足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1303 ~ コケを食べたアトリ ~ 

2015年02月28日 | 野鳥

観 察 月 日  2015.2.13 晴 10℃

観 察 場 所  秦野市 弘法山

 

 尾根筋の馬場道を行くとそこだけ広くなり、年を重ねたソメイヨシノ

が何本か植えられている。ここは数年前に歩いた時コサメビタキが

来ていて、レンズの砲列に出会った場所だ。そんな事が頭を横切り

前方を見ると、今日も長いレンズをサクラの上方に向けている人達

がいた。

 「今日は何が?」と、私もレンズを向けると“頭が黒、嘴が黄色、

胸が褐色”の飼鳥を思わせるキレイな鳥が目に飛び込んで来た。見

上げているので背の色や模様は見えない。

 「アトリだと言ってますよ」後からRさんが私に声を掛ける。

 頭が黒いのは♂の夏羽だが、今は2月。夏羽がまだ残っているのか

、それとも夏羽に変わり始めたところなのか。初めてなので戸惑った。

 アトリに初めて出会ったのは20年も昔。暮も押し詰まった12月の事、

丹沢山に登った時だ。蛭ヶ岳へ続く尾根道がキレイに見えた。その時、

何十羽ものアトリの大群が目の前を旋回し、ブナ林の雪面に降りた。

飛び去った後大木の根元に行くと割れたブナの実があり、無数の足跡

が残されていた。

 今見ているアトリは6羽程の小群だ。サクラの幹にいるが、老木の様

で緑のコケ蘚苔類が付いている。そこに何かあるのか、盛んに突い

ている。双眼鏡で確かめるとコケが口から溢れている。アトリは冬鳥だ。

巣材を集めている訳ではないだろう。それでは、餌として食べている様

だ。今までに、コケをたべる野鳥の話を聞いた事はないのだが。

サクラの木のある広場。

アトリの♂(夏羽?)であった。

アトリ♀

コケの付いたサクラの幹を 盛んに突いている。何をしているのだろうか?

 よく見ると コケが嘴から溢れてている。

コケ(蘚苔類)を 食べているのだ。 幹にコケを剥がした痕が見える。

                        * コケを食べる野鳥の話は 聞いた事がないのだが?