足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

   No.906   ~ ハギに来るチョウ ~

2010年10月09日 | 植物
   

   ツバメシジミ産卵



日 2010, 10, 5  晴れ 25℃ 

所 厚木市 七沢

今、県自然環境保全センターでは、正門から玄関までの数10m
の道に、しな垂れるハギの花が満開だ。

 花にはチョウが訪れ、キチョウ、ウラナミシジミ、ルリシジ
ミ、ツバメシジミ等が飛び回っている。

 小さな貝はシジミガイ、小さなチョウは総称してシジミチョ
ウと呼ぶ。今日はその中でも、後翅にひらひらする尾状突起を
持つ、ツバメシジミが目立った。

 成虫のチョウは、花弁の間にストローを入れ蜜を吸う暮らし
をしているが、この季節は、チョウの時代だけでなく総ての時
代をハギに頼っている。

 チョウの飛ぶ先を追うと、花ばかりではなく、穂状に付いた
蕾に興味を示して止まる。前足で確かめると腹を曲げ、蕾と蕾
の間に差し込み卵を産みこむ。腹の先端に目が在る訳はないが、
精巧な感覚器が在るのだろう。小さな卵をルーペで見ると、細
かな造形があるのに驚いてしまう。孵化した幼虫は、花や芽な
どを食べ、ハギに依存して成長するのだ。

 


No.905  ~ ペインテッド・レディ ~

2010年10月09日 | 昆虫







 2010102 晴 25

所  町田市 木曾町

あれ、アカタテハですか?」

 土がむき出しになる程強く刈り込まれた広場の上を、なめる様に飛ぶ
一匹の赤いチョウがいた。

 羽の模様をよく見ると、赤色ではなく黄色を加味した柔らかな色合い
で、ヨーロッパでは“ペインテッド・レディ”(お化粧をした貴婦人)
と呼ばれている、やや小形のタテハチョウのヒメアカタテハであった。 

 境川は町田付近では、相模台地を削りながら蛇行を繰り返していたも
のを、河川の改修により所々広場が生まれたらしい。そこには、イネ科
の植物を始め、餌草であるホウコグサ、ヨモギ等が生え、その上を飛ん
では止まり、止まっては飛びの繰り返しは、産卵行動なのだ。

 夜、パソコン画面を見ると、ヨモギの若苗に止まり、腹を曲げ葉裏に
卵を産んでいる様子が写し出された。

 「こんな小さな苗では、孵化した幼虫はすぐに食べ尽くしてしまう」
と呟いたが、彼女は“卵を産みなさい”と言う体内指令のままに行動し、

しかもそこに留まることなく、次の草原を求めて旅立つジプシイーなの
である。