最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

浮世離れ判決:当年度発注したが請求は翌年度、不正支出にはならない

2018-12-30 12:39:05 | 日記
平成29(行ヒ)404  神奈川県議会議員政務活動費不正受給確認請求事件
平成30年11月16日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄自判  東京高等裁判所

政務調査費及び政務活動費につき,具体的な使途を個別に特定した上で政務活動費等を交付すべきものとは定めておらず,年度ごとに行われる決定に基づき月ごとに一定額を交付し,年度ごとに収支報告を行うこととされ,その返還に関して当該年度における交付額から使途基準に適合した支出の総額を控除して残余がある場合にはこれを返還しなければならない旨の定めがある神奈川県議会政務活動費の交付等に関する条例(平成13年神奈川県条例第33号。平成25年神奈川県条例第42号による改正前の題名は「神奈川県議会政務調査費の交付等に関する条例」)に基づいて交付された政務活動費等について,その収支報告書上の支出の一部が実際には存在しないものであっても,当該年度において,収支報告書上の支出の総額から実際には存在しないもの及び使途基準に適合しないものの額を控除した額が政務活動費等の交付額を下回ることとならない場合には,当該政務活動費等の交付を受けた会派又は議員は,県に対する不当利得返還義務を負わない。

時事通信の報道です。
政務活動費、住民側が逆転敗訴=不正受給も返還請求できず-最高裁
同県議会の自民会派では、政務活動費を会派として受け取り、所属県議に振り分けていた。所属する元議長の中村省司県議が「県政リポート」の印刷代として架空計上した約518万円が問題になったが、会派全体の支出額が交付された政務活動費を上回り、赤字額は約518万円を超える状態だった。
 菅野裁判長は「交付金から支出の総額を控除し、残余があれば返還すべき」と定めた県条例を検討。「実際に存在しない支出が計上されていたとしても、会派全体の支出が交付額を下回らない限り、返還を求めることはできない」と判断した。
 一審横浜地裁は2016年8月、「政務活動費を違法に支出した場合は返還義務を負う」として、県が返還を求めないのは違法と判断。二審東京高裁も17年7月に支持し、県側が上告していた。


訴え内容は、
収支報告書に支出として記載されたものの一部は実際には支出されていないから,本件会派はこれを不当利得として県に返還すべきであるにもかかわらず,上告人はその返還請求を違法に怠っているとして,地方自治法242条の2第1項3号に基づき,上告人を相手として,上告人が本件会派に対する不当利得返還請求権の行使を怠ることが違法であることの確認を求める住民訴訟である。

事実認定から見ていきます。

1 
(1)議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができ,その交付の対象,額及び交付の方法は条例で定めなければならないとし(地方自治法100条14項),政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとしていた(同条15項)。・・・「議会の議員の調査
研究その他の活動に資するため」とされ(法100条14項),議長は政務活動費の使途の透明性の確保に努めるものとされた(同条16項)。
(2) 上記の法の定めを受けて,「神奈川県議会政務調査費の交付等に関する条例」を定めた


ここでは全文が公開されておらず、ログインが必要だとのことです。胡散臭いですね。過去の改正前の分も公開すべきじゃないですか?

ア 政務活動費等は,議会の会派及び議員に交付し,その額は議員1人当たり月額53万円とする。
イ 政務調査費の交付の対象となる経費は,調査研究費,研修費,会議費その他規程で定める経費とする(旧条例9条)。
ウ 知事は,政務活動費等の交付の方法等について記載した会派届の提出があった旨の通知を議長から受けたときは,速やかに,当該年度に係る政務活動費等の交付の決定を行い,当該決定を受けた会派の代表者及び議員から当該決定に係る政務活動費等の請求があったときは,原則として毎月16日に当該月分の政務活動費等を交付するものとする。
エ 会派の代表者及び議員は,当該年度に係る政務活動費等の収入額,支出額,残額その他規程で定める事項を記載した収支報告書及び当該収支報告書に記載された政務活動費等による支出に係る証拠書類等の写し(以下,併せて「収支報告書等」という。)を翌年度の5月15日までに議長に提出するものとする。
オ 会派及び議員は,当該年度において交付を受けた政務活動費等の総額から,当該年度において行った政務活動費等による支出(前記イの経費に係る支出をいう。)の総額を控除して残余がある場合には,当該残額に相当する額を翌年度の5月31日までに返還しなければならない。


月額53万円?!年額700万円ですよ!こんなに必要ですか?文系の大学の研究費は年間15万から40万、理系でも30万から70万と聞いたことがあります。横浜市立大に資金提供して調査してもらった方が効率的ですね。

(3) 県は,本件各年度において,本件会派に対し,会派に交付する方法により,月額53万円に本件会派に所属する議員の数を乗じた額の政務活動費等を毎月交付した。
(4) 本件会派は,本件各年度において,交付を受けた政務活動費等について,毎月一定額を所属する議員に直接交付し,当該議員に対し,四半期ごとに支出伝票,出納簿,支出を証する証拠書類等の提出を求めていた。
本件会派に所属していた議員である上告補助参加人は,第1審判決別紙記載のとおり,11回にわたり,資料作成費(県政レポートの印刷代)として合計518万8050円の支出(以下「本件各支出」という。)をしたとして,支出伝票,領収証,成果物等を本件会派に提出した。その内訳は,平成23年度が158万7600円,同24年度が229万6350円,同25年度が130万4100円であった
しかしながら,本件各支出は実際には存在せず,上記領収証は虚偽の内容のものであった

