最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

トンデモ判決工事なしで性別変更可5 裁判官宇賀克也の反対意見

2024-01-30 20:48:33 | 日記
1 私は、本件規定による身体への侵襲を受けない自由の制約は必要かつ合理的なものということはできず、本件規定が違憲であるとする点については、多数意見に全面的に同調する。

はい、アウトです。

法的性別を自認する性別と一致させるために生命・身体への危険を伴う生殖腺除去手術を受けることを選択するか、危険を伴う生殖腺除去手術を回避するために自認する性別と法的性別の不一致に伴う社会生活における様々な不利益を甘受するかという過酷な二者択一を迫ることになる。そして、本件規定は、生殖腺除去手術を受けない者は真正の性同一性障害者ではないという、医学的根拠のない不合理な認識を醸成してしまうおそれがあると思われる。

受けない自由もあるわけで、何を言ってるんだか。

性同一性障害者がホルモン療法や生殖腺除去手術の前に精子や卵子を凍結保存し、性別変更後にそれを利用して子をもうけることが医学的に可能になっているが、そのような事態は生ずるとしても極めてまれであるのみならず、本件規定によってかかる事態を防止することはできないから、その点においても、本件規定の存在意義は認められない。

判決文を書く上で全員で何度も議論を重ねていると思いますが、男性性器をぶらぶらさせて女性用更衣室とか風呂に入る危険があると認識しないんですかね。

2011年(平成23年)、ドイツの連邦憲法裁判所は、性別取扱いの変更について生殖能力喪失を要件とする規定を違憲であると判示したが、そこでは、人間の生殖能力は、基本法2条2項によって保護されている身体不可侵の権利の要素であると述べられている。

他所のうちでやってるからうちもって発想ですか?ならばイスラム文化圏の話をしましょうか?こういう下らない議論は止めるべきです。

3 私見によれば、身体への侵襲を受けない自由のみならず、本件のように、性同一性障害者がその性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けることは、幸福追求にとって不可欠であり、

何に幸せを感じるのか個人の勝手で、妨害するものじゃないと思いますよ。内心にまで関わって、こうじゃないかと勝手に想像する範囲で議論を組み立ててどうします?

4 抗がん剤の投与等によって生殖腺の機能が永続的に失われているような特別の事情がある場合には生殖腺除去手術なしに生殖能力が失われることによって本件規定の要件を充足する場合があり得る。5号規定についてもホルモン療法等によって手術をすることなくその要件を満たすことはあり得る。女性から男性への性別変更審判を受けた者については、そのような例が多いという調査結果も存在する。

大法廷 事実上全員一致です。
裁判長裁判官 戸倉三郎 裁判官 山口 厚 裁判官 深山卓也 裁判官三浦 守 裁判官 草野耕一 裁判官 宇賀克也 裁判官 林 道晴 裁判官 岡村和美 裁判官 長嶺安政 裁判官 安浪亮介 裁判官 渡 惠理子 裁判官 岡 正晶 裁判官 堺 徹 裁判官 今崎幸彦 裁判官 尾島 明


根拠に基づかない議論、立法に対する口出し、司法の傲慢さだけ、勉強不足が目立つ判決文です。

「性自認は女性」と説明の利用客、女性トイレに侵入容疑で書類送検
性的暴行犯、裁判で「性自認は女性」と訴え女子刑務所へ...批判受け、男子刑務所に移送

トンデモ判決工事なしで性別変更可4 裁判官草野耕一の反対意見

2024-01-28 20:03:47 | 日記
私は、本件規定を違憲無効であるとすることについては異存ない

駄目ですね。

1 女性への性別の取扱いの変更を求める者が5号規定の要件を確実に充たすためには、陰茎の切除と外陰部形成のための性別適合手術を受けなければならず・・・手術はそれ自体が申請者に恐怖や苦痛を与えるものであり、加えて、これらの手術を受ける者は感染症の併発その他の生命及び身体に対する危険を甘受しなければならない。

草野耕一裁判官も他の裁判官も、手術は強制ではないというのを理解していません。受けないで結婚に似たような法的を扱いがされることを完全に無視ししています。

2 この利益を享受するためには上記の如き手術を受けなければならないとすることは憲法13条が保障している「身体への侵襲を受けない自由」の制約に当たるといえる。
(1)5号規定の制約目的としては、一般に、公衆浴場等で社会生活上の混乱が生じることを回避するためなどと説明されることが多いが、5号規定が申請者にもたらす不利益との比較を行うためにはこれをできる限り自然人の享受し得る具体的利益に還元した表現を用いるべきである。
・・・「意思に反して異性の性器を見せられない利益」は尊重に値する利益であり、これを保護せんとする5号規定の制約目的には正当性が認められる

この赤字部分はその通りだと思います。しかし、

(2)相当性問題の実質は、共通の指標によって大小を計ることができない関係者間の利益を比較衡量することであるところ、かかる比較衡量を普遍的ないしは類型的に行い得るような判断枠組みがアプリオリに存在するとは考え難く、相当性問題を考えるに当たって採り得る最善の思考方法は、結局のところ、判断の相当性を最も明確に示し得る視点を試行錯誤的に模索し、その結果として発見された「最善の視点」に立って問題を論じ判断を下すことであるように思える。

おいおい、裁判官は法令に乗っ取って判断するもので、試行錯誤の途中だからって勝手に解釈変えていいもんなんですか?

性同一性障害者はホルモン療法を相当の期間にわたって受けるなどすることによって自己の性器についても外形上顕著な変化が生ずる可能性があるところ、

だからといって抜け落ちるようなことはありませんから。

4 第一に留意すべきことは、公表されている調査結果等によると、我が国の全人口に占める性同一性障害者の割合は非常に低く、その中でも(身体的特徴を他の性別のものと適合させたいとの気持ちから進んで性別適合手術を受ける性同一性障害者も少なくないであろうから)5号要件非該当者に当たる者はさらに少ない上に、「意思に反して異性の性器を見せられない利益」が尊重されてきた我が国社会の伝統的秩序を知りながらあえて許容区域に入場し、そこで自らの性器を他の利用者に見えるように行動しようとする者はもっと少なく、

それを言うなら犯罪者は日本全体の中の少数派です。少数派だから云々の議論は、そもそも議論として成り立っていません。

5 以上によれば、5号規定が違憲とされる社会は、憲法が体現している諸理念に照らして、5号規定が合憲とされる社会に比べてより善い社会であるといえる。

まだそうなってないのに、判例をそっちに持って行きます?

