足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1232 ~ オクチョウジザクラ と チョウジザクラ ~

2014年04月30日 | 植物

観 察 月 日  2014.4.16日 晴 15℃

観 察 場 所  南魚沼市 六日町

 3月ともなると丹沢大山山麓では、チョウジザクが花を開く。まだ

芽吹いていない木々の中に、この花に出会うと私は嬉しくなる。サ

クラと言っても、花一面のソメイヨシノや、紅い若葉と花を愛でるヤ

マザクラとは違い、蕚筒は細長く、大事な花弁は6~8mmと小さく、

花付きも疎らで目立たない。山道の傍を占める低木の藪の中にあっ

たりすると、山歩きを目的としている人の目には止まらないだろう。

 本州の中央山地を略境に、太平洋側にはチョウジザクラがあり、

日本海側には雪国特有のオクチョウジザクラがあり住み分けている。

 以前六日町の人に、「坂戸山に登る」と言ったら、「この時期はヤマ

ザクラが綺麗ですよ」と言われた。どんなサクラが見られるのか楽し

みに登った。

 山頂付近の尾根道に出ると、チョウジザクラに似て花弁の大きな

サクラが、タムシバの白い花と疎らに茂り、それは綺麗であった。

 丹沢大山山麓で馴染みのチョウジザクラの花と似て蕚筒は細長く、

白や淡紅色の花弁は10mm程と大きく花付きも良く綺麗だ。樹形は

根元から枝分かれして他の低木と藪を作っている。

 六日町の人から聞いた「ヤマザクラ」はこの尾根を飾る「オクチョウ

ジザクラ」の事かと思いつつ花に見とれていると、その遥か下に、

六日町の街並みと残雪の山々の景色が広がっていた。

丹沢大山山麓のチョウジザクラ

花弁は小さく目立たない

蕚筒は7~10mmと細長く、花弁は7~10mmと目立たない。

低木の藪の中にある事が多い

坂戸山山頂付近の尾根道より六日町と山並みを望む。

オクチョウジザクラ だ!

花弁が10mmと大きくよく目立つ。

蕚筒は8~10mmと細長い。

山頂付近の尾根道には、タムシバとオクチョウジザクラが多くきれいだ。

六日町と反対方向を見る。遥か先が巻機山なのだろうか。