ルーツな日記

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フジ予習:ネヴィル・ブラザーズ

2009-07-20 19:43:17 | フジロック
THE NEVILLE BROTHERS / WALKIN' IN THE SHADOW OF LIFE

私が今年のフジで最も楽しみなアーティスト、それはネヴィル・ブラザーズ。昨年JCBホールで観たばかりじゃないですか~。いや、屋内と野外では全然違うのです! 私が初めてネヴィルズを観たのは日比谷野音でした。それは木々の匂いと、心地よい風を感じながら、まるで音と熱気が空に溶け合うような濃密且つ開放的なヴァイヴに包まれる、素晴らしいコンサートでした。何しろネヴィルズと言えば、毎年、ニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァルでメインを務める、屋外のスペシャリストなのですから! 今回は私にとってもその日比谷野音以来、10数年振りに野外のネヴィルズを観ることになります。おそらく苗場の山と木々と風と夜空と、何もかもに共鳴するような、素晴らしいステージになることでしょう! 本当に楽しみです!

しかしそれにしても今回のファンキー・ミーターズとネヴィルズのフジ出演には正直驚きました。前回の来日の際、長兄のアート・ネヴィルは足か腰が悪いようで、それは杖を持ちながらも介添えがないと自由に歩けない程に見えました。その時はもうネヴィルズの来日はこれが最後になるかも…。と思ったのです。それがまさかの翌年フジ出演! しかもそのアートは23日に東京でファンキー・ミーターズ、苗場へ行って24日にネヴィルズ、さらに25日にファンキー・ミーターズという移動込みの3日連チャン。大丈夫なのでしょうか?と心配する一方で、どんだけ元気なんだ?と驚かされました。実際、昨年の来日ステージでもそんな心配をよそに、アートのリード・ヴォーカル曲は予想以上に多かったですし、オルガンでも存在感を発揮していましたから、足が不自由なこと以外は、案外絶好調なのかもしれませんね。

がしかし、今回の来日では、アート・ネヴィル以上に心配なのが、末弟シリル・ネヴィルなのです。つい最近になって「ブルース銀座」さんのブログで知ったのですが、丁度フジロックの頃、シリル・ネヴィルは自身のバンドを率いてアメリカをツアーしているそうなのです。シリルのMySpaceを覗いてみますと、確かにフジ当日を含むその前後のスケジュールは完璧に埋まっています。ちなみに24日は「Pittsburgh Blues Festival」、前日の23日は「The Sellersville Theater」での単独ライヴとなっています。「Pittsburgh Blues Festival」ってフジロックの間違いじゃないの?ってそのフェスのサイトをチェックしてみますと、残念ながらシリル・ネヴィル & TRIBE 13 の名がしっかりとアナウンスされています。これ、どうなんですかね? シリルは来ませんよね…。それともなにか人知を超えたミラクルを起してくれるのか? う~ん、かなり厳しい。この時期になってもフジ公式サイトにおけるネヴィルズのアーティスト・データが何故空白なのか?という点も何となくこれで合点がいったり…。

あ~、ネヴィルズの中でも最もロックな男が来ないとなると、やっぱり残念。シリルが来ないということは、前回のライヴで最も激しく盛り上がり、数々のブログでこれぞネヴィル・ブラザーズと絶賛されていた「Tipitina 」と「Big Chief 」も無いってことですよね~? シリルが客席を煽りに煽り、カーニヴァル・モードなパーカッションの連打で会場の熱気を鷲掴みにし、一気に興奮の坩堝に叩き込んだ、あの瞬間を苗場で再び体験するのを楽しみにしてたんですけどね~。しかも大ラスの「People Get Ready」も無いということですか?嗚呼…。

でもこれはシリルのスケジュールから推し量った憶測にすぎません。フジロックの公式サイトでは来日メンバーについて、何もアナウンスしていない訳ですから、蓋を開けてみなければ分かりません!! 何かの間違いかもしれませんし、案外強行可能なスケジュールなのかも知れません…。仮にダブル・ブッキングだったにしろ、今、その調整をとっている最中とか…。とにかく4人揃って来てほしいです! でも万が一シリルが来れなくても、「ブルース銀座」さんのスクープのおかげで、あらかじめその覚悟が出きています。当日は3人のネヴィル・ブラザーズといういつもと違う味わいを楽しみましょう。

それにしても来日メンバーがいまだに未発表っていうのも落ち着かないですよね~。バック・メンバーは誰が来るのかとやきもきしていたところでまさかのシリルという落とし穴ですから。ドラムスのウィリー・グリーンは来るのでしょうか?彼はネヴィルズのライヴの支柱ですからね~。彼の強烈なドラミングが苗場の山々にこだまするのがホント楽しみです。それとアーロンの息子アイヴァン・ネヴィルは? 昨年も来なかったから無理ですかね~。仮にシリルが来なかったとして、そのファンキーの穴を埋められるのはアイヴァンしかいないと思うんですけど…。今回はイアンもいることですし、第2世代の二人が揃って「WALKIN' IN THE SHADOW OF LIFE」(写真)のような骨太ファンク・モードを観せてくれれば、嬉しいんですけどね~。ま、どんな形のネヴィルズが来ても、最高のライヴを見せてくれるであろうことは間違いないんですけどね!

