          注 なかなか難しい!

 ⑥スイム 50×3  1:40  ch

  total 1,200m(含 アップ&ダウン)

  一昨日の大会で、数年ぶりに高いスタート台から深いプールへ力んで飛び込みを

  数回繰り返したら、当日夜から腰痛と鞭打ちっぽい症状が現れ、

  まだ今日も、首が苦しい状態

  幸いクロールなので、ゆっくりリハビリスイムをさせてもらおうと、

  メンバーの後ろをマイペースで泳がせてもらいました

  でも、以前も出来なかった、リカバリー軌道を片手で往復する①のドリルはまだ

  出来ないし、⑤の逆クロールはもっと難しくて、まだまだ。。。

  出来ないけど、四苦八苦しながらメンバーと共に練習するのが楽しいんですね

  早くも、ベテランMさんから7月のジャパンマスターズ大会に誘われましたが、

  う〜ん、今回の病気のこともあり、母的にはチョッと無理そうかな〜

  しかも長水路なので、「最低でも50m泳がなきゃないじゃん!」と言ったら、

  すかさずBigMさん「ターンしなくてもいいんだよー」だと・・・

  まあ、母は今は無理せず馴染みのプールでのんびり練習していた方が良さそうです。

      わがまま母

  

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マスターズ水泳短水路大会 2024年

2024年04月22日 11時52分59秒 | スポーツ

     4月22日(月)

  エントリーしていたものの、体調不良で参加が危ぶまれた地元で行われる

  マスターズ水泳大会(短水路)でしたが、昨日なんとか参加することが出来、

  今はホッとしているところ。

  3月下旬からほぼ1ヶ月間、プールに通えず全く練習していないし、病気で

  体力が落ちているのも心配だったため、スケジュールの途中で先に帰宅させて

  もらいましたが

  なんとかリレー2種目(女子メドレーリレー、混合メドレーリレー)と25m自由形を

  必死の思いで泳ぎました。リレーの棄権は回避したのですが、タイムが悪く😭

  (夕方の混合フリーリレーはBigMさんにメンバー交代してもらった)

  リレーメンバーには、心配や迷惑をかけてしまい、申し訳なかったです🙇

  そして、

  

   ↑ マスターズ水泳の趣旨に反してしまったことも反省中

  ようやく体調も戻りつつあるので、これからボチボチ練習に復帰しようと

  思っています。

      わがまま母

  

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テスカトリポカ

2024年04月19日 13時16分24秒 | 読書

           テスカトリポカ     佐藤究(著)2012年2月発行

  驚愕、というのか、、、予想以上の衝撃を喰らい、眩暈が。

  世界史や海外旅行が好物の身ながら、中南米(マチュピチュを除く)の文明は肌に合わず、

  避けていたはず。なのに、『幽玄F』を読み、迂闊にも著者の小説をもっと読んでみたい、

  などと思い、つい本書を手に取ってしまった。

  結果、かなり具合が悪くなるようなシーンも多く、途中で止めようと何度か思ったが、

  なんとか読了。

  臓器売買ビジネスなどは知っておいた方がいいのだろうな、、、と、非情さ残酷さに

  耐え、勉強と思い我慢し読み進むも、元々苦手だったアステカの神々信仰の行事、風習の

  かなりリアルな表現には、やはり吐き気が。

  現代社会の闇の興味深い世界が、もの凄い調査力により残酷なまで克明に描かれており、

  暗黒ながらも小説として鋭く面白く素晴らしいのは間違いないのだが、

  覚悟を持って読まないと気持ちが悪くなる可能性もあり、万人向きとは言いずらいかも。

  いや〜、圧倒的に迫ってくるこの小説を書くため、どれだけの準備と体力を要したのだろう・・・

  と想像し、感服するのみ。

     わがまま母

 

— カドブンより —

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。生き残った三男のバルミロは、追手から逃れて海を渡りインドネシアのジャカルタに潜伏、その地の裏社会で麻薬により身を持ち崩した日本人医師・末永と出会う。バルミロと末永は日本に渡り、川崎でならず者たちを集めて「心臓密売」ビジネスを立ち上げる。一方、麻薬組織から逃れて日本にやってきたメキシコ人の母と日本人の父の間に生まれた少年コシモは公的な教育をほとんど受けないまま育ち、重大事件を起こして少年院へと送られる。やがて、アステカの神々に導かれるように、バルミロとコシモは邂逅する。

  

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図書館のお夜食

2024年04月06日 12時27分10秒 | 読書

          図書館のお夜食      原田ひ香(著)2023年6月発行

  今週は、自宅療養中に、丁度いい本が手元にあり助かりました。

  「しろばんばのカレー」や「赤毛のアンのパンとバタときゅうり」や

  「森瑤子の缶詰料理」など、5つのお夜食を登場させつつ、

  夜の図書館というか博物館のようなユニークな施設で働くことになった

  本屋を辞めたばかりの若い女性「樋口乙葉」を主人公としたお話。

  図書館で働くメンバーとの控え目な交流、夜の図書館を訪れる客とのトラブル対処

  等々を通じ、謎多き「夜の図書館」の存在理由が徐々に明きらかになっていき、

  チョッと推理小説っぽくもあり面白かったです。

  「しろばんば」懐かしい、、、あれは小学校高学年だったかしら?