トンデモ判決工事なしで性別変更可4 裁判官三浦守の反対意見

2024-01-27 19:20:57 | 日記
本件規定が現時点において憲法13条に違反して無効であることについて、多数意見に賛同するが

アウトですね。取り合えず論旨を見ていきましょう。

(1)私は、多数意見が引用する前掲最高裁平成31年1月23日第二小法廷決定(以下「平成31年決定」という。)において、本件規定がその当時の時点では憲法13条等に違反しないという法廷意見に賛成したが、・・・性自認に従った性別の取扱いや家族制度の理解に関する社会的状況の変化等に応じて変わり得るものであって、その憲法適合性については不断の検討を要するものであり

おいおい、5年ぐらいで何を言ってるんですか?!これじゃ法的安定性なんか期待できませんね。

(2)「身体的に」といっても、どのような範囲や程度で他の性別に適合させようとする意思を意味するかについては具体的に定めておらず、この点は、時代とともに進展する上記医学的知見を前提として、解釈に委ねるものと解される。

生殖器の切除がおかしいと書けばもっとわかりやすいです。何でそう書かないのでしょうか?当事者にとっては自分の殻だとは思えない部分として認識しているわけですから。

性転換症は、「異性の一員として生活し受け入れられたいという願望。通常は、自身の解剖学的な性に対する不快感又は不適切感を伴い、自分の身体をできるだけ自分の好む性に合わせるために外科的治療やホルモン療法を望む。」とされていた。

ならばこれに沿って判断してくださいな。解釈にゆだねるというのであれば、そうせざるを得ない根拠を出してください。

国際的に合意されたICD第11回改訂版によって裏付けられるとともに、それらを前提とする性同一性障害者の定義の解釈に照らしても、医学的な合理的関連性が認められないものとなっている。

法律よりICDー11を重視するのですか?馬鹿も休み休み言いなさい。それは立法の仕事であって司法の仕事ではありません。

(3)地方公共団体においては、近年、いわゆるパートナーシップ制度が飛躍的に拡大している。・・・身近な地域社会において、このような制度が拡大し、特に大きな問題もなく運用されているとうかがわれることは、性同一性障害を有する者を含む性的少数者が、家族を形成して子育てをし、充実した社会生活を営むという、多様な家族の在り方に関する社会的状況の変化を示しているというべきである。

性転換しなくても結婚とほぼ同等のことができる訳ですよね。加えて強制手術ではないのですから、受けない自由もあるわけです。

特例法の趣旨や、2条及び3条1項各号の規定の趣旨並びにそれらの関係等に鑑み、本件規定が違憲と判断される場合、特例法全体が無効となるものではなく、本件規定だけが無効になるものと解される。

5号規定について
(2)5号規定は、「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。」と規定するところ、これに該当するためには、原則として、外性器の除去術及び形成術又は上記外観を備えるに至るホルモン療法(以下、これらの治療を「外性器除去術等」という。)を受ける必要があると解される。
このうち、外性器の除去術及び形成術は、生物学的な男性の場合は陰茎切除術及び外陰部形成術、生物学的な女性の場合は尿道延長術及び陰茎形成術であるが、これらの外科的治療は、生命又は身体に対する危険を伴い不可逆的な結果等をもたらす身体への強度の侵襲である。


当たり前ですよ。男性から女性になりたいというのであれば、邪魔なものでしかない訳ですから。

精巣の萎縮や造精機能の喪失など不可逆的な変化があり得るだけでなく、血栓症等の致死的な副作用のほか、狭心症、肝機能障害、胆石、肝腫瘍、下垂体腫瘍等の副作用を伴う可能性が指摘され、さらに、原則として、糖尿病、高血圧、血液凝固異常、内分泌疾患、悪性腫瘍など、副作用のリスクを増大させる疾患等を伴わない場合に行うべきものとされること等からすると、生命又は身体に対する相当な危険又は負担を伴う身体への侵襲ということができる。

何度も書きますが、同一性障害であると病院にかかるのもかからないのも自由、手術するのも自分の意志ですし、当然リスク説明もあるでしょう。嫌ならやめることができるんです。男のままでいて、社会的に受け入れられているのに敢えてここに拘る必要がありません。


ア そこで、5号規定の目的についてみると、5号規定は、他の性別に係る外性器に近似するものがあるなどの外観がなければ、例えば公衆浴場で問題を生ずるなど、社会生活上混乱を生ずる可能性があることなどが考慮されたものと解される。

当然ですよ。本人の内面なんぞ分かりませんから、本当の同一性障害なのかなりすましなのか分かりません。理解促進法のせいで悪用するやつらが出ています。

この条例の基準は、厚生労働大臣の技術的な助言(「公衆浴場における衛生等管理要領」平成12年12月15日付け生衛発第1811号厚生省生活衛生局長通知)を受け、一般に、一定年齢以上の男女を混浴させないことや、浴室は男女を区別すること等を定めており、これらを踏まえ、浴場業を営む者の措置により、浴室が男女別に分けられている。

これはあなた方が書いた判決文と矛盾してますよ。最高裁判決より通達を優先するんですか?

イ 5号規定がなければ、男性の外性器の外観を備えた者が、心の性別が女性であると主張して、女性用の公衆浴場等に入ってくるという指摘がある。しかし、5号規定は、治療を踏まえた医師の具体的な診断に基づいて認定される性同一性障害者を対象として、性別変更審判の要件を定める規定であり、5号規定がなかったとしても、単に上記のように自称すれば女性用の公衆浴場等を利用することが許されるわけではない。その規範に全く変わりがない中で、不正な行為があるとすれば、これまでと同様に、全ての利用者にとって重要な問題として適切に対処すべきであるが、そのことが性同一性障害者の権利の制約と合理的関連性を有しないことは明らかである。

確認しますが、判決より役所が出した通達の方が優先されるのですね?そして実際男性性器をぶら下げた人が女性用の風呂に入ってきた事件が起きています。これが裁判になったらあなたはどう判断するんですか?仮説の上に仮説を立てる極めてアホとしか言いようがない議論です。

ウ 性同一性障害を有する者にとって生活上欠くことのできないトイレの利用は、性別変更審判の有無に関わらず、切実かつ困難な問題であり、多様な人々が共生する社会生活の在り方として、個別の実情に応じ適切な対応が求められる。

おいおい、言いっぱなしですか。管理できないからこういう問題が起きてるんじゃないですか。

(4)5号規定は、上記のような二者択一を迫るという態様により過剰な制約を課すものであるから、5号規定による制約の程度は重大なものというべきである。

これは訴えた本人の個人の問題で済む話じゃないんですよ。同一性障害の当事者の問題じゃないんですよ。マイノリティばかりではなくマジョリティの権利はどうなるんですか?

