最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

国から自治体に自治体から会社に渡された補助金、目的外使用だから自治体は国に返せ

2021-03-29 20:45:13 | 日記
令和2(受)763  不当利得返還請求事件
令和3年3月2日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄自判  東京高等裁判所
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律22条に基づくものとしてされた財産の処分の承認が同法7条3項による条件に基づいてされたものとして適法であるとされた事例

下野新聞の報道です。
多額の補助金、責任はどこに エコシティ訴訟、2日に最高裁判決
事業停止し破産した民間産業廃棄物処理業者「エコシティ宇都宮」に交付された補助金を巡り、県が国に返納した補助金相当額約1億9600万円を返すよう求めた訴訟の上告審判決が2日、最高裁第3小法廷(林道晴(はやしみちはる)裁判長)で言い渡される。上告審では高裁の結論変更に必要な弁論が開かれたため、国に全額返還を命じた一審、二審判決が見直される可能性がある。

国「返納義務明らか」 県「損失負担は不当」 エコシティ宇都宮 補助金訴訟 最高裁弁論
最高裁は通常、二審の結論を変更する際に弁論を開く。県側の請求を認めて国に相当額を返還するよう命じた一審宇都宮地裁判決を支持し、国の控訴を棄却した二審東京高裁判決が見直される可能性がある。
 国庫補助事業で整備した財産の処分には、事前に国の承認が必要となる。エコシティを巡っては操業停止後、宇都宮市が県に、県が国に対して競売による不動産の処分を申請。国がこれを承認し、所有者が第三者に移った経緯がある。


産経新聞の報道です。
消えた補助金2億円…エコシティ問題
国から補助金返還を求められた県は、エ社の稼働時期分を除く1億9659万円の支払いを市に求めたが、市は「(エ社から)返還されれば返す」と主張。結局、県は「肩代わり」する形で国に返納、市に相当額の支払いを求める訴えを起こした。
 宇都宮地裁は今月4日、「補助金返還で合意があったとはいえない」などとして請求を棄却したが、県は控訴。24日の記者会見で福田知事は「(1審判決は)補助金適正化法の趣旨や補助制度の実態が十分に反映されていない。控訴審では必要な主張を尽くす」とコメント。法廷を舞台にした争いは続く見込みだ。


これからこういうことが多くありそうですね。さて事実確認から見ていきます。
(1) 宇都宮市は,平成17年度に,事業系生ごみの再資源化システムを構築し,再資源化の確実な普及・定着を図ることを目的に,株式会社エコシティ宇都宮を事業実施主体として,高速堆肥化施設の整備,設置等を内容とするバイオマス利活用地区計画を策定した。
(2) 農林水産大臣から権限の委任を受けた関東農政局長は,平成18年1月18日までに,被上告人に対し,平成17年度バイオマスの環づくり交付金のうちのバイオマス利活用整備交付金として,合計2億6113万8000円の交付決定をした。・・・「間接交付事業者に対し事業により取得し,又は効用の増加した財産の処分についての承認をしようとするときは,あらかじめ関東農政局長の承認を受けなければならない」との条件が附されていた。
(3) エコシティは,上記の補助金を主要な財源として堆肥化施設を整備し,設置した。平成18年6月8日,関東農政局長は被上告人に対し,県知事は市に対し,市長はエコシティに対し,それぞれ申請を受けて本件施設を担保に供することを承認した。エコシティは,同年8月10日,本件施設に根抵当権を設定した。
(4) エコシティは,平成20年10月,本件施設における操業を停止した。本件施設について,平成21年12月25日,担保不動産競売の申立てがされ,同22年1月20日,同開始決定がされた。・・・関東農政局長は,同月17日,本件施設の処分価格に係る国庫補助金相当額の納付を条件として,本件申請を承認した。県知事は,同月18日,上記の市による申請を承認し,市長は,上記のエコシティによる申請を承認した。
(5) 被上告人は,平成24年1月27日付けで,関東農政局長から上記の国庫補助金相当額として1億9659万0956円を納付するよう求められ,同年2月15日,上告人に対し,同金額の納付をした。


分かりにくいですが、関東農政局から栃木県へ、栃木県から宇都宮市へ、宇都宮市からエコシティに補助金が渡されました。エコシティが破綻しましたが、そもそも宇都宮市は目的外使用に使ったので、関東農政局は栃木県に補助金を返せと要求しました。しかし、返せと言われてもその法的根拠がないでしょ、と裁判になっています。
予算確保したから使い切らなきゃならん、という公務員にありがちな判断をしてしまったようです。


最高裁は
(1) 関東農政局長が被上告人に対して当初の本件施設への担保権設定について承認するに際し,その後に担保権が実行され,エコシティが補助金の交付の目的に沿ってこれを使用することができなくなり,目的外使用の状態に至ることについてまで承認していたとはうかがわれないから,本件交付決定条件により,上記目的外使用についても改めてその承認を得ることが必要であったというべきである。・・・(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律)法7条3項による本件交付決定条件を根拠としてされたものとすることができるのであれば,法的根拠を欠くものということはできない。
7条3項は
補助事業等の内容の変更(各省各庁の長の定める軽微な変更を除く。)をする場合においては、各省各庁の長の承認を受けるべきこと。

この条文がある限りお伺いは最低限立てなければならなかったようです。

法22条は,補助事業者等が補助事業等により取得した財産について,各省各庁の長の承認を受けないで,補助金等の交付の目的に反して使用し,譲渡し,交換し,貸し付け,又は担保に供してはならない旨を定め,もって財産の処分を制限しているところ,これは,補助事業等により取得された財産が処分され,補助事業者等により補助金等の交付の目的に沿って使用されなくなる事態となっては,当該目的が達成し得なくなるために設けられたものと解され,当該承認は,これを得ることなく上記の事態に至ることを防止することを目的とするもの

