せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

熊本地震から1週間。地下水と食料のありがたさ。

2016年04月22日 | 熊本便り
平成28年熊本地震から1週間経ちました。


↑地震後の車窓風景、右に熊本城方面、熊本の春を感じつつも、


左に崩れ落ちた石垣を通り、余震に震える道中です。

4月14日(木)21時30分頃の大きな揺れ
(今ではそれが前震と呼ばれています)に次いで
15日(金)の本震、体感としては身動き取れない
ガタガタと大きな揺れが1時間ほど続きました。

14日は、最初は立っていられないほどで、横浜の震度4の経験から
震度5くらいではないかの体感。

しかし、15日は生きた心地がしないほどの激しさ。
1時30分頃から2時30分頃まで長時間にわたる地震。
全く眠れない夜を過ごしました。

ライフランが安定していたのも数日。
断水から解放されたのは、昨夜からです。

トイレの水が流せるのが嬉しい!
お風呂に入れるのが嬉しい!
食器が洗えるのが嬉しい!
洗濯できるのが嬉しい!

日常を噛みしめた今朝です。

横浜での体験から、持ち出しリュックと、
水を貯める。停電への備えがあり。

↓アウトドア用の給水栓付きタンクが水道代わりに。


水が少なくてもある程度生活できる工夫などは
ある程度は心得ていたので、
米のとぎ汁で食器を洗う。
炊ける時にご飯叩き、おにぎりなど作っておくなどし、
食事も何とかなりました。


↑おにぎりに飽きてきたので、納豆海苔巻きの作り置き
海苔でミネラル。納豆でタンパク質を補給。洗い物も少なくて済み重宝します。


プロパンガスも使えたことと、電気が止まらずいたことは
本当に有り難かったですね。

日常生活が、ある程度の我慢ですみ、
余震による睡眠不足などの肉体的疲労はさておき
精神的な疲労はそれほどなく過ごせています。

備蓄も今の所、足りており、ほっ。

家族の安全、子どもの安全、地域の協力など優先しつつ
設計監理の仕事も行えている次第です。

学校の再開は、、連休明けという説もあり、まだ分かりません。
同じ熊本でも、県下で熊本市以外で、地震被害のないところは
通常通り学校もあり、断水もありません。

それから、メディアで連日、被害状況を取り上げられているので
皆さんに心配いただきましたこと、ここにお礼申し上げます。

車で市内の道路を走りますと、
道路面がゆがんでいるところ、割れているところ
マンホール周りの凹凸もあり、走行の危険を感じる箇所も。
通行止めや、交通事情も大変である事は、確かです。

コンクリートブロックは軒並み倒れており、石垣の崩落や
屋根瓦の落下も多く見られます。

それでも、地下水のあるところは、断水の難を逃れ
畑や田んぼはいつも通りの風景。地域のお店には
野菜や惣菜が並ぶ風景に、熊本の食のありがたさを噛み締めています。

↓地下水のため、トイレも使える地域のお店


熊本は、川が多く、幾つもの橋がかかっています。
その橋の危険度が増し、計測、補強工事など灼熱の中、作業員の方は
アイスなめなめの作業。中には被災で自宅に帰れない人も、がん張ってくれています。


渋滞の車窓からは行き交う人々の顔に疲労感が増している様子もわかります。
電気工事も黙々と行われています。


熊本は、助け合って乗り越えられると信じています。
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経験は落ち着きを生み出す

2016年04月16日 | ワーク・ライフ・バランス


↑写真は、地震当日の朝。
実は、朝の登校時に送り出す近所の子どもたち(女児)と
不隠な空を見上げました。

晴れてはいるものの、
子どもたちが空の様子を心配していました。

私といえば、日中は、感情はなぜかネガティブ、身体もダル重。

バイオリズムが良くないのだろうと確認すると、
切り替わり目で確かに不調時。

それで、納得していたのですが、実は前触れだった?

母も、近所のおばさんもダルオモだったそう。
地面に何か感じたのかも!?