(6)5号規定は、上記のような二者択一を迫るという態様により過剰な制約を課すものであるから、5号規定による制約の程度は重大なものというべきである。

社会正義はどこへやら。

論旨も根拠も無茶苦茶、立法への介入も酷い。

トンデモ判決工事なしで性別変更可3 裁判官岡正晶の補足意見

2024-01-26 18:37:22 | 日記
本決定により本件規定が違憲無効となることを受け、立法府において本件規定を削除することになるものと思料されるが、その上で、本件規定の目的を達成するためにより制限的でない新たな要件を設けることや、本件規定が削除されることにより生じ得る影響を勘案し、性別の取扱いの変更を求める性同一性障害者に対する社会一般の受止め方との調整を図りつつ、特例法のその他の要件も含めた法改正を行うことは、その内容が憲法に適合するものである限り、当然に可能である。
本決定を受けてなされる法改正に当たって、本件規定の削除にとどめるか、上記のように本件規定に代わる要件を設けるなどすることは、立法府に与えられた立法政策上の裁量権に全面的に委ねられているところ、立法府においてはかかる裁量権を合理的に行使することが期待される


法改正しろと?裁判官としては出過ぎた真似ですね。意見表明は有権者としての範囲にしてください。

トンデモ判決工事なしで性別変更可2

2024-01-25 18:24:51 | 日記
昨日の続きです。

2 以上を踏まえ、本件規定の憲法13条適合性について検討する。
憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定しているところ、自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由、人格的生存に関わる重要な権利として、同条によって保障されていることは明らかである。


いいですか、治療を受けるか受けないかは個人の判断であって、性同一性障害だから生殖器を切除しろと誰も言ってませんし、法文にもありません

本件規定は、治療としては生殖腺除去手術を要しない性同一性障害者に対して、性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けるという重要な法的利益を実現するために、同手術を受けることを余儀なくさせるという点において、身体への侵襲を受けない自由を制約するものということができ、このような制約は、性同一性障害を有する者一般に対して生殖腺除去手術を受けることを直接的に強制するものではないことを考慮しても、身体への侵襲を受けない自由の重要性に照らし、必要かつ合理的なものということができない限り、許されないというべきである。

論理に飛躍がありすぎです。

自己の生物学的な性別による身体的特徴に対する不快感等を解消するために治療として生殖腺除去手術を受ける者も相当数存在することに加え、生来の生殖機能により子をもうけること自体に抵抗感を有する者も少なくないと思われることからすると、本件規定がなかったとしても、生殖腺除去手術を受けずに性別変更審判を受けた者が子をもうけることにより親子関係等に関わる問題が生ずることは、極めてまれなことであると考えられる。

何を根拠にこんなことを言っているのでしょうか?実際に子供を作った後に性同一性障害を訴えてきた例がありますし、裁判そのものが極めてまれですよ。司法関係者の傲慢さというか、論理の飛躍というか無茶苦茶です。

(3)次に、特例法の制定以降の医学的知見の進展を踏まえつつ、本件規定による具体的な制約の態様及び程度等をみることとする。
特例法の制定趣旨は、性同一性障害に対する必要な治療を受けていたとしてもなお法的性別が生物学的な性別のままであることにより社会生活上の問題を抱えている者について、性別変更審判をすることにより治療の効果を高め、社会的な不利益を解消することにあると解される・・・本件規定による身体への侵襲を受けない自由に対する制約は、上記のような医学的知見の進展に伴い、治療としては生殖腺除去手術を要しない性同一性障害者に対し、身体への侵襲を受けない自由を放棄して強度な身体的侵襲である生殖腺除去手術を受けることを甘受するか、又は性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けるという重要な法的利益を放棄して性別変更審判を受けることを断念するかという過酷な二者択一を迫るものになったということができる。


これは明らかに嘘というか調査不足というか、妄想の中での話です。実際にそういう人でも、医学的に何もせず生活している人は腐るほどいます。この文章の根拠を示すべきです。

本件規定は、上記のような二者択一を迫るという態様により過剰な制約を課すものであるから、本件規定による制約の程度は重大なものというべきである。

本件規定は憲法13条に違反するものというべきである。


そんな妄想を根拠にこんな結論に持って行きますか。

トンデモ判決工事なしで性別変更可1

2024-01-24 18:21:56 | 日記
令和2(ク)993  性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
令和5年10月25日  最高裁判所大法廷  決定  破棄差戻  広島高等裁判所  岡山支部
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号と憲法13条

NHKの報道です
性別変更の手術要件めぐり 特例法の規定は憲法違反 最高裁
性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律の要件について、最高裁判所大法廷は「意思に反して体を傷つけられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」として憲法に違反して無効だと判断しました。
法律の規定を最高裁が憲法違反と判断するのは戦後12例目で、国会は法律の見直しを迫られることになります。25日の決定で、最高裁判所大法廷の戸倉三郎 裁判長は、生殖機能をなくす手術を求める要件について「憲法が保障する意思に反して体を傷つけられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」として憲法に違反して無効だと判断しました。


産経新聞の報道です
生殖不能手術要件は「違憲」 性別変更規定巡り最高裁が初判断、4年前から変更
性同一性障害特例法は、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、①18歳以上②結婚していない③未成年の子がいない④生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く状態⑤変更後の性別の性器に似た外観を備えている-の5つの要件を全て満たせば、性別変更できると定めている。
④を満たすには精巣や卵巣を摘出して生殖能力をなくす手術が欠かせず、⑤についても外観の手術が必要となるケースが多いとされる。
家事審判の申し立て人は、戸籍上は男性だが性自認は女性の社会人。手術は心身や経済的な負担が大きく、ホルモン治療などにより手術なしでも要件を満たしていると訴えた。1、2審段階では④の規定を理由に性別変更を認めず、⑤については判断していなかった。
大法廷は25日付の決定で、④の規定について違憲と判断。⑤については憲法適合性を判断せず、審理を2審に差し戻した。