ここでの趣旨は使い終わった分の廃棄される機材等の話ですよね。例外的に不動産も入るとは思いますが。

法22条に基づく各省各庁の長の承認を得た上での補助事業者等による財産の処分であれば,法17条1項により補助金等の交付の決定が取り消されることはないのと同様に,法7条3項による本件交付決定条件に基づく関東農政局長の承認を得た上での間接交付事業者による財産の処分についても,これにより本件交付決定が取り消されることはない。

1項では部分的に取り消しがあり得ること、3項では決定後も取り消しはあるとしています。そりゃそうですよ。国策もあって戦略的に使わなきゃならないものを勝手に変更されたんじゃたまったもんじゃありません。政策もくそも無くなります。

結論
以上に検討したところによれば,本件承認は,法7条3項による本件交付決定条件に基づいてされたものとして適法であるということができる。

要するに、国庫に戻しなさいという判決でした。

全員一致でした。

これについて裁判官 宇賀克也の補足意見があります。

本件交付
決定条件等に違反したものとして法17条の規定に基づき交付決定が取り消され得ることに鑑みると,本件承認は,結局のところ,間接補助事業等により取得した財産を補助金等の交付の目的に従って管理する義務を免除することを意図するものと考えられる。

どうやったら17条の規定で、義務の免除につながるのでしょうか?

担保権設定の承認の際に担保権の実行の際の目的外使用を含めて承認していると解することができれば,改めて担保権の実行の際に承認を得る意味はないことになる。

これもよく分かりません。仮定の前提で話を進めますか?事実に基づいて話をしてくださいよ。

そもそも,栃木県補助金等交付規則6条3項においては,同規則における補助金等の交付の決定をするに当たり,「知事は,適正化法に規定する間接補助金等に該当する場合において,同法第7条の規定に基づき各省各庁の長が当該間接補助金等に関して条件を附したときは,これと同一の条件を附するものとする。」と定められており,被上告人としては,本件交付決定条件が法7条3項の規定によるものであることを認識できてしかるべきであったといえ,本件承認が本件交付決定条件を根拠としてされるべきものであったと認識できたと考えられる

あの・・・栃木県条例なんぞここではどうでもいいんです。国の法律が優先されますから。何を議論しようとしているのか分かりません。全体としては妥当な判断だとは思いますが、一人だけ訳分かりません。

裁判長裁判官 林 道晴
裁判官 戸倉三郎
裁判官 林 景一
裁判官 宮崎裕子
裁判官 宇賀克也 何が言いたいのか分からん

判決は妥当だが稚拙すぎる判決文:有料を無料で見られるデコーダープログラム販売は不正競争防止法違反

2021-03-28 09:06:51 | 日記
平成30(あ)10  不正競争防止法違反被告事件
令和3年3月1日  最高裁判所第一小法廷  決定  棄却  大阪高等裁判所
不正競争防止法(平成27年法律第54号による改正前のもの)2条1項10号にいう技術的制限手段の効果を妨げることにより影像の視聴を可能とする機能を有するプログラムに当たるとされた事例

相変わらず悪文です。これでは事実認定もへったくれもありません。判決文は当事者のためだけのものではありません。ましてや最高裁となれば。もっとまともな文章にしなさい。
次に、通常法人が当事者であれば、名前がさらし者になりますが、今回は何故か匿名になっています。これでは、制裁の意味がありません。

・ 被告人Aは,横浜市内に本店を置きコンピュータのソフトウェアの開発及び販売等を業とする株式会社Cの代表取締役(当時)として,その業務全般を統括する者,被告人Bは,同社にプログラムソフト販売責任者として勤務する者
・ 被告人両名は,同社のプログラマーと共謀の上,株式会社Dが,E形式ファイルにより電子書籍の影像を配信するに当たり,営業上用いている電磁的方法により上記影像の視聴及び記録を制限する手段であって,視聴等機器が,同社が提供する影像表示・閲覧ソフトであるD電子書籍ビューア(以下「本件ビューア」という。)による変換を必要とするよう,上記影像を変換して送信する方式によるもの(以下「本件技術的制限手段」という。)により,ライセンスの発行を受けた特定の視聴等機器にインストールされた本件ビューア以外では視聴ができないように上記影像の視聴及び記録を制限


見事なまでの悪文でしょう?文章を2つにぶった切っても、まだ分かりませんし、この後もダラダラ文章が続きます。
専門家に聞いたところによると、特殊なタブレット端末があると思ってください。その特殊タブレットがないと本は読めないように設定して、本のデータを配信しました。が、データの方で細工をして特殊タブレットがなくても読めるようなプログラムを作りました。

上記の用途に供するため,東京都内のサーバコンピュータから電気通信回線を通じて上記顧客らのパーソナルコンピュータにそれぞれダウンロードさせて提供し,もって不正競争を行った。

先ほどの特殊端末でなくても読めるプログラムを一般人に売ったようです。

不正競争防止法2条1項10号は,営業上用いられている技術的制限手段により制限されている影像の視聴等を当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有するプログラムを電気通信回線を通じて提供する行為等を「不正競争」としている。・・・所論は,本件技術的制限手段は,視聴等機器が特定の変換(復号)を必要とするよう影像を変換して送信する暗号化の方式によるものであるところ,F3は復号の機能を有しないから技術的制限手段の効果を妨げるプログラムではないと主張する。

