足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1518 ~ ダイミョウセセリ幼虫の行動 ~

2017年09月11日 | 昆虫

観 察 月 日   2017.8.29.晴 29℃

観 察 場 所   清川村 宮が瀬

 水平に伸びている枯れ木の枝に、オニドコロの雌株が茎

をからませている。葉の付け根から花序が垂れ下がり、元

から花を開き、早いものは果実になり、先に行くに従って花

は蕾になっている。

 その機能的な美しさに見とれていると、裸身の芋虫が辺り

を気にせず、一心に葉を食べているのに目が張り付いた。

 それは、ダイミョウセセリの幼虫で良く見ているものだが、

その場が違い、オニドコロやヤマノイモの葉と葉の一部を

千切り綴って合わせ作った、隠れ家の中に潜んでいる所だ。

 芋虫には特に狙っている天敵が多く、ダイミョウセセリの

幼虫は、逃れる手段に隠れ家を選んだのであろう。

 大山丹沢山麓を歩いていると、オニドコロ等の葉を綴った

隠れ家を見掛けるが、私たち人間には返って目立ち安く、

中を覗いて見たくなる顔馴染だ。しかし、天敵の横行して

いる日中に、堂々と葉を食べているのに出会ったのは初

めてだ。

 オニドコロの葉に直角に大顎を当て、円を書きながら滑

る様に、葉は消えて行く。幼虫が餌を食べるには、先ずは

気溌物質?で適しているかを確かめ、大顎での咬み切り

の具合、喉の通過など、幾つかの過程が必要と言われる

が、すごいスピードだ。

 それが止まったと思ったら、瞬時に茎を登り始め、何の

迷いもなく“アッ”と言う間に、自分の隠れ家に潜り込み、

動きは止まった。迷わず、一直線に自分の隠れ家に

行けたその秘策は、解りますか。

オニドコロに見とれていた。

ダイミョウセセリの幼虫。

昼なのに 周囲を気にせず 葉を食べる。

茎を登り始めた。

そして 隠れ家にもぐりこむ。

隠れ家。糸で葉を止めてあるのが見える。

葉の裏に 穴が。

ダイミョウセセリ