今回の判断は無茶苦茶でした。

特例法は、2条において、性同一性障害者について、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものと定義

3 抗告人について、性同一性障害者であって、特例法3条1項1号から3号までにはいずれも該当するものの、本件規定に該当するものではないとした上で、本件規定は、性別変更審判を受けた者について変更前の性別の生殖機能により子が生まれることがあれば、社会に混乱を生じさせかねないなどの配慮に基づくものと解される


これは重要ですよ。訴えた人は、生物学的に男で男の生殖器を持っています。一般的に、その日によって男の気分、女の気分という状態の人がいるようです。となれば、生殖器がある状態で女性がいいからといって、女性にするのはどうのか?という疑問があります。
次に、実際に裁判になったケースですが、男性で結婚して子供もできたけどやはり心は女だという場合があります。これは今は法律によって、変更不能ではありますが、こんなことを繰り返される可能性があるのです。
つまり、子どもが成人して結婚するとき誰の子か明確に定めていないと、近親相姦の可能性が出てきますし、相続の問題が出てきます。こういった問題があるのですが、どうも完全に無視されているようですね。

1 本件に関連する事実等の概要
性同一性障害とは、生物学的な性別と心理的な性別が不一致である状態をいい、医学的な観点からの治療を要するものである。・・・法令の規定の適用の前提となる戸籍上の性別が生物学的な性別によっているために、就職等の場面で性同一性障害を有することを明らかにせざるを得ない状況が生じたり、性自認に従った社会生活上の取扱いを受けられなかったりするなどの社会的な不利益を受けているとされている。


ここからしておかしいのですが、LGBTだからといって治療が必要とは思えません。実際身近にいる人の話を聞くと、例えば公衆浴場であるとかそういうところは遠慮しています。これをもっと自由にというのであれば、身体障害者に対して強烈な差別が残っていると言わざるを得ません。これは一種の利権とみてもおかしくないでしょう。

(2)特例法の制定の背景等
ア 日本精神神経学会の定めた「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」第2版に沿って、いわゆる段階的治療という考え方に基づく治療が行われていた。段階的治療とは、原則として、第1段階では精神的サポート等の精神科領域の治療を行い、次に身体的治療として、第2段階ではホルモン療法ないし乳房切除術を、第3段階では性別適合手術
(生殖腺除去手術、外性器の除去術又は外性器の形成術等)を行うという3段階の手順を踏んで治療を進める考え方であり、性別適合手術は、第2段階を経てもなお自己の生物学的な性別による身体的特徴に対する強い不快感又は嫌悪感が持続し、社会生活上の不都合を感じている者に対する最終段階の治療とされていた。


要するに生殖器があることに不快感があるということですよね。

イ 法的性別が生物学的な性別のままであることにより社会生活上の様々な問題を抱えている状況にあることに鑑み、一定の要件を満たすことで性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けることを可能にし、治療の効果を高め、社会的な不利益を解消するために制定されたものと解される。

社会的不利益・・・結婚?公衆浴場?現実に結婚に代替するのは養子縁組の方法や事実婚とやらがありますし、余り不利益はないかと思います。

ウ 特例法3条1項3号は、特例法の制定時には「現に子がいないこと。」と規定されていたが、平成20年法律第70号による改正(以下「平成20年改正」という。)によって、「現に未成年の子がいないこと。」に改められた。

そもそもこれもおかしな話で、先に上げた理由があります。とは言え、これは司法の問題ではなく立法がおかしいのでここでは論じません。

(3)性同一性障害に関する医学的知見の進展
ア まず精神科領域の治療を行うことは異ならないものの、身体的治療を要する場合には、ホルモン療法、乳房切除術、生殖腺除去手術、外性器の除去術又は外性器の形成術等のいずれか、あるいは、その全てをどのような順序でも選択できるものと改められた。


医学的にはそうなんでしょうが、司法としては別問題のはずです。

(4)性同一性障害を有する者を取り巻く社会状況等
平成16年7月の特例法の施行から現在までに、1万人を超える者が性別変更審判を受けるに至っている。・・・令和5年6月には、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現に資することを目的として、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が制定された。・・・一部の女子大学において法的性別は男性であるが心理的な性別は女性である学生が受け入れられるなどしている。・・・生殖能力の喪失を上記の変更のための要件としていたが、その
後、生殖能力の喪失を要件とすることについて、2014年(平成26年)に世界保健機関等が反対する旨の共同声明を発し、また、2017年(平成29年)に欧州人権裁判所が欧州人権条約に違反する旨の判決をしたことなどから


大学は関係ないでしょう。いつでも生物学的女子に限定すると方針転換できるんでから。EUがどうのといっても、日本はEUにすら入っていません。ここまでの段階で論点がずれまくっているのがだんだん見えてきます。

破産手続き前に下請けが売掛金の代わりに物件回収は不法行為ではない事例

2024-01-16 12:28:29 | 日記
令和3(受)2001  損害賠償請求事件
令和5年10月23日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  大阪高等裁判所

マンションの建築工事の注文者から上記マンションの敷地を譲り受けた行為が、自ら上記マンションを分譲販売する方法によって請負代金債権を回収するという請負人の利益を侵害するものとして上記債権を違法に侵害する行為に当たらないとされた事例

報道がないようなので、確認していきます。

1 本件は、株式会社マーベラスからマンションの建築工事を請け負った被上告人が、上告人エー・アール・センチュリー有限会社においてマーベラスから上記マンションの敷地を譲り受けた行為が被上告人のマーベラスに対する請負代金債権及び上記マンションの所有権を違法に侵害する行為に当たると主張

悪文ですね。いかにも司法関係者らしいアホな文章です。
被上告人Aはマーベラスからマンションの建築工事を請け負った。
上告人エー・アール・センチュリー有限会社はAに土地を譲り渡した
Aが受け取ったのはマーベラスの所有権を侵害している
というもののようですけど、そもそもの所有者はどうなってるの?という疑問が出てきます。