さて、現在バッファロー・レコーズの通販で、今年のニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァルの音源を収めたLive at Jazz Fest シリーズ”というジャズ・フェス公認のライヴ音源が発売されています。ニューオーリンズ好きには垂涎のラインナップですが、ネヴィルズ関係もいくつかあり、フジ予習にぴったりです。






THE NEVILLE BROTHERS / LIVE AT JAZZ FEST 2009
まずは本家ネヴィル・ブラザーズ。ブートレッグ並みの音質ではありますが、最新の、しかもホームでもあるジャズ・フェスでのネヴィルズが聴けるのですから、本当にありがたいです。「Congo Square」にはじまり、「Fiyo On The Bayou」「Tipitina」「Fever」と同じみの曲が続きます。ウィリーのドラムスとアートのオルガンを軸に、音と音とが粘りながら絡み合う唯一無比のグルーヴが凄い!さらにアート,シリル、アーロン、それぞれの歌声とハーモニー、さらにチャールズのサックス。もちろんアートの声は弱くなっているかもしれません、アーロンのファルセットも昔のようにはキレていないかもしれません。それでもこれぞ、ネヴィルズなのです!「Fiyo On The Bayou」での重心の低いファンクネス。ホール&オーツの「Sara Smile」という技ありの選曲、熱血漢シリルが爆発する「Big Chief」、ニューオーリンズ・クラシック「Aiko Aiko」、アーロンの甘い歌声に包まれる「Tell It Like it Is」、最後は感動の「Amazing Grace」。ネヴィルズにしかあり得ない強力ライヴです。流石は世界最強ライヴ・バンドと言われる凄さです!


AARON NEVILLE GOSPEL / LIVE AT JAZZ FEST 2009
アーロンのソロ・ライヴ。これも一度観てみたい。1曲目の「Stand By Me」はなんか声に元気が無い印象ですが、尻上がりに調子を上げていき、中盤以降は完全にアーロンの世界にどっぷりです。多少の衰えをものともせずに素晴らしい「A Change Is Gonna Come」。ゴスペル・ライヴらしくスピリチュアルに美しい「Our Father Who Art In Heaven」に「Ave Maria」。特に「Our Father Who Art In Heaven」は良いですね~。一度こういうのを生で聴いてみたいです。ネヴィルズではやらないでしょうね~。躍動感溢れるバックの演奏も素晴らしい「I Saw The Light」。このバックにはチャールズ・ネヴィルやマクニ・フクダのネヴィルズ組もいるようです。そして18番「Amazing Grace」。この曲の入り方、大好きです。またネヴィルズとは違い、チャールズのサックス・ソロが入るところが泣けます。案外、全編通しでチャールズは美味しいです。ラストは意外にもノリノリで「When The Saints Go Marching In」。このライヴ、生で観たら感動的だったでしょうね。アーロンのソロ・ライヴは一度、ちゃんとした音質でオフィシャル・リリースしてもらいたいですね~。それと、アーロンのMySpaceにはちゃんと24日はフジロックが記されているのでご安心を。



THE METER MEN / LIVE AT JAZZ FEST 2009
ネヴィル・ブラザーズの前身、ミーターズのオリジナル・メンバー、ジョージ・ポーター・ジュニア(b)、レオ・ノッセンテリ(g)、ジガブー・モデリステ(ds)によるスペシャルなライヴ。何故かアート・ネヴィルは不参加。だからMETERSではなくMETER MENなんでしょうね。ま、ネヴィルズの予習にはならないかもしれませんが、ファンキー・ミーターズも来ることですしね。やっぱりジガブーは凄かった!



~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

*昨年の来日公演レポート*
 08.10.30 ネヴィル・ブラザーズ@JCBホール 1(10月28日)
 08.10.31 ネヴィル・ブラザーズ@JCBホール 2(10月29日)
 08.11.02 ネヴィル・ブラザーズ@JCBホール まとめ

*昨年の来日に向けた予習特集*
 08.10.28 アート・ネヴィル
 08.10.26 チャールズ・ネヴィル
 08.10.25 シリル・ネヴィル
 08.10.24 アーロン・ネヴィル


*フジロック予習特集*
 09.05.16 フジ予習:ファンキー・ミーターズ part 1
 09.05.21 フジ予習:ファンキー・ミーターズ part 2




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