ああ、やっちゃいましたね。国会議員でもやらかして自殺したのがいました。

原審は返還請求を認容すべきものとした。その理由は
収支報告書における所定の支出が実際には存在しない場合において,架空の領収証を用いるなどして政務活動費等を取得することは,法及び新旧条例等の定めから認められる政務活動費等の使途の透明性の確保という趣旨に著しく反し,特段の事情のない限り,当該支出分に対応する政務活動費等を取得する法律上の原因はないと解するのが相当である。

ごもっともですね。会社でも捏造された領収書が出てくれば、支払い拒否、すでに払ったものであれば返還請求、場合によっては横領、詐欺罪で告訴ですよ。

これに対して最高裁は
(1) 新旧条例によれば,政務活動費等は月ごとに交付されるが,その交付の決定は年度ごとにされ,収支報告書の提出も年度ごとに行うこととされている。・・・当該年度において交付を受けた政務活動費等のうち,上記使途に適合した支出に充てなかった残余がある場合には,当該残額はこれを保持する法律上の原因を欠くものとして,不当利得として返還されるべきこととなる。

アホですか?!!支払いと納品がずれるなんてことは当たり前に起きることです。だから支出義務に関して発生主義とか、色々な基準があるじゃないですか。そのために見積もりを取っているんでしょう!
新旧条例に基づいて交付された政務活動費等について,その収支報告書上の支出の一部が実際には存在しないものであっても,当該年度において,収支報告書上の支出の総額から実際には存在しないもの及び使途基準に適合しないものの額を控除した額が政務活動費等の交付額を下回ることとならない場合には,当該政務活動費等の交付を受けた会派又は議員は,県に対する不当利得返還義務を負わないものと解するのが相当である。

予算が厳密に決まっており、仕様期日まで決まっているならそれに合わせるのが当たり前でしょう。実態が本来の期間に支出さえるべきものがズレたもので、目的も本来の物に合致しているからと言って、この判断はないでしょう。ならばなぜこの規則があるのでしょうか。

第二小法廷
裁判長裁判官 菅野博之 アホか
裁判官 鬼丸かおる アホか
裁判官 山本庸幸 アホか
裁判官 三浦 守 アホか

虚偽ではあったが、本来の目的にあったものだからいいじゃないかということのようです。これは企業なら会計担当者が、請求書を分割するなり、支払いを分割するなりするでしょう。特別公務員だからできなかった?そりゃあ甘えですね。この裁判官たちは企業勤めしたことがないから、こんな浮世離れした判決を出したのでしょう。
これを認めたら、複数年度予算合算分になるかなり大がかりな支出を出来ることになってしまいますよ。

司法のレベル低下:裁判所判決に対し「草野球以下」不適切主張の弁護士を懲戒

2018-12-29 09:47:42 | 日記
産経新聞の報道です。

金沢弁護士会は27日、裁判所に提出した書面で「判決は、草野球以下。当然取り消されるべきだ」など不適切な主張を繰り返したとして、同会に所属する井上孝一弁護士を業務停止1カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は26日付。
 処分理由によると、井上弁護士は平成28年4月に裁判所に提出した損害賠償請求訴訟の控訴理由書で、金沢簡裁の判決について、野球を引き合いに「ワンバウンド捕球でも直接捕球と言ったら信頼関係でアウトにする。そんなこと草野球でもしない。社内懇親会のようだ」と批判した。


この弁護士は前にも同様の事をやらかしています。しかも、このブログによると怖いことにこの弁護士は元裁判官で勲章まで貰っています。
私も見たことがありますが、弁護士のなかには法廷から裁判官が降りた瞬間に罵倒したのがいました。相手方への牽制球のつもりなんでしょうが、明らかに異常者の雰囲気でした。弁護士資格は持っていいても、弁護士として営業するには向かない人もいるのです。
こういう異常者を排除するにも裁判所の中に監視カメラは必要ではないかと思います。

繰り返された公務員の痴漢行為で6カ月の停職は重くない

2018-12-19 19:48:51 | 日記
 平成29(行ヒ)320  停職処分取消請求事件
平成30年11月6日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄自判  大阪高等裁判所


地方公共団体の男性職員が勤務時間中に訪れた店舗の女性従業員にわいせつな行為等をしたことを理由とする停職6月の懲戒処分について,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法があるとした原審の判断に違法があるとされた事例

時事通信の報道です。
判決によると、男性職員は2014年9月、勤務中に立ち寄ったコンビニで女性従業員の手を下半身に接触させるなどのセクハラ行為をし、同11月、停職6カ月の処分を受けた。
 岡部裁判長は「厳しく非難されるべき行為で、公務一般に対する住民の信頼を大きく損なった」と判断。処分が重過ぎるとは言えないとし、裁量権の乱用とは認めなかった。