(1)マーベラスは、松江市所在の4筆の土地にマンションを建築して分譲販売することを計画し、平成26年、本件敷地を合計6100万円で購入した上、平成27年6月、被上告人との間で、マーベラスを注文者、被上告人を請負人として、本件敷地にマンションを建築する旨の請負契約を締結した。
本件代金に係る債権は、10億1500万円とされ、その支払時期及び支払額は、契約後に5000万円、上棟時(平成28年6月末日)に1億5000万円、完了時(同年11月末日)に8億1500万円とされた。
(2)被上告人は、マーベラスから、本件代金のうち、平成27年8月までに5000万円の支払を受けたが、上棟時に支払われるべき1億5000万円の支払を受けることができなかった。・・・極度額を6000万円、債権の範囲を請負取引、債務者をマーベラス、根抵当権者を被上告人とする根抵当権の設定を受け、その旨の登記がされた。


工事代金が総額10億1500万円なのに10分の1しか払ってもらえまなかったわけです。抵当に入れた金額でも、6000万が上限て酷すぎますね。

(3)被上告人は、マーベラスから、本件代金について、平成29年2月15日までに遅延損害金を除いて合計6017万円余の支払を受けるにとどまった。・・・同月17日、本件マンションを自己の占有下に置き、マーベラスの関係者が本件マンションに立ち入ることを禁じた上、マーベラスに対して単独で本件マンションを分譲販売することを止めるように申し入れ、自ら本件マンションを分譲販売する方法によって本件債権の回収を図ることとした。被上告人が本件工事を中止した時点における本件工事の出来高は、本件工事全体の99%を超えていた。
(4)マーベラスは、Aに対し、本件マンションの引渡しを受けて引き続き分譲販売させてほしい旨要望したが、被上告人は、これに応じず、マーベラスについて破産手続開始の申立てをする旨の方針を決めた。


そりゃそうです。金額が大きいですからね。とは言えその後破産申請されたのは痛いです。

(5)上告人会社は、平成29年4月2日、マーベラスから本件敷地を譲り受けた(本件行為)。本件敷地について、マーベラスから上告人会社に対し、売買を原因とする所有権移転登記がされたが、Aは、マーベラスに本件敷地の対価を支払っていない。

動産は持って行ったもんがちですが、不動産はそうはいきません。

(6)被上告人は、平成29年4月18日、マーベラスについて破産手続開始の申立てをし、同年6月2日、上記申立てに基づき、破産手続開始の決定がされた。
(7)マーベラスの破産管財人は、平成29年9月、本件行為が破産法160条3項所定の行為に該当することを理由として、本件敷地について上告人会社に破産法による否認の登記手続を求める訴えを提起し、令和元年9月、上記破産管財人の請求を認容する旨の判決が確定した。


ただ破産手続き開始の前に行った手続きですよね。

最高裁は以下のように判断しました。

前記事実関係によれば、本件行為の当時、Aは、自ら本件マンションを分譲販売する方法によって本件債権の回収を図ることとしていたが、本件敷地についてはマーベラスが所有しており、また、Aにおいて、将来、本件敷地の所有権その他の敷地利用権を取得する見込みがあったという事情もうかがわれないから、Aが自ら本件マンションを敷地利用権付きで分譲販売するためには、マーベラスの協力を得る必要があった。しかるに、マーベラスは、被上告人の意向とは異なり、Aから本件マンションの引渡しを受けて自らこれを分譲販売することを要望していたというのであるから、Aにおいてマーベラスから上記の協力を得ることは困難な状況にあったというべきである。

まあ潰すには嫌だ、買掛金は払わないとなれば従業員を守るためにAのやったことは当然ですね。

結論
本件行為は、上記利益を侵害するものとして本件債権を違法に侵害する行為に当たるということはできない。

裁判官岡正晶の反対意見
原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決は破棄を免れないとの多数意見に賛同するものである。しかし、被上告人の上告人らに対する請求は、いずれも理由がないことが明らかであるとして、第1審判決中上告人らに関する部分を取り消し、上記請求をいずれも棄却するとの多数意見には賛同することができない。

結果は一緒だけど、出すべき判決文が違う、要するに使う条文が違うというものです。

敷地利用権付き区分所有建物として分譲販売する利益を有しており、この利益は、民法709条にいう法律上保護される利益と評価することが相当と考える。

⑥マーベラスは、同年3月に本件マンションの引渡しを受けて自社で敷地利用権とともに一棟売りさせてほしい旨要望したが、被上告人は、これに応じず、遅くとも同月22日でにはマーベラスについて債権者破産を申し立てる方針を決めたというのであり、
⑦Aは、マーベラスにつき破産手続を開始させた場合、その破産管財人との協議により、被上告人が本件敷地の譲渡を受けるなどして、本件マンションの敷地利用権付き分譲販売が可能になることが相当程度見込まれたことがうかがわれる


そういう状態でマーベラスができる訳がないですよ。通常の新築マンションでも即日完売なんてものはなく、半年から1年、場合によっては2年以上、その間の人件費ですっ飛びますし、ヤバイ状況の会社から買う客なんかいません。

本件行為の当時、信義則上、被上告人は、マーベラスとの関係において、本件マンションの所有権に基づき本件マンションを敷地利用権付きで分譲販売する利益を有していたというべきであり・・・被上告人の本件マンションを敷地利用権付きで分譲販売する利益は、単なる主観的な期待にすぎないというものではなく、
民法709条にいう法律上保護される利益と評価することが相当なものというべきである


うーんそれはいいように解釈しすぎている気もしますけど、

Aの本件マンションを敷地利用権付きで分譲販売するという利益を直接的かつ積極的に妨害する意図で、マーベラスと上告人らが共同して行ったものであり、その結果、Aは、本件行為がなかったとすれば、マーベラスの破産管財人との協議を経て本件マンションを敷地利用権付きで分譲販売することができたと見込まれる時期から、本件行為が同破産管財人の否認権行使によって覆滅され、現実に本件マンションの敷地利用権付き分譲販売を開始するまでの間、分譲販売の時期を遅延させられた。・・・Aの本件マンションを敷地利用権付きで分譲販売する利益が民法709条にいう法律上保護される利益と評価できる場合には、マーベラスと上告人らが共同で行った本件行為は、故意に、被上告人の法律上保護される利益を侵害した民法719条の共同不法行為に当たるということができる。・・・原審はこの点につき審理を尽くしていない。更に審理を尽くさせるため、本件は原審に差し戻すのが相当と考える。