F3のボタンを押すだけで機能が変わるから、それはプログラムではないという主張のようです。

Windows対応版の本件ビューアには,復号後の影像の記録・保存を防止する機能を有し,本件ビューア以外で上記影像の視聴ができないよう影像の視聴等を制限するプログラムである「G」が組み込まれていた。Gは,本件ビューアを構成するプログラムの一つとして,本件ビューアと同時にインストールされ,Gのない状態では,本件ビューアは起動せず,ライセンスの発行を受けることも送信された影像の視聴もできないようにされていた。
F3は,Gの上記機能を無効化し,復号後の電子書籍の影像を記録・保存することにより,本件ビューア以外での上記影像の視聴を可能とする機能を有するプログラムであった。


またまたここが全く整理されていません。特殊タブレットは解読するプログラムを入れてあり、金を払わないとそのプログラムが作動しないようにしてある。F3を押せば登録をすっ飛ばして解読する「プログラム」であるとしています。

判決は妥当ですが、判決文が酷すぎます。分かっていない人が無理やり書いた感じですし、プログラムではないという主張に対して、プログラムの定義すら書いていません。それでいて、プログラムだと言い張るあたりは論理の飛躍が過ぎます。

以上の事実関係によれば,Gの上記機能により得られる効果は本件技術的制限手段の効果に当たり,これを無効化するF3は,技術的制限手段の効果を妨げることにより影像の視聴を可能とする機能を有するプログラムに当たると認められる。

トートロジーですね。

裁判長裁判官 山口 厚
裁判官 池上政幸
裁判官 小池 裕
裁判官 木澤克之
裁判官 深山卓也

全員判決文をちゃんとかけ!地裁以下だぞ。

トンデモ判決量刑不当睡眠薬を飲ませて死亡事故が24年

2021-03-26 17:01:59 | 日記
令和2(あ)96  殺人,殺人未遂,傷害被告事件
令和3年1月29日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄自判  東京高等裁判所



これは以前に書いた記事トンデモ判決 睡眠導入剤を飲ませて運転させ死亡事故は殺人ではないこれの続きの裁判です。ですので事実認定は飛ばします。ここでの論点は殺意があったかどうかになります。

  1 第1審判決は,殺意の有無を検討するに当たり,巻き込まれた第三者を死亡させる事故を含むあらゆる態様の事故を引き起こす危険性の認識について説示している。・・・  第1審判決は,その上で,被告人は,このような自己の行為の危険性を認識しながらAやDに運転を仕向けており,事故の相手方であるB及びEが死亡することもやむを得ないものとして認識・認容していたと判断したものと解するのが相当である。そうすると,第1審判決が認識の対象となる危険性の程度を引き下げているという原判決の指摘は,必ずしも第1審判決を正解したものとはいえない。  
2 Aらは睡眠導入剤を摂取させられたことを認識しておらず,もうろう状態にあったことなどに照らすと,自らの判断で運転を避止又は中止できた可能性は低かったといえる。当時,被告人を除く本件老人ホーム職員の中でAらが睡眠導入剤を摂取させられていることを知っていた者はいなかったこと,被告人が他の職員の目が届きにくい状況でAらに帰宅を促していることなどに鑑みると,他の者が運転を制止する可能性も低かったといえる。
3 3原判決は,被告人の行為により事故の相手方が死亡する危険性は低かったとの評価を前提に,被告人には事故の相手方が死亡することを想起し難いというが,前提を異にする指摘である上,被告人は,ひそかに摂取させた睡眠導入剤の影響によりAらが仮睡状態等に陥っているのを現に目撃し,また,第1事件の前には上記影響によりAが本件物損事故を引き起こしたこと及び第2事件の前には第1事件でAが死亡したことをそれぞれ認識していた
  4 以上のとおり,被告人が,A及びDに対し,ひそかに睡眠導入剤を摂取させて自動車を運転するよう仕向けたことにより,同人らが走行中に仮睡状態等に陥って自車を対向車線に進出させて対向車に衝突させ,対向車の運転者であるB及びEに傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について,B及びEに対する殺意を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決は,第1審判決について,論理則,経験則等に照らして不合理な点があることを十分に示したものとは評価することができない。そうすると,第1審判決に事実誤認があるとした原判断には刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があり,この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであって,原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。
  

ここまではOKです。ですが、
  懲役24年に処した判断を含め,第1審判決を維持するのが相当で

おいおい、たった24年ですか?明らかに量刑不当です。これは一般人を巻き込んだテロ行為と変わらないのですよ。死んだのが一人だからってこれはないでしょう。誰が巻き込まれても構わないと思っている点で、ほとんど無差別テロです。 これは十分に死刑案件でしょう。 現在74才ですから、一生出て来るなの判決ですが、死ぬまで国費で面倒を見なければならないのです。

 裁判長裁判官 草野耕一  甘すぎる
裁判官 菅野博之  甘すぎる
裁判官 三浦 守  甘すぎる
裁判官岡村和美   甘すぎる

沖縄の公園にある孔子廟は宗教施設である憲法違反である

2021-03-22 16:57:35 | 日記
令和1(行ツ)222  固定資産税等課税免除措置取消(住民訴訟)請求事件
令和3年2月24日  最高裁判所大法廷  判決  破棄自判  福岡高等裁判所  那覇支部
 市長が都市公園内の国公有地上に孔子等を祀った施設を所有する一般社団法人に対して同施設の敷地の使用料を全額免除した行為が憲法20条3項に違反するとされた事例