事実認定です。
1ア 地方公務員法29条1項、30条で、公務員の飛行に関して懲戒処分をすることが認められている。
イ 加古川市職員の懲戒の手続及び効果に関する条例4条1項は,停職の期間は1日以上6月以下 とすると定めている。
2 ア 懲戒処分に付すべき標準的な事例における処分の標準例を定めたところ,公務外非行関係の事由で ある「痴漢・わいせつ行為」による処分の標準例は,免職又は停職とされている。 そして,本件指針においては,具体的な処分の量定を決定するに当たり,①非違行 為の動機,態様及び結果,②故意又は過失の度合い,③職員の職務上の地位や職務 内容,④上告人,他の職員及び社会に与える影響,⑤他の行政処分,刑事処分の程 度等のほか,過去の非違行為やその後の対応等も含めて総合的に考慮した上で判断 するものとされている。
イ 被告は公務員である。
(3)ア 平成22年頃から,勤務時間中,上告人の市章の付いた作 業着である制服を着用して,兵庫県加古川市に所在するコンビニエンスストアを頻繁に利用するようになった。その利用の際,被上告 人は,本件店舗の女性従業員らを不快にさせる不適切な言動をしており,これを理 由の一つとして退職した女性従業員もいた。
イ 被上告人は,勤務時間中である平成26年9月30日午後2時30分頃,上 記制服を着用して本件店舗を訪れ,顔見知りであった女性従業員に飲物を買い与えようとして,自らの左手を本件従業員の右手首に 絡めるようにしてショーケースの前まで連れて行き,そこで商品を選ばせた上で, 自らの右腕を本件従業員の左腕に絡めて歩き始め,その後間もなく,自らの右手で 本件従業員の左手首をつかんで引き寄せ,その指先を制服の上から自らの股間に軽 く触れさせた。本件従業員は,被上告人の手を振りほどき,本件店舗の奥に逃げ込 んだ。


この人素面でやったのですよね。しかもアをみると常習犯のような感じです。

イ 平成26年11月7日の神戸新聞に,上告人の職員が勤務時間中にコンビニエンスストアでセクシュアル・ハラスメントをした が,上告人においては店側の意向を理由に職員の処分を見送っている旨の記事が掲 載された。これを受けて,上告人は記者会見を開き,今後事情聴取をして当該職員 に対する処分を検討する旨の方針を表明したところ,同月8日の朝日新聞,毎日新 聞,読売新聞及び神戸新聞に,上記記者会見に関する記事が掲載された。

ここで処分の見送りって何ですか?加古川市は。そりゃ被害者は怒るでしょう。となれば、記者会見を開くという逆襲に出ますよね。

ウ 上告人は,平成26年11月8日以降,関係者から被上告人の前記(3)イの 行為に関する事情聴取を行った。


記者会見で慌てふためいた市役所の対応が目に浮かびます。バックレるつもりだったのでしょうか。


(5) 市長は,平成26年11月26日付けで,被上告人に対し,地公法29条 1項1号,3号に基づき,停職6月の懲戒処分(本件処分)をした。処分の理由として,「あなたは,平成26年9月30日に勤務時間中に立 ち寄ったコンビニエンスストアにおいて,そこで働く女性従業員の手を握って店内 を歩行し,当該従業員の手を自らの下半身に接触させようとする行動をとった。」 ,「また,以前より当該コン ビニエンスストアの店内において,そこで働く従業員らを不快に思わせる不適切な 言動を行っていた。」との記 載がある。なお,上告人は,本件処分の直接の対象は行為1であり,行為2は行為 1の悪質性を裏付ける事情である旨を主張している。
ところがこれまでの裁判では、兵庫県公衆に著し く迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和38年兵庫県条例第6 6号。平成28年兵庫県条例第31号による改正前のもの)3条2項に違反する犯 罪行為であるが,本件従業員及び本件店舗のオーナーは被上告人の処罰を望んでお らず,そのためもあって被上告人は行為1について警察の捜査の対象にもされていない。


ここでは兵庫県の迷惑条例で云々ですが、刑法第176条の強制わいせつ罪ががあり、そちらでは捜査の対象にならなかったのでしょうか。この手の犯罪は、セカンドレイプといって、被害者から聞き取りをするとき追体験を強いるので結構心理的負担が大きいそうです。それもあって、被害者自身が自分を守る意味から立件まではいかなかったのでしょう。
立件されなかったとして、痴漢男は処分が重すぎると主張したようです。

最高裁は
(1) 公務員に対する懲戒処分について,懲戒権者は,諸般の事情を考慮して, 懲戒処分をするか否か,また,懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択するかを 決定する裁量権を有しており,その判断は,それが社会観念上著しく妥当を欠いて 裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したと認められる場合に,違法となるもの と解される
(2)①本件従業員が被上告人と顔見知りであり,被上告人から手や腕 を絡められるという身体的接触について渋々ながらも同意していたこと,は客との間のトラブルを避けるた めのものであったとみる余地があり,身体的接触についての同意があったとして, これを被上告人に有利に評価することは相当でない。
②本件従 業員及び本件店舗のオーナーが被上告人の処罰を望まず,そのためもあって被上告 人が警察の捜査の対象にもされていないこと,については、本件従業 員及び本件店舗のオーナーが被上告人の処罰を望まないとしても,それは,事情聴 取の負担や本件店舗の営業への悪影響等を懸念したことによるものとも解される。
③被上告人が常習として行為1と同 様の行為をしていたとまでは認められないことについては、被上告人が以前から本件店舗の従業員らを不快に思わせる不適切な言動をして おり
④行為1が社会に与えた影響が大 きいとはいえないことこれを理由の一つとして退職した女性従業員もいたことについては、勤務時間中に制服を着用してされたものである 上,複数の新聞で報道され,上告人において記者会見も行われたことからすると, 上告人の公務一般に対する住民の信頼が大きく損なわれたというべ きであり,社会に与えた影響は決して小さいものということはできない。


原審は悉く排除されました。

結論
市長の上記判断が,懲戒権者に与えられた裁 量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したものということはできない。
この件については