そうですかねぇ、これは違うでしょう。

裁判官堺徹の反対意見
不法行為による損害賠償責任成立の要件としての「権利又は法律上保護される利益」について現に本件合意が成立していること、本件行為が行われた以降に予想外の事態が発生したと認めるべき事情がうかがわれないこと等にも照らせば、破産手続を利用した債権者の債権回収方法としては通常と異なるといえるものの、被上告人が本件敷地の所有権を得て債権回収のために本件マンションを分譲販売する道筋を作ることは、「単なる主観的な期待」にはとどまらず、客観的にも期待できるものであり法的に保護するに値する利益であると考えられる

先ほどの岡正晶裁判官と真っ向から対立しますね。一方で
原審が適法に確定した事実関係によれば、上告人らは、本件行為において、登記原因を「売買」としているものの、真実は売買契約はないのであって、虚偽の登記の申請をし、登記簿原本(登記記録)に不実の記録をさせたというのであるから、刑罰法規に触れる可能性もある。

原文を読んでも虚偽云々の話は出てきません。これは事実認定されていないことから、この裁判官の感想にすぎないでしょう。

被上告人は、令和元年11月、本件マンションの販売価格を合計1億7281万円余も下げて分譲販売を開始したにもかかわらず、原審口頭弁論終結時点(令和3年6月15日)においても、わずか5戸を売り上げたにとどまっているというのである。このように、大幅に値下げしても販売が困難な状況にあることに照らしても、本件行為による本件マンションの価格落ちは著しく、原審が判示するように、損害額の立証が極めて困難であることから、民訴法248条を適用して損害額を認定すべきであると考えられる。

かなり努力しましたね。これが破産更生かほかの手段をやったところで、裁判中の物件なんぞ売れる訳がありません。5戸も売れたほうが奇跡です。
全体としても妥当な判断じゃないでしょうか。

第一小法廷
裁判長裁判官 深山卓也
裁判官 山口 厚
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶 今一つ
裁判官 堺 徹

訴えの手数料は案分しなさい

2024-01-08 11:55:32 | 日記
令和5(許)1  訴訟救助付与申立て却下決定に対する抗告審の取消決定等に対する許可抗告事件
令和5年10月19日  最高裁判所第一小法廷  決定  破棄差戻  広島高等裁判所  岡山支部
 1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額に限られる。
2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額である。


訴えの内容です
1 豪雨による河川の氾濫により被災したと主張して、各自の被った損害につき、抗告人ほか3名に対して損害賠償金及びこれに対する遅延損害金の連帯支払を求める訴えを共同して提起するとともに、訴訟上の救助を申し立てた。

日本の民事裁判の悪いところが出てますね。

各原告は上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の全額を各自納める義務を負うから、訴え提起の手数料につき訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、いずれの原告についても、上記全額である。そうすると、上記の場合において、民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、いずれの原告についても、上記全額である。

しかし1項で「ただし、勝訴の見込みがないとはいえないときに限る。」は流石にねぇ。訴えてみなければ勝つかどうかなんてわかりませんよ。

共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告の請求に係る訴え提起の手数料の額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額であると解される(民事訴訟費用等に関する法律9条3項柱書き参照)。したがって、上記の場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記のとおり案分して得た額に限られると解するのが相当である。

裁判長裁判官 堺 徹
裁判官 山口 厚
裁判官 深山卓也
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶

まあ、妥当ですかね。

補足意見2

2024-01-05 14:52:21 | 日記
裁判官尾島明の意見

投票価値の不均衡は本件選挙当時違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態(いわゆる違憲状態)にあったと考える。
(1)本件選挙当時の選挙区間の最大較差は、3.03倍であった。本件で問題になるのは、この較差が他の諸要因と併せて総合考慮した上で憲法14条違反の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったか否かであるが、私はこれは肯定せざるを得ないと考える。
(2)選挙区間の最大較差以外の指標をも考慮して総体としての投票価値の不均衡を測る見解(草野裁判官の意見のように比例代表選挙における有権者1人当たりの議員数をも加味した値を用いてジニ係数を計算するものを含む。)は、国会がその広範な裁量権を行使し、様々な利害を調整して諸要因を考慮する際に検証のために用いるツールとしては有用であるかもしれない。しかし、裁判所が定数配分規定が平等原則に違反するか否かを審査する際に使用するツールとしては最大較差の方を用いるべきであると考える。


それを決めるのは国会で裁判官じゃないから。

(3)平成29年大法廷判決は、平成24年大法廷判決等の趣旨に沿って較差の是正を図ったものとみることができると評価しているが、飽くまで「較差の是正を図ったもの」としているのであって、「較差の是正が達成されたもの」と評価していないことも明らかである。

それって拡大解釈ですから。

投票価値の不均衡についていかなる方法でこれを是正するかは、国会の広範な裁量に委ねられており、裁判所がその具体的な方法等について示唆するようなことは、これも三権分立の原則からいって避けるべきことである(もっとも、投票価値の著しい不均衡をもたらしているものが、特定の制度、例えば衆議院議員選挙における1人別枠方式や、参議院議員選挙における都道府県を各選挙区の単位とする仕組みであるときに、その問題点を指摘することは、当然に違憲立法審査権の範囲内の権限行使である。)。

それって他の裁判官にもはっきり言いなさいよ、名指しで。

令和2年大法廷判決が本件定数配分規定について違憲状態とはいえないと判断したこと(この判断については私も異論がない。)に鑑みると、本件選挙当時、まだ是正のための十分な期間が経過したということはできず、本件選挙までの期間内に是正がされなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとまではいえないので、本件定数配分規定が憲法に違反するとはいえないと考える。

改善中だから許したるってことですかね。YesかNoかでしょうよ、あなたが職で求められているのは。こういうのはブログで書くべきレベルですよ。

裁判官宇賀克也の反対意見
1 憲法は、有権者に単に形式的に同数の投票権を付与するのみならず等価値の投票権を付与していると考えられるので、投票価値が等しいことをデフォルトとして選挙制度を設計する必要がある。

ここまではっきり書くのは潔いですね。

憲法47条は、「選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。」と規定しているが、この規定も、憲法上の原則である投票価値の平等の要請に合致するように、法律で所定の事項を定めることを前提としている。そして、投票価値の不均衡が真にやむを得ないことについては、国会が説明責任を負うことになると考えられる。