女性は子宮を持っている分、揺れなどに敏感と言われています。
体内での微妙な揺れを感じるらしいのです。

本能は信じるべし、と思う地震体験。

今日は、あまり出歩かず、デスクワークに徹します。
記録として、地震関係のこと、ブログを綴っておこうと思います。

危機の時に、人間の本質とは出るもの。

焦ってオロオロするタイプ。

テンションがアガってしまい、まるではしゃいでいるかのよう。

アレコレと怒ったように指示するタイプ。

怖がってしまう。

などなど、仕事場で、家族で様々見てきました。

そんな中、私ですが、妙に冷静なタイプです。

ちゃかちゃかと非常時に必要なもの
懐中電灯など準備し、もうどうにもならんと寝るか動かない。

なぜかというと、実に子どもの時からの経験が大きいですね。
阿蘇の噴火での地震、台風19号での雨漏れ災害、停電に断水も経験。

さらに、仕事でも、建築に関わっているため、地震がダイレクトに影響します。

阪神大震災時は、近くで仕事の現場あり。
ガラスが入手できない工程どうする?の対応。
交通網もメチャクチャ。住んでいる地域も被害。

東北の大震災では、現場に資材が入らない可能性で設計変更対応。
東京近郊の帰宅難民問題で、
スタッフを事務所に泊めて食事の世話をするなどし、

今回の熊本では、工事中の現場の未改修部分が被害にあうなど
それぞれで、問題は起きるもの。

毎回、胃が痛くなるような感じではあります。
生業上、仕方ないですね。

幸いなのは、関係者に命の危険がなかったこと。
火事が起きていないこと。食べ物に困っていないこと。

まだまだ油断はできませんが、現場には、とにかく無理しない!
大工さんの怪我がないよう姑のように注意のみです。

実際に現場での救出作業や病院方々を思えば、
人の手を借りながらですが
まだ時間が解決してくれるだけ、ありがたい仕事かもしれません。

同じ熊本でも
路上や避難施設で過ごすことを余儀なくされている方がおられます。

皆様、辛抱が続くと思いますが、どうぞお気をしっかり持って
お過ごしくださいますようお祈りいたします。

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熊本震度6の地震報道。こちらは無事です。

2016年04月15日 | 熊本便り

↑玄関先の花瓶も倒れず、無事。

安否を気遣い、メールやメッセージを下さった皆様
誠にありがとうございます。電話も一時通じず心配をおかけしました。

おかげさまで、家族ともどもケガもなく、元気に過ごしております。

今の所、ガス、水道、電気、も問題ありません。
ただし、余震が続くため、火気使用には気をつけて過ごしています。

とにかく、昨夜は衝撃的に揺れました。
横浜で震度4を経験した身としては、それ以上のゆれ。

おそらくこの地域は、震度5弱かと。

横浜で東北の震災時に停電に備えた身としては、
水、スリッパ、メガネの確保。万一の非常食を枕元に布団をかぶり
ガラスが割れるのを覚悟で窓際から離れ、
余震に耐えて横になりました。

気がつくと、ぬいぐるみをたくさん布団の中に潜り込ませている我が子。
テンションは上がっていましたが、やはり怖かったのでしょう。

朝方まで、10分~30分おきに地震速報のメール着信。
実に余震は103回だったとの報道も。

学校が休校となり、自宅待機中です。
現在これを書いている間にも、ガタガタと来ます。

今回の経験で震源が間近というのは、横に揺れないのだなということ。
地面からドン!と突き上げられる感じです。

横浜で、経験した飛び出した花瓶の水や、
照明器具の吊りのゆれなど、横揺れによる被害はほとんどなく、

ドン!と下から押される感じです。地震が来ると立てません。

仕事場の本の散乱は、、、ひどいものですが、笑。
余震がおさまってから、ぼちぼち片付けます。
とにかく、急ぎの仕事分とパソコン環境を確保しておいて正解でした。

昨夜は現場の状況をメールのやり取りで、報告をもらうなど
電話が通じなくても、メールがあることのありがたさを実感。

本日の打ち合わせも延期してもらうなど、仕事面でも皆さんのご配慮と
ご協力に感謝いたします。

しばらく、家族優先で、マイペースな対応になりますが、
どうぞ皆様宜しくお願い致します。
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熊本の春、4年目

2016年04月12日 | ワーク・ライフ・バランス

↑山の梨畑の花が美しく満開

おかげさまで、奇跡のような春を迎えています。

抗ガン剤は副作用が出過ぎたために治療中止となった母が、
ガンの進行もなく、元気に過ごし、
昨日の日曜日には、実に4年ぶりに趣味の水泳に。

何かあってはいけないと、付き添いの私もひと泳ぎ。

一緒に行った孫に、平泳ぎの指導までする元気良さ。

あー、この瞬間のために私は熊本に帰って来たんだなぁと、
感慨深く。

健康な時は、当たり前の風景が、
病気をすると感謝の景色に変わるんですね。

ご近所からは、タケノコの差し入れが絶えず、

筍ご飯に始まり、
筍のてんぷら
筍の味噌汁
筍とわらびの炊きもの、、、

などなど続き、とうとうたけのこカレーも登場。

春の豊かさを満喫しています。

↑4つ葉がたくさん見つかる朝散歩道のクローバー

最近頻繁に思うことは、なんて幸せなのだろうということです。

自然があり、家族がいて、食べ物に恵まれ、暖かいお布団で眠れる。

当たり前のことが、当たり前に嬉しい。

熊本に来て、資産も仕事も減りましたが、笑。
お金というエネルギーで計算すると損失なのかもしれません。
一方で、お金にできないもの

ご近所づきあい、ママ友、学校や子どもとの関わりは増え
充実した毎日です。

子育て期、いっときのことと思えるからこそ
頑張れる地域活動でもあり。

社会での学びは、仕事だけではないのだなと感じる
熊本ライフ。

母の回復を知る知人友人からは、
「いつ横浜に戻るの?」

というお声かけもちらほら頂いています。

あと1年は熊本で、いよいよ来年から拠点を戻し
熊本に通うかたちになるかしら?
と、思わないでもありません。

自由にできるこの社会環境と家庭環境に感謝して
本年度も過ごしてまいります。
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