沖縄タイムスの報道です。
孔子廟に土地無償提供は「違憲」 最高裁、政教分離3例目
 儒教の祖、孔子を祭る「孔子廟」のために那覇市が公園内の土地を無償提供したことが、憲法の政教分離の原則に違反するかどうかが争われた住民訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は24日、「市が特定の宗教を援助していると評価されてもやむを得ない」として違憲と判断した。

朝日新聞の報道です。
孔子廟の土地使用料免除は違憲 政教分離訴訟で最高裁
裁判官15人のうち14人の多数意見。林景一氏は「合憲」とする反対意見を付けた。

訴えの概要
那覇市の管理する都市公園内に儒教の祖である孔子等を祀った久米至聖廟を設置することを参加人に許可した上で,その敷地の使用料の全額を免除した当時の市長の行為は,憲法の定める政教分離原則に違反し,無効であり,第1審被告が参加人に対して平成26年4月1日から同年7月24日までの間の公園使用料181万7063円を請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして訴えた。

事実確認
(1) 那覇市公園条例(1970年那覇市条例第6号。以下,単に「公園条例」という。)及び那覇市公園条例施行規則(1970年那覇市規則第5号。平成28年那覇市規則第21号による改正前のもの。以下,単に「公園条例施行規則」という。)によれば,都市公園法5条1項に基づく公園施設の設置許可を受けた者は,市に対し,占用面積1㎡につき1か月360円の使用料を納付しなければならない。

無茶苦茶安いですね。50年前の値段なのですから10倍にしてもいいくらいです。

(2)ア 市は,都市公園法2条1項1号所定の都市公園として,市内の久米地域に松山公園を設置し,これを管理している。本件施設は,本件公園内の国公有地上に設置された,儒教の祖である孔子やその4人の門弟である四配等を祀る廟である。
イ 本件施設は,大成殿,啓聖祠,明倫堂・図書館,至聖門,御路,御庭空間等によって構成され,その占用面積は1335㎡ある。・・・れ,観光客に加え,家族繁栄,学業成就,試験合格等を祈願する多くの人々が参拝に訪れる。また,本件施設においては,大成殿の香炉灰が封入された「学業成就(祈願)カード」が販売されていたことがあった。


神社の絵馬、お寺のお守りみたいなもんですね。

ウ 本件施設では,平成25年以降,毎年,孔子の生誕の日とされる9月28日に,供物を並べて孔子の霊を迎え,上香,祝文奉読等をした後にこれを送り返すという内容の行事である釋奠祭禮が行われている。

思いっきり宗教儀式じゃないですか。

(3)当初の至聖廟等及びその敷地は,明治12年に沖縄県が設置された後,社寺に類する施設として国有とされ,その後,請願を受けて同35年に当時の那覇区に返還され,大正4年に参加人の前身である社団法人久米崇聖会(以下,参加人と区別することなく,「参加人」という。)に譲与された。なお,当初の至聖廟等は,沖縄県によって,その敷地上における工作物の建設等につき,社寺に準じた規制を受けていた。天尊廟及び天妃宮と共に,至聖廟及び明倫堂が再建され,参加人はこれらを維持管理するようになった。参加人の会報誌には,旧至聖廟等,天尊廟及び天妃宮について,普段は1日当たり約200人の参拝者がいる旨の記載がある。

過去の経緯でも宗教施設として扱われていたようです。

ウ 市は,本件公園の用地として,平成18年2月1日付けで,国から,那覇市久米所在の国有地(地積4560.30㎡)を代金7億6600万円で買い受けるとともに,同年6月21日付けで,国との間で,同所在の国有地(地積2280.14㎡)を目的とする国有財産無償貸付契約を締結した。
エ 当時の市長は,参加人の申請に基づき,平成23年3月31日付けで本件施設に係る公園施設設置許可・・・同25年4月30日までに同工事を完了した。・・・上記期間は,本件公園の管理上支障がない限り,更新が予定・・・上記期間は,本件公園の管理上支障がない限り,更新が予定されていた。


原審は,本件免除が,その直接の効果として,参加人による本件施設を利用した宗教的活動を容易にしているなどとして,憲法20条1項後段,3項,89条
に違反すると判断した。


それでもガチガチで政教分離というのではなく、

政教分離規定は,その関わり合いが我が国の社会的,文化的諸条件に照らし,信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものと認められる場合に,これを許さないとするものであると解される

と若干含みを持たせています。

前記事実関係等によれば,本件施設は,本件公園の他の部分から仕切られた区域内に一体として設置されているところ,大成殿は,本件施設の本殿と位置付けられており,その内部の正面には孔子の像及び神位が,その左右には四配の神位がそれぞれ配置され,家族繁栄,学業成就,試験合格等を祈願する多くの人々による参拝を受けているほか,大成殿の香炉灰が封入された「学業成就(祈願)カード」が本件施設で販売されていたこともあったというのである。そうすると,本件施設は,その外観等に照らして,神体又は本尊に対する参拝を受け入れる社寺との類似性があるということができる。
本件施設で行われる釋奠祭禮は,その内容が供物を並べて孔子の霊を迎え,上香,祝文奉読等をした後にこれを送り返すというものであることに鑑みると,思想家である孔子を歴史上の偉大な人物として顕彰するにとどまらず,その霊の存在を前提として,これを崇め奉るという宗教的意義を有する儀式というほかない。


全くその通りです。儒教の聖典は四書五経ですが、その中の『礼記』の祭祀ほうほうであり、孔子の『論語』の思想とはかなりずれというより全く関係なく、むしろ象徴として孔子が崇められています。

参加人は釋奠祭禮の観光ショー化等を許容しない姿勢

事実上の絵馬やお守りが売られてたとなれば、単なる観光施設とは言えません。

(3) 本件免除に伴う国公有地の無償提供の態様は,本件設置許可に係る占用面積が1335㎡に及び,免除の対象となる公園使用料相当額が年間で576万7200円(占用面積1335㎡×1か月360円×12か月)に上るというものであって,本件免除によって参加人が享受する利益は,相当に大きいということができる。・・・,久米三十六姓の歴史研究等をもその目的としているものの,宗教性を有する本件施設の公開や宗教的意義を有する釋奠祭禮の挙行を定款上の目的又は事業として掲げており,実際に本件施設において,多くの参拝者を受け入れ,釋奠祭禮を挙行している。

ちょっと待てよ、これは金額の問題ではないでしょう。

(4) これまで説示したところによれば,本件施設の観光資源等としての意義や歴史的価値を考慮しても,本件免除は,一般人の目から見て,市が参加人の上記活動に係る特定の宗教に対して特別の便益を提供し,これを援助していると評価されてもやむを得ないものといえる。

(5) 以上のような事情を考慮し,社会通念に照らして総合的に判断すると,本件免除は,市と宗教との関わり合いが,我が国の社会的,文化的諸条件に照らし,信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものとして,憲法20条3項の禁止する宗教的活動に該当すると解するのが相当である。

当然すぎますね。
そもそもこれだけ明白で過去にも似たような判決があったにもかかわらず、大法廷でやる必要があったのか疑問があるくらいです。
ところが、林景一裁判官が反対しています。

参加人は,琉球王朝時代風の孔子廟施設を維持すること,そして,そこにおいて釋奠祭禮という行事を続け,合わせて,論語等の東洋文化を若い世代に普及させることを重要な目的としているとみることができよう。このような目的からみる限り,今日において,参加人が,集団として,宗教としての儒教の信仰を共有し,それを継承し,普及させようとしていることはうかがえない。

何言ってるんですかね、祭壇に供物を備えるのはこれは立派に宗教行為ですよ。しかも、儒教を普及させようとしているではないですか。事実から目をそらしたらいかんです。

久米三十六姓の末えいの血縁集団の連合体として,戦後の歴史・社会状況の変化の中で,他の門中と同様,祖先の事績を偲びつつ,集団の絆を維持強化しようとするものと評価できるのではないか。

これも訳分かりません。自分の先祖の話をしたいのであればプライベートでやるか、県立博物館にでも展示すれば済む話ですよね。この人アホか。

少なくとも,参拝者が当然に信仰心に基づく参拝をしたという証拠はない。そもそも本件免除の目的の一つが観光振興であることに示されているように,大半が本件公園の一角にあって我が国最南に所在する孔子廟を見物に来る観光客である可能性も高い。

だったら観光物産館と看板を出すべきですよ。間違っても孔子廟なんて看板を出すべきではありません。この人は自己矛盾に気づいていません。頭おかしい。

裁判長裁判官 大谷直人
裁判官 池上政幸
裁判官 小池 裕
裁判官木澤克之
裁判官 菅野博之
裁判官 山口 厚
裁判官 戸倉三郎
裁判官 林 景一 こいつだけおかしい
裁判官 宮崎裕子
裁判官 深山卓也
裁判官 三浦 守
裁判官 草野耕一
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
裁判官 岡村和美

無理くり事実認定をひっくり返そうとしていますね。あまりにも無理やりすぎます。
残念ながらこいつは一度審査を受けているので×のつけようがありませんが。

朝日新聞従軍慰安婦記事捏造の判決

2021-03-16 08:52:38 | 日記
判決文が公開されていないので詳細の論評はできません。

読売新聞の記事
慰安婦報道巡る訴訟、元朝日記者・植村隆氏の敗訴確定
朝日新聞社のいわゆる従軍慰安婦問題の報道を巡り、元朝日記者の植村隆氏(62)が、自身の執筆記事を「悪質な捏造ねつぞう」などと批判した西岡力・麗沢大客員教授の論文や週刊文春の記事は名誉毀損きそんだとして、西岡教授と文春側に損害賠償と謝罪広告の掲載などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は11日付の決定で原告側の上告を棄却した。

時事通信
元朝日記者の敗訴確定 慰安婦報道訴訟―最高裁
一審東京地裁は2019年6月、植村氏は女性が日本軍に強制連行された認識がなかったのに「戦場に連行された」と報じたとし、「意図的に事実と異なる記事を書いた」と認定。「従軍慰安婦は国際的な問題となっており、(西岡氏の)表現の目的は公益を図ることにある」として、賠償責任を否定した。二審東京高裁も20年3月、地裁の判断を追認した。


朝日新聞はこの元記者に損害賠償を請求しないのでしょうか?




外国サーバへ猥褻画像のアップロード、弁護士から警告を受けても全員無視したので共同正犯成立

2021-03-15 16:49:17 | 日記
平成30(あ)1381  わいせつ電磁的記録記録媒体陳列,公然わいせつ被告事件
令和3年2月1日  最高裁判所第二小法廷  決定  棄却  大阪高等裁判所

 1 電磁的記録を保管した記録媒体がサイバー犯罪に関する条約の締約国に所在し同記録
を開示する正当な権限を有する者の合法的かつ任意の同意がある場合に国際捜査共助に
よることなく同記録媒体へのリモートアクセス及び同記録の複写を行うことの許否
2 警察官が日本国外に所在する蓋然性がある記録媒体にリモートアクセスをして電磁的記録の複写をするなどして収集した証拠について証拠能力が肯定された事例
3 リモートアクセスによる電磁的記録の複写の処分を許可した捜索差押許可状の執行に当たり個々の電磁的記録について個別に内容を確認することなく複写の処分を行うことが許されるとされた事例
4 インターネット上の動画の投稿サイト及び配信サイトを管理・運営していた被告人両名に上記各サイト上におけるわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の各共同正犯が成立するとされた事例


昨日の続きです。

(ア)X社は,アメリカ合衆国所在の会社であり,前記サイト「X」を管理・運営し,X内において,平成19年11月以降,投稿サイト「X動画」のサービスを,平成22年8月以降,配信サイト「Xライブ」のサービスをそれぞれ提供していた
(イ)X動画では,インターネットを通じてX社が契約するサーバに動画データを投稿することができ,投稿された動画データは,無料会員用と有料会員用等の用途に合わせて変換された後,X社が管理する配信サーバに送られ,不特定多数の視聴者がそのサーバにアクセスすることで,その動画の内容を視聴できる。X動画では,有料会員については無料会員と比較して種々の特典が設けられており,視聴者に有料会員登録を促す措置が講じられている。
(ウ)Xライブでは,ウェブカメラ等で撮影した動画データをインターネットを通じて生中継でX社管理のサーバに配信することができ,不特定多数の視聴者が当該サーバにアクセスすることで,その動画をリアルタイムで視聴できる。


ここではブログの規制に引っかかりそうなので削除しましたが、生を生放送していたようです。これで充分わいせつ物陳列罪に該当しますね。というか先にFBIに検挙されてもかしくない案件ですが。

(ア)Yは,本件当時,Xに関する業務の大半を行っており,X社と共にX動画やXライブを含むXの業務全般を管理・運営していた。
(イ)本件当時,被告人両名は,X社の代表者であるZと共に,Y従業員を介して,X社の業務全般を管理・運営していた。
(ウ)本件各サイトでは,児童ポルノ,獣姦,死体写真,ひどい暴力等のコンテンツについては,一定の基準で凍結等の措置が採られ,特に前二者については監視体制を設けて積極的に削除するなどの措置が講じられていた一方,無修正わいせつ動画については,アダルトカテゴリでは基本的に放置する方針が採られており


こりゃまた中途半端な管理です。

被告人両名らは,アメリカ合衆国の法律では問題がないとして無修正わいせつ動画の投稿や配信を許可してきたことに関し,弁護士から,日本国内では刑事責任を問われる可能性がある旨を繰り返し指摘されていた。しかし,被告人両名らは,X動画のアップロード画面上の投稿者に対する警告文から「無修正ポルノ」の文言を削除し,公然わいせつ被疑事件について捜査照会を受けていたXライブアダルトの配信者が逮捕された後も,他の動画投稿サイトでは削除等がされている無修正わいせつ動画を放置するなど,上記方針を維持していた。

児童ポルノはアメリカでは容赦しませんよ。

前記の事実関係によれば,被告人両名及びZは,本件各サイトに無修正わいせつ動画が投稿・配信される蓋然性があることを認識した上で,

Yは知らなかったわけではないのです。ただアメリカにサーバがあるから違法性はないとは思っていたようです。でも、違法ですから。

被告人両名について,Z及び本件各投稿者らとの共謀を認め,わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の各共同正犯が成立するとした原判断は正当である。

第二小法廷決定
裁判長裁判官 草野耕一
裁判官 菅野博之
裁判官 三浦 守
裁判官 岡村和美
当然

同意をとらずにリモートで抜き取ったデータは証拠になる

2021-03-14 11:48:48 | 日記
平成30(あ)1381  わいせつ電磁的記録記録媒体陳列,公然わいせつ被告事件
令和3年2月1日  最高裁判所第二小法廷  決定  棄却  大阪高等裁判所

 1 電磁的記録を保管した記録媒体がサイバー犯罪に関する条約の締約国に所在し同記録
を開示する正当な権限を有する者の合法的かつ任意の同意がある場合に国際捜査共助に
よることなく同記録媒体へのリモートアクセス及び同記録の複写を行うことの許否
2 警察官が日本国外に所在する蓋然性がある記録媒体にリモートアクセスをして電磁的記録の複写をするなどして収集した証拠について証拠能力が肯定された事例
3 リモートアクセスによる電磁的記録の複写の処分を許可した捜索差押許可状の執行に当たり個々の電磁的記録について個別に内容を確認することなく複写の処分を行うことが許されるとされた事例
4 インターネット上の動画の投稿サイト及び配信サイトを管理・運営していた被告人両名に上記各サイト上におけるわいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪及び公然わいせつ罪の各共同正犯が成立するとされた事例



これって裁判を二つに分ける必要があるレベルだと思います。
まず、警察が押収した証拠能力に関する裁判とそれに基づいたわいせつ画像の販売の裁判でしょうね。ということで、私はこのブログでは2つにぶった切ります。

1 警察官がリモートアクセス(コンピュータを用いてこれと電気通信回線で接続している記録媒体にアクセスすることをいう。刑訴法99条2項,218条2項に規定されたものか否かを問わない。以下同じ。)をして記録媒体から電磁的記録を複写するなどして収集した証拠の証拠能力について

通常、押収は令状を持って家宅捜索で証拠物件を押収しますが、web上とは全く違います。正式な手続きとして認められるかどうかを判断するところから始めます。

ア 警察官は,平成26年9月30日,インターネットサイト「X」の運営管理会社である株式会社Yの業務全般を共同で統括管理するZ及び被告人甲並びにYの代表取締役である被告人乙らが共謀の上,同サイトにおいて公然わいせつ幇助,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の各犯行に及んだことを被疑事実とする捜索差押許可状に基づき,Y事務所及び付属設備において,捜索差押えの執行を開始した。

通常の手続きに準ずる形で令状が出たようです。

「差し押さえるべき物」として,「パーソナルコンピュータ」等が記載されているほか,「差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって,その電磁的記録を複写すべきものの範囲」として,「差し押さえるべきパーソナルコンピュータ(中略)からの接続可能なファイル保管用のサーバの記録媒体の記録領域であって,当該パーソナルコンピュータ等の使用者に使用されているもの」

記録媒体、つまりUSBメモリとHDDなどでしょうね。ただこの書き方でいいのかなという気がします。というのはクラウドもこれに該当することになりますよね。

「差し押さえるべきパーソナルコンピュータ(中略)からの接続可能なメールサーバの記録媒体の記録領域であって,当該パーソナルコンピュータ等の使用者のメールアドレスに係る送受信メール,その他の電磁的記録を保管するために使用されているもの」

知りたかったことはここですよね。メールサーバも抑えておいた方が良くないかなと思います。

イ 警察官は,上記捜索差押えの実施に先立ち,Yではアメリカ合衆国に本社があるA社の提供するメールサービス等が使用されている疑いがあり,

外国サーバだと厄介ですよね。でも、過去の判例で外国サーバに載せたエロ画像も、わいせつ物陳列で有罪判決でした。このブログでも紹介しました。

ウ 警察官は,上記イの方針に基づき,被告人両名を含むYの役員や従業員らに対し,メールサーバ等にリモートアクセスをしてメール等をダウンロードすること等について承諾するよう求め,アカウント及びパスワードの開示を受けるなどしてリモートアクセスを行い,メール等の電磁的記録の複写を行ったパソコンについては,被告人乙から任意提出を受ける手続をとった

任意提出といっても実際は強制に近いものでしょう。

警察官は,Y関係者に対し,上記リモートアクセス等は任意の承諾を得て行う捜査である旨の明確な説明をしたことはなく,原判決は,手続㋐について,Y関係者は上記捜索差押許可状等の執行による強制処分と誤信して応じた疑いがあるから任意の承諾があったとは認められない旨判断しており

ここね。説明に瑕疵があったわけです。

エ 上記捜索等が開始された同日以降,Y事務所において,メール等を使用者のパソコンに複写する作業等が続いたが,なお相当の時間を要すると見込まれ,終了のめどが立っていない状況において,Yは,警察官に対し,よりYの業務に支障が少ない方法として,警察のパソコンでメールサーバ等にアクセスできるアカウントを付与するなどしてY事務所以外の場所でダウンロード等ができるようにする旨の提案を行った。

いや、これ説明がなかったとはいえ追認してますよね。

オ 手続㋐,㋑の各リモートアクセスの対象である記録媒体は,日本国外にあるか,その蓋然性が否定できないものである。なお,上記各リモートアクセス等について,外国から反対の意思が表明されていたような事情はうかがわれない。

そりゃ裁判所も追認したでしょってことになりますよ。

所論は,日本国外に所在するサーバへのリモートアクセスによる電磁的記録の取得行為は,現行刑訴法によっては行うことができず,あくまで国際捜査共助によるべきものであるところ,警察官が,これらの点を認識した上,国際捜査共助を回避し,令状による統制を潜脱する意図の下に手続㋐,㋑を実施した行為は,サーバ存置国の主権を侵害するものであり,重大な違法があるから,各手続によって収集された証拠は違法収集証拠として排除すべきである旨主張する。

弁護士の苦肉の抗弁でしょうね。

裁判所は
電磁的記録を保管した記録媒体が同条約の締約国に所在し,同記録を開示する正当な権限を有する者の合法的かつ任意の同意がある場合に,国際捜査共助によることなく同記録媒体へのリモートアクセス及び同記録の複写を行うことは許されると解すべきである。

ネットでつながっている以上、サーバがどこの国にあるかなんてもはや関係ないですよ。となれば、この判断は妥当だと思います。これを制限すると、規制が全く無意味になりますから。

前記の事実関係に照らすと,前記捜索差押許可状による複写の処分の対象となる電磁的記録には前記被疑事実と関連する情報が記録されている蓋然性が認められるところ,原判決が指摘するような差押えの現場における電磁的記録の内容確認の困難性や確認作業を行う間に情報の毀損等が生ずるおそれ等に照らすと,本件において,同許可状の執行に当たり,個々の電磁的記録について個別に内容を確認することなく複写の処分を行うことは許されると解される。

当然こうなりますわな。
しかし、あくまでも当事者が同意しているのでこれは証拠になるのであって、追認なしであれば不可になるべきでしょう。

第二小法廷決定
裁判長裁判官 草野耕一
裁判官 菅野博之
裁判官 三浦 守
裁判官 岡村和美

当然ですね

トンデモ判決 睡眠導入剤を飲ませて運転させ死亡事故は殺人ではない

2021-03-04 17:31:31 | 日記
令和2(あ)96  殺人,殺人未遂,傷害被告事件
令和3年1月29日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄自判  東京高等裁判所
 自動車を運転する予定の者に対し,ひそかに睡眠導入剤を摂取させ運転を仕向けて交通事故を引き起こさせ,事故の相手方に傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について,事故の相手方に対する殺意を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例

産経新聞の報道です
千葉県印西市の老人ホームで平成29年、睡眠導入剤入りの飲み物を同僚らに飲ませ、交通事故などで6人を殺傷したとして殺人や殺人未遂などの罪に問われた元職員の准看護師、波田野(はたの)愛子被告(74)の上告審判決で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は29日、殺意の一部を認めなかった2審東京高裁判決を破棄し、被告側の控訴を棄却した。懲役24年とした1審千葉地裁の裁判員裁判判決が確定する。4裁判官全員一致の結論。

NHKの報道です
被告が殺意は無かったと主張したのに対し、1審の千葉地方裁判所が懲役24年を言い渡した一方、2審の東京高等裁判所は、交通事故の相手方までは殺人未遂にあたらないと判断し、審理のやり直しを命じていました。

事実認定から見ていきます。
(1)被告は、同僚のAが自動車で通勤していることを知っていた。
被害者Aに対し,ブロチゾラムを含有する睡眠導入剤数錠をひそかに混入したコーヒーを飲ませた。Aは,同日午後3時頃になると,意識障害等を伴う急性薬物中毒の症状が生じ,普段とは違う口調で脈絡のない発言をするようになり,机に突っ伏して寝た。この様子を見ていた被告人は,Aに帰宅を促した。・・・同日午後3時40分頃,約100m走行した地点において,A車を脱輪させて鉄パイプの柵に衝突させる物損事故を起こした。・・・被告人は,同日午後5時30分頃,A車が走行可能である旨を告げてAを起こし,運転して帰宅するよう本件老人ホームから送り出した。・・・A車の運転を開始したが,その後間もなく,急性薬物中毒に基づく仮睡状態等に陥り,約1.4㎞走行した地点において,A車を対向車線に進出させ,対向進行してきたB運転の普通貨物自動車にA車を衝突させた。
(2)被告人は,自己の行為によりAが交通事故を起こして死亡した事実を認識した。
被告人は,同年5月15日午後1時頃から同日午後1時30分頃までの間に,本件老人ホーム事務室において,C及びDに対し,ゾルピデムを含有する睡眠導入剤数錠をひそかに混入したお茶を飲ませた。・・・Dは,助手席にCを乗せて普通乗用自動車の運転を開始したが,Cと共に急性薬物中毒に基づく仮睡状態等に陥り,同日午後6時頃,約
4.7㎞走行した地点において,D車を対向車線に進出させ,対向進行してきたE運転の普通貨物自動車にD車を衝突させた。


随分執拗に犯行を重ねていますね。強い殺意があります。

これに対して、千葉地裁は
第1事件において,Aは,第1事故に先立ち,本件物損事故を起こしただけであって,対向車と衝突したわけではなかった。第2事件においても,第1事故でAは死亡したが,事故の相手方であるBは全治約10日間を要する左胸部打撲にとどまっていた上,被告人が同傷害について認識していたのか不明である。被告人が事故の相手方の死亡を期待する理由は全くない。

凄いですね。こんなウルトラ曲解するのが地裁の裁判官にいるんですか!普段からヨッパライ運転でもしているんでしょうか?この裁判官は。

最高裁は
被告人の行為は,交通事故を引き起こす危険性が高い行為であり,事故の態様次第でAらのみならず事故の相手方を死亡させることも具体的に想定できる程度の危険性があると評価したものと解される。第1審判決は,その上で,被告人は,このような自己の行為の危険性を認識しながらAやDに運転を仕向けており,事故の相手方であるB及びEが死亡することもやむを得ないものとして認識・認容していたと判断したものと解するのが相当である。

当然です。

原判決は,①被告人が運転を仕向けた後にも,AやDが再び寝込んでしまうほか,他の者が運転しないように止めるなどして,運転をしなかったり,運転開始後も気分が悪くなって運転を止めたりする可能性があった上,運転を継続して実際に交通事故を起こしたとしても,Aら又は事故の相手方は,傷害を負わなかったり,傷害を負ったとしても死亡するに至らなかったりする可能性が相当程度あったから,被告人の行為は,人が死亡する危険性が高いとまではいえない

はぁ?薬物や酒酔い運転は35点減点です。睡眠導入剤については規定がないから関係ない?これは酒を飲んでの運転より危険な行為ですよ。さらに100m運転してフェンスに衝突です。その事故を目の前にしているわけで、時間から言ったら学校帰りの歩行者をひき殺す可能性もあったわけです。これで問題がないとするならば、泥酔状態でも減点されるべきではないですね。

結論
4 以上のとおり,被告人が,A及びDに対し,ひそかに睡眠導入剤を摂取させて自動車を運転するよう仕向けたことにより,同人らが走行中に仮睡状態等に陥って自車を対向車線に進出させて対向車に衝突させ,対向車の運転者であるB及びEに傷害を負わせたという殺人未遂被告事件について,B及びEに対する殺意を認めた第1審判決に事実誤認があるとした原判決は,第1審判決について,論理則,経験則等に照らして不合理な点があることを十分に示したものとは評価することができない。そうすると,第1審判決に事実誤認があるとした原判断には刑訴法382条の解釈適用を誤った違法があり,この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであって,原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。


この裁判官はおかしい。
全員一致でした
裁判長裁判官 草野耕一  トンデモ
裁判官 菅野博之  トンデモ
裁判官 三浦 守  トンデモ
裁判官 岡村和美  トンデモ

全員トンデモ判決です。
死亡事故を起こしているんですよ。結果からすると被告は74歳で懲役24年ですから、死ぬまで出てこれないでしょうけど。1度だけではなく2度も同じ手口で、嫌がらせをしています。こんなのが裁判官を、しかも最高裁判事をやっているなんて信じられません。