裁判長裁判官 岡部喜代子  妥当
裁判官 山崎敏充  妥当
裁判官 戸倉三郎  妥当
裁判官 林 景一  妥当
裁判官 宮崎裕子  妥当

訴えた内容が、繰り返される痴漢行為に対するものであって、市役所が処分保留にしようとしたことについてではないので仕方ないのですが、これは行政の不作為を罰せられてしかるべきだと思います。
気になるところは、「市章の付いた作 業着である制服を着用して」です。「公務員の職名を名乗って」ネットに書き込む行為と何が違うのでしょうか?先の判断は大法廷でしたよね。補足意見があってもしかるべきではないでしょうか。

ということで評価をやり直すと
裁判長裁判官 岡部喜代子 今ひとつ
裁判官 山崎敏充  今ひとつ
裁判官 戸倉三郎  今ひとつ
裁判官 林 景一  今ひとつ
裁判官 宮崎裕子  今ひとつ

市有地土地売却は決算委員会で否決されても市議会で通れば問題ない

2018-12-15 19:41:41 | 日記
平成29(行ヒ)226  違法公金支出損害賠償請求事件
平成30年11月6日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄自判  広島高等裁判所
1 普通地方公共団体の財産の譲渡又は貸付けが適正な対価によるものであるとして議会に提出された議案を可決する議決が地方自治法237条2項の議会の議決といえる場合
2 普通地方公共団体の財産である土地の譲渡が適正な対価によるものであるとして議会に提出された議案を可決する議決につき地方自治法237条2項の議会の議決があったとされた事例


毎日新聞の報道です。
広島県大竹市が市有地を不動産鑑定評価額より不当に安く売却したとして、住民が市に対し、入山欣郎市長に損害賠償請求するよう求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は6日、市敗訴とした広島高裁判決を破棄し、住民の請求を退けた。住民逆転敗訴が確定した。
 上告審では、売却を承認した市議会の議決が有効かどうかが争点になった


事実認定を見ていきます。
1 市有地について、地方自治法237条2項にいう適正な対価なくしてされたにもかかわらず,同項の議会の議決によるものでないことなどから違法であるとして,同法242条の2第1項4号に基づき,上告人を相手に,当時市長の職にあった者に対して損害賠償請求をすること等を求める住民訴訟である。


237条2項
2 第二百三十八条の四第一項の規定の適用がある場合を除き、普通地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、これを交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けてはならない。

とあるので、本来議会で承認されなければならないのに、市長が勝手に売却したので適正価格の差額を払えという裁判のようです。


(1)市は,平成3年,市の財産である,市内の大願寺地区に所在する原判決別紙物件目録記載の土地から大竹港埋立ての土砂を採取し,跡地を住宅団地とする計画を立てた。
平成10年12月,本件土地の宅地造成事業を開始したが,同15年,需要が少ないとの理由から上記事業を断念した。
市は,平成20年2月,学校を統合して大願寺地区に移転し,本件土地を住宅地とする計画を表明した。


思いっきりバブルのノリで計画した市の造成計画ですが、バブルがはじけて誰も買ってくれないだろと目が覚めたようです。

(2) 市は,本件土地を売り払うこととし,平成20年10月17日,本件土地につき,不動産鑑定士による同月1日時点の鑑定評価額と同額である10億5400万円を予定価格として公表し,一般競争入札に付したが,申込みをした者はいなかった。その後,市は,同年11月14日,本件土地につき,予定価格を非公公表とし,再度一般競争入札に付したが,申込みをした者はいなかった。


最初に計画を立てた奴は誰なんだよと言いたくなりますね。売却計画を立てましたが、だれも見向きもしません。地図で見ると厳島神社はじめ景観を重視する地域のようです。計画の段階で反対運動が起きなかった方が不思議です。そういうところに建物を建てるとなると、今からでは小規模公共施設ぐらいしかできそうにありませんね。

ということで、
(3)ア 大願寺地区には,平成25年4月までに小中学校を移転することとされていたところ,市議会においては,防犯や児童生徒の安全のため,同地区に小中学校を移転するまでに本件土地が住宅地とされている必要があるという意見があった。
販売方法を大幅に見直して、再入札をはかる事にしました。
ウ 市不動産評価審議会は,平成22年9月,本件土地の現在の価格として,その評価額を4万㎡につき5億0566万円とした


一応、応札はあったけども希望価格より10%以上低く、近所に大きな土地の売りが出たので、応札を撤回されてしまいました。
更に、再募集したところさらに面積は小さく低い値段でしか応募がなかったのです。

エ 市長であったA(以下「A市長」という。)は,平成23年12月5日,市を代表して,エポックワンらとの間で,大竹市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(昭和39年大竹市条例第19号。以下「本件条例」という。)3条の規定による市議会の議決を得ることを停止条件として,本件土地全体を3億5000万円(以下「本件譲渡価格」という。)で譲渡する旨の土地売買仮契約(以下「本件仮契約」といい,これによる本件土地の譲渡を「本件譲渡」という。)を締結した。

ああやっちまった!って感じですね。何としてでも売りたかったのでしょう。30年間売れ残った土地とは言え、この市長の責任でもないでしょうに。
(5)ア 市は,平成23年12月8日,議員全員協議会において,市大願寺地区造成土地売払い事業の事業実施者にエポックワンらを選定し,本件土地全体を3億5000万円で売却する予定であることを説明した。・・・生活環境委員会において,本件土地の鑑定評価額が7億円であること,本件予定価格が3億3777万8342円であることを説明し,同委員会は,本件議案を可決する議決をした。

