最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

トンデモ 選挙違反で当選無効、でも政務活動費は返納する義務なし

2024-03-29 22:52:39 | 日記
令和4(行ヒ)317  不当利得返還請求事件
令和5年12月12日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄自判  大阪高等裁判所
 1 公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議会の議員の職を失った当選人は、同市に対し、当該当選人を唯一の所属議員とする会派の行った大阪市会政務活動費の交付に関する条例(平成13年大阪市条例第25号)5条所定の政務活動に関し、不当利得返還請求権を有することはない。
2 公職選挙法251条の規定により遡って大阪市の議会の議員の職を失った当選人は、同市に対し、上記議会の議員として行った活動に関し、不当利得返還請求権を有することはない。
(2につき補足意見及び反対意見がある。)


NHKの報道です
当選無効議員に判決確定までの報酬など全額返還命じる 最高裁
公職選挙法違反で有罪が確定し、当選が無効になった元大阪市議会議員が、判決が確定するまでに受け取っていた議員報酬などについて、最高裁判所は全額の返還を命じました。当選無効が確定するまでの議員報酬などについての初めての判断で、国会議員などの同様のケースにも影響が及ぶ可能性があります。
4年前の大阪市議会議員選挙で公職選挙法違反の罪で有罪判決を受け、失職した不破忠幸元議員に対し、大阪市は確定するまでに支給した議員報酬や政務活動費など合わせて1400万円余りの返還を求めていました。
1審と2審は、元議員の活動で市も利益を得ていたなどとして、およそ160万円に限って返還を命じたため、市が上告していました。



では裁判所の認定を見ていきます。

(1)被上告人は、令和元年9月6日、上記選挙に関し、公職選挙法221条3項1号、同条1項1号の罪(公職の候補者による買収)により懲役1年、5年間執行猶予の有罪判決を受け、本件有罪判決は、令和2年2月13日に確定した。
(2)上告人は、被上告人に対し、第1審判決別紙1のとおり、令和元年5月分から令和2年2月分までの議員報酬並びに令和元年6月分及び同年12月分の期末手当の合計額から源泉徴収税額を控除した1001万0611円を支給した。
(3)被上告人は、令和元年6月19日、被上告人のみを所属議員とする会派を結成した・・・政務活動費合計410万4000円を交付した。


選挙違反でしかも買収ですか。当選無効になるので、取り消しとは違って当選したとされることそのものがなかったことになりますので、全額返金が当然になるでしょう。問題は、個人の議員報酬ではなく政治活動費がどうなるかというところのようですね。

最高裁は
上記条例に基づき交付される政務活動費は、市会議員の調査研究その他の活動に資するために必要な経費の助成として交付されるものであって、同条例5条所定の政務活動(以下、単に「政務活動」という。)の対価として交付されるものとはいえず、公職選挙法251条の規定により遡って市会議員の職を失った当選人を唯一の所属議員とする会派が政務活動を行っていたからといって、その活動により上告人が利益を受けたと評価することはできない

個人の所得になるわけじゃないから返金はしなくていいよという理屈のようですね。

さらに最高裁は上記相殺の抗弁は全部認められないところ、これを一部認めた原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、論旨は理由がある。
上記相殺の抗弁は全部認められないところ・・・上記当選人は、上告人に対し、市会議員として行った活動に関し、不当利得返還請求権を有することはないというべきである。


先の個人の所欲になるわけじゃないから返さなくてよいの理屈があるので、期末手当も政務活動費の返還に遅れた遅延損害金も払う必要はないということになります。
議論としてはすっきりしてますが、どうも納得いきませんね、ということで案の定反対意見が出てきました。

裁判官今崎幸彦の反対意見
被上告人は、市会議員選挙に当選したものの、公職選挙法221条3項1号、同条1項1号の罪により有罪の確定判決を受けたものであり、同法251条は、当選人がその選挙に関し所定の罪を犯し刑に処せられたときはその当選人の当選は無効とすると規定し、同条による無効の効果が当選時に遡って生じると解されるため、被上告人は当初からその職に就いていなかったことになる。

おっしゃる通り!

たとえ資格を欠いていたとしても、被上告人が外形上市会議員として活動したことは事実として残るのであり、上告人は、被上告人による法律上の原因を欠いた労務の提供により利益を受けたことになるのであるから、被上告人が上告人に対し不当利得返還請求権を取得することは否定できないように思われる。議員として活動したことに基づく議員報酬等の請求権と、議員としての資格を失ったことを前提とする議員報酬等相当額の不当利得返還請求権とは、両立しない発生原因事実を前提とする別個の権利である。

その通り!

選挙犯罪を行い議員資格を失った者に不当利得返還請求権として労務提供の反対給付に係る利益の保持を許すとしても、あくまでも当該労務の客観的評価に基づくべきであって、正規の議員報酬等の額と同額としなければならない必然性があるわけではない。

そうですよね。最大限譲って、政務活動費は個人の所得になっているわけではないので仕方ないとして、期末手当と遅延損害金は支払わせるべきでしょう。これは民事であって刑事事件じゃないからというのもあるのでしょうが、不法な方法で議員になった人間が市の財政と裁判の手間暇かけさせやがった上に銭も持って行くんかい!という判決は余りにも酷すぎます。

それにそもそも無効の意味を曲解しているようにしか思えません。それこそ議論が尽くされていないとしか言いようがありませんね。

裁判長裁判官 林 道晴 ダメ
裁判官 宇賀克也 ダメ
裁判官 長嶺安政 ダメ
裁判官 渡 惠理子 ダメ
裁判官 今崎幸彦 まとも

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