これも拡大解釈ですよ。倫理的にやれというのであれば分かりますけどね。

衆議院で可決されたが、参議院で否決されたため、法律案が成立しなかった事例もある。こうしたことに加えて、予算・条約についても、それを執行するために法律の制定・改廃が必要になることが多く、内閣総理大臣の指名に当たっても、参議院で過半数の支持が得られる見通しを考慮に入れざるを得ないことに鑑みれば、参議院は、実際上、衆議院にかなり近い権限を与えられているといってよいと思われる。したがって、参議院についても、基本的に国民に等価値の選挙権が保障されなければならず

この議論って必要ですか?そんなことは判断を求められていませんし、そこまで議論する必要もい感じません。この事は国民が議論することで、最高裁の判事として言う事ですかね。

なお、合区の対象となった4県で投票率が低下するなどしたことから、国民の投票への意欲をより喚起する選挙制度を志向すべきであるという議論には傾聴すべき点があるものの、1票の価値が恒常的に低い状態に置かれている選挙区の住民は、そのことを認識すれば、やはり投票への意欲を削がれることになると思われる。したがって、国民の投票への意欲を喚起する選挙制度を志向するという観点からも、投票価値の平等を軽視することはできないと考える。

これこそ強制合併させられた選挙区について言うべきじゃないですかね。


裁判長裁判官 戸倉三郎 裁判官 山口 厚 裁判官 深山卓也 裁判官三浦 守 裁判官 草野耕一 裁判官 宇賀克也 裁判官 林 道晴 裁判官岡村和美 裁判官 長嶺安政 裁判官 安浪亮介 裁判官 渡 惠理子 裁判官岡 正晶 裁判官 堺 徹 裁判官 今崎幸彦 裁判官 尾島 明

全員今一つ。

補足意見出してごねている以下の裁判官は論旨無茶苦茶
裁判官宇賀克也
裁判官三浦守、
同草野耕一、
同尾島明

補足意見1

2024-01-04 14:21:40 | 日記
裁判官三浦守の意見

違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態(以下、本意見において「違憲状態」ともいう。)にあったものと考える。・・・参議院は、憲法上、衆議院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する責務を負っていることは明らかであり、参議院議員の選挙について、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難い。
そして、衆議院については、その要請に対する制度的な配慮として、選挙区間の人口較差が2倍未満となるようにする旨の区割りの基準が定められていることにも照らせば、参議院についても、適切に民意が反映されるよう投票価値の平等の要請について十分に配慮することが求められる。


判決に同意はしたがひとこと言わせろという事のようですが、だったら正面切って反対しなさいよ。「人口較差が2倍未満」とありますが、先の判決では5倍でもしょうがないよねと言っています。それをひっくり返すわけですね。

本件選挙当時の選挙区間の最大較差は、3.03倍であり、較差が3倍を超える選挙区は3選挙区であって、これらの選挙区の選挙人数の合計が総選挙人数に占める割合は約20.1%であり、令和元年選挙当時において較差が3倍を超える選挙区に係る上記割合である約1.8%から大幅に拡大した。

どうしろと?実際23区内であっても区をぶった切って選挙区にしたり無茶苦茶なことをしてますよ。自治体をぶった切って、番地で切れと?そうなると元々選びたい人を育ててきた選挙区民はどうなるんですか。それこそ司法の傲慢です。

都道府県を各選挙区の単位として定数を定めるという仕組みについては、都道府県が歴史的にも政治的、経済的、社会的にも独自の意義と実体を有し、政治的に一つのまとまりを有する単位として捉えられることに照らし、それを構成する住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味しようとするものと解される。
しかし、上記のような経緯の下で定められた各選挙区の定数は、一定の計算方式等に基づいて、現在の人口に比例する形で配分されたものではない。そして、本件選挙当時の全国の議員1人当たりの選挙人数は約70万9589人であるが、人口の特に少ない福井県、山梨県及び佐賀県の3選挙区(いずれも定数2人)は、選挙人数が63万人余ないし68万人余にとどまる。


全国国しろと?あまりにも受け狙いの人が増えたのが問題になったじゃないですか。

(4)その一方で、都道府県は、憲法が定める概念ではなく、これを各選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はない。

もはや一言居士状態ですね。以下グダグダ書いていますが、それって理由になるの?と思うような記述が続いています。この人の言う通りやれば、選挙のごとに選挙区を作り直せということになりますよ。政治の安定という観点からしたらトンデモです。彼の意見は12枚になりますが、もっときちんとまとめろというレベルです。


裁判官草野耕一の意見
(2)ジニ係数を用いて投票価値の不均衡を論じる場合の具体的な方法論は、基本的には、「条件付き合憲論」という呼称を付して令和2年大法廷判決(以下、本意見において「前回判決」という。)に記した私の意見(以下「前回意見」という。)のとおりであるが、一点、前回意見から見解を改めた点がある。

補足意見は判例に直接は影響しない者の、前言撤回ですか?

①全ての有権者は、同一の日時に、同一の場所で、選挙区選挙と比例代表選挙のそれぞれについて、互いに独立した(すなわち、一方での投票行動によって他方での投票行動が拘束されることのない)投票を行うことが制度的に保障されており、
②選出された議員は、選挙区選挙と比例代表選挙のいずれによって選出されたかにかかわらず、参議院議員として全く同一の資格を有するものであるから、本件のような選挙無効請求訴訟において、選挙人の行う投票が選挙結果に対して与える影響力を数量的に表現するという目的との関係では、選挙区選挙と比例代表選挙とを切り離して考えることに合理性があるとは考え難い。

このジニ係数の値は、前回判決の対象となった令和元年選挙の(総合的投票価値を用いて計算した)ジニ係数である8.49パーセント(0.0849)とほぼ同じ値であり、したがって本件選挙に対する評価が令和元年選挙に対する評価と一致することは怪しむに足らない。


そもそもジニ係数であっても、どこから不平等とするか人為的に決める話ですからね。

5 以上の点を踏まえてデフォルト改革案を模索するに(詳しい分析は前回意見で述べたのでここでは省略する。)、思い至るデフォルト改革案候補のほとんど全ては、都道府県本位選挙制度の理念に反するか(ブロック選挙区、合区の拡大等)、あるいは都道府県本位選挙制度の理念には反しないものの選挙制度に内在する政策的諸問題をいかに解決するかという点に関する国会の裁量権に掣肘を加えるものであるといわざるを得ない(比例代表制の廃止又は大幅な縮小、奇数定数案等)。

