足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1566 ~ 早春の頭高山 ~

2018年04月14日 | 昆虫

観察月日  2018. 3.30.晴 20℃

観察場所  秦野市 頭高山

 

 隧道の上にあがると、秦野市街が山裾まで広がり、大山、

丹沢の山並みが一望出来るビュースポットなのだが、今日

は違った。

 天井は青空に抜けているが、大山丹沢の山並みが黄土色

に汚れ、薄れて見える。「すごい!花粉の雲だ」思わず口か

ら出た言葉。今日の一日は思いやられる。

 山道に入ると、鮮やかなヤマブキの黄色が目に入り、ほっ

とする。ヤマアジサイの夏の花がそのまま残っていて、「私、

ドライフラワー大好き」とRさん。「ハナイカダの小さな雌花が、

葉の上に乗っているよ!」と喜んだりしているうちに、花粉の

事は薄らいできた。

 「アリが忙しそうですよ!」と呼ばれて速足で行くと、石積み

した直角の崖を、クロヤマアリが点々と歩いている。どのアリ

も小さなガの幼虫だったり、ヨコバイの仲間だったり等を持ち

運び、忙しそうだ。クロヤマアリの活動を見ていると、林の中

は昆虫達で賑やかな事が想像できる。

 「春はまだゴンボッパねえさけ、モチグサ入れるけど、ゴン

ボ餅の方が、しっこら、しっこらして、ずっとうんまい」若い頃、

八海山の麓を歩いた時、聞かせてくれた人の顔が、ハバヤ

マボクチの若葉の向こうに見えた気がした。

 歩く度にミヤマセセリが飛び立つ。そろって蛹から羽化した

のだ。見上げると、食草のコナラ・クヌギの芽が光っていた。

 「すごい花粉だ」思わず声が出た!

ヤマブキ

「アリさん 大忙し」

頭高山への道 

ハバヤマボクチ 

フデリンドウ

ミヤマセセリ ♂

ミヤマセセリ ♀

だから ミヤマセセリ が そろって羽化したのだ!