乙女高原での訪花昆虫を去年の夏に行ったら、たくさん記録されたので、今年は季節の初めから調べようと5月から始めました。6月は天気を気にしながら18日に行うことにしました。今回は井上さん、鈴木さん、岡崎さんが参加できなかったのですが、奥平親子が参加してくれたので、前回も参加してくれた芳賀さんと、植原、高槻の5人になりました。私が塩山駅について植原さんの車で乙女高原についたのが10時頃で、説明は抜きで早速始めることにしました。天気はパッとしない曇りでちょっと肌寒いくらいでした。
芳賀さんが「これなあに。ハタネズミ ?」
行ってみるとヒミズの死体でした。
ヒミズの死体
「あ、嬉しい」
ヒミズの顔。小さい目がある。
「ヒミズって、<日見ず>で土の中にいるから太陽を見ないって言うことなんだって」
「へえ」
よくみると、ハエが卵を産みつけていました。
ヒミズの体に産み付けられたハエの卵
私と芳賀さんは前回もペアで調べたので今回もそうすることにし、植原・奥平組と2班に分かれました。
植原・奥平班
草原はレンゲツツジが目立ちました。歩き始めるとキンポウゲが目立ち、その花に昆虫もみられました。ヤマハタザオ、アヤメなども確認しました。
レンゲツツジ
キンポウゲ
アヤメ
ヤマハタザオ
ミヤマニガイチゴ
100メートルの巻尺をはり、記録を始めましたが、花の数が少ないので、あまり記録をするものがありませんでした。特にレンゲツツジは花が多い割には昆虫がいませんでした。ちょっと天気が良くないので、昆虫の動きが良くないようでした。
ルート沿いに歩いているとアマドコロがあって喜びました。花が一定間隔で下向きに並び、その上に葉が規則的に並んでいて、きちんとした感じです。花の先が緑色なのもいい感じです。
アマドコロ
「花の先がスカートみたいにちょっと広がっていて、可愛い」
芳賀さんがいいました。
アマドコロ
少しですがミヤマニガイチゴもありました。それとサクラスミレがまだ残っていました。私たちが調べていると、いかにも花好きと言う感じのご夫婦らしいお二人がカメラを構えて撮影しながら通り過ぎて行きました。
ルートが少しずつ高くなり、ロッジが遠くに見えました。
ロッジを見下ろす
芳賀さんがカメラを構える人に話しかけたら
「花なのかなあ」
とヤマドリゼンマイの胞子茎を指差しています。
「ああ、それは胞子をつける茎で、スギナのツクシと同じです。普通のシダは葉っぱの裏側に胞子嚢をつけるけど、こういう原始的なのは葉っぱと胞子をつける茎が別々になってるんです」
「あ、そうなってるんだ」
尾根に近づくとタニウツギの蕾がありました。アヤメがいくつかあり、芳賀さんが小さなハエがいるのを見つけました。近づいてよく見ると9匹もいました。
「アヤメのアヤって筋のことなんだって。」
「筋?」
「そう、筋。花に細かい線みたいなのが細かくあるでしょう。あれが細かくあるのを綾(あや)目と言うみたい。綾って言うのは筋、線で、話の筋って言うでしょう。つまり文章の流れも筋なわけだ。これは文脈ね。脈も筋です。昔、若尾文子っていたでしょう」
「いた、いた」
「あのアヤコの文は、そういうことですよ。文は<すじ>つまり<アヤ>だから、文子と書いてアヤコ。子供の時、なんでふみこと書いてあやこと読むんだと思ったよね」
とまた5月と同じで年寄りの昔の話になりました。
私は鳥取の育ちですが、訳のわからない話をする人がいると「アヤがない」といいます。つまり論理がないと言うことで、アヤは筋ということです。
そんな話をしていると
「こんにちは」
と挨拶をする人が来て、聞くと角田さん、乙女高原ファンクラブの会長さんということでした。レンゲツツジを見るツアーを計画していてその下見を兼ねて奥様と一緒に来たということでした。