要するにああだこうだと考えてみたけど結論に至らないのよねってことのようです。

私は、多数意見の結論に賛成する次第である。

いやはや、考えてみたら大きな問題をすっ飛ばしています。県を合体させた選挙区を作るとなることも考えよと言いますが、どちらの県が選挙管理委員を務めるのでしょうか?それを裁判所が間接的ながら求めているわけですよね。求められたことについて判断すればいいのであって、間接的に強制するようなことを言うのはどうなのかと。

現参議院選挙の定員配分憲法違反ではない

2024-01-03 14:12:51 | 日記
令和5(行ツ)54  選挙無効請求事件
令和5年10月18日  最高裁判所大法廷  判決  棄却  東京高等裁判所

 令和4年7月10日に行われた参議院議員通常選挙当時、平成30年法律第75号による改正後の公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、上記規定が憲法14条1項等に違反するに至っていたということはできない。

相変わらず東京を優遇しろ裁判が起きています。そもそも裁判所は政治に介入してはいけないのですから、この裁判は受けてはならない事件です。

日弁連の声明です
参議院選挙定数配分に関する最高裁判所大法廷判決についての会長声明
本判決は、合憲との判断をするに際し、2020年判決と同様、「具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとはいえ」ないと指摘している。しかし、これは憲法上の要請でない都道府県別の選挙区割りを優先させる結果、投票価値の平等の実現を妨げる判断であり、到底賛同できない。

日弁連といっても合議体でもなければ、弁護士会で同意を取って書いているわけではないので、弁護士の過半数がこう考えいるわけではないことをまず断っておきます。こういった行為については弁護士会の中でもかなりもめているようです。

訴えの内容は、選挙区間の格差により2倍以上の格差が気に入らないのというものです。

事実認定では
(2)参議院議員選挙法制定当時、選挙区間における議員1人当たりの人口の最大較差は2.62倍(以下、較差に関する数値は、全て概数である。)であった・・・同7年から同19年までに行われた各通常選挙当時の選挙区間の最大較差は5倍前後で推移した。・・・違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態が生じていた旨判示したが(最高裁平成6年(行ツ)第59号同8年9月11日大法廷判決・民集50巻8号2283頁)、平成6年改正後の定数配分規定の下で行われた2回の通常選挙については、上記の不平等状態に至っていたとはいえない旨判示した(最高裁平成9年(行ツ)第104号同10年9月2日大法廷判決・民集52巻6号1373頁、最高裁平成11年(行ツ)第241号同12年9月6日大法廷判決・民集54巻7号1997頁)。・・・裁判所大法廷は、結論において当該各定数配分規定が憲法に違反するに至っていた
とはいえない旨の判断を示した


5倍超から3倍弱まで戻っているのですよ。その上国境付近の過疎地も同じに扱えということ自体がおかしなことだと思いませんか?当時の裁判官も同じように考えたと思います。完璧に平等なんか不可能です。

(3)平成22年7月11日、選挙区間の最大較差が5.00倍の状況において行われた通常選挙につき、最高裁平成23年(行ツ)第51号同24年10月17日大法廷判決・民集66巻10号3357頁(以下「平成24年大法廷判決」という。)は、結論において同選挙当時の定数配分規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないとした。

ということからして、5倍以内は許容範囲という判例になるわけですね。

①参議院議員の選挙制度と衆議院議員の選挙制度が同質的なものとなってきているとともに、急速に変化する社会の情勢の下で、議員の長い任期を背景に国政の運営における参議院の役割はこれまでにも増して大きくなってきていること、②衆議院については、投票価値の平等の要請に対する制度的な配慮として、選挙区間の人口の較差が2倍未満となることを基本とする旨の区割りの基準が定められていること等を挙げた上で、参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難く、都道府県が政治的に一つのまとまりを有する単位として捉え得ること等の事情は数十年間にもわたり投票価値の大きな較差が継続することを正当化する理由としては十分なものとはいえなくなっており、

出ました。裁判所特有のダラダラとした長い文章。けむに巻こうとしているのか、頭が整理されていないのか。要するに参議院と衆議院って投票者からすれば同じようなもんでしょう?と言っているのですが、それは裁判所判事の勝手な個人的見解で、社会調査でもしたのであれば分かりますが、その見解はどこから来たのか根拠が全く書かれていません。だってそう思ったんだもーんと言っているにすぎません。

平成30年7月18日、上記法律案どおりの法律が成立し、同年10月25日に施行された。同法による公職選挙法の改正の結果、平成27年10月実施の国勢調査結果による日本国民人口に基づく選挙区間の最大較差は2.99倍となった。

先の判決5倍以内ですから充分許容範囲内にあります。

(10)令和元年選挙において、合区の対象となった徳島県での投票率は全国最低となり、鳥取県及び島根県の投票率もそれぞれ過去最低となった。また、合区の対象となった4県での無効投票率はいずれも全国平均を上回り、徳島県では全国最高となった。

これは東京ばかり優遇したからこうなったのであって、これだけ広い土地でわずか2週間で選挙運動なんぞできるわけないですよ。

3 憲法は、選挙権の内容の平等、換言すれば、議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等、すなわち投票価値の平等を要求していると解される。・・・憲法が二院制を採用し衆議院と参議院の権限及び議員の任期等に差異を設けている趣旨は、それぞれの議院に特色のある機能を発揮させることによって、国会を公正かつ効果的に国民を代表する機関たらしめようとするところにあると解される。

前半は分かりますが、後半は先ほどの裁判官の感想からすると矛盾しませんか?

具体的な選挙制度の仕組みを決定するに当たり、一定の地域の住民の意思を集約的に反映させるという意義ないし機能を加味する観点から、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮すること自体が否定されるべきものであるとはいえず、投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて、このような要素を踏まえた選挙制度を構築することが直ちに国会の合理的な裁量を超えるものとは解されない。

だんだん訳分からなくなってきました。先の判例上問題がない、以上で終了でしょう。だったら、県境を跨いだ合区を違反とすべきじゃないですかね。

結論
本件選挙当時、平成30年改正後の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできない。

ここに至るまでに原文では13ページですよ。意味不明ですね。長いので、反対意見や補足意見は次以降に回します。