  「赤毛のアン」は大好きで繰り返し読んだけど、きゅうりのサンドウィッチは

  どこででてきたっけ? 

  森瑤子も一時期ハマってたな〜、そういえば缶詰出て来てたかも、、、

  などなど、読み手が勝手に楽んだりしながら、

  登場人物一人一人の心のうちが、徐々に詳しく語られていくので、

  色々と沁みるものもあり、味わい深い小説でした。

     わがまま母

 

 — ポプラ社 書籍の内容 —

「三千円の使いかた」「ランチ酒」の原田ひ香が描く、
本×ご飯×仕事を味わう、心に染みる長編小説。

東北の書店に勤めるもののうまく行かず、書店の仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、開館時間が夕方7時〜12時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館だった。乙葉は「夜の図書館」で予想外の事件に遭遇しながら、「働くこと」について考えていく。

すべてをさらけださなくてもいい。
ちょうどよい距離感で、
美味しいご飯を食べながら、
語り合いたい夜がある。
 

— 好書好日  2023年8月 —  より

原田ひ香さん「図書館のお夜食」インタビュー 蔵書から浮かぶ人間模様

注目の新作は、夜だけ開館する東京郊外の不思議な図書館が舞台だ。秘密めいた雰囲気の建物には、さながら博物館のように、物故作家たちの蔵書が収められている。

 「編集者との打ち合わせで何げなく口にした、『夜の図書館』という一言が執筆のきっかけでした。そこに大阪の司馬遼太郎記念館のような、作家の蔵書ばかりを集めた施設のイメージが重なって……」

 そんな図書館で起こる風変わりな“事件”の数々が、新入りの館員らの視点で語られる。有名作家が今は亡きライバルの蔵書を見せろと怒鳴り込んできたり、かつて愛した男をしのんで本を拝む老婦人が現れたり。館員の一人のこんな言葉に、本作のテーマが透けて見える。〈蔵書というのは究極の個人情報です〉

 「書棚の本から持ち主のなりたい姿が垣間見えたり、書き込みや付箋(ふせん)の位置でその本がどう読まれたのかが分かったり。他人の蔵書を見たいという気持ちは、私もよく分かる」

 『ランチ酒』など食にまつわる作品を多く手がけてきたが、本作では実在の文学作品に登場するメニューが「まかない」として出される場面も。向田邦子や田辺聖子らが描いた料理に、ページをめくる手を止めてつい台所に向かいたくもなる。

 90万部を突破した『三千円~』をはじめ、自身の作品はリアル書店で買ってくれる人が多いと感じている。だからこそ、元書店員の主人公らが語るセリフには、書店の相次ぐ閉店や司書の非正規雇用といった本を取り巻く厳しい現実も重ねた。「読者の皆さんに、本を支える人たちの現状を知ってもらうきっかけにもなれば。色々な意味で、本好きの方々に読んでほしい1冊です」 (文・西田理人 写真・山本倫子)=朝日新聞2023年8月26日掲載

  

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花束と残念な1週間

2024年04月06日 11時45分03秒 | 雑記

               

  ↑写真の花束は、先月、母の誕生日に娘が送ってくれたプレゼントです。

     元気になるように!と、ビタミンカラーのアレンジにしてくれたのかな

  可愛い花束を、ありがとう

  4月の大会に向け水泳の練習を頑張っていた母でしたが、

  3月末から体調を崩し、眼科と内科を受診し、薬を服用し自宅療養中。

  でも、いまだに具合が悪い状態が続いていて。。。

  医師より「プール厳禁!」を命じられ、先週末から通院以外は、自宅で

  痛みや苦しさに耐える日々を過ごしてます。

  という訳で、4月1週目の火曜と今日の土曜スクールはお休み。

  (3月末の土曜スクールは、もともとスイミングの年度末休業で休みでした)

  大会前の大事な時期に全く泳げず、大会に参加できるかどうかも微妙で、、、

  体調不良に加え、リレーメンバーに迷惑かけて申し訳ない気持ちに苛まれ、

  悶々とするばかり。

  世の中は、桜の開花で、お花見に浮き立っているというのに、、、情けなや。

  と、不甲斐ないです。

  でも、こうしてPCの前に座れたので、徐々に回復してきてるということかな。

      わがまま母

  