(6)決算特別委員会は,本件決算を不認定とする議決をしたものの,市議会は,平成24年12月14日,本会議において,本件譲渡による収入3億5000万円を含め,本件決算を賛成多数により認定する議決(以下「本件決算議決」という。)をした。


原審は決算特別委員会では不可としたのに、市議会で通ってしまったのは地方自治法237条2項の議会の議決があったということはできないとしました。


これに対して最高裁は、
当該譲渡等が適正な対価によるものであるとして普通地方公共団体の議会に提出された議案を可決する議決がされた場合であっても,当該譲渡等の対価に加えてそれが適正であるか否かを判定するために参照すべき価格が提示され,両者の間に大きなかい離があることを踏まえつつ当該譲渡等を行う必要性と妥当性について審議がされた上でこれを認める議決がされるなど,審議の実態に即して,当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上これを認める趣旨の議決がされたと評価することができるときは,同項の議会の議決があったものというべきである。

これは極めて実務的な発想だと思います。民間であれば30年も放置してある土地を持っていたら、その固定資産税だけでも大変な事なりますし、借り入れを起こしているはずなので倒産するでしょう。市有地なのでそれはないですが、金銭感覚のなさが責められても仕方ないでしょう。

本件譲渡議決に関しては,市議会において,本件譲渡価格に加えて平成23年鑑定評価額を踏まえた上で,本件譲渡が適正な対価によらずにされたものであったとしてもこれを行う必要性と妥当性についても審議がされており,審議の実態に即して,本件譲渡が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上これを行うことを認める趣旨でされたものと評価することができるから,本件譲渡議決をもって,地方自治法237条2項の議会の議決があったということができる。
更に
A市長が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したことをうかがわせる事情は存しない。


当然ですね。何代前の市長か知りませんが、その尻拭いをさせられており、何度も売却やら計画変更やらやってもダメでした。決算委員会で異論が出たけども、議会で認めたわけですので仕方ないことですよね。

裁判官山崎敏充と裁判官宮崎裕子の補足意見
2度の入札に失敗、さらに不動産鑑定士により7億円超の値段がついたものの、実際には3億4千万弱の値段で売却した。そもそもこの7億円の評価が正しかったのか?と疑問を呈しています。

裁判長裁判官 山崎敏充 素晴らしい
裁判官 岡部喜代子 当然
裁判官 戸倉三郎 当然
裁判官 林 景一 当然
裁判官 宮崎裕子 素晴らしい

全くその通りです。総工費はいくらかかったのでしょうか?取り戻したい気持ちは分かりますが、失敗は失敗です。
裁判の競売物件を見ても思いますが、最低入札にこんな物件に値段がつくの?というようなものがあります。実際に応札がなくて流れる物件もあります。不動産鑑定士が、きちんと判断しているのか?と思うような判断をしたことからこの事件が起こったように思えてなりません。

訳わからん判決文:泳がせ捜査の結果末端の被告の保釈

2018-12-08 08:58:00 | 日記
平成30(し)585  勾留の裁判に対する準抗告の裁判に対する特別抗告事件
平成30年10月31日  最高裁判所第二小法廷  決定  棄却  大阪地方裁判所


大麻取締法24条1項,大麻取締法24条2項,国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律8条2項,刑訴法60条1項,刑訴法411条,刑訴法426条1項,刑訴法434条


主 文 本件抗告を棄却する。 理 由 本件抗告の趣意は,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反の主張であ って,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。 なお,所論に鑑み職権により調査すると,原決定が,本件勾留の被疑事実である 大麻の営利目的輸入と,本件勾留請求に先立つ勾留の被疑事実である規制薬物とし て取得した大麻の代替物の所持との実質的同一性や,両事実が一罪関係に立つ場合 との均衡等のみから,前件の勾留中に本件勾留の被疑事実に関する捜査の同時処理 が義務付けられていた旨説示した点は是認できないが,いまだ同法411条を準用 すべきものとまでは認められない。

何のこっちゃ?全く訳が分かりません。

裁判官三浦守の補足意見は
本件は,大麻の密輸入に関し,いわゆるクリーン・コントロールド・デリバリーによる捜査が行われ,被疑者は,本件の勾留請求の前に,規制薬物として取得した 大麻の代替物の所持の被疑事実により勾留され,その後,大麻の営利目的輸入の被 疑事実により本件の勾留請求がされたというものである

大麻を転売目的で輸入した事件が発覚、泳がせて他に買う人を捜査していたようですね。その結果、この裁判にかけられた人が逮捕されたようです。


本件の被疑事実と前件の被疑事実とは,一連のものであって密接に関連するが, 社会通念上別個独立の行為であるから,併合罪の関係にあるものと解されるとこ ろ,両事実の捜査に重なり合う部分があるといっても,本件の被疑事実の罪体や重 要な情状事実については,前件の被疑事実の場合より相当幅広い捜査を行う必要があるものと考えられる。

輸入した事件とそれを買った事件は別であるから、輸入した人と同様に扱うなということでしょうか。


したがって,原決定が,両事実の実質的同一性や,両事実が一罪関係に立つ場合 との均衡等のみから,捜査機関が,前件の被疑事実による勾留の期間中に,本件の 被疑事実の捜査についても,同時に処理することが義務付けられていた旨の説示を した点は,刑訴法60条1項426条の解釈適用を誤ったものというほかない。


