本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

絆のはなし

2007-11-25 22:39:16 | Weblog
■本
88 伊坂幸太郎×斉藤和義 絆のはなし 伊坂 幸太郎 斉藤 和義

 伊坂幸太郎さんのことはほとんど知らないのですが、「ベリー・ベリー・ストロング」があまりにも格好よかったので、衝動買いしました。長年、斉藤和義さんのファンでありながら、実は斉藤さんのプライベートについてはほとんど知らなかったので興味深く読めました。斉藤さんのライブには一度しか行ったことがないのですが、その際のMCと同じく、飄々淡々とした語り口です。一方、伊坂幸太郎さんはすごく癖の少ない人のような印象を受けました。一度、作品を読んでみたいです。


■CD
・Long Road Out of Eden/The Eagles

 悪くはないですが、2枚組みは長すぎるかなっという印象です。長すぎてまだ聴きこめていません。いい曲と凡庸な曲の差が激しいかも。ドン・ヘンリーの声が聞けるだけで、満足してしまう曲もありますが。

・As I Am/Alicia Keys

 才気迸る傑作です。ブルース、ゴスペル、カントリーやR&Bなど伝統的な音楽的要素を正統的に踏襲しているようでいて、何か新しい、これまでに聴いたことのない要素を盛り込んでいるところがすごいです。前2作の初々しさと違い貫禄がでてきました。Kanye Westの「Graduation」と双璧をなす、今年の代表作です。


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タロットカード殺人事件

2007-11-17 18:31:31 | Weblog
■本
86 ゲームニクスとは何か/サイトウ アキヒロ
87 ヤバいぜっ!デジタル日本/高城 剛

86 着眼点もユニークですし、説得力もあります。ゲームの成功要因といった暗黙知を体系化しようとする考え方も非常によいと思います。ゲームニクスを用いることがサービスや商品開発成功の必要十分条件とは思いませんが、必要条件になってくるとは思います。サービス開発にかかわっている方にお勧めの一冊です。

87 自分の業績に対する自慢とクリエーターを賞賛しすぎな点が少し鼻につきますが、こちらも着眼点はユニークですし、大筋で時代の流れを読み間違えてはいないと思います。今後のデジタル化の世の中の流れを把握する上では参考になる本です。著作権の扱いについては、筆者の言うような流れ(保護から開放へ)は避けられないと思います。


■映画
38 タロットカード殺人事件/ウディ・アレン

 こじんまりとした作品ですが、会話のテンポがよく、ギャグや毒がさりげなく効いていて、近年のウディ・アレン作品の中では一番好きです。ウディ・アレンが脇にまわってスカーレット・ヨハンソンの魅力を引き出そうと、いつもより控えめな演技をしているところもよいです。スカーレット・ヨハンソンは少し抜けた学生を熱演し、コメディエンヌとしても通用するところを見せていますが、やはりエロさが勝ってしまいます。謎ときとしては予定調和ですが、ウディ・アレン自らが演じる主要人物の最後の扱いは期待を裏切っていて、さすがウディ・アレン、一筋縄ではいかないと思わせます。
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ホームレス中学生

2007-11-10 08:16:59 | Weblog
■本
84 ホームレス中学生/田村裕
85 情報大爆発/秋山 隆平

84 麒麟の田村さんが書いた話題の本を読みました。死んだお母さんに対する溢れんばかりの愛情、助けてくれた兄姉や近所の人たちに対する強い感謝、さらに、実質上捨てられたに等しい父親に対しても親孝行させて欲しいと語るなど、どこまでもポジティブでやさしい感情に溢れた作品です。僕は基本的にネガティブな人間なので、「どこかの宗教団体と組んでいるのか?」と穿った見方をしてしまいましたが、過酷な実体験が生々しいだけに、ここまでプラスの感情で押し切られてしまうと、やはり感動してしまいました。まきふん公園が比較的近くにあるので行ってみたいと思います。これはドラマ化されそうな気がします。

85 プレゼン形式で読みやすいのですが、内容は深い本です。正直、理解できないところもありました。広告代理店の方の意見としてのバイアスは考慮して読む必要があると思いますが、自分の立ち位置を明確にしての意見なので、そういう意味では誠実な本だとも言えます。よくあるビジネス本のように自分の経験からのみだけ論じているのでなく、筆者の言うクロスアイでさまざまな事象を元に客観的に書かれているので、深みと説得力もあります。逆に、大学の先生の書かれる本などと比べれば、論理的に飛躍している箇所も多々あるのですが、ここはプレゼン形式の本なので、ご愛嬌だと筆者も織り込み済みなのかもしれません。

■映画
36 300/監督 ザック・スナイダー
37 ゴーストライダー/監督/マーク・スティーヴン・ジョンソン

36 格闘シーンなど映像はすごく格好いいのですが、見せ方がワンパターンで次第に飽きてきます。格闘シーンに絞ってシンプルな映画にしたいという意図は評価できますが、それにしてもストーリーは紋切り型で凡庸。正直なぜここまでヒットしたのかわかりません。無駄に長い歴史映画が多い中、上映時間が2時間を切っているところは評価します。

37 これまた微妙な作品。1周まわって脱力物のB級コメディとしてとらえるとそれなりに楽しめますが、アクションホラーとして見ると完全に失敗作。たぶん、チープな雰囲気が残る娯楽大作にしたかったのだと思いますが、ニコラス・ケイジはミスマッチでは。ヒロインも魅力がないですし、最後の敵もすごくあっけなく弱いし。脇役の老優(メフィストと墓守の人)が好演しているところが救い。
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中島らもさん

2007-11-04 06:19:17 | Weblog
■本
83 らも―中島らもとの三十五年/中島 美代子

 中島らもさんのエッセイによく登場する、自宅に多数の居候がいて乱痴気騒ぎしていた時代や小説家になってからの「ほとんど家に帰っていない」という記述を読む度に、奥さんはどれだけ寛容な人なのだろう、と常々疑問に思っていたので、奥さんが語るらもさんについての本作を読みました。かなり悲惨な夫婦生活なのに、「この人は不感症なのでは?」と思うほど、黒い感情を抑えたポジティブな内容なのが、かえってその夫婦生活の闇の深さを感じます。一時、らもさんの公私とものパートナーであったわかぎゑふさんへのアンビバレントの気持ちが痛いです。82の村上春樹さんのエッセイに「我々が小説を書こうとするとき、つまり文章を用いて物語を立ち上げようとするときには、人間存在の根本にある毒素のようなものが、否応なく抽出されて表に出てくる。作家は多かれ少なかれその毒素と正面から向かい合い、危険を承知で手際よく処理していかなくてはならない。」という記述がありますが、村上さんは走ることによって、その毒素に対処する自己免疫システムを強化し、らもさんは文字通りアルコールやドラッグといった毒素を取り込むことにより、このような毒素に立ち向かっていたのだな、という気がしました。そういう点では、クリエーターとしてらもさんが最も旺盛に活動していた時期に、そのような毒素と立ち向かうだけの、野心と強い免疫を持つわかぎゑふさんをらもさんがパートナーとして選んだのもある意味必然だったのかもしれません。らもさんが、作家としての自己免疫システムを自身で(かなり心身の健康を犠牲にしながら)確立した時点で初めて、わかぎゑふさんと別れ、美代子さんの元に帰って来たのだという気がしました。中島らもという巨大すぎる才能を持つからあふれ出る毒素に魅入られ、翻弄された妻の人生として本作を読むとまた、感慨深いものがあります。
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