  

  

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山ぎは少し明かりて

2024年04月02日 10時30分50秒 | 読書

           山ぎは少し明かりて      辻堂ゆめ(著)2023年11月発行

  辻堂氏の著作、初めて読みました。

  さまざまな思いがズッシリ心にのしかかって来たような、、、味わい深かったです。

  三姉妹と、母娘三世代の女性たち、それぞれが懸命に生きる姿が描かれていて、

  時代背景の違いとともに、母と娘の関係の微妙な行き違い、難しさも共感でき、

  涙する場面も。

  ミステリーが得意分野の作家さんと思いこんでおり、認識不足でした。

  昭和の時代から現在まで、ダム反対闘争(故郷の村がダム湖に沈む)など

  厳しい現実も含め、働く女性の目線から見る社会の変化を知ることができ、

  幅広い世代が読んで、それぞれに味わい方がある小説と思います。

  また、祖母の佳代さんの故郷への純なる愛着の強さに、迫力と凄まじさをも感じ、

  果たして、自分はそこまで故郷を大事に思っているか?と省みたりも。

  読み応えのある一冊でした。

     わがまま母

— 以下、好書好日より転記  —

山ぎは少し明かりて」書評 

  ありふれた村という唯一の故郷

    評者: 澤田瞳子 / 朝⽇新聞掲載:2024年02月17日

山ぎは少し明かりて」 [著]辻堂ゆめ

 故郷という言葉の重みを深く胸に刻みつけながら、最後のページを閉じた。
 令和から昭和へ。ゆるやかにさかのぼる各時代を生きる本作の主人公3人の故郷観は、見事に異なる。令和を生きる大学生・都は、そもそも故郷なるものをよく理解できない。その母にして、定年直前のキャリアウーマン・雅枝は、生まれ育った故郷を不便で何もない地と憎悪し、町での生活を望む。それだけに、2人の物語の後に描かれる、雅枝の母の郷里への激しい愛情に、読者は憧憬(しょうけい)とともに一抹の恐ろしさすら抱くかもしれない。
 彼女たちの故郷たる瑞ノ瀬は、高度成長期さなかにダム建設地に選ばれ、村民の長年の反対運動の甲斐(かい)なく水の底に沈んだ。肥沃(ひよく)な土地と美しい渓流に恵まれた、山間の小さな村。かつて日本国内に数えられぬほど存在した、ひどくありふれた――しかしそこに暮らす人々にとってはかけがえのない、唯一の故郷だ。
 3人の女は、もうない、あるいはダムの底に沈まんとする瑞ノ瀬の姿を通じ、それぞれの生に向き合う。その果てに彼女たちが対峙(たいじ)する光景は、瑞ノ瀬への思いを反映して多様だ。しかし故郷はその違いすらを抱きしめて、ただ在り続ける。その事実に我々はつい、自らの故郷の姿を思い起こしてしまうだろう。なぜなら異なる時代を生きる女たちと家族を描くとともに、戦前・戦後、そして現代の荒波の中で形を変える日本社会の一断面をも切り取る本作において、登場人物たちの生き様は、我々自身のものでもあるためだ。
 ――ふるさとというのは、刹那(せつな)的なものなのかもしれない。
 令和を生きる都は、恋人の故郷を襲った豪雨災害に接して、そう感じる。永遠にそこにある保証はないとしても、「でも、守りたい」場所なのだ、と。
 社会の変化、そして様々な災害によって、多くの人の故郷が変化する今だからこそ、必要とされる物語だ。
    ◇

— 著者インタビューの一部抜粋 —

女性の生き方、避けては通れず

 略

 本作は、大学生の都、定年退職を控えた雅枝、ダム湖の底に沈んだ瑞ノ瀬という故郷を愛し続けた佳代という、異なる時代を生きる3世代の女性にスポットを当て、ふるさとへの思いとは何なのかを問う物語だ。時代が変われば価値観も変わり、今はなき故郷への想いも全く異なる。辻堂さん自身、親の仕事の関係で引っ越しが多く、「ここが故郷」と呼べる場所がない。そのため、「故郷」への強い思い入れを自分ごととして実感できないところがあったという。

 「この作品ではダムに沈んだ村が登場します。計画が進んでしまっていて、もう元の村を取り戻すことなんてできないのに、強硬に反対し続けている人たちの存在をニュースなどで目にした時、なんでこの人たちはこんなにその土地に執着するんだろう? と、理解できませんでした。一つの場所に長く暮らし、その土地に愛着があって、という幼少期を過ごしていなかったからだと思うんです。でも、ふるさとの土地を強く愛する人たちがいるのは事実で、そういう人たちの人生や内面を書いてみたいという気持ちがありました

  略

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