おそらくですが、保釈を求めたところ却下されたのを不服として訴えたのでしょう。

本件の証拠関係,捜査状況のほか,被疑者が原決定により釈放され,既 に相当の日数が経過していること等も考え合わせると,原決定を取り消さなければ 著しく正義に反するものと認められるとすることについては,わずかながら躊躇を 覚えるところであり,同法411条を準用すべきものとまでは認められない。

うーん、微妙過ぎる補足意見ですね。意見を言うならば、躊躇するではなく、きちんと最後まで明確に意見を述べましょうよ。



裁判長裁判官 鬼丸かおる 雑
裁判官 山本庸幸 雑
裁判官 菅野博之 雑
裁判官 三浦 守 ダメ

拘置所で大暴れしたのを伝えず弁護士と面会させないのは違法

2018-12-04 17:15:35 | 日記
平成29(受)990  接見妨害等国家賠償請求事件
平成30年10月25日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄差戻  福岡高等裁判所

 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律79条1項2号に該当するとして保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人又は弁護人となろうとする者からあった場合に,その申出があった事実を未決拘禁者に告げないまま,保護室に収容中であることを理由として面会を許さない刑事施設の長の措置は,未決拘禁者が精神的に著しく不安定であることなどにより同事実を告げられても依然として同号に該当することとなることが明らかであるといえる特段の事情がない限り,未決拘禁者及び弁護人等の接見交通権を侵害するものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法となる。
(補足意見がある。)


最近は有料記事になるのが随分早いですね。この時期まで全文で読める物がRKBぐらいしか見つかりませんでした。
訴えていたのは、2009年に刑事事件で福岡拘置所に勾留されていた男性とその弁護士です。
2人は、「男性が騒いで保護室に収容されたことを理由に、弁護士からの接見の申し出を伝えず面会を許可しなかったのは違法だ」として国に損害賠償を求めていました。
1審の福岡地裁と2審の福岡高裁は「拘置所の措置に違法性はない」と判断し、男性らの訴えを退けていましたが、最高裁は、きょう2審判決を破棄し審理を福岡高裁に差し戻しました。
池上政幸裁判長は「精神的に著しく不安定であるなどの事情がない限り、接見の申し出を伝えないことは接見交通権の侵害となる」と指摘しています。


事実認定を見ていきましょう。
(1)上告人X1は,平成20年6月,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件で起訴され,福岡拘置所に被告人として勾留された。
(2) 上告人X1は,平成21年7月23日,福岡拘置所において,「獄中者に対する暴行を謝罪せよ。」などと大声を発し,同拘置所の職員から再三にわたり制止を受けたが,これに従わず,同様の発言を繰り返して大声を発し続けたため,刑事収容施設法79条1項2号イに該当するとして保護室に収容された。


X1は犯罪を犯して逮捕拘留されました。その期間中に大暴れをしたようで、保護室に収容されました。

(3)上告人X1の弁護人であった上告人X2は、面会を申し入れましたが、保護室に収容中であるために面会は認められない旨を告げられました。
(4)逮捕拘留中の被告と弁護人は、面会させなかったのは法に反するとして慰謝料を請求しました。


保護室に収容されている被告人との面会の申出が弁護人からあった場合に,刑事施設の長が保護室への収容を継続する必要性及び相当性を判断する前提として,上記申出があった事実を被告人に告げるか否かは,その合理的な裁量に委ねられており/,この事実を告げないまま,保護室に収容中であることを理由として面会を許さない措置がとられた。として、原審では賠償は退けられました。

これに対して最高裁は
(1) 刑訴法39条1項によって被告人又は被疑者に保障される接見交通権は,身体の拘束を受けている被告人又は被疑者が弁護人又は弁護人となろうとする者の援助を受けることができるための刑事手続上最も重要な基本的権利に属するものである。
さらに、刑事収容施設法31条も,未決拘禁者の処遇に当たっては,未決の者としての地位を考慮し,その防御権の尊重に特に留意しなければならないものとすべき。

まずは裁判を受ける権利ですよね。そのときに弁護士を付ける権利があるので、接見させる権利が認められていると言っています。


(2) もっとも,刑事施設においては,その施設の目的や性格に照らし,未決拘禁者を含む被収容者の収容を確保し,その処遇のための適切な環境及び安全かつ平穏な共同生活を維持する必要がある(刑事収容施設法1条,73条参照刑事収容施設法79条1項2号)・・・保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人等からあったとしても,その許否を判断する時点において未決拘禁者が同条1項2号に該当する場合には,刑事施設の長が,刑事施設の規律及び秩序を維持するため,面会を許さない措置をとることができることを前提としているものと解される。

逝っちゃって大暴れしているのもおり、現にこの逮捕拘禁された人は、他に拘束されている人を焚きつけて大騒ぎを起こしています。到底治安維持が難しい状態だったわけです。こういうときのために保護室があるので、そこも加味しなければならないと言っています。

保護室に収容されている場合において面会の申出が弁護人等からあったときは,未決拘禁者が極度の興奮による錯乱状態にある場合のように,精神的に著しく不安定であることなどにより上記申出があった事実を告げられても依然として同号に該当することとなることが明らかな場合を除き,直ちに未決拘禁者に同事実を告げなければならず、これに対する未決拘禁者の反応等を確認した上で,それでもなお未決拘禁者が同号に該当するか否かを判断し,同号に該当しない場合には,同条4項により直ちに保護室への収容を中止させて刑事収容施設法115条等により未決拘禁者と弁護人等との面会を許さなければならないというべきである。

