本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事

2017-04-15 16:26:13 | Weblog
■本
27 部下が「うつ」だと言いだしたら読む本/土岐 久美子
28 村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事/村上 春樹
29 日本の身体/内田 樹

27 同じ主張が言葉を変えて何度か繰り返されているので冗長な印象が残りますが、「会社は働くところ」という視点から「業務ができているかどうかを正しくジャッジすること」と「今元気に業務ができている人を不調にしないための予防策を取ること」、に絞った提案は、具体的で参考になります。また、会社にいるときだけ抑うつ状態になり、休日時にはアクティブに活動できる、いわゆる「新型うつ」に対する、クールな視線も印象に残ります。タイトル通り職場の「上司」を守るための視点で書かれている部分が多く、とかく対策が網羅的に提示されがちなメンタルヘルス関連書籍の中で、「上司」がやれること(医師ではないので病気自体に対処する必要はない)に限定されている点はユニークだと思います。

28 「騎士団長殺し」で勢いがついたので、引き続き村上春樹さん関連本を読みました。村上さん自身による過去の翻訳作品の振り返りと翻訳についての柴田元幸さんとの対談が中心の内容です。村上さんが楽しんで翻訳をしているということと、全作品を訳したレイモンド・カーヴァーに対する愛情と尊敬が随所から伝わってきて、結局、人間は「好きなことしか頑張れない」ということを再認識しました。その好きなことが、「翻訳もこなす小説家」という独自の地位を築き、また、翻訳から学ぶ中で小説家に必要なスキルを強化していくという、図らずも優れたビジネス戦略となっている点にも驚かされました。家に積んだままになっている村上さん翻訳の「長いお別れ」を読んでみようと思います。

29 内田さんが茶道、能楽、文楽、合気道といったその道の一流の人々と「身体」について対談した内容をまとめた本です。注が丁寧に付けられているものの、専門用語が多く若干取っつきにくかったです。一方で語り口はいつもの軽快な内田節で、アクロバティックな論理展開にも妙な説得力があります。ただ、私がその分野の知識に乏しいためか、いつもより我田引水的な印象も残り、なかなか微妙な読後感です。私自身、齢を重ねて身体の節々が痛むようになってきたので、仕事をしているとどうしても頭でっかちになりがちですが、自分の身体とも十分に対話し姿勢を正して生活していかねば、という気持ちにはなりました。


■CD
18 Unplugged/Alicia Keys

 最近、CDを買っていなかったので、安くてクオリティの高いものということで購入しました。Alicia Keysが2作目「The Diary of Alicia Keys」の次にリリースしたMTVアンプラグドを収録したライブ盤です。彼女のイメージを決定づけた都会的な大ヒット曲「No One」発表前の時期だけあって、土臭さと洗練さが絶妙にブレンドされた初々しさも残る素晴らしいライブ盤です。このあと、どちらかと言えば技巧的なメロディを極めていく方向になっていきそれはそれで大好きなのですが、この時期の才気が迸ったパワフルなグルーヴ感も魅力的です。マルーン5のアダムをフィーチャーした「Wild Horses」のカバーも素晴らしいです。


■映画
21 はやぶさ/HAYABUSA/監督 堤 幸彦

 小惑星イトカワのサンプルを持ち帰った探査機「はやぶさ」とその関係者の奮闘が描かれた映画です。「はやぶさ」が大ブームとなったことは知っていましたが、細かい事実関係を知らなかったので勉強になりました。竹内結子さん、西田敏行さん、髙嶋政宏さん、佐野史郎さんといったメインキャストはとても豪華ですし、「はやぶさ」を応援するガヤ的なチョイ役に蛭子能収さん、生瀬勝久さんら個性的な出演者を揃えて楽しませてくれます。同時期に「はやぶさ」をテーマにした作品が3本も公開されたので仕方がない面があると思うのですが、独自性を出すための脚色が少し過剰な気がして、「はやぶさ」やその関係者の功績を素直に実感したいという方には、若干不満が残る作品かもしれません。
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