要するに、大暴れするなら面会させないぞと本人に言え、さらにその事を弁護士にも言えと言っているようです。
まあそうですね。一応手続きは踏まないと。

同拘置所の職員は,本件申出があった事実を上告人X1に告げないまま,保護室に収容中であることを理由として面会を許さなかったものである。
上告人X1は,本件申出の前後にわたり保護室において大声を発していたが,当時精神的にどの程度不安定な状態にあったかは明らかではなく,意図的に抗議行動として大声を発していたとみる余地もあるところ,本件申出があった事実を告げられれば,上告人X2と面会するために大声を発するのをやめる可能性があったことを直ちに否定することはできず,


うーん、言ったか言わなかったかなんて難しいですよね。これはICレコーダーでも用意して伝えたかどうかの証拠でも用意しなければならないのでしょうか。今回は、収容施設職員の勇み足が原因だったのでしょうか。

池上政幸の補足意見
1 刑事収容施設法73条2項は,刑事施設の規律及び秩序の維持という目的を達成するために執られる措置は必要な限度を超えてはならないとする比例原則を規定したものと解され,・・・・被収容者が著しく不安定な精神状態にある場合に限られるものではなく,被収容者が意図的に抗議行動として大声等を発するなどしており,状況に応じてその行動を自制することができる場合であっても,現に同号イからハまでのいずれかに該当し,刑事施設の規律及び秩序を維持するため上記高度の必要性があるときは,保護室に収容する措置を執ることができるものと解するのが相当である。
2 他方,未決拘禁者が刑事収容施設法79条1項2号に該当するとして保護室に収容されている場合であっても,面会の申出が弁護人等からあったときは,刑事施設の長は,保護室収容中の未決拘禁者の中には,上記1のように弁護人等と面会するためであれば大声等を発するなどの行動を自制することが可能な状態にある者も含まれることをも考慮に入れて面会の許否を判断しなければならない。そのため,刑事施設の長は,未決拘禁者が,上記申出があった事実を告げられても依然として同号に該当することとなることが明らかであるといえる特段の事情がある場合を除き,直ちに未決拘禁者に上記申出があった事実を告げなければならないと考えられる。


おっしゃる通り。こいつは精神異常か?と疑うことはあっても施設長も弁護士も医師資格を持っていない限り診断できないので、精神異常を理由とする事は無理でしょう。

今回の判決
第一小法廷
裁判長裁判官 池上政幸  ごもっとも
裁判官 小池 裕
裁判官 木澤克之
裁判官 山口 厚
裁判官 深山卓也

保護室からでも接見できるように建物を改造できないものでしょうか。そこで判断してもらえれば問題は無くなるでしょうに。

当然判決 朝鮮学校への補助金不交付 違法ではない

2018-12-03 20:59:10 | 日記
本日12月3日になっても判決文が公開されないので、おそらくこのまま公開されない可能性がありますが、備忘録として書いておきます。

NHKの報道です。
朝鮮学校を運営する大阪の学校法人が、北朝鮮との関わりなどを理由に大阪府と大阪市が補助金を交付しなかったのは違法だと訴えた裁判で、最高裁判所は上告を退ける決定を出し、学校法人の敗訴が確定しました。
大阪府内の朝鮮学校を運営する学校法人「大阪朝鮮学園」は、北朝鮮との関わりなどを理由に大阪府と大阪市が平成23年度の補助金合わせて1億円余りを交付しなかったことは違法だと訴えていました。
1審と2審は「学校の教育活動として朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会が主催した行事に参加した疑いがあり、補助金を交付する要件を満たしていなかった」などとして補助金を交付しなかったことは違法ではないと判断し、訴えを退けていました。
これに対し学校法人が上告していましたが、最高裁判所第2小法廷の鬼丸かおる裁判長は30日までに上告を退ける決定を出し、学校法人の敗訴が確定しました。


上告を退けるとなっているので、高裁と同じ意見でかつ法解釈に誤りがないとしているのでしょう。
朝鮮学校は、帰国事業の一環で帰国した後に朝鮮で生活しやすいようにするための教育機関であり、日本でいうところの高校ではありません。ここで使われている教科書の解説本「北朝鮮・驚愕の教科書」を読んでみていただければわかるように、かなりの反日的内容でかつ憎悪を煽っています。
それでいて、日本政府に金を出せという根性が分かりません。
むしろ、破防法なりで解散命令を出してもいいくらいだと思っています。

おそらくこの人たちの判断です。
第二小法廷
鬼丸 かおる
山本 庸幸
菅野 博之
三浦 守
大谷直人

参考資料
大阪府 朝鮮学校に対する補助金について(よくあるご意見Q&A)

頑張れ日本!全国行動委員会

兵庫朝鮮学園に対する補助金交付決定に関する住民監査請求の監査結果について

朝鮮学校に対する兵庫県の不当な補助金減額に抗議する研究者有志の声明


一般道でのレース状態で死亡事故は危険運転致死傷罪の共同正犯になる

2018-12-01 07:26:14 | 日記
平成29(あ)927  危険運転致死傷,道路交通法違反被告事
平成30年10月23日  最高裁判所第二小法廷  決定  棄却  札幌高等裁判所


被告人とAが,それぞれ自動車を運転し,赤色信号を殊更に無視して交差点に進入し,被害者5名が乗車する自動車にA運転車両が衝突するなどしてうち4名を死亡させ,1名に重傷を負わせた交通事故について,被告人とAが,互いに,相手が同交差点において赤色信号を殊更に無視する意思であることを認識しながら,相手の運転行為にも触発され,速度を競うように高速度のまま同交差点を通過する意図の下に赤色信号を殊更に無視する意思を強め合い,時速100kmを上回る高速度で一体となって自車を同交差点に進入させたなどの本件事実関係(判文参照)の下では,被告人には,A運転車両による死傷の結果も含め,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条5号の危険運転致死傷罪の共同正犯が成立する


産経新聞の報道です。
海道砂川市で平成27年、車2台で暴走し歌志内(うたしない)市の会社員、永桶弘一さん=当時(44)=ら一家5人を死傷させたとして自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪などに問われた無職、古味(こみ)竜一被告(30)について、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は上告を棄却する決定をした。懲役23年とした1、2審判決が確定する。23日付。3裁判官全員一致の結論。
古味被告は無罪を主張し、谷越隆司受刑者(30)=同罪で懲役23年が確定=との共謀を否認したが、2審札幌高裁は、車2台で競争して高速で交差点に進入し、赤信号を無視する意思を暗黙に通じていたとして共謀を認定。古味被告が上告していた。

既に、HPでの記事検索ができなくなっているので、wikiも参考にしてください。


田舎にいると金の使い方が分からない人たちがいて、得てして車に金をかけたがります。そして夜中に暴走行為を繰り返して、憂さを晴らす人がいたりするもんです。以前は徒党を組んでやっていましたが、目立たないように改造した車でやっていたりします。

実認定を見ましょう。
第1車線を進行するA運転の普通乗用自動車(以下「A車」とい う。)のすぐ後方の第2車線を,普通貨物自動車(以下「被告人車」という。)を 運転して追走し,

要するにAの後を貨物車で追いかけてレース状態になっていた。貨物というとトラックかバンを思い出しますが、改造すると車体が軽い分かなりスピードが出ます。中には軽自動車のエンジンストロークを長くして出力を2倍近くする改造もあるので、本来の登録は貨物車だったにすぎません。

信号機により交通整理が行われている交差点(以下「本件交差 点」という。)を2台で直進するに当たり,互いの自動車の速度を競うように高速 度で走行するため,本件交差点に設置された対面信号機(以下「本件信号機」とい う。)の表示を意に介することなく,本件信号機が赤色を表示していたとしてもこ れを無視して進行しようと考え,

信号機はあって動いていたが、田舎だと車が通らないしブレーキをかけても止まれないから行ってしまえと言ったところでしょうか。

時速約111kmで本件交差点内にA車を進入させ,その直後 に,被告人が,重大な交通の危険を生じさせる速度である時速100kmを超える 速度で本件交差点内に被告人車を進入させた


一般道で100キロ超えは危険ですね。地方の国道はそのくらいで流れていたりしますが。

左方道路から信号に従い 進行してきたB運転の普通貨物自動車(C,D,E及びF同乗)にAがA車を衝突させて,C及びDを車外に放出させて路上に転倒させた上,被告人が被告人車でD をれき跨し,そのまま車底部で引きずるなどし,よって,B,C,D及びEを死亡

運悪く家族連れが乗った車が左から入ってきて、信号無視をした被告が衝突。軽自動車だと当たり方によってはバラバラになりますので、人が外に放り出されたと思われます。その放り出された人を車で引きずったまま逃走し、3人を死傷させたとあります。

原審では
2条5号にいう 赤色信号を「殊更に無視し」たことが推認できるとした上,被告人及びAは,本件 交差点に至るに先立ち,赤色信号を殊更に無視する意思で両車が本件交差点に進入 することを相互に認識し合い,そのような意思を暗黙に相通じて共謀を遂げた上,

明示的な意思の連絡が ない限り,危険運転致死傷罪の共謀は認められないというべきであり,原判決は刑法60条の解釈を誤っているなどという。

つまり、この裁判は「殊更に」はおかしいだろ、別に当人同士で「競争しようぜ」とは一言も言っていないから共謀罪阿成立しないということのようです。


本件交差点の2km以上手前の交差点において,赤色信号に従い停 止した第三者運転の自動車の後ろにそれぞれ自車を停止させた後,信号表示が青色 に変わると,共に自車を急激に加速させ,強引な車線変更により前記先行車両を追 い越し,制限時速60kmの道路を時速約130km以上の高速度で連なって走行 し続けた末,本件交差点において赤色信号を殊更に無視する意思で時速100km を上回る高速度でA車,被告人車の順に連続して本件交差点に進入させ,前記1の 事故に至ったものと認められる。・・・速度を競うように高速度のまま本件交差点を通過する意図の下に赤色信号 を殊更に無視する意思を強め合い,時速100kmを上回る高速度で一体となって 自車を本件交差点に進入させたといえる。

結論
以上の事実関係によれば,被告人とAは,赤色信号を殊更に無視し,かつ,重大 な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する意思を暗黙に相通じた上,共同 して危険運転行為を行ったものといえるから,被告人には,A車による死傷の結果 も含め,法2条5号の危険運転致死傷罪の共同正犯が成立するというべきである。

第二小法廷
裁判長 裁判官 鬼丸かおる 当然
裁判官 山本庸幸 当然
裁判官 菅野博之 当然

まあ当然でしょう。昔の暴走族、今の珍走団(絶滅危惧種)が全盛期だった頃、見知らぬ同士で暴走行為から乱闘騒ぎになる事はよくありました。
20代の人、運転中に煽られたからとムキになって事故を起こすと共同正犯に問われることがあり得ますよ。40代過ぎて煽るバカ、ムキになるバカがいますが、近